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Marina-if_01

Last-modified: 2017-08-22 (火) 12:37:49

西暦2307年......太古より続く戦争に終止符を打つ為人類は代理戦争を開始した。
兵器ではなく、MF(モビルファイター)による格闘...「ガンダムファイト」。
勝利した国は四年間地球における覇権を握ることができる。
ユニオン、AEU、人類革新連盟...これら強大な組織を構成している国々もこぞって参加している。
...そしてそれは中東の国家アザディスタンも例外ではなかった...

 
 

ここはアザディスタンの王宮にあるシャワールーム。
白い大理石でできたそこはある女性を中心に仄かな花の香りが漂う。
シャンプーでその細い肢体を洗うのは当国の皇女マリナ・イスマイール。
艶と深みを持った長い黒髪はシャンプーの香りを纏わせながらお湯に濡れ静かに揺れている。
清廉かつ雅な顔立ちは穏やかな時に浸りながらもどこか物憂げだ。
無理もない。彼女は皇女でありながらこの国を代表するガンダムファイターとなり、公務と同時にその訓練にも身をやつしているのだから...

 
 

「もうじき決勝...」訓練のみならずサバイバルイレブンという時期に挑戦してくる複数の国のファイター達を何とか倒し経験を積み、自信を持ち始めたとは言え不安が残る
やはり強豪達の戦力を全て把握することは当国の情報網をもってしても難しい。
音楽の道を自ら諦めてでも国を守りたくて正式に皇女となったマリナ。一見闘いなどとは無縁そうな彼女はいくら戦争ではないとはいえ身を以てしてでも国の為に尽くす為周囲の反対を強く押し切りガンダムファイターとなった。
まだファイトの制度が影も形もなかった時、命がけで戦っている軍人達や難民達のいる場所に直接慰問に行こうとしても大臣達から止められた。その歯痒さがあっての決心だった。
確かに国内での争いは終わったが、今度こそ、豊かな資源と高度な医療を手に入れて国を豊かにしたいと願っている。
(もっと強くならなければ......誰も守れない...)
小振りな胸に細い手をぎゅっと押し当てる。

 

彼女の身体は普段王宮にいる時や外交時の服からは少し想像できないかもしれないが、生来の華奢で綺麗な体型はそのままに訓練の成果もありほんのりとだが引き締まっている。
ファイターとしての最低限の動きをする為のトレーニングと、非力さを補う為の合気道と弓の訓練。
鉄球や斧と言った重い装備を扱う機体はやはり彼女には荷が重い。
ファイターの動きが機体に反映されるモビルトレースシステムにはそういう側面もあるが国を立て直す以上耐えなければならない。
非力な彼女には軽量の武器と相手の力を活かす合気道が必要不可欠だった。

 
 

「マリナ、また物思いに耽っているの?」
低く怜悧な馴染みのある声に振り替える皇女。
「シーリン?待って今上がるわ。」
今まで自分が考えていたことを悟られたかのような気がして気恥ずかしくなり、慌てて身体を拭くと就寝用の服に着替えて廊下に出ればそこには声の主が立っていた。
「あまり考えすぎると戦いに影響するわ。今のあなたは普通の皇女ではないのだから...」
そこに長年の関係故の優しさを感じて微笑を浮かべるマリナ。
「ありがとう。でも大丈夫よ。貴女やみんなの力があったからここまで来れたし...最初の時の私ではないわ...」
「だと良いのだけれど...」一瞬穏やかな笑みを浮かべたがどこか思案の色が残るシーリン。
彼女は知っていた、マリナには生まれ持っての甘さが多少残っていることを。
「お休みなさい、私達のガンダムファイター...」
ゆったりと、だが凛とした足取りで寝室に戻るマリナを淡々とした声で見送った。

 
 

皇女の戦い マリナがガンダムファイターだったら… 第二話?

 
 

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