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LOWE IF_vKFms9BQYk_ダブルキラ(ミリアリア)

Last-modified: 2007-11-11 (日) 21:36:25

ダブルキラ(ミリアリア)

 私は戦いが終わって戦争ジャーナリストとなって、世界を飛び回る日が続いた。
 世界は混迷していた。人々が飢え、病魔に苦しみ死んでいく。
 その飢え、病魔から人々を救っているのが皮肉なことかコーディネータである。
 私は今カーペンタリア基地にいる。上司から『ユニウス条約後の軍人達』という題名で記事を書くように言われた。連合軍は終わり、今日からザフトの軍人が始まる。
 基地にいる軍人はほとんど外に出て、近くの町まで行き炊き出しを行っている。
 今残っているのが特に用のない軍人だったりする。
 私は軍の広報部から人から通行許可証を貰い、基地の中に入った。
 広報部の人が私をある部屋に通した。
「ミリアリアさん。仕事の邪魔になるかもしれませんが、基地の者が一人、一緒に行動します」
「わかりました」
 私は頷いた。
「ならここで待っていてください。今から連れてきます」
 そう言うと広報部の人が部屋から出て行った。
 広報部の人が言った事はもっともだと思う。
 至らない所に行っては困るし、軍人とのいざこざになったら問題だ。
 扉がノックされ人が部屋に入ってくる。
 その人物の第一印象は怪しい……なぜ仮面!?
 そういえば私が訪問した連合軍の基地にも、仮面を被っている男を見たような気が……
 深く考えるのはやめよう。きっと軍人の頭は螺子が何本か飛んでいるんだ。
 しかし白服に白い仮面。180cmある身長のおかげで格好悪くない……
 連合軍の仮面男も、似合っていないわけではない。
「は!?私は一体何を考えているの!絶対仮面は変よ。人としておかしい」
「お嬢さん、そのいう言葉は心の内に閉まっとくものだよ」
 私の思った事が口に出ていたようだ。目の前の仮面男は呆れている。
「あなたが私と一緒に行動するの?」
「そうだ」
 私の言葉に仮面の男は頷く。
「そういえば君の名前を聞いていなかったな……」
「人の名を聞くときはまずは自分の名を言うべきじゃないのかしら」
 仮面の男は口元が吊り上った。
「私の名前はサイ・アーガイル、よろしく」
 サイっていう名を聞くと、友達の姿を思い浮かべる。
 トールの命日から会ってないわね。私も仮面の男に名前を告げる。
「私の名前はミリアリア・ハウよ。好きに呼んでいいわ」
「ならミリィって呼ばさせてもらおう。とてもいい名前だ」
 仮面の男はいきなり私のニックネームで呼んだ。
 まるで懐かしいような友の名を呼ぶように。
「馴れ馴れしいわね」
「それはすまない。ならミリアリアで……」
「それでお願いするわ」
 私は部屋から出ると基地を仮面の男に基地を案内してもらっている。
 基地にいる軍人にインタビュー等をした。
 返ってきた言葉は連合軍のとさほど変わらなかった。
「戦争はもうしたくない」
 そんな事誰だってしたくない。私ももう参加なんて……
 仮面の男は最後にMS格納庫に案内してくれた。
 格納庫にはゲイツが数機置いてあった。
 中からパイロットが降りてきた。
 赤い瞳の少年が仮面の男に話しかけてきた。
「後ろの方彼女ですか?」
 仮面の男は私の肩を掴み引き寄せ「ああ、そうだが」と答えた。
「で、本当はどうなんですか?」
「ジャーナリストです」
 私は仮面の男から体を離し、赤い瞳の少年に言った。
「そうなんですか。教官、いま暇ですか?」
 こいつ、話をいきなり切り替えやがった……
「いや、暇ではないのだよ」
 仮面の男がすまなさそうに答える。
「お暇だったら、シミュレータに付き合ってもらおうと思いまして」
 赤い瞳の少年の後ろから出てきた金髪の少年が言ったようだ。
 その後に続き、赤い髪の少女が姿を現した。
「シン、レイ、ルナマリア、後からでも構わないなら付き合おう」
「教官!」
 赤い髪の少女が少し大きめの声で教官を呼ぶ。
「どうした、ルナマリア」
「どうして私もシミュレータ訓練のメンバーに入っているんですか?」
「シンがルナマリアと一緒の方が集中できるって言ったのでな」
 仮面の男の言葉に赤い瞳の少年が変な動きをし始めた。
「俺、そんな事言っていませんからね」
 シンが仮面の男の言葉を否定する。
 その言葉を聞いたルナマリアがシンを睨み付ける。
 否定しなくてもいいじゃないと言う感じて睨んでいる。  
「シン、ルナマリア、サイ教官の真偽は後で確かめる事にしよう」
 レイがその場を治める。
 なんかこの感じ、ヘリオポリスの時を思い出してしまう。
 私の言葉にキラが反論してその場をトールが場を治める。
 たまにサイが混じっていたっけな。
「泣いているんですか?」
 唐突にルナマリアと呼ばれた少女に声を掛けられた。
 私は気付かない内に泣いていたようだ。
「お前達、客人を泣かすとは……」
 仮面の男の言葉に三人の顔色が変わる。
「教官、私達は今からシミュレータ訓練があるので……」
 リーダー格のレイがそう言うと三人は、私に謝り仮面の男に敬礼をし格納庫を後にした。
 出入り口の方で声が聞こえる。
「教官の修正、地獄、あんなのもうやりたくない」
 その声は恐怖、畏怖が混じっているように思えた。
 仮面の男は三人を見ながら口元を綻ばさせていた。

  私は今、仮面の男の部屋にいる。
 ちょっと話があると言われて、ついてきたのだが今思うと何て浅はかだと思う。
 コーヒーの入ったカップを渡され私はそれを飲んでいる。
 角砂糖を二個、クリームが入っている。これが私がいつも飲む時に入れる物だ。
 仮面の男は私にその事を聞かず、まるで知っていたかのようにコーヒーに入れた。
「君はジャーナリストとして、ラクス・クラインはどう思う?」
 いきなり仮面の男は答えに困る質問をしてきた。
 前回の戦いで一緒に戦った仲間だ。どうしても答えにくい。
「プラントの歌姫ですか?どう思うと言われましても……」
「今彼女は、世界の表舞台に出ていない。前回の戦争で、介入してきてそのまま戦いを終わらせその後、行方知らずとなっている。一体どこで何をしているのだか」
 彼女はオーブで恋人と一緒にいる。そんな事口が裂けても言えない。
 私は仮面の男に『分からない』と答えた。
「案外彼女は、どこかの国で前回の戦争で恋仲となったパイロットと隠居生活をしているのではないのか?」
 当たっている。全てに置いて当たっている。
 そう言えば、砂漠の虎さんが言っていたわね。プラントは諜報員を使いラクス・クラインの行方を捜しているって。まさかこの人がそうなの……
 ドアがノックする音がした。仮面の男がドアを開けると兵士が立っていた。
 なにか耳打ちをすると兵士は部屋から離れて言った。
「ミリアリア君」
 仮面の男が私に話しかけてきた。
「ちょっと用事が入ったんだが君は今からどうする?」
「サイさんは、どのくらいで戻ってくるんですか?」
「私は用事は10分ぐらいで終わると思うが……」
「私はここで待っています」
 仮面の男は『残ってもいいが、あまり部屋を詮索するな』と言うと部屋から出て行った。
 私は仮面の男の言葉を無視し部屋を詮索する。
 5分程、詮索に費やすが何も出てこない。はっきりいって、この部屋何もないじゃない。
 机の上にある、作業用端末、なぜか伏せてある写真立て。
 私はその写真が何なのか気になり写真立てを手に取った。
 その写真には、恋人、家族の写ってくれた方がどんだけましかその時は思った。
 写真を見て、写真立てを壊しそうなぐらい手に力を込めているのを感じた。
 ヘリオポリスの時に撮った、キラ、サイ、トール、私が写っていたのだから。
 私は写真立てを元の所に戻し、仮面の男が帰ってくるのを待った。
 仮面の男が部屋に戻ってきた。
「あなたは一体誰?」
「一体何を言っているんだ?」
 仮面の男が私を見る。
「机の上に置いてある写真」
 私の言葉を聞いても何も反応しない。
 なぜ?何も動じないの?まるで私の行動が分かっていたって感じがする。
 ここまで考え私はある事を思いついた。
「答えにたどりついたって所か」
 仮面の男は笑っていた。
「で、あなたは誰?」
 私はもう一度仮面の男に問う。
「悪いが私はトールではない」
 MIAでここにいる可能性があるのはトールしかいない。しかしそれを彼は否定する。
 なら一体、誰なんだ?
 仮面の男が、身に付けている仮面を取り外す。
 私はその顔に驚いた。
「キラ……!?」
 男は仮面を身に付けた。
「世界はまだ君が知らない所がたくさんある」
 仮面の男はそう言うと、机の中を探り私にあるディスクを渡した。
「これは!?」
「世界の真実が詰まっている。君の知りたいことも」

 私は今基地の入り口いる。
「キラの事、今は誰が知っているの?」
「サイが知っていると言えば知っている」
「あなたは戻ってこないの?」
 私は仮面の男に質問する。
「私の居場所あそこではない」
 仮面の男ははっきりと答える。
「また、会えるかしら?」
「さあな」
「その時は食事をご馳走してもらおうかしら」
「覚えていこう」
 私は、仮面の男にそんな約束を交わし基地から離れた。
 次の日、基地に向かい、仮面の男を呼び出してもらう。
 仮面の男は昨日付けで、プラントに戻ったらしい。
 昔から何も変わっていない。あいつはあいつだ。
 ラクス・クラインの横にいるのとはまったく違う。
 ああ、なんて最悪な性格をしているんだ。


オリジナルキラは、二代目と違い腹黒い一面も持っている設定です。

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