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GUNDAM EXSEED_16

Last-modified: 2015-03-08 (日) 20:05:34

【復讐編】

 

3か月ぶりに戻る隊は何も変わらなかった。
マスクド・ハウンドの面々は同じだった。それを感じ、ああそうかとハルドは感じた。マスクド・ハウンドも自分にとって大切なものであることを理解したのだ。

 

「お前の機体じゃがの」
格納庫を訪れると、じぃ様が待ち構えていた。
「正直、どうにもならなくなっておった」
そりゃあそうだろうとハルドは、ジークシードとの戦いを思い出す。
「なので、お前がいない間に手を加えさせてもらった」
そこまで言うと、じぃ様はハルドを案内した。案内された先、そこに待ち構えていたのは、ストライクΔであった。
「機体名を付けるならストライクΔ兇噺世辰燭箸海蹐の。
グラディアルの制式採用機が出回った来たので、そのパーツを流用しスペックを上げたストライクΔじゃ。そこらの量産機と互角の性能にはなっているはずじゃ」
見た目はほとんど変わっていないがじぃ様の言うのなら、その通りなのだろう。
「お前の腕があれば、何が相手でも何とでもなるじゃろう」
言って、じぃ様はさらにハルドを案内する。
「後は新しい武器じゃ。お前さん好みじゃと思って用意しておった」
見せられた武器は何とも奇妙な武器である。下半分は実体剣に見えるが上半分にはライフルが付いている。
持ち手はライフルとして使いやすいように配慮され、すこし湾曲したグリップとなっている。
「シュベルトゲベール・ドライというらしい。まぁシュベルトゲベール・ツヴァイをきちんと武器として設計した物と思えばよかろう。下の方は実体剣じゃなく、ちゃんとビーム刃じゃぞ」
あとは、と更にじぃ様が案内する。その先には制式採用型のグラディアルが3機並んでいた。
「うちにも、とうとうグラディアルの制式採用型が回ってきてのう。それぞれ、ちゃんとチューンアップしておる」
なるほど、自分がいない3ヵ月の間に随分と進歩したものだとハルドは素直に感心した。

 

ハルドは次に食堂を訪れた。食堂では、ばぁ様が待ち構えていた。
「リーザちゃんは?」
「ちゃんと弔ったよ」
そう言うと、ばぁ様は苦いコーヒーを出してきた。
「エルザの若いころの話しを聞きたいかい?」
「別にいいよ」
コーヒーをすすりながら、ハルドは答える。別に興味がない。関心があるのは今のエルザだけだ。
「良い子だったね」
「ああ」
コーヒーを飲みながらハルドは、ばぁ様とリーザの思い出話を交わした。それだけで充分だった。

 

次にハルドはブリッジを訪れたブリッジでは艦長席に座り、ベンジャミンが待ち構えていた。
「次の任務だが」
ベンは単刀直入にそう言ってきた。
「また、要塞攻略だ」
そうか、と言ってハルドは続きを促す。
「攻略する要塞は、アルテア要塞。ヘクター要塞からほど近い距離にある中規模の要塞だ」
「随分、忙しいな」
「連合も勢いに乗りたいということなんだろう」
ベンジャミンは、それだけ言うと出発してもいいかだけをハルドに聞いた。ハルドはうなずき、了解する。
メリアルージはすぐに宇宙へと上がった。

 
 

本当のところ、自分の物語は決着がついているのだ。ハルドは不意にそんなことを思った。だから、これは後日譚なのだ。
なので、アッサリしているのかもしれない。そんなことを急に思いながら、ハルドは戦場が近づくまで自室で眠ることにした。

 

アルテア要塞ではある準備が行われていた。
「これでEXSEEDの力が使えるのか、博士よ」
そう訪ねていたのはエルザ・リーバスであるが、その容姿は大きく変わっていた。銀髪を剃り落し、髪の無くなった頭には皮膚を貫いて無数の電極が突き刺さり、それらからコードが伸びている。
「1番の脳の活動を分析した結果だ。SEEDの能力を持つものならば、そのコードを専用のヘルメットに接続すれば、EXSEEDに覚醒できる」
答えたのは髪を乱暴に伸ばした老人であった。
「なるほど、それは楽しみだ」
エルザはそう言いながら、ある物を見下ろしていた。EXSEED専用モビルアーマー、エクシーダスだ。
「さて、ハルドよ。今度こそは決着を付けようか」
エルザはいずれ来るであろう相手を待ち焦がれていた。

 

アルテア要塞が近くなり、にわかにメリアルージ艦内は騒がしくなっていた。
作戦はヘクター要塞を攻略した時と同じでメリアルージは遊撃艦として動く予定だった。
ハルドは新しくなったストライクΔに乗り込む。ストライクΔ兇砲覆辰討らは、装備は新規格AJ(アームドジャケット)システムが採用されるようになっている。
一々装備を選ぶのではなく全部セットとなっているそうだ。ハルドは迷わず高機動仕様を選んだ。すると結局は元のストライクΔと変わらずにヴァリアブルスラスターパックに両肩両脚にスラスターユニットという構成になった。
武器には右手にじぃ様が用意したシュベルトゲベール・ドライに左手にはシールドを持った。
他の隊員もだいたい元のグラディアルと同じ装備になっていた。
作戦開始までコックピットの中で待機してると、パイロットの間で通信が行われた。
「ところで、隊長。聞きたいことがあるんですが」
そう言って、極秘の回線を使ってきたのはライナスだった。
「マスクド・ハウンド隊のナンバー2のパイロットって自分ですよね?」
そんなことを言われ、ハルドは少し考えたが、喜ばせてやろうと思い、こう答えた。
「そうだ、お前がナンバー2だ」
そう言うとライナスは、やっぱりな。と言い一方的に通信を切った。まぁ、実際はみんなどっこいどっこいだが、おだてるのもたまには良いだろうとハルドは思った。
「そろそろ要塞が近づきます。パイロットの皆さんは準備を」
オペレーターのユイ・カトーからの連絡である。ハルドは改めて気を引き締めた。
この戦場にエルザがいるとは限らないが、戦場である以上は何が起こるか分からない。注意しなければと。

 

アルテア要塞には敵艦の接近の警報が流れていた。
「さて、では言ってくるとするか」
エルザはそう言うと、頭の電極から伸びているコードをコックピットの中に接続した。
「試作段階ではあるが、万全のはずだ。活躍を期待する」
博士と呼ばれる男はヘルメットを被るエルザに、そう言った。
「まぁ、それなりに働かせてもらう。一応、亡命の身なんでな」
言うとエルザは待機させてあるMAに乗り込んだ。

 
 

「私が最強だということを、もう一度みせてやろうハルドよ」
遠隔操作とはいえ一度MS戦で負けた瞬間、エルザのプライドは傷つけ貶められた。それをこの戦場で回復するのだ。
そしてハルドに見せつけてやらなければならないと思っていた最強のパイロットがどれほど、恐ろしいのかを。
「エクシーダス。出撃するぞ!」
最凶に近いMAが戦場へと飛び立った。

 

最初に気づいた者は、すぐさま消滅した。そのMAの存在に。
「ははははは、敵が分かるとはこういうことか!」
エクシーダスを操るエルザの目には敵の脅威が分かった。イメージが見える相手は強い相手。何も見えないのは雑魚だと。
「なんだ、あのMAは?」
最初に気づいた艦長は驚愕した。見た目はまるでサソリだからだ。漆黒の巨体に大きなハサミ、そして尻尾。
そして気づいた艦長はすぐさま消滅した。MAのハサミの間から発射されたビーム砲によって。
「なるほど、意識を飛ばすというのはこういう感覚か」
エルザは機体に意識を飛ばし、エクシーダスを精神だけで操っていた。
「ふむ、人型でない分慣れが必要だが、これも面白い」
そう思い、今度はドラグーンを飛ばしてみた。機体の上面のハッチから小型の三角錐の物体が大量に発射され、移動砲台として周囲のMSを迎撃する。エルザにとって面白かったのは、そのドラグーン1つ1つが自分の目として機能することだった。
「なるほど、ドラグーンにも意識を飛ばせるということか。これはいいな」
つまりは死角を消すことが可能ということだ。
少しするとイメージが見えるMSが来た。なるほどイメージが見える奴は危険だな。
そう思ったのは、エクシーダスの攻撃をかいくぐり、下面に潜り込んだからだ。
しかし、そこも問題なく攻撃範囲。下面からは大量のサブアームが展開され、それらはビームライフルやバズーカを持っており、
それらを発射して、下面に潜り込んだMSは粉々にしてやった。
「いいぞ、楽しい機体だな。これは!」
エルザは歓喜を覚えながら、艦隊を、たった1機で蹂躙していった。

 

「被害が甚大なエリアがある」
ベンジャミンからそう報告をうけたハルドは確信した。そこにエルザがいると。
「ベン、悪いが艦をそっちに回してくれないか」
わざわざ危険な場所に艦を回して欲しいという要求。ベンジャミンには思い当った。
「エルザか」
ハルドは何も言わない。
「艦をわざわざ危険な場所に送るの艦長としては失格だ……」
一旦区切りながらもベンジャミンは続けた。
「だが、長い付き合いだ最後まで付き合ってやる」
全くしょうがないという口ぶりだったが、ベンジャミンの口の端は上がっていた。
「メリアルージ、該当の宙域へ向け発進!」

 
 

「隊長。大丈夫ですか」
訪ねてきたのはサマーだった。
「問題ないよ。冷静さ」
そう言うハルドは実際、自分自身でも不思議なほど冷静だった。別に死ぬのは怖くないしエルザが怖いわけでもない。
「敵討ちで死ぬのはやめてくださいよ。アタシの地元では、敵討ちで死んだ人間は天国にいけないんです。リーザはきっと天国だから……」
「じゃあ、敵討ちでは死ねないな」
それにな、とハルドは続けた。
「一応、リーザからは出来ればじいさんになるまで生きるように言われてるんだ」
そう言うと、すこしサマーは安心した顔になった。
「あの隊長。ぼくも守ってくださいね」
今度はギークが唐突に言ってきた。
「童貞のまま死ぬと天国にいけないって、ぼくの地元では……」
「お前は地獄で良い」
ハルドが言った瞬間、ギークは絶望の表情を浮かべたが、
「冗談だ。危なくなったら助けてやる」
ハルドがそう言うと一転してギークは安心顔になった。
改めて考えてみると悪いチームじゃない。そうハルドは思った。ライナスもサマーもギークも良い奴らだ。まぁ、ハウンド入隊の頃に少し揉めたが、それも良い思い出だ。
「そろそろ該当宙域です。順次、発進してください。金目の物はいいので命を大事に!」
最後にそれかとも思うが、このオペレーターだって悪くない。そうマスクド・ハウンドは悪くないのだ。
「ハルド・グレン。ストライクΔ供出撃する!」
「ライナス機、行きます!」
「サマー機、出るよ!」
「ギーク機、発進です!」
マスクド・ハウンドが誇るMS小隊が各機発進した。

 

「んんーこの感じは……SEED持ちらしき奴と大きなイヌ!ハルドぉおぉ!」
艦隊を遊びで蹂躙していたエルザは極限まで過敏になった感覚でハルドが来たことを察知した。
「おいぃ、はるどぉお、お前のせいで私は少し人間をやめてしまったぞぉ!」
モニターやレーダーなどにも映らない距離からエルザはエクシーダスのハサミのビーム砲でハルドを狙って撃った。
「遠距離!ビーム来るぞ!」
ハウンド隊の各機は散開して狙ってくるビーム砲を避けた。
「おかしいっすよ。どんな機体でも、索敵できる距離じゃないです」
ギークが叫ぶが、ハルドは冷静だった。
「相手は化け物だ。各機冷静に対処しろ」
確実にハルドの機体が接近してくることが分かっていたエルザは邪魔しそうな周囲の敵機を殲滅しながらハルドに向けてドラグーンを射出した。
「いいぞぉ!良い気持ちだぁ感覚が広がっていく!博士、EXSEEDは素晴らしいぞ!」
エルザは通信で要塞からモニターしているであろう博士に向けて呼びかけた。
「はははっは、そうだろう。やはり、EXSEEDは人類の革新なんだ!人類みんなEXSEEDになるべきなんだぁ!」
モニターしている博士も、正気の人間ではなかった。つまるところエクシーダスというのは二人分の狂気が詰まった機体だった。

 
 

「なんか、来ます!多分、ドラグーン!」
電子索敵しているギークが叫んだ。
「各機、互いに背中を守れ、後ろを見せたらやられるぞ!」
ストライクΔ兇慮紊蹐縫ーク機、ライナス機の後ろにサマー機が付き、周囲を警戒する態勢になると、ドラグーンはすぐに来た。
「ドラグーン対策のシミュレーションは?」
「アタシは万全。アンタは?」
「自分も完璧!」
そう言ったライナスとサマーのペアはお互いにカバーしながら周囲のドラグーンを撃墜していく。
だが、ギーク機はというと。
「ひえ」
避けるばかりで、何もできない。しかし、避けているだけでも上等ではあるのだが。
「ギーク、てめぇライフル貸せ!」
ストライクΔ兇ギークの機体のライフルを奪いとり、ドラグーンを撃墜する。
「くそっ!」
シュベルトゲベール・ドライはライフルとしての威力は口径的に充分だが、連射性に劣ることを実戦でハルドは確認した。
「急ぐぞ、目的地はすぐだ」
ストライクΔ兇魯薀ぅ侫襪鬟ーク機に返し、再び目的の宙域へと進軍した。
その頃、エクシーダスのコックピットの中でエルザは痛みに苦しんでいた。
「くっそ、まさか。ドラグーンを落とされるだけでこんなに痛いとは!」
エルザはすぐに鎮痛剤と興奮剤を脳に直接ぶち込んだ。そういう機能もあの電極とコードには備わっているのだ。
「なるほど、実戦の問題はいくつかあるぞ、博士。どうやら、意識を乗せた物体が破壊されるダメージのフィードバックはクスリなしでは耐えるのが難しい」
「なるほど、それは貴重なデータだ」
「そろそろ獲物がくる。通信は終わりだ博士」
「わかった。では、人の道に新たなる火を」
「ああ、人の道に新たなる火を」
エルザは目視で確認した大きなイヌのイメージ。そうハルドの姿を。
「MAです。隊長」
見りゃ分かるとハルドは思い、サソリ型のMAにライフルのビームを撃った。しかし、それはビームシールドで防がれる。
「実体弾を持ってきてるのは?」
ハルドが各機に訪ねると、ライナスとギークが応えた。
「よし、俺とサマーはサポート。ライナスとギークは持ってきた弾をありったけぶち込んでやれ!」
「はぁぁあぁるぅぅうぅうぅぅうどどおどおどどおどおっどぉぉぉぉおぉぉ!!」
サソリ型のMAが上面に備えたビームの砲塔とミサイルランチャーを斉射してきた。
「どうだ、ハルド!このエクシーダスは!」
強力な面制圧攻撃を回避しながら、ハルドは言う。
「どうも、思わねぇよ、エルザ」
冷静な声だった。それがエルザの怒りを呼び起こした。
「どうも、思わないだと!私はこんなにお前に尽くしてるのに、答えはそれだけかぁ!?」
「ああ、これだけだよ」
実際、ハルドも驚いていた。エルザを目の前にしても落ち着いている自分に。そして、気づいた。もう、リーザが死んでいる。だから終わりなのだと。結局、これは俺とリーザの物語の後日譚なのだと気づかされた。
だから、エルザを前にしても心動かないのだ。もう乗り越えた敵だからだ。
「隊長!」
ギークがミサイルポッドのミサイルをありったけエクシーダスという機体にぶつけていた。
エルザの注意はどうやら自分だけに向いているようだとハルドは気づいた。ならば囮役をやるだけだ。

 
 

「サマー。スナイパーの腕を見せろ。ビームシールドの発生器を潰せ」
「イエス・サー!」
ビームシールドは構造上、真ん中にビームの発生器を必要とし、そこからビームを放出することでシールドとしている。ならば、発生器を潰せばシールドは展開できなくなる。
ストライクΔ兇エクシーダスからの集中攻撃を回避する中、他の隊員は皆自分の仕事をする。
ひたすらに、弾を撃つをものと狙い撃つものだった。そして隊員が黙々と仕事をこなせば結果は出る。
「サマー機、ビームシールドを潰しました!」
サマーの喜びに満ちた声が聞こえた時だった。
「おまえらぁぁぁぁぁぁ!」
その瞬間、エクシーダスのサソリ型の尻尾が動き、そこから拡散されたビーム砲が発射された。
「あ」
サマーの最後の声はそれだけだった。拡散されたビーム砲がサマーの機体をズタズタに引裂き爆散させたのだ。
「イヌのクソにたかるハエの分際で私の邪魔をするんじゃない!」
狂ったエルザの叫びが戦場に響いた。
「各機、落ち着け!」
ハルドが叫んだが、その時にはエクシーダスはドラグーンを射出し、ギークの機体を無数のビームで貫いていた。
「ギーク!」
エルザの怒りは収まらない。
「お前もぉ!」
エクシーダスの上面のビーム砲塔から発射されたビーム砲が、ライナスの機体の下半身、その表面を焼き尽くし機能を停止させる。
「ははははは、やはり二人きりがいいなハルド。そうだ……やり直そう……お前が子どもだった頃に戻ってだな……」
エルザが狂った中、正常な声が響く。
「無事か、ハウンド隊!」
ベンジャミンの声だった。その直後にメリアルージからビーム砲がエクシーダスに発射され、エクシーダスの尻尾を消し飛ばした。
撃ったのは、ばぁ様か?これだけ正確な射撃ができるのは艦で残っているメンバーでは、ばぁ様しかいないはず。
そう考えた直後、ハルドは冷静に現状を考え、叫んだ。
「来るな、ベン!」
ハルドの叫びも間に合わず、エクシーダスのハサミから発射されたビームがメリアルージを真っ二つに引き裂いた。
「ベンジャミンッ!」

 

ユイ・カトーは艦がビームの直撃を受けたことだけは分かった。しかし、今は何も見えない。
「目が……」
目が潰れたのだと確信した。でも生きている。ならば生きねばと思った。
「ほら大丈夫だから。シャンと立ちな」
勝手に砲撃手に名乗りをあげてブリッジまで乗り込んできた、ばぁ様の声が聞こえて抱き起された。
「脱出艇までは艦長が連れてってくれるよ」
ばぁ様はそう言って誰かに自分を預けた。言った通りなら多分、艦長なのだろう。ユイ・カトーは誰かに寄りかかったまま、脱出艇に向かった。
「さて、年貢の納め時かね」
ばぁ様の腹には血が滲んでいた。
操舵手のリック・リーは艦長を守って死んだ。普段はボヤキが多かったが大した奴だ。
艦長は結局、腕が潰れていたようだが死にはしないだろう。間違いなく。ユイ・カトーを脱出艇まで送り届けるはずだと思った。
まぁ、これで一通りは助けた。何か嫌な予感がしたので勝手にブリッジに上がり込んだ甲斐があるというものだ。
「まぁ、これからが大変だろうけど、がんばりなよ、ハルド」
最後に一番どうしようもないと思ったガキの顔を思い浮かべ、ばぁ様はゆっくりと呼吸をした。

 
 

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