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R-18_Abe-SeedDestiny-X_安部高和_01

Last-modified: 2013-12-22 (日) 04:25:46

彼らは世界を呪っていた。
自分達に出来損ないの烙印を押し、紛い物として隅に追いやった世界。
そんな世界に彼らは復讐を誓い、そして様々な場所で暗躍していた。
だがしかし、そんな彼らを突如として異変が襲った。
いつものように宿舎で寝て、そして朝六時きっかりに目を覚ましてカーテンを開けると、
「・・・・・・なんだと?」
そこは、別世界だった。

CE74――
戦争終結から一年。プラント、連合共に目立った火種は見受けられず、前大戦の爪痕もその大部分が
癒されていた。
「ここももうじき元通りだ」
作業服に黄色いヘルメットといった格好の少年がそう呟く。
キラ・ヤマト。ここベルリンで当初から復興作業を行っている、スーパーコーディネーターだ。
オーブの中将やザフトの白服といったポストを用意されていたのだが、彼はそれらを断ってこの
復興支援に参加していた。戦場に参加した者として、戦火に焼けたこのベルリンを放っておく事は出来なかった。
もちろんここの復興が終われば中将や白服になるという選択も可能になるのだが、
「働くって気持ち良いなぁ・・・・・・」
キラは労働の喜びに目覚めていた。重労働の後のご飯は、今まで食べたどの料理よりも格別だった。
「ゲ、ゲ、ゲゲゲのゲイ〜♪」
と、そこでキラの耳になんとも不吉な歌が聴こえてきた。
「今日〜はベルリンでア ッ ー、ア ッ ー、ア ッ ー♪」
「そ、その声は・・・・・・!」
振り向くまでもない。誰よりも戦場を荒らしたその男の声、聞き間違うはずがない。
「やぁキラ、久しぶりじゃないの」
「ひぃっ!!!!??」
阿部高和。説明不要の良い男、言わずと知れたゲイ。キラが二番目に会いたくない人物だった(一番は凸)。
「な、ななな何しに来たんですか!?」
「決まってる。数行上で歌った通りの事を、さ。単刀直入に言うとおまえを掘りに来た」
「や、やめてください!僕はノンケなんです!!」
「おまえも知っているだろう?俺はノンケでも食っちまう男だって事をな!」
セリフが終わると同時に、阿部はキラの背後に回りこんだ。
スーパーコーディネーターの目でも捉えられない、縮地の遥か上を行くスピードだった。
「――!?」
「ここは久しぶりか?力抜け――」
「っそぉぉぉぉぉぉい!!!!」
「ハアッオ゛!?」

キラのアナルを貫こうとしたその瞬間、阿部は横っ腹に球状の何かをぶつけられて吹き飛ばされた。
「ああっ!昨日直したばかりの建物が!!」
「危ないところでしたわね、キラ」
そうキラに声をかけたのはピンクの少女。腹黒ピンクと名高い、別名桃色女神であるその少女こそ、
キラの許婚(自称)のラクス・クラインだった。
「ら、ラクス!?どうしてここに!?」
「当然キラを助けに、ですわ」
実は単なる暇つぶしだった。休暇を貰ってもする事のないラクスは、休暇の度にここベルリンに降りていた。
ちなみにさっきラクスが投げ放ったのはハロ(ブロウクンファントムちゃん)。錐揉み回転するニクイ奴だ。
「そ、そう。取りあえず、ありがとう・・・」
「もう、お礼なんて要らないですわ♪わたくし達はいずれ夫婦になるのですから、助けるのは当然ですわ♪」
「いや、勝手に決めないでよ・・・・・・」
「やっぱりキラはお婿さんですわよね。キラ・クライン・・・・・・良いお名前ですわ♪」
「やめてよね・・・・・・一歩間違えたらキラークイーンじゃないか・・・・・・」
「あなたのハートにシアーハートアタック、なんちゃっ――!?」
そこでセリフを切り、ラクスはハロ(ビッグシールド・ガードナーちゃん)で自身の身を護った。
そして粉々に砕け散るシールド。同時に、ラクスに投げ放たれたハロ(ブロウクンファントムちゃん)も粉々に砕けた。
「あら?あれを受けて生きてらっしゃるなんて・・・・・・」
「あんな物じゃあ熊しか殺せないぞ腐れピンク」
「なんで手の平サイズのハロからあんなデカイ盾が出てくるんだ・・・・・・?」
「流石は阿部高和、噂に違わぬクリーチャーですわね」
「次は阿部さんのターンだ。貴様が血反吐吐くまでずっと俺のターン!!」
「そんな残虐ファイトは許しませんわ」
ラクスがスカートの両端を摘み上げると、そこから大量のハロが出てきた。
「スカートの中という狭い空間にあれほどのハロが!?ラクスのスカートの中はどうなってるんだ!?」
「なんなら覗いてみます?なんて・・・・・・キャッ/////」
「よくない所に引きずり込まれそうだからよしとくよ・・・・・・」
「ほう?そんなチンケな玉ッコロで阿部さんをどうしようと言うんだい、桃色汚物?」
「あなたを消毒して差し上げようというのです」
転がったハロには車輪が付いており、そしてそれらは地を削りながら阿部に向かって走っていく。
爆薬搭載型自立稼動式ハロ、シアーハートちゃんである。
「ラクスのハロ、最近やたらと物騒になってない?」
「メルブラデビューに向けて、ですわ」
「は?メルブラ?」
「アークドライブはスター・プラチナちゃんですわ♪」
「版権関係が面倒だよラクス・・・・・・」
与太話はともかく。
大量のハロ(シアーハートちゃん)は、瞬く間に阿部に着弾して、大規模な爆発を起こしていった。
「ああ、せっかく復興したのに・・・・・・」
「さぁ逃げますわよキラ。たぶん死なないでしょうし、あの男は」

爆炎の中。
常人なら粉々になっているであろうその衝撃を受けて尚、阿部はそこに立っていた。
「こんな程度の爆発じゃあ戸愚呂(兄)を粉々にするしか出来ないぞ、外道ピンクが!」
その言葉通りの威力だったので、阿部の体どころかツナギすら破けてなかった。
「って、いないじゃないの」
ハロ(シアーハートちゃん)は単なる目くらまし。その隙にラクスもキラも、この場から去っていた。
「やってくれるじゃないの・・・・・・」
その爆発に「なんだなんだ?」と群がる作業員。彼らも阿部とラクスを隔てる壁としての役割を担っていた。
仕方ないからこいつらを片っ端から掘ってやろうかと考えた矢先、阿部は『何か』の気配を察知した。
「よく分からないけど・・・・・・キナ臭いじゃないの」
その気配は、新たな戦争の火種になるだろうと阿部は思った。

プラント、某ホテル。
自身のMSを隠した彼らは、今ようやく自身の置かれた状況を理解した。
「なるほど、つまりここは別世界という事か・・・・・・」
そう呟いたのは、長身の男。甘いマスクを持ったその男は、何か社交ダンスでも踊るのかい、といった風な
派手な服を着ていた。
「原因はよく分からないけど、でもこうなった以上は仕方ないね、兄さん」
そう言ったのはオールバックの男。兄と同じく甘いマスクのその青年は、兄に比べて地味な服を着ていた。
もちろん兄に比べて地味なだけであり、やはり私服としては物凄く浮いていた。
「兄さん、やるんでしょう?」
「ああ、もちろんだオルバよ。世界が変わっても我らがやる事はただ一つ」
「悪い事、するんだね・・・・・・兄さん?」
フロスト兄弟は切なくて異世界に飛ばされてもすぐ悪い事を企てちゃうのだ。
こうして彼らは、このCE世界での行動を開始した。

機動戦士阿部さんSEED DESTINY X
第一話〜ついカっとなってやった。今では反省している〜

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