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JoJo-Seed_◆QqYB8wYRgI_01

Last-modified: 2014-01-09 (木) 18:12:25

〜終わらない明日への種子〜

 

第一話 誇りある瞳

 

彼が目を覚ましたとき彼はその状況を理解できなかった。
彼の記憶では“昨日は友人と馴染みのイタリア料理店でたらふく食べその後はさっさと家に戻り自分の部屋の柔らかいベッドでさっさと寝た”はずだったからだ。

 

だが今彼が目を覚ました場所は柔らかいベッドの上ではなく森林地帯、ゴツゴツと尖り火傷するように熱い岩片の上だった。
(その所々はガラスになっている)

 

彼は普通の人間なら即座に発狂するような状況に“何度も”見舞われてきた.
それまでの経験から彼は頭を“スイッチ”のように切り換え状況を分析した。

 

そして彼は状況の異常さを理解し、身の危険が“ほとんど無い”と判断し立ち上がった。

 
 

頭の回転がいつも通りな事を確認した上で彼の眼に入ってきたのは、倒木に潰され血溜まりの中にある元は人であったはずの“物体”だった。
討ち捨てられたマネキンのように血まみれの“ひしゃげた”婦人の身体だった。
不完全な芸術作品のように右腕が欠如し血の海に横たわっている“少女”の肢体だった。

 
 

そして純粋な、完全なる反射で、どこからか耳に入る少年の叫び声に合わせるように彼は叫んだ。

 
 

「“クレイジー・ダイヤモンド”ッ!!!」

 
 
 

第一話 誇りある瞳

 
 
 

今日は良い日になる。
顔には出さなかったが彼、レイ・ザ・バレルはそう思っていた。

 

二年前に締結されたユニウス条約。
その条約に沿ったMSは既に開発、配備されていたのだが戦艦は未だに配備はされていなかった。

 

だが二年の時をかけて造られたザフト至高の、戦後初の新型艦、ミネルヴァ。
今日がそれの進水式であり、ザフトの優位を保つ新たな一手であるのは誰の目にも明らかだった。
そしてレイ自信の二年前と今の最大の違いは、自分が子供ではなく“赤”である事だ。
それも件のミネルヴァに配備される言うなればエリートである。

 

だが自分の進退はレイにとっては比較的どうでもいい事だった。

 

「君の言うことも解るがね…、だがブルーコスモスは組織というより主義者だろう」
「そのためのザフトイエローですよ。だから我々をすぐにでも配備すべきなのです」

 

“全てはギルのために…”
彼は敬礼をしながら今までと同じように心の中で誓った。

 
 

「いくら諜報活動を増やしたところでテロは防ぎきれんよ…」

 
 
 

シン・アスカは狼狽していた。

 

今しがたまったくの事故(互いの不注意)で尻餅をつき掛けた同年代の女の子を助けたにもかかわらず…

 

「このラッキースケベ」、などという不名誉なあだ名を貰ったからだ。
確かに善意のおまけに女の子のあの柔らかい胸を触れたのはラッキーではあったが…
その助けた女の子はキツイ目でシンの事を睨んで走り去ったわけであり、胸自体もその触った感触を覚えている訳ではなかった。

 

「ヨウラン、お前はそんなに俺の品位を下げたいのか?」
引きつった笑みを浮かべながらヨウランの肩に自分の指をめり込ませるシン。

 

「いたた痛いってシン。未来のエース“様”ならどっちにしろすぐにでも上げれるだろ、そんぐらい?」
人というのは、成功や勝利よりも『失敗』から学ぶ事が多いとはよくぞ言ったもんだ…

 
 

「このシンの手のひらに…完璧になじむのはやはり、もう少し控えめの胸が一番しっくりくると思わないか?」
金髪の少年がシンの手を観察しながら話しかける。

 

「…“ジョルノ・ジョバァーナ”、お前まで俺をラッキースケベ呼ばわりするつもりか?」
「しばらくはね。それに、良い薬にはなると思うよ。君はいつも配慮らしい配慮が足りないからね」
このジョルノは、いつもこうやって真っ直ぐな眼ととても心地よい笑顔で皮肉を言ってくれる。

 

…まぁヨウランやヴィーノみたいに何も考えていないよりかは遥かにマシだな。

 

「そろそろ基地に戻ろう。命令は守らなくちゃならない」

 

まるでジョルノの付けているテントウムシのブローチのように硬い意思の声だった。

 
 
 

「…何やってんだ、あれ?」
「浮かれてるバカの演出、じゃねえの?」
アウルがネコドラ君を見るかのような眼でステラを小バカにし、それに対しスティングが“だがそれがいい”といったような顔で答える。

 

「お前もバカをやれよ、バカをさ…」
「フン」
「やれやれだぜ…」
今度はスティングがアウルを小バカにし、アウルは拗ねた子猫のように少し不機嫌になった。
ニット帽を被った少年はいつもの口癖を言いながら二人に付いていく。

 
 
 

「…その姫というのは止めて頂けないか?」
「これは失礼しました、アスハ代表」
いきり立つように言うカガリに対し、道化のような物言いをするデュランダル。
「しかしならば何故、何を怖がってらっしゃるのです?あなたは」
「……」
理不尽な問いに黙るカガリ。

 

「大西洋連邦の圧力ですか?オーブが我々に条約違反の軍事供与をしていると?」
「……」
「だがそんな事実は無論ない。彼のオーブ防衛戦の折、難民となったオーブの同胞達を我等が温かく迎え入れたことはありましたが…、その彼らが、此処で暮らしていくためにその持てる技術を活かそうとするのは仕方のないことではありませんか?」

 
 
 

「じゃあ援護をしっかり頼むぜ、ジョジョ?」
「あぁ、お前らもしっかりやれよ」
「わかってるって!」
「…うん、分かった」
スティングの確認に対しニット帽の少年、いや、“空条承太郎”は彼らに激励を送った。

 

彼らは今からザフトの最新鋭機がロックされているハンガーに強襲をかける。
そこにいるザフトは全て殺されるだろう。
だが承太郎は、その目は黒く澱んでいる訳ではなく、ただ単に白金のように“鋭い眼”をしていた…

 
 

「だが、強すぎる力はまた争いを呼ぶ!」
自分の道を、理念を信じ言い返すカガリ。

 

「代表は…『覚悟して来てる人』……ですよね」
「…?」
不意にデュランダルの傍にいる黄色い軍服を着た男がカガリに話しかける。
「他国の内政に“干渉”しようとするって事は、逆に自国の内政に“干渉”されるかもしれないという危険を、常に『覚悟して来ている人』、という事ですよね…」
「…ッな!?」
「あなたのその政治手腕は、“ZAFT”に対し外交するよりも自国を守ることに使った方がいい」

 

「お前はぁ!」
「やめるんだカガリ!」
怒りに身を任せ手を出しかけるカガリを間一髪止めたアスラン。
「…すみません代表、私の部下が失礼な事を」
申し訳なさそうに言うデュランダル。

 

「…貴様の名はなんという」
カガリが感情を無理矢理殺した声で(傍から見れば殺しきれていないが)黄色い軍服の男に問う。

 

「“DIO”です。以後お見知りおきを…」
「彼が言わんとしている事は、『争いが無くならぬから、力は必要になる』という事なのです、姫…」
カガリの気を逸らすためにデュランダルは話をはぐらかした。

 
 

カガリが反論を口に出そうとしたとき、警報の音が鳴り響いた。
そして辺りから疑問の声が聞こえ始め誰かが「六番ハンガーだ!」と叫んだ。

 
 
 

「まずハンガーを潰す。モビルスーツが出てくるぞ!」
ビームライフルで破壊した扉から出た後、ジョジョは三人に伝えた。
「アウルは左、ステラは真ん中だ。」
「おっまかせぇ!」
「解った」
「で、俺は右って事ね。舌かまないよう気をつけろよ、ジョジョ!」
スティングが後ろの空間で縮こまっているジョジョに言う。

 
 
 

「発進急げ!」
「六番ハンガーの新型だ!何者かに強奪された!」
「モビルスーツを出せ!取り押さえるんだ!」
「なんだと…」
緑服の伝令が耳に入り愕然とするデュランダル。
「してやられましたな、ネズミに…」

 

そしてカガリとアスランは別の認識で愕然としていた。

 

「あれは!」

 

「ガン、ダム?」

 
 

「呆けている場合ではありませんよ、議長。代表と共に今は避難を優先すべきです」
「…そうだな、姫をシェルターへ。エヴァンスは!?」
DIOにフォローを入れられ目を鋭くするデュランダル。
「なんとしても抑えるんだ!ミネルバにも応援を頼め!」

 

こちらへ、と誘導され退避するカガリとアスラン。
カガリの胸の中には何故こんな事に、という状況への疑問があり、アスランには何故ガンダムが、という疑問が頭をよぎっていた。

 
 
 

「アーサー!彼らは!?」
「ついさっき戻ってきた所です!」

 
 
 

何故こんな事に、と彼は思っていた。
今日は新しい戦艦と機体の御披露目でめでたい日になるはずだったのに…
(クソ、クソ!一体どこのどいつだ!?ザフトに、しかもこの式典の日にテロを仕掛けたバカは!)
頭の中で疑問が出ては消えていく。
(この二人に関係あるんじゃないのか!?オーブのお偉方だか知らねーが、クソ、クソ、ク…ッ!?)
彼の思考はそこで中断した。
だが時既に遅く、カオスが撃破したジンの爆風は物理法則に従って彼を飲み込んだ。

 
 

「乗るんだ!」
アスランは怒っていた、理不尽な事態に。愛する人の危機に。
何より、また争いを繰り返そうとしている強襲者達に。
「こんなところで、君を死なせるわけにいくか!」
僥倖であるかのように目の前に現れたザクを起動させるアスランに迷いは無かった。

 
 
 

「…ん?」
ステラがディスプレイ端に目をやるとそこには緑色のMSが立っていた。
「なんなの?」
ステラはそれをザフトの次期主力MSザクだという事を思い出し、敵だという事を認識してビームライフルを放った。
だがそれはザクの機敏なステップで避けられる結果になった。

 
 
 

(当れ!)
敵のライフルをかわしその動きを保ったままタックルするザク。
それは彼の狙い通りガイアに当り、さらに運がいいことにガイアのライフルを手放させる事に成功した。
(いけるか!?)
だが彼の想像は楽観的観測に終わりガイアはビームザーベルを抜き機敏な動きでザクに襲い掛かってきた。
「くぅ!」
とっさにビムトマホークを取り出し競合いの形に持っていき、押し返し、捌く。

 
 
 

「ステラ!」
ザクの存在に気付いたスティングはカオスをザクに肉薄させその腕をサーベルでぶった切った。
だが彼の活躍はそこまでであった。

 

「ミサイルだ」
ジョジョの指摘は遅く、ミサイルの衝撃でカオスは前のめりに倒れる事になった。

 
 
 
 

空を八個の物体が飛んでいくのをステラは見た。

 
 

二機の戦闘機が二発ずつミサイルを飛ばすのをジョジョは見た。

 
 

四つの物体が合わさっていき血のように紅い胸をし、巨大な長刀を持ったガンダムが降りてくるのをアスランは見た。

 
 

四つの物体が合わさっていきヒマワリのように鮮やかな黄色の胸をし、花の形をしたリフターを着けたガンダムが地に降り立つのをカガリは見た。

 
 
 
 

「このシン・アスカには、護るべきものがある!」

 

「あなた達…『覚悟して来てる人』……ですよね。人を“始末”しようとするって事は、逆に“始末”されるかもしれないという危険を、常に『覚悟して来ている人』ってわけですよね…」

 
 
 

カガリの頭にはデュランダルの言葉が響いていた。

 
 
 
 
 

彼が言わんとしている事は、『争いが無くならぬから、力は必要になる』という事なのです、姫…

 
 
 

To Be Continued……