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Lnamaria-IF_赤髪のディアナ_第19話

Last-modified: 2013-10-28 (月) 02:04:00

一時帰還

色々やり取りがあり、オーブ艦から人が確認に来たりして、結局アークエンジェルはオーブに入れる事になった。
やった!

『指示に従い、船をドックに入れよ』
「オノゴロは、軍とモルゲンレーテの島だ。衛星からでも、ここを伺うことは出来ない、安心しろ」
「しっかし、カガリがお姫様だったなんてねー」
「お、お姫様なんて、そんな呼び方やめろ!カガリでいいんだカガリで!」
「しかし、こんなふうにオーブに来るなんてなぁ」
「ね、サイ。こういう場合どうなんの?やっぱ降りたり、って出来ないのかな?」
「降りるって……」
「いや、作戦行動中は除隊できないってのは知ってるよ。けどさぁ、休暇とか……ね、ノイマンさん?」
「可能性ゼロ。とは言わないがね。どのみち、船を修理する時間も必要だし」
「ですよねぇ」
「でもまぁ、ここは難しい国でねぇ。こうして入国させてくれただけでも、けっこう驚きものだからな。オーブ側次第ってところさ」
「父さんや母さん…すぐ近くに居るのに……」
「会いたいか?」
「そりゃもちろん会いたいですよ」
「ん……」
「まかせろ!なんたってオーブの艦って名目で入ったんだ!お父様に直談判してやる!」
「会えるといいな」

しばらくたって、避難民は最優先で降ろされることになった。よかった。無事に運べて。あ、エルちゃんが来る。

「ルナお姉ちゃん、今までありがとう、はいこれ」

差し出されたのは、折り紙で作った花だった。

「ありがとう!大切にするね!」

フレイもお父さんと艦を降りて行った。

「ルナたちだけ残していくのは心苦しいけど……早く降りられるように祈ってるわ。ニコルの事、お願いね」
「ありがとう。フレイも頑張って!」

フレイは本土の医科大学に進むそうだ。

避難民の皆さんが降りると、いきなり寂しくなっちゃった。

「マーイスウィートチルドレン!アンド マーイスウィートハニー!ただいま帰ったよーーー!」
「お帰りなさい!あなた!」
「いいかげんにそれやめろよ親父!」

え?振り向くと、アスカさんが女の人と男の子と女の子の三人連れのところに駆けて行く。
紹介された。アスカさんのご家族だそうだ。奥さんのユーコさんに、シン君とマユちゃん。
仲良さそうなご家族だ。あたしも早くお父さんお母さんに会いたいな。
顔に出たのか、君たちも必ずご家族に会えるようにする、とアスカさんは確約してくれた。

◇◇◇

結局、MSの戦闘データ、あたしたちMSパイロットのモルゲンレーテ社への技術協力を引き換えに、アークエンジェルは修理や補給をされる事になった。
そして今までアスカさんの一任でモルゲンレーテ所属とされてたメンバーも、正式にそれが認められ、遡ってお給料が出る事になったのだ!ちょっとしたお金持ち!えへ。それにボーナスも!
あたしたちが改良していたナチュナル用のMSOS、それは今まで開発されていたものを一気に引き離し、ナチュラルでもかなりスムーズにMSを扱える物になっていたのだ。主任設計技師のエリカ・シモンズさんは狂喜乱舞していた。

「シモンズ主任。みなさんをご案内致しました」
「ありがとう。主任!よくご無事で!」
「いや、ルナちゃんやキラ君にずいぶん助けられたよ。それに我が国の量産MSもずいぶん進んでいるそうじゃないか。君の力だよ」
「ここって……?」
「ここならアストレイの完璧な修理・調整が出来るわよ。いわば、お母さんの実家みたいなもんだから」
「こっち!みんなに見て貰いたいのは」
「あっ!これ……アストレイ?」
「そう驚くこともないでしょ?貴方もヘリオポリスでストライクを見たんだから」
「これが中立国オーブという国の本当の姿だ」
「カガリ!」
「これはM1アストレイ。モルゲンレーテ社製のオーブ軍の機体よ」
「これを、オーブはどうするつもりなんですか?」
「どうって?」
「これはオーブの守りだ。お前も知っているだろ?オーブは他国を侵略しない。他国の侵略を許さない。そして、他国の争いに介入しない。その意志を貫く為の力さ」
「ぁぁ……」
「もう、それだけではいけないと、私は思っているがな」
「え?」

『起動電圧正常。システム………』

「アサギ、ジュリ、マユラ!」
「「「はーい!」」」
「あ!カガリ様?」
「あら、ほんと」
「なーに、帰ってきたの?」
「悪かったなぁ」
「訓練始めて!みんな!」

……

「ずいぶんスムーズに動くようになったな」
「これも、主任が改良して持ち帰ってくれたOSのおかげです。キラ君、あなたには、そのサポートOSの完成をお願いしたいの。ルナマリアさん、あなたは実戦から得た経験でM1アストレイに直すべき点や取り入れてもらいたい事があればアドバイスしてちょうだい。短期にできる事ならすぐアストレイにもフィードバックするわ」
「アスカさんには聞かないんですか?」
「主任は、アストレイには乗ってなかったから。それに主任は主任でストライクのデータをフィードバックする作業があるのよ。今までの開発経過も聞いてもらって指揮してもらわなくちゃ。大忙し」

翌日、マリューさんが言った

「家族に会えるの?」
「ええ。状況が状況だから、家にも帰してあげられないし、短い時間だけど、明日午後、軍本部での面会が許可されました」
「あーー」
「わーいやったー!」
「やった!よかった!」
「トール、どうしよう!」
「どうしようってミリィ、今から泣くなよ」
「だって嬉しくって…会えるのよ?」
「元気かなぁ?」
「細かい予定は明日通達……ちょっと、聞きなさい!」

「お姉ちゃん、どうする?あたしは単なるモルゲンレーテの社員だから、家に行ってこれるよ」
「家って言ってもねー。新しい家でしょう?今まで持ってたものはヘリオポリスでぱーになっちゃったし。メイリン、艦を降りる気はないの?」
「お姉ちゃん残して降りるわけないじゃん。じゃあ、お姉ちゃんに好みの紅茶でも買って来るよ」
「ありがとう……」
「ちょっと、お姉ちゃん、なに泣いてるのよ」
「だって、心細かったんだもん。メイリンいなくなるかもって思ってて」
「もう、お姉ちゃんったら」

ぎゅ メイリンがあたしを抱きしめる。それはとても心地よかった。

◇◇◇

「母さん!父さん!」
「ルナ!よく無事で」

翌日、軍本部で両親と面会した。みんなもまわりでご両親に会って泣いたり騒いだりしてる。

「本当に……MSの一機は主任が乗ってたそうじゃないか。父さんも替わってやりたいぞ」
「新しい家はいいところをもらえたのよ。早く一緒に住みたいわ」

あたしは、思っていた事を話した。オーブの役に立ちたいと。

「……立派になったなぁ」
「この子ったらまだ子供なのに」
「何か、MSでして欲しい事があったら遠慮なく言いなさい。無理押ししてでもかなえてやる」
「メイリンに、ルナの好物とか色々持たせるから。身体に気をつけるのよ」

短い時間だったけど、充実した時間だった。戦争が終わったら、きっと帰ってこよう。ここへ。

◇◇◇

さあ、あたしの仕事も終わらせなくちゃ!
みんなで話し合ってアストレイの改修案を出したのだけど、その時、長い黒髪の人を紹介された。ロンド・ギナ・サハク様だって!ギナ様には、ゴールドフレームの右腕をよく持って帰ってきてくれたな、と背中をばしばし叩かれた。

みんなで考え合って、アストレイ(青・赤)にはフィン・スラスターを肩に装着し、脚部の強化、腰部の追加バッテリーバック、またキャリーさんの105ダガーと同じようにラミネート装甲が張られる事になった。アーマーシュナイダーに対ビームコーティングを施される。なんとビームサーベルも受け止められるらしい。
あたしは経験から、ディンと同じように空中を自在に飛びまわれるようにしたかったのだけど、それは技術の発展待ちになりそうだ。残念。
そうそう。乗せてたけど何にも使わなかったミゲルの乗ってたジンを降ろし、予備に、ストライクの技術や話し合いの結果も取り入れ改良するM1アストレイを積む事になる。これから突貫作業で改修するそうだ。頭が下がる。ブリッツは、ギナ様が参考にしたいと言って持って行った。

あーあ、いい加減疲れた。
ジュースでも飲もうと自動販売機のところ行ったらキラがいた。あ、カガリも来た。……自然にキラと腕組むんだなー。

「や、おふたりさん」
「やあ、ルナ。OSの方は大体終わったし適当にのんびりしてるんだ。ルナの方はまだ?」
「ルナ…あ……違うんだこれは!」

あーあ、腕振りほどいちゃった。

「えー、カガリ、何が違うの〜?」
「とにかく違うんだ!」

顔を真っ赤にしてカガリったら走って行っちゃった。かわいー!

「急にどうしたんだろ、カガリ?」

キラの鈍感!

……なんとも驚いたことに。アークエンジェルは本当にオーブの物になりそうだ!
その代わりにナチュラル用OSとかが連合に渡ったらしい。地球軍にとってはアークエンジェル一隻よりもその方が助かるみたい。今まで生産だけはしてきたMSがいきなり使い物になったと、ビデオレターでハルバートン少将がお礼を行って来た。カガリの護衛の人――キサカさんに聞いたら、これもハルバートン少将始めアークエンジェルクルーがあたしたちと親密な関係を築いたからだ、と言うことで結構権力も上がっているみたいだ。

アークエンジェルは改装を施された。弱点の下部にもゴットフリートが一基追加された。Xナンバーと戦った戦訓から、ビーム機銃が全体で26基増設された。イーゲルシュテルンも12基に増設されている。
そして、アークエンジェルは義勇兵としてアラスカへ向かう事になる。氏族長会議ではかなり議論が紛糾したとも聞く。
マリューさんやサイたちは地球軍からアークエンゲルへ派遣と言う形だ。何も変わらない様だけど、建前って奴だそうだ。
アスカさんも付いて来てくれる事になった!

「でも、いいんですか?MS開発の責任者でしょ?」
「君たちを巻き込んでしまった責任があるからね。もう一人くらい、私の代わりになるようなパイロットが派遣されるまで、最低アラスカまではご一緒させてもらうよ」

本当に心強い!

出航間もないある日フレイがジョージさんと訪ねて来た。

「どうしたの?フレイ」
「うふふ、嬉しいことがあるのよ。あ、私にとってだけど。あ、ニコル!」
「フレイさん!」

もうすっかり怪我も治ったニコルさんが連れられてきていた。

「喜んで!パパが地球軍に働きかけてくれたのよ!オーブを離れない限り、戦争が終わるまで自由にしてていいんですって!」
「ふふ。権力と言うのはね、君、普段きちんと振舞っておけば、多少のわがままは許されるのだよ。君の戦争はこれで終わりだ。まことにおめでとう!」
「い、いいんでしょうか?捕虜の身でこんな……」
「ニコルさん、おめでとう!昔の話だけど、オーブのルーツの日本と言う国は、捕虜をひとつの街を自由に歩かせたり、コンサートを開くことも許していたそうよ!オーブはいいところだからゆっくり羽を伸ばしてね」
「ありがとう、ありがとう、みなさん。本当に……」

ニコルさんはフレイと一緒に退艦して行った。
この戦争も、ただ破壊するだけじゃない。対立する陣営であっても人と人の心を結びつけたりするんだ。あたしは嬉しかった。

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