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Lnamaria-IF_赤き月の鷹_第06話

Last-modified: 2013-10-28 (月) 02:37:26

悲劇の地で

あたしたちがユニウスセブンに付くと、工作隊は何者かの攻撃を受けていた!

「なんだ?カオス、アビス?」
「アーモリーワンで強奪された機体か!?」
「そうです! アスラン!」
「チィ!あいつら!」
「あの二機、今日こそ!」
「ルナマリア、目的は戦闘じゃないぞ!」
「解ってます。けど撃ってくるんだもの。あれをやらなきゃ作業もできないでしょ?」
「くッ……」
「じゃあ、シン、レイ! カオスとアビスは頼んだわよ!」
「ルナマリア、君は?」
「あたしたちは工作隊を攻撃しているジンを叩きます!ショーン、ゲイル、両脇お願い!」
「「了解!」」

「あなたたち! 無益なことはやめなさい!」

一応言ってみたけど聞く相手ではなかった。
問答無用で撃ってくる!
是非もなしか! ショーンとゲイルの援護の下ドラウプニルを連射して突っ込む!
近距離からの連射に耐え切れずまず一機撃破!
スレイヤーウィップを叩きつける! 相手は真っ二つに裂ける! 二機目撃破!

「くっ、ルナ! こいつらそっちに行こうとしてるみたいだ!気をつけろ!」
「わかったわ! シン!」

それなら! こちらの利点は――相手の性能を知っていること!
カオスは機動兵装ポッドで撹乱してくる!

でも、それじゃあ本体の機動力落ちるわよね!
機動兵装ポッドの相手はアスランとショーン、ゲイルに任せ、あたしは一気に本体へ突っ込む!

カオスはMA形態になりカリドゥス改複相ビーム砲を放ってくる!

そんな大技! 避けてみせる!
ドラウプニル4連装ビームガンを撃ちながらあたしはカオスに接近する!
――! カオスはMS形態に戻ると蹴りを放ってくる! あぶないあぶない、そう言えばビームクロウなんて武器もあったわね!あたしはテンペストを抜くとつま先を切り飛ばす!
もらった!スレイヤーウィップを両腕から放つ!
だが、敵は一瞬早く機動兵装ポッドを戻し、一基をスレイヤーウィップの犠牲にして本体を救った!
機動兵装ポッドに詰まれたミサイルが爆散する隙を突いて、カオスは撤退して行った。

後は、アビス!

「みんな、散開して離れて!一対一にさせて!」

ひたすら本体を追えばいいアビスの方がカオスより!

「この泥棒がーーー!」

いくら多数のビーム砲を装備していようと所詮一点からの攻撃なのよ!
相手があたし一機だけで残念ね! 無駄! 無駄! 無駄!

あたしのドラウプニル4連装ビームガンも宇宙で射程が延びる!ばら撒いて隙を作ると一気にアビス本体へ突進!
アビスは思わず両肩のシールドで防ぐ!
そんな事してると攻撃できないでしょう? それが攻防一体の盾のあんたの弱点よ!
テンペスト! 確実に仕留めた!

と思ったら、アビスは絶妙に身をかわし、片方のシールドを切り飛ばされただけで撤退して行った。

「すごい……これがわざわざ異例にグフを与えられたパイロットの力かよ……」
「シン!何をしている!作業はまだ終わってないんだぞ!」
「わかってる!」

あたしたちが戦っている間に、メテオブレイカーは一基、また一基と爆破作業に成功して行った。

「だがまだまだだ! もっと細かく砕かないと!」
「アスラン!?」
「貴様ぁ!こんなところで何をやっている!」
「そんなことはどうでもいい!今は作業を急ぐんだ!」
「あ、ああ!」
「解っている!」
「相変わらずだなイザーク」
「貴様もだ!」
「……やれやれ」

あれは……前大戦時のアスランの仲間!
一気に明るくなる雰囲気。でも、まだ残ったジンが攻撃を仕掛けてくる!

射撃をかいくぐり、近距離からドラウプニルを叩き込む!
相手のビームをテンペストで弾き、そのまま相手を一閃する!

これで終わりかしら?
……? 帰艦命令? そうか、高度か!

「ん? あ、アスラン!」
「え?」
「く……」
「何をやってるんです! 帰還命令が出たでしょう。通信も入ったはずだ!」
「ああ、解ってる。君たちは早く戻れ」
「アスラン、一緒に吹っ飛ばされますよ? いいんですか?」
「ミネルバの艦主砲と言っても外からの攻撃では確実とは言えない。これだけでも……」
「……貴方みたいな人がなんでオーブになんか……」
「――ん?」
「うおぉぉ!」
「これ以上はやらせん!」
「こいつらまだ!」
「ぇぇぃ! ああ!メテオブレーカーが!」
「我が娘のこの墓標、落として焼かねば世界は変わらぬ!」
「娘…?」
「なにを! そんな事で変わるならば苦労はしないわよ!」

あたしは前から来るジンの重斬刀をかわしテンペストで真っ二つにすると、上部を後ろから来るジンハイマニューバ2型に投げつける!

「ぐぁ…! 此処で無惨に散った命の嘆き忘れ、討った者等と何故偽りの世界で笑うか! 貴様等は! 軟弱なクラインの後継者どもに騙されて、ザフトは変わってしまった! 何故気付かぬかッ! 我等コーディネーターにとってパトリック・ザラの執った道こそが唯一正しきものと!」
「死んだ人は泣かないわ、苦しまない、怒りもしない。そして笑わない喜びもしない! 私の父がそうであるように、幾ら望もうが願おうが、二度と笑顔を向けてはくれないのよ! それを報復の大義などに使うな!」
「確かに核で家族を奪われた人間が地球の人間を許せないのは分かる! 俺も母親を奪われたときは辛かった。父、パトリック・ザラはそのことで変わってしまった……でも、個人の憎しみで平和を拒否してこんなもの落として泣く人間を増やすのは間違ってる!」
「そうだとて、赦せるものか!!ナチュラルどもを!」
「赦せなくてもいい、さっさと降伏しなさい、それがプラントを守る事に繋がる!」
「妻も娘も逝き!友は貴様らが撃った!もはや私に守るものなどないわ!」
「ならば……死ね!」

そう言うとアスランはMA形態になってビームを撃ちながら駆ける!
あたしはその上空をテンペストを構えて突撃する!

「ぬおおおおお!」

ジンはビームカービンを撃ち尽くすとシールドも捨てて斬機刀を構える。
そんなもの!
あたしのテンペストが斬機刀を切り飛ばし、ガイアのビームブレイドは見事にジンハイマニューバ2型を切り裂いた。

「大丈夫ですか? アスラン」

「ああ……すまない、ルナマリア。破砕作業に戻るぞ」

メテオブレイカーは無事に地中に突入して行った。

「さあ、戻るわよ!」

――!

「お前だけはーーー!」

まだジンがいたの!?

「アスラン!」

ガイアは隙を付かれて、ジンに足を掴まれて地球に落下して行く!

「くっ」

あたしも急降下してテンペストでジンを切り飛ばす!

「突入角度調整。排熱システムオールグリーン。自動姿勢制御システムオン。ECSニュートラルへ。……アスラン大丈夫かな? 大丈夫よね?なんたってセカンドシリーズだもの」

あたしは無事に大気圏突入に成功した。あの人は、アスランは!?

――! いた!

「アスラン! 聞こえて!? 無事ですか!? ガイアはスラスターの能力が足りないわ! 一緒に!」
「莫迦! 君だけでも戻れ! グフのスラスターでも二機分の落下エネルギーは…!うッ!」
「どうして貴方は、いつもそんなことばかり言うんですか!」
「じゃあ何を言えばいいんだ」
「俺を助けろこの野郎!とか……」
「ふ。その方がいいのか?」
「ふふ。いえ、ただの例えです」
「じゃあ……助けてくれ、ルナマリア」
「……はい!」

ミネルバはどこ?
あ、発光信号! 1時の方向!

あたしたちは、なんとか帰艦した。

「……MSで大気圏に突入するなんて……全く、無茶な奴だな君は」
「アスランに言われたくないですよ」
「はは、全くだ。助かったよ。ありがとう」
「……別に、無我夢中だっただけですよ」
「それでもいいさ。君は俺の命の恩人だ。この恩はきっと返すよ」
「……変な人ですね。ヤキンの英雄ってもっと別な人を想像してた」
「よく言われるよ」

あたしたちがMSから降りると、あのお姫様がやってきた。

「アスラーン!」

――! 艦が揺れた! 何!?

「なに?まだ何か!?」
「地球を一周してきた最初の落下の衝撃波だ。おそらくな」
「そう……地球、あまりひどい事になってなけりゃいいけど」

……

あたしたちが収容されてからしばらくして、ミネルバは初めてその身を地球の海に浮かべる。

『警報。総員着水の衝撃に備えよ』

休憩室の椅子に座り、片手を椅子の背にまわして固定する。

まるで舗装されていない地面を走ったように艦がバウンドし、しばらく経つと、止んだ。

『着水完了。警報を解除。現在全区画浸水は認められないが今後も警戒を要する。ダメージコントロール要員は下部区画へ』

ふう。一安心ね。

……

みんな、手隙の者は上甲板に出ている。やっぱり地球の海が見てみたかった。
うーん、なんか臭い。

「けど地球か」
「太平洋って海に降りたんだろ?俺達。うっはは、でけー」
「ヴィーノ! そんな呑気なこと言ってられる場合かよ。どうしてそうなんだ、お前は」
「人のこと言えるのかよ、ヨウラン」

「大丈夫か?アスラン」
「ああ、大丈夫だ」

向こうでお姫様とアスランが話してる。

「けどほんと驚いた。心配したぞ。モビルスーツで出るなんて聞いてなかったから」
「すまなかった、勝手に」
「いや、そんなことはいいんだ。お前の腕は知ってるし。私はむしろ、お前が出てくれて良かったと思ってる」
「?」
「ほんとにとんでもないことになったが、ミネルバやイザーク達のおかげで被害の規模は格段に小さくなった。そのことは地球の人達も……」
「やめろよこの馬鹿!」

「シン!」
「えぇまたぁ?」
「またって事は、シンも結構言っちゃった訳?あのお姫様に」
「ああ、ヨウランの時、ルナが出てった後にね。やっと言えるぞって勢いで」

「あんただってブリッジに居たんだ!ならこれがどういうことだったか解ってるはずだろ!?」
「ぇぇ……」
「シン」
「ユニウスセブンの落下は自然現象じゃなかった。犯人が居るんだ!落としたのはコーディネーターさ!」
「ぁぁ……」
「あそこで家族を殺されてそのことをまだ恨んでる連中が、ナチュラルなんか滅びろって落としたんだぞ!?」
「ぁぁ……わ、解ってるそれは…でも!」
「でもなんだよ!」
「お前達はそれを必死に止めようとしてくれたじゃないか!」
「当たり前だ!」
「ええ?」
「だが……それでも破片は落ちた。俺達は……止めきれなかった」
「アスラン……」
「一部の者達のやったことだと言っても、俺達、コーディネーターのしたことに変わりない。許してくれるのか……それでも……」

アスランは、甲板から中へ入って行ってしまった。

「奴等のリーダーが言ったんだ」
「え?」
「俺達コーディネーターにとって、パトリック・ザラの執った道こそが唯一正しいものだってさ!」
「ぁ!……アスラン……」
「あんたってほんと、何も解ってないよな。あの人が可哀相だよ」

アスラン……吹っ切れてはいたようだけど。あんな事言われたんじゃ辛いよね……

……

しばらくたって、外で射撃の訓練をやることにした。どうせなら外の方が気持ちいいものね。

……弾倉をひとつ撃ち終わる。集弾率低いなぁ。やっぱあたし射撃へただわ。はぅ。

「ん? あら! アスラン!」
「訓練規定か」
「ええ、どうせなら外の方が気持ちいいって。でも調子悪いわ」
「ん……」
「あ、一緒にやります?」

アスランに、ちょうどいい気分転換になるかもしれない。あたしは、アスランにいつまでも沈んだ雰囲気でいて欲しくなかった。

「え……いやぁ俺は……」
「ふ…ほんとは私達みんな、貴方のことよく知ってるわ」
「え?」
「元ザフトレッド、クルーゼ隊。戦争中盤では最強と言われたストライクを討ち、その後、国防委員会直属特務隊フェイス所属。ZGMF-X09A、ジャスティスのパイロットの、アスラン・ザラでしょ?」
「……」
「お父さんのことは知りませんけど、その人は私達の間じゃ英雄だわ。ヤキン・ドゥーエ戦でのことも含めてね?」
「ああ……あれいやぁ……」
「射撃の腕もかなりものと聞いてますけど?」
「お手本。見せてくださいよ。実は私あんまり上手くないんです」
「ふふ。じゃあ」

うわー! アスラン! あたしと違って動く的を撃ってるのに! みんなど真ん中!

「あぁ……すごい」
「うわー、同じ銃撃ってるのになんで!?」
「銃のせいじゃない。君はトリガーを引く瞬間に手首を捻る癖がある。だから着弾が散ってしまうんだ」
「こんなことばかり得意でもどうしようもないけどな」
「そんなことありませんよ。敵から自分や仲間を守るためには必要です」
「敵って……誰だよ」

やばい! なにか彼の傷に触るような事言った!? 彼はあたしをにらむと艦内へ入ろうとした。

「ミネルバはオーブに向かうそうですね。貴方もまた戻るんですか?オーブへ」
「ああ、シン」
「なんでです?」
「……」
「そこで何をしてるんです?貴方は。貴方の居場所はザフトじゃないんですか?」

アスランはしばらく立ち止まって、そして中へ入って行った。

あたしは考えてみた。なぜアスランがあんな反応を示したのか。あたしにとって敵と言えば、セカンドシリーズを強奪したような奴ら。あたしとあたしの仲間を攻撃してくる物だけど、アスランの考えはきっともっと深い。
きっとお父さんを信じて戦っていたけど、お父さんはいつの間にかナチュラル滅亡なんて事企ててて。上から言われるままに戦う事に疑問を持ったんだろう。上から敵と言われる者を敵とする事に。だからかつての敵アークエンジェルとも共闘した。そんな彼にとって、あたしの答えは単純で幼稚に見えたんだろうなぁ……

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