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DEMONBANE-SEED_獣と種の人_01

Last-modified: 2013-12-22 (日) 19:33:52

CE70・・・・・・。『血のバレンタイ』の悲劇によって、地球プラント間の緊張は、一気に本格的武力衝突へと発展し、戦局は疲弊するだけで、月日は既に10ヶ月が過ぎ11ヶ月に差しかかろうとしていた。




そして、最古の魔導書を従える邪神の神子は、神子としてではなくただ人として存在する為だけに、その絶大な魔力を利用して、規格外なまでの能力の大半を封印していた








「マスター、お茶が入りました」

「すまぬな、エセルドレーダ」

少年が机に置かれたティーカップを取ろうと手を伸ばそうとした所で、ヘリオポリスが突然揺れるが。

「地震であるはずが無い以上、ザフトの攻撃といった所か」

そのままティーカップに手を伸ばしながら呟く

「そう思われます、マスター。いかがなさいますか?」

「無限螺旋から開放された今、僕達を脅かす物は何も無い。今は只、人間の醜さも美しさも、共に見ていこうエセルドレーダ」

右手でティーカップを口元に近づけながら、左手でエセルドレーダを抱き寄せ、エセルドレーダの髪を撫でながら言う

「イエス、マスター。共に生き足掻く命たちを笑いながら、憧れながら、今は過ごしていきましょう」

髪を撫でられながら、エセルドレーダは目を閉じ両腕で強く少年に抱き付きながら言う

「ではシェルターに向かうぞ、エセルドレーダ」

「・・・・・はい」

少年の言葉を聞いたエセルドレーダは、渋々ながらその両腕を少年から放し、二人でシェルターに向かって歩き始める



近い場所に有ったシェルターが満員だった為少しずつ遠い場所にあるシェルターに向かって歩いて行っていた

「マスター、此処も満員で受け入れられないとの事です」

「ご苦労。ならば、MSを戯れに入手してみるのも一興か・・・」

そう言うアレイスターの目線の先には、一機のジンが周囲を警戒しながらうろついていた

「どうなされるのですか?マスター」

「人として存在する為に力を制御しているとは言え、魔力で強化した我が一撃ならば容易く破壊してしまう・・・」

「リベルレギスを使えば、無傷で確保出来るかもしれませんがいかがいたしましょう?」

「そうか、まかせる」

「はい。全てはマスターの思いのままに」

そしてエセルドレーダは一人ジンに向かう





周囲を警戒していたジンのパイロットは、突如得体の知れない恐怖を感じ、急いで機体に背後を振り返らせソレを見た

「・・・あっ!!」

目の前にある物が理解出来ず、怯えながらソレを見る

紅と黒、独特カラーで創られながら、身体の至るところが破壊された姿でありながら、それは己が乗るジンよりもなお、巨大

鮮血を浴びたが如き、紅の装甲に身を包んだヒト型

ソレは竜の翼を閉じて佇む、傷だらけの悪魔

ソレは荘厳にして絢爛、紅の装甲によって象られた傷ついた機械の神

ソレはソレはソレはソレはソレは・・・・・・人を模した恐怖の具現

「あぁああっ、あああああぁぁぁぁ!」

あまりの恐怖により身体が動かず、その恐怖は狂う事すら許さない。逃げる事も出来ず、狂う事すら出来ずソレを見続ける

「今すぐ死ぬか、機体を置いて帰るかを選びなさい」

紡がれたのは幼い少女のような声。その言葉を理解してからコクピットを開け、周囲を見渡すが先程の機体は影も形も無く、ただ数十m前方の道路に一人の少女が立っているだけだった。


しかしそんな事よりも、先程感じた恐怖から逃げる事が大事だったのか、ジンのパイロットはそのまま機体から出て、ヘリオポリスの外にあるであろう、自分の所属する艦に向かって帰って行った。


そして、その時持ち帰ったデータディスクは、クルーゼの手に渡り、そこからデュランダルの手に渡る事となる



帰っていくパイロットを遠目に一瞥すると、自分の元に帰って来た少女に目を向ける

「ご苦労、大儀であった。エセルドレーダ」

「御心遣い感謝致します、マスター。今からあの玩具に乗られるのですか?」

パイロットが居ないジンを指差しながら言う

「そうなる。機体のシステム変更を頼んだぞ、エセルドレーダ」

「イエス、マイマスター。全てはマスターの思うがままに」

少年がジンのシートに座り、少年はエセルドレーダを膝に座らせる。そして少年の膝に座ったエセルドレーダが機体の設定を凄まじい速度で書き換えて行く

「マスター、コレの識別信号と色を変えても構いませんか?」

「任せる。・・・・だが、コレがMSか」

感慨深そうに呟く

「どうされたのですか?マスター」

「MSに乗るのは始めてでな、操縦方法がわからんだけだ」

その言葉を聞いたエセルドレーダは、機体カラーを己の術式を改変して黒と紅に変えると、甲斐甲斐しく少年に一つずつ丁寧に教えていく。その顔には、何事にもかえ難い喜びの笑みを浮かべながら










「私はマリュー・ラミアス。地球連合軍の将校です。申し訳ないけど、あなた達をこのまま解散させるわけにはいかなくなりました」

キラ達に銃を突きつけ、ラミアスは目の前にいるキラ達に向かって言う

「「「「「えー!?」」」」」

当然の如く、何故そうなるんだと異論を言いたくて仕方が無いといった感じで、全員の声が重なる

「事情はどうあれ軍の重要機密を見てしまったあなた方は、然るべき所と連絡が取れ処置が決定するまで私と行動を共にしていただかざるを得ません」

「冗談じゃねぇよ!なんだよそりゃ!」

「従ってもらいます!」





自分に向けられる異論に対し、強い口調で言い返す

「僕たちはヘリオポリスの民間人ですよ?中立です!軍とかなんとかそんなの、なんの関係もないんです!」

「そうだよ!大体なんて地球軍がヘリオポリスに居る訳さ!そっからしておかしいじゃねぇかよ!」

自分達は何も関係が無い、そう思う考えから口々に文句を言う

「黙りなさい!何も知らない子供が!中立だと関係ないと言ってさえいれば、今でもまだ無関係でいられる。まさか本当にそう思っている訳じゃないでしょう?ここに地球軍の重要機密があり、あなた達はそれを見た。それが今のあなた達の現実です!」


「ちょっと、それよりアレッ!!」

そのようなやり取りをしていた時、ミリアリアが此方に向かって来る一機のジンを見つけ、指を差す。数キロ程離れた場所から、紅と黒のカラーリングのジンが此方に向かって来ているのが見えた


「真逆っ、ザフト・・・でも、それにしては操縦が随分と危なっかしいはね。キラ君、もしもの時の為にGに乗り込んでくれる?」

時折体勢を崩し、不自然で危なっかしい飛行をしているが、ジンはその崩れた体勢を素早く立て直し、此方に向かって来るのを見ながらマリューはキラに向かって言う

「えっ?はっ、はい。わかりました」

相手がザフトだった時の事を考え、急いでキラはガンダムに乗り込み、なけなしのバッテリーを使ってガンダムを機動させ、紅と黒のジンを見ていた。

向かって来ていたジンは、近くに来た時にはその危なっかしい操縦はほぼ解消させ、機体を近くに着陸させようとしていた。

「ザフトじゃない?」

「じゃあ誰が、あの機体を操縦しているの?」

攻撃をして来ないで近くに着陸するのをみて皆一様に動揺する。着陸した紅と黒のジンを良く見ると、その左肩には黄金の獣が描かれていた。そしてコクピットが開く

「誰です?所属と名前を言いなさい」

「はは・・・・・・手厳しいな。しかし、それは此方の台詞でもある・・・」

金髪に金の眸を持つ少年と、墨のように黒い髪と黒曜石のような眸を持つ少女がコクピットから出てくる

「くっ、私はマリュー・ラミアス。地球連合軍の将校です。

「余はアレイスター・クロウリー。ヘリオポリスの一市民だ」

「っ!! 本当の事を言いなさい。一市民がMSを所有しているはずが無いでしょう」

「拾ったのでな、此方で設定とカラーリングを弄っただけだ。貴公に関係あるまい」

マリューを見下ろしながら、欠片程の感情も篭もらない口調でそれだけ言う

「貴方達二人も、軍の重要機密を見てしまった以上、然るべき所と連絡が取れ処置が決定するまで私と行動を共にしていただかざるを得ません」

苦虫を噛み潰したかのような表情をしながらラミアスは二人に聞こえるように言う

「構わん。好きにすればいい」

少年はそれだけ言うと、ジンを近くに隠すとコクピットから降り、近くの日陰に二人は座りこんだ。







「まだ解除にならないのね、避難命令」

「親父やお袋達も避難してんのかな?」

「あーあ、早く家帰りてぇー。それにさっ、あのアレイスターって人なんてロボットから降りてから、ず〜〜っと当然のように日陰で座ってんだぜ?ちょっとは手伝えっつーの」


「じゃあさ、お前。本人にそう言って来いよ」

トールの言葉を聞いたサイは冷たく返答しながら作業を続けていく

「銃向けられてあんな態度を取る人にか?冗談だろ?それにさ、あの人の顔と、目の色を見たか?目の色が金色だぜ、コーディネイターとしか思えないって、な?ミリアリア」


「そう思うんなら、コーディネイターですか?って聞いてきたら良いでしょ!」

ミリアリアがそう言い終わった瞬間、上空で爆発音が聞こえ、見上げるるとメビウスとシグーが此方に向かっているのが見える。

そのメビウスとシグーがトレーラーの近くを過ぎ去っただけで強風と砂煙が生まれる。そして、サイ達が気を取られている間にシグーはメビウスの銃口を斬り、ストライクに向かって行く。


「今のうちに沈んで貰う」

「あぁーーー!」

キラの叫びを合図にストライクが立ち上がったり、重突撃機銃の攻撃に晒されPS装甲に弾かれた銃弾が地面に当たり、土煙が立ち上る。それと同じタイミングで白と赤のヘリオポリスの中から戦艦が現れる


「ん?新型の戦艦!仕留め損ねたかっ!?」

「戦艦?コロニーの中にか!」

「アークエンジェル!」

現れた赤と白の戦艦アークエンジェルを見ながら、クルーゼ、フラガ、マリューは声を出す。シグーはアークエンジェルに向かって重突撃機銃で攻撃するが、アークエンジェルに回避されストライクに向かう


「ちぃ。フェイズシフト、これならどうだ」

再度、重突撃機銃から銃弾が吐き出される

「伏せてっ」

「「「うわぁっ!」」」

マリューはサイ達に向かって叫びながら地面に伏せ、それを聞いたサイ達も急いで伏せる。

だが、伏せた彼等をストライクが壁となり銃弾から守る

「強化APSV弾でも駄目か・・・」

直撃したが、ストライクのPS装甲が攻撃を無傷で弾く



「あれが連合の重要機密・・・」

日陰で座ったまま、シグーとストライクを見つつ呟く

「そのようです、マスター。飛んでいるのがザフトのMSで、型式番号ZGMF-515
通称シグーです。そして、先程の少年が乗っているのが連合の重要機密である、MSだと推測されます」

その言葉を聞いているアレイスターの目が向いているのは、アグニによって開けられた大穴から撤退して行くシグーの後ろ姿だった

「戦艦が出てきた以上直接ジンを持っていくわけにはゆかぬか・・・」

その後、ストライクを乗せて少ししてから、ジンをアークエンジェルに乗せる。

そしてアレイスター達やはキラは、ムウ・ラ・フラガにコーディネイターなのかと聞かれる事となる。





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