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GUNDAM EXSEED_B_15

Last-modified: 2015-04-18 (土) 19:55:07

クランマイヤー王国では段々と蒸し暑さを感じるようになっていた。ハルドは、その理由を姫から聞いた。
「クランマイヤー王国は季節を設定している珍しいコロニーなのです。四季があるんですよ。夏は第2農業コロニーの海で泳いでも良くなりますし、冬には雪が降ります」
季節循環型コロニーなんてまた面倒な物をとハルドは思った。昔一時期流行ったが、結局適温で固定したほうがコロニーの住人は住みやすいということで、廃れていったのだが、クランマイヤー王国ではまだ続いているようだった。
「湿度高いなぁ」
そう言いながら、ハルドはべたつく衣服を引っ張りながら、草地に倒れ伏しているセインを見下ろしていた。
「もう一回お願いします」
倒れたままセインが言うが、倒れたままでは無理なのでハルドは無視した。
セインが倒れ伏しているのは訓練のレベルを上げたからである。とりあえず木の棒での打ち合いに更に体を使ってもいいとルールを付け加えたらこのざまである。
まだ回数は少ないが、セインは思いっきりやられていた。投げられるは殴られるは蹴られるは棒で叩かれるはで、ボコボコにされる毎日だった。
「とりあえず、これで、俺の攻撃が粗方防げるようになったら、敵の攻撃に対応する能力は上がるだろうよ」
ハルドはそう言っていた。セインとしては、この前のテロリストとのMS戦で格段に動かしやすくなったことと、相手の動きが見えるようになったことで訓練に効果あると分かり、訓練に前向きに取り組んでいた。
「夏に体を動かすのはウンザリ」
ハルドの方はそれほど訓練に積極的というわけでもなかった。
「水でも飲んでろ。俺が帰って来るまで休憩な。帰ってこなかったら、訓練は無しだ」
適当な物言いでハルドは倒れ伏したままのセインを放って去ってしまった。セインは倒れたまま、釈然としない気分でハルドが去って行くの見届けるしかなかった。

 

「はぁー」
アッシュは蒸し暑い中、義勇兵たちの訓練の様子を見ていた。アッシュの外見は完全に元通りとなっており、やつれた様子はない。
「はぁあー」
アッシュはとにかくため息をついていた、それは義勇兵が関係あることで義勇兵の訓練が思うように進んでいないことに起因するものだった。
義勇兵の数は百人以上は集まったが、アッシュとしては最低でもその十倍は欲しかった。数が足りないのは仕方ないと思うが、義勇兵の訓練態度にも問題がある。遊びか健康のための運動目的で加わっている人間も相当数いて、訓練に真剣味がない。
ジェイコブとペテロなどはきちんと訓練メニューをこなしており、士気も高いが、それ以外となるとなんともと言った感じだった。
義勇軍には軍務経験者も参加してくれることになった。それは第1農業コロニーにある強制収容所にいた人々が収容されている施設の人々で、元軍人という人々だった。
立てこもりやテロには加わらなかった、ある程度良識のある人間である。彼らは義勇軍に加わるといった際に条件を出した。それはクランマイヤー王国の国籍と、職、そして住居である。
それを提供することは特に問題がなかった。
元軍人の人々は現在は、農民か工員もしくは何らかの技能を持っている者は、それが活かせる職につき、住居を与えられ、クランマイヤー王国の国民となり、義勇兵にも加わった。
職やら何やらで釣ったため、本当のところ義勇兵と言って良いのか疑問は残るが。
しかし、軍務経験者が加わったところで、義勇兵の訓練が良くなるわけでもなく、アッシュは、どうにもならないといった気持ちを持ちながら、教官役を続けることになるのだった。

 
 

ハルドは適当にコロニーの中をぶらついていた。涼めるところを探してだ。涼しさならばこの間修理を終えた王家邸に行けば、涼しいのだろうが、姫やヴィクトリオなどの子どもがいる。
結局、子どもの相手で暑い思いをしなければならなくなることが想像ついたので、王家邸は避けることにした。そうしてぶらついていると、行く先は案外少なく、MS製造工場に向かう以外選択肢は無かった。
MS製造工場に到着すると、半袖姿のレビーとマクバレルの姿を見つけた。
「あ、隊長、良いところに!」
レビーもハルドを見つけたようで、ハルドに声をかける。別に悪い予感はしなかったのでハルドはレビーの元に行くと、ついてきてくださいとだけ言って、ハルドを先導する。
「なんかあんの?」
「見てのお楽しみだ」
マクバレルがフフフと笑っていて気持ち悪いが、レビーは何もしない。どうやらこれは許容範囲のようだった。
そうしているうちにレビーが車椅子を止める。
「見せたいのはこれです!」
そう言われる前からハルドは、レビーが見せたいものが視界に入っていた。レビーが見せたがっていた物、それは新型のMSであった。
「名前はフレイドという。月から持ってきた開発途中の機体がようやく完成したのだ」
マクバレルが説明を始める。めんどくさくなりそうなのでハルドは聞き流すことにした。その代わりに機体を見る。
かなり大型の機体である。現行の機体と比べると一回り以上は大きい。機体全体のシルエットは鋭角的である。頭部は地球連合系のゴーグル型メインカメラであるが、印象的なのは前へと突き出した角である。
太さは機体の頭部とほぼ同じサイズであり、妙な厚みがあり、ゴツゴツとしており滑らかな表面ではない。
後は背中が印象的である、砲身のような筒状の大型スラスターユニットが2つ付いている。筒状のスラスターユニットの先端はいかにもスライドし、武装の発射口となると予想がついた。
後は肩だが、長方形型のパーツが付いている。これもスライドして武装の発射口となりそうな気がした。
武装は他に腰にグレネードの発射ユニットが付いている他、前腕部手首の近くに銃口が見える。
「結構な重装型だな」
「うむ、その通りだ」
マクバレルが答えるのかとハルドは少しウンザリした気分になった。
「機体を大型化した分、動力も巨大化、結果として出力と積載能力に余裕ができたため、可能となった重装備だ。これこそが、MSの進んでいく進化の道の1つと言った機体だ」
「進化の道?」
大仰なことを言いだしたのでハルドは尋ね返した。
「そう、進化の道だ。MSを従来のサイズのまま運用していくには、限界が見えてきている。よって、MSは進化しなければならない。その1つの形がフレイドだ。大型化し大出力と多彩な武装を持ち全状況に対応できる怪物的な方向への進化だ」
そう言われてもハルドとしてはイマイチ、ピンとこない話である。
「乗る方としては性能が良ければなんでもいいけどな」
そう言うとマクバレルがハルドに食って掛かりそうになったので、先制攻撃でレビーがマクバレルの頭をスパナで叩いていた。そしてレビーはマクバレルの代わりに言う。
「性能も良いですよ。と言っても量産機なんで、ネックスほど圧倒的な感はないですけど、悪い機体じゃないと思います。ただ大きさに慣れが必要ですけど」
そう言うとレビーは手持ちのタブレットの画面をハルドに見せる。画面に映っているのはフレイドの設計図らしかった。曖昧なのは分解され過ぎていてイマイチ判断がつかないからだ。

 
 

「量産ラインに乗せる準備は出来てるんで、アッシュさんからオーケーを貰えれば製造を開始します。ただライン製造できるのがパーツ段階までなので、組み上げとその後の調整は人力になるので、生産ペースを早くできないのが問題ですけど」
レビーの言うことに関して、ハルドが特に気にすることは無かった。生産ペースが遅いのもハルドが気にすることではない。だが、レビーが触れていない部分で気になることがあった。
「条約破りは?」
ハルドが聞いたのはアプリリウス条約に抵触していないかという点である。MSへの新技術の搭載を禁止するというような条約だが、ハルドとしては無視してしまえという感覚だった。そしてそれは、レビーも同じようだった。
「内蔵している武装が間違いなく引っかかりますが、誤魔化すのでご心配なく」
3年見ない間にしたたかになったなぁと、ハルドはつくづく思う。ユイ・カトーは3年前から金の亡者だったので、今更だが。
「とりあえず、このフレイドってのがクランマイヤー王国の主力量産機になるって考えていいんだよな?」
ハルドはレビーに聞いてみたが、レビーは少し困った表情になっている。その代わりにマクバレルが復活し、答えた。
「結論を出すのが早いのが凡人の悪いところだな、天才は熟考す――がっ」
レビーのスパナがもう一度マクバレルの頭を叩いた。
「実際、教授の言う通りなんですけどね。一応、月から持ってきた開発途中の機体が2機と図面だけで開発まで至ってないのが1機あるんで、最終的には4機から選んでもらうことになると思います」
「つっても、現状つくれる機体から作ってかないと、もしもの時に間に合わないぞ」
ハルドが言うとレビーは困った顔になる。
「だから困るんですよ。私的には後の2機の方が量産には向いてると思うんですけど、現状開発が上手くいってないんで」
そりゃ、難儀なことだとハルドは思うが、それに関しても自分には関係のない話しだ。軍事関係はアッシュにだいたいを任せている。機体もアッシュが選べばいい。
「その件は時期が来たらで良いんじゃないか、まぁ今やれることだけやってればいいんじゃねぇの」
ハルドは適当な気持ちで言った。レビーもだいたい察していた。ハルドが興味をもっていないことを。
「まぁとりあえず、造っときますよ。今のところ説明したのはアッシュさんにも全部、伝えておくんで、ご心配なく」
「そうかい、じゃ、頑張って」
そう言うと、ハルドはまたブラブラと歩き出した。目的地はないが、本音を言えば、この工場は暑いのでさっさと退散したかったのだ。

 

結局、ハルドは政庁舎に向かうことにした。そこで働いているユイ・カトーのオフィスはエアコンを効かせてあるのを思い出したからだ。
「うーす」
ハルドは政庁舎に到着するとノックもせず、ユイ・カトーのオフィスに入った。一応、相手は財務大臣ということになっているので国家の重鎮なわけだが、誰も本気でそう考えているわけではないので、別段だれも気にしない。ユイ・カトー本人も。
ユイ・カトーは書類の山と格闘していたが、楽しそうであった。どうやって儲けを出すかに必死に頭を働かせているのだ。それがユイ・カトーの幸せでもあった。儲けを出すことに頭を使うことが楽しく幸せなのである。

 
 

ハルドはオフィスに備え付けてある冷蔵庫を勝手に開けると、その中から勝手に飲み物を取り出し、勝手に飲む。部屋の主の許可を取らず。
「1地球連合ドルですよ」
不意にユイ・カトーが言うが、ハルドは無視して来客用の椅子に座り、ゆったりとしながら冷たい飲み物に口をつける。
ハルドは部屋の主の発言を無視して、自分の言葉だけを伝える。
「アッシュが小銃300丁欲しいってさ」
「200丁分の予算を出すので、自分でやりくりして300丁買ってください。と伝えといてください」
大臣もやりくりして物買わないといけない時代か、大変だなぁとハルドは思う。
「あと、迫撃砲と戦車も欲しいって」
「欲しい物をリストにして渡してくださいと伝えてください。返答は後日というのも合わせて」
「了解しました財務大臣殿」
とハルドはおどけて言うと、再び飲み物に口をつけて、完全に休憩の体勢に入る。セインを放っておいているがまぁいいだろう。暑い中で訓練するのは面倒だ。とハルドは気だるい感じを隠さずに思った。
ハルドがぼんやりと休憩している中、ユイ・カトーは顔をしかめていた。
「うーん」
部屋の主が唸っているがハルドは一向に気にしなかった。
「うーん、あー」
ユイ・カトーは大げさに悩んでいる仕草をしていた。それもハルドに見えるようにだ。それでもハルドは無視をしていた。
「……少しは、気にするとかしないんですかね?」
とうとうユイ・カトーの方が折れてハルドに話しかけた。
「面倒だから早く言えよ」
ハルドの言うことも最もだったし、底意地の悪い男なので気づいていたが無視するのは分かり切っていたことだったのでユイ・カトーの失敗だった。
「ちょっと、問題があるんですよね」
そう言うと、ユイ・カトーはハルドに分からないと思いつつ貿易の話しをし始めた。ハルドは興味もなかったがなんとなく要点だけをまとめた。
「資源物資の輸入量が落ちてるって話しか?」
ハルドは端的にユイ・カトーの言っていたことをまとめていた。
「割と安価で供給量も安定しているコロニーからの資源の供給が滞っている。輸出制限をしているという発表も何も無いのにこれはおかしいと」
ユイ・カトーは頷いて、自身も簡単に説明を続ける。
「別にこっちとしては新しい輸入先を見つければ良いんで放っておいても良いんですがね。今までの貿易相手のコロニーが食糧生産が弱めのコロニーだったんで食糧生産の強いクランマイヤー王国の貿易相手としてはツーカーの関係だったんです。
新しい貿易相手を探すにしても、向こうの欲している物資とこっちの出せる物資の折り合いがつかないと面倒なんですよ。こっちが強い立場に立てるなら良いんですが、弱い立場になると、ホントに面倒なんです」
ハルドは話しを聞きながら、ふと思う。
「財務大臣って貿易まで担当するのか?」
「さぁ?気づいたら私の仕事になっていました。まぁそれはどうでも良いんですが」
ユイ・カトーとしては本当のところどうでも良くはなく、貿易関係も任されるようになってから仕事の量は倍どころではなくなっていた。仕事が多すぎてオフィスで寝泊まりするくらいだ。
だが、その分、役得もある。この世の中色々と計算の合わない金も出てくるのだ。
普通に財務大臣の仕事をしていた時も、計算が合わずに余った金があったし、貿易関係も仕事にしてからはもっと計算の合わない金が出るし、ユイ・カトーも良く、うっかり、たまに、ごくまれにだが計算間違いをする。

 
 

「俺はどうでもよくないと思うけどなぁ」
不意にハルドが鋭い視線でユイ・カトーを見る。
「俺が得意なのは何だか憶えてるよな?」
あ、これはヤバいとユイ・カトーは思った。もう逃げ場がないぞということも理解していたので開き直ることにした。
「MSの操縦、潜入、破壊工作、暗殺です」
「うん、そうだったな」
というとハルドはニッコリとわざとらしく笑って見せた。あ、終わっているなこれは、とユイ・カトーは思った。
「俺もそんなに馬鹿じゃないのは知ってるよな?」
ユイ・カトーはブンブンと首を縦に振った。むしろユイ・カトーが知る限りでは一番くらいに賢い男であった。
「単刀直入にいうけど、お前、着服してるだろう」
ハルドは断定していった。ユイ・カトーは嘘をついても意味はないことを知っている。ハルドに嘘をつくと、本当のことを言うまでひどい目に合わされるのだ。以前にハルドに嘘をついたがその時の傷痕は今も残っている。
ユイ・カトーの奥歯は差し歯だが、これは昔、ハルドに嘘をついた時に奥歯をペンチで引き抜かれた結果である。ハルドとしては2本抜くつもりだったが、奥歯を1本抜かれただけでユイ・カトーは本当のことを言った。
とにもかくにハルド・グレンという男は暴力に特化しているため、余計なことを考えると大変なことになるので、ユイ・カトーは正直に言うことにした。
「はい、着服しています。手を付けてもバレない金は全部自分の懐に入れています」
正直に言うと、ハルドはため息をついて椅子に大きく背を預けた。
「証拠もあるが、まぁいいよ。お前がいないと国も回らないしな。とりあえず俺しか気づいていない内は見逃してやる」
清濁併せ呑むという奴だ。ユイ・カトーは優秀だが金に関しては汚い女だが、この女がいないとクランマイヤー王国は成り立たなくなるのだから、多少の問題はしかたない。で、着服のことは置いておくとしてもだ。
「ところで、俺になんか頼みがあんじゃないのか」
ハルドは資源を輸入していたコロニーの話しに戻した。ユイ・カトーとしては、見逃されたことに関しての安堵感をもっと味わっていたかったが、それよりも、先にハルドに頼むことがあるのだ。
「ええ、隊長にはちょっと、そのウチが資源を輸入していたコロニー、名前はセーブルってコロニーですね。そこの様子を見てきて欲しいんです」
そう言われて、ハルドは、はぁ?という顔になった。
「そんな必要ないとは思うんですけど、セーブルコロニーの商売相手にコロニー間通信しても音沙汰なしですし、メールも何も返事は無しなんで、ちょっと気になって」
クランマイヤー王国に侵略でもされたんじゃないかとハルドは一瞬、思ったが、それは無いと自ら否定した侵略されたならニュースになっているからだ。
「まぁ、現状、俺がすることもないし行ってもいいが。それはお前個人から俺への依頼になるんで金を取るぞ。一応、今でも何でも屋だからな」
ハルドがそう言うと、ユイ・カトーは立ち上がり、備え付けの金庫から現金を取り出してハルドの前に置く。
「これで、私は依頼人なんで、ではハルドさんよろしくお願いしますね」
あ、この野郎とハルドは思った。依頼人になった以上は相手の方が今は立場が上だ、ユイ・カトーは上からこっちを見ているなとハルドは思った。
正直、腹が立ったが、金を貰った以上は依頼人には誠意を尽くさなければいけない、仕事とは辛いものだ。
「分かりました。依頼の件、お任せ下さい、ユイ・カトーさん」
ハルドがそう言うとユイ・カトーは勝ち誇った顔を一瞬した。その瞬間をハルドは見逃さなかった。いつかひどい目に合わせると心に決め、ハルドは金を受け取って、その場を立ち去ったのだった。

 
 

さて、どうするかとハルドは思った。セーブルというコロニーの一件に多少キナ臭い感じもしていた。
「慣らし運転てことでフレイドを借りてくか、あとはセーブルの情報と一緒に行く奴だが」
危険な気がする時は、MSは手放さないというのがハルドの信条である。そして、ハルドはセーブルの位置すら知らないため、セーブルというコロニーについて知る必要があった。
最後に一緒に行く人間だが、ハルドをセーブルまで運ぶ船の操舵手としてコナーズは置いていけない。
それだけで充分だが、色々と経験を積ませるためにセインを連れていくのもありかとハルドは思った。なので、ハルドはセインを探しに行った。セインは馬鹿正直にハルドが帰ってくるのを草地で待っていた。
「おまえなぁ、もっと賢く生きろよ」
ハルドは待っていたセインを見ると同時に、そう言った。馬鹿正直に待つ必要などない。適当に理由を付けて訓練など抜け出せばいいのだ。
「帰って来ると思って待ってたんです」
セインは、ハルドに言うが、この信頼感はどこから来るのだろうかとハルドは疑問に思う。
「まぁいいや、ちょっと別のコロニーに出かけるからついて来い。ガンダム持ち出しでな」
そう言うとセインは怪訝な表情になる、ハルドは事情を説明するのを省いた。
「少し、外で経験を積むんだよ。それと俺の仕事のパートナーな」
パートナー、そう言った瞬間セインの表情が明るくなった。子どもは良く分からんなぁとハルドは思い、そして他にも重要事項があることを思い出した。
「今回はあれだ。前回の失敗をしないように出かけることを、ちゃんと伝えること」
ハルドは姫に、セインはミシィに前回の強制収容所の一件のように怒られるのはこりごりだった。

 

とりあえず、王家邸の夕食の時間にハルド、セイン、姫、ミシィが揃っていたので、このタイミングでハルドとセインは少し出かけてくると言った。すると案の定というか姫もミシィも自分も行くと言い出した。
ハルドがなだめたが聞かなかった。夕食の席にはアッシュもいたが、とりなす気は無かった。昼間の義勇兵の訓練で疲れ切っており、とりなす余力もなかったのだった。
結局というかなんというか、女性の力というのは強いものでハルドもセインも押し切られてしまった。
そのため最終的にセーブルへの出発メンバーは、ハルド、セイン、姫、ミシィ、コナーズということになった。
ハルドはこのメンバーとなったことで、また面倒が起きそうな予感がしたが、どうにでもなれと半ばヤケクソの気持ちのまま、その夜は眠りについた。出発は翌日の朝ということになったのだった。

 
 

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