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R-18_Abe-SeedDestiny-X_安部高和_23

Last-modified: 2007-11-09 (金) 20:45:10

パナマ基地。
『フンッッ!!』
『ア ッ ー!!』
『今日でカタだ、ヴェサリウス!!』
『さっさと投降しなって。悪いようにはしないからさ』
『何せこっちには阿部さんがいますからね。諦めた方がいいですよ』
『キラ・・・・・・』
なんやかんやでヴェサリウス以下連合軍はザフトにボコボコにされていた。
『こいつら、調子に乗って・・・・・・!』
「熱くなるなオルバよ。アビー!撤退だ!!」
『了解』
戦局がザフトに大きく傾くやいなや、ヴェサリウスは戦場からスタコラサッサした。

ヴェサリウス、ブリーフィングルーム。
「何故だ!何故いつもこうなのだ!!」
『パナマ戦における反省会』と書かれた黒板をばんっ、と叩きつつシャギア。
ここ最近の・・・・・・と言うかX世界の頃を含め今日までの全ての戦場で、フロスト兄弟は悉く負け続けていた。
「いつも良いトコまでは行くんだけどね・・・・・・結局はサテライトキャノンやインモラルに決着ゥ!着けられて
やられるんだよね、僕ら」
まぁ悪役が勝っちゃったら放送はそこで終了という事で、スポンサーから座布団を投げられる事受け合いなのだが。
それにしても勝てなさ過ぎである。
「いや、別に勝つ必要はない。我々の目的はあくまで世界をしっちゃかめっちゃかにする事であり、つまりは両軍の
ドロドロの潰しあいというのが理想なのだが・・・・・・」
双方が壊滅状態ならば別に敗北しても構わない(もちろん自身の安全が絶対条件ではあるが)。結果的に世界が
メチャメチャになるのなら、勝利くらいいくらでも献上して差し上げる所存だった。
しかしインモラルである。あれは人を殺すどころかMSを壊す事なく相手を無力化させる。しかもアホみたいな強さ
なので、殺す気満々であるこちら側は誰一人殺す間もなくやられてしまう。
フロスト兄弟の理想の前に、インモラルはまるでエベレストのように立ちはだかっているのだ。
「やはりあの肉色だ。あの忌々しい肉太郎をまず始末せねば我々に未来はない・・・・・・!」
大事なのはパワーバランスだ。潰しあうのに最適なバランスは『五分五分』であり、しかしインモラルはそれを『十分0分』にして
いる。まぁ原作からしてキラきゅんはやりたい放題だったけど。
と、さっきまでノートパソコンをいじっていたアビーが挙手をした。
「なんだねアビー。何か策でも思いついたのか?」
「策と言うか・・・・・・これを見てください」
アビーがパソコンのディスプレイをシャギアたちに見せる。
「なになに・・・・・・どんなゲイでも一発ノンケ、聖剣ガーベラストレート・・・・・・?」
2ちゃんのとあるスレだった。なんでもグレイブヤードという所に、その聖剣が保管されているとかいないとか。
「・・・・・・ふっ、馬鹿馬鹿しい。そんな胡散臭い情報など信じられん」
2ちゃん・・・・・・しかもVIPのスレだという事が、その情報の嘘臭さを加速させていた。
「でも目撃例もあります。ラクス・クラインがこっそり運用していたとか、かの騎士王が手にしていたとか・・・・・・」
「ふむ・・・・・・」
顎に手を当て、何かを思案するシャギア。そして・・・・・・

「よし。ではそのグレイブヤードとかいう所に行ってみようではないか」
「えっ!?マジで!?」
「その目撃例、信憑性があると私は思う。かくいう私にも心当たりがあるのだオルバよ」
「そ、そうなの?そんな事僕はちっとも知らなかったけど・・・・・・ずっと一緒にいたのに」
「これは私の趣味の話だからな。オルバが知らないのも無理はない」
シャギアはアビーに艦を動かすよう命じ、そしてオルバに言った。
「かの騎士王が持っていた剣・・・・・・確かガーベラストレートだったと私は記憶しているのだ」
「そ、そうなんだ・・・・・・」
兄の部屋を覗いた時、鎧を着た金髪の少女のフィギュアが剣を持っていたのをオルバは思い出した。
「そうか・・・・・・あれが騎士王で、あの剣が・・・・・・」
「そう、ガーベラストレートだ」
ヒロインがゲイをノンケに戻す剣を振り回すギャルゲー、Fate/stay nigt。
「どんなゲームだよそれ・・・・・・」
オルバは兄の趣味に一抹の不安を覚えた。
もちろんあの剣はガーベラストレートではなくエクスカリバーです。ああ、そういや『Faith/stay night』なんてAVが
あったなぁ・・・・・・AVなのにCGにやたら力が入っていたりバーサーカーが全然大きくなかったり間宮五郎がブ男
だったり。・・・・・・え?なんでそんな事を知っているかって?だって俺それ持(ry

そして一行はグレイブヤードに到着した。
「元々は宇宙にあったのですけど、なんやかんやで地球に落ちてきたそうです」
『便利な言葉だね、なんやかんやって・・・・・・』
サーセンwwww
「しかし、これは・・・・・・」
巨大なジャンクの塊。それがシャギアが抱いた感想であり、そして真実だった。
「元々は居住衛星だったそうですよ。それがなんやかんやでこんな風に」
「ふむ・・・・・・普通の住宅だったのになんやかんやでゴミ屋敷になった家と同じようなものか」
三人は・・・・・・というか二機はグレイブヤードの中へと歩みを進めた。巨大とはいえさすがに戦艦は入る事が出来ず
、しかしとても歩いていけるような場所ではないため、三人はMSでここに侵入したのだ。
ちなみにアビーはシャギアと一緒に乗っています。その状況は少し大きな揺れでもあればウヒョーな状況なのだが、
そんな事をしたらウヒョーがウギャーに変わるのが目に見えているのでシャギアは自重していた。
『兄さん。ここにインターホンがあるよ』
「どれ、ここは一つ私が」
ぴんぽーん
『・・・・・・、なんじゃ、おまえ達は』
少しして、インターホンから老人の声が聞こえた。
「悪の秘密結社フロスト・カンパニーの者だ。ワケあってそちらのガーベラストレートを頂きに来た」
「第一声としてはこれ以上ないってくらい最悪ですね」
「ふっ、私は正義と名乗る舌は持ち合わせていないのだよ」
「正義の秘密結社でも十分怪しいです」
『なるほど・・・・・・略奪者というわけだな?』
「なに――」
『兄さん、上!!』
いつの間にか天井に、一機のバクゥが張り付いていた。

『略奪者どもに屈するわけにはいかん・・・・・・悪いが消えてもらうぞ!!』
そしてバクゥは二機めがけて突進を仕掛けてきた。
「あれは・・・・・・」
「バクゥですね。今もなお配備されてはいますが、やはり旧式という事でスペック不足は否めません」
「だ、そうだ。オルバよ、老人にはガーベラストレートの在り処を聞き出さねばならん。丁重に捕獲するんだ」
『了解、兄さん』
『ふっ、若いの・・・・・・このバクゥを侮ってもらっては困るぞ?このバクゥはワシが独自に改良したもの、最新の
機体にだって引けは取ら・・・・・・え、ちょ、なにそのハサミ、いやワシバクゥの上に乗ってるからそんなので挟まれたら
潰れ分かった分かった冷静に話をだからギブだってギブギブギブ!!ギブアーップ!!』
ジジイはあっさり捕獲された。

グレイブヤード、ジジイの部屋。
「いやホントすんませんでした。年金がいつまで経っても貰えないからついむしゃくしゃして・・・・・・いやマジで
反省してますって」
ジジイはぐるぐる巻きにされて三人に囲まれていた。
「我々にケンカを吹っかけたのはまぁ不問としよう。ガーベラストレートさえ頂ければそれでいい」
「素直に渡せば痛い目に遭わずに済むよ」
「はぁ・・・・・・いや、だけどあれは先々代から受け継がれてきた宝剣でして・・・・・・おいそれと人に貸すわけには」
「ですがあのラクス・クラインが所持していたという噂もあるのですが」
「・・・・・・ああ、あの嬢ちゃんか。いやあの嬢ちゃんは払いが良くてのぉ・・・・・・おかげでワシのバクゥも大幅に
パワーアップしたわいガッハッハ!!」
グレイブヤードの一部になったけどな、そのバクゥ。
「金でレンタルしたんだ・・・・・・宝剣を」
「ふん!あんなデカブツ、持っていてもなんの足しにもならんわ!」
「あ、ぶっちゃげた」
「そういう事でしたら問題なく貸して頂けますね?」
「ああ。ただし!一日一万円だ。もちろん破損した場合は弁償してもらうがの」
「どこまで俗物なんだ、この爺さんは・・・・・・」
「それか・・・・・・」
ジジイはアビーをとてもいやらしい目で見て言った。
「そ、そのお嬢さんの、な・・・・・・ぱ、パイパイをつつかせてもらえば・・・・・・」
ジジイが一瞬だけ亀仙人に見えたのは俺だけではないはず。
「老人!この女に触れる事は死を意味するッ!!」
誇張表現ではない。男がアビーのパイパイに触れようものなら、一瞬で17の肉片に分解される事だろう。
「じゃあ貸せんな!伝統の宝剣をタダで借りようなど都合が良すぎるわい!!」
「でも金や胸で貸せるんだよね・・・・・・」
「やかましい!!」
ぷいっとそっぽを向くジジイ。己の立場などこれっぽっちもわきまえてない行動だが、しかしこれでは埒があかない。
「では、こういうのはどうでしょう?」
するとアビーが、ジジイにある条件を持ち出した。

「あなたは過去に名を馳せた剣豪であるとお見受けします。ならばそれらしく、剣で勝負というのはどうでしょうか?」
「・・・・・・ほう?」
「もし私達が勝ったらガーベラストレートを無料でお貸しください。そしてもしそちらが勝ったのであれば・・・・・・」
アビーはちらりとシャギアを見て、そして続けた。
「かがみたんのフィギュアをあなたに差し上げます」
「「――!?」」
シャギアとジジイの目の色が変わった。
「アビー!!あれは私の命――」
「いいだろう!!その勝負受けて立つぞ!!」
「待て、落ち着くんだ老人。どうだろう?みゆきさんのフィギュアでは・・・・・・?」
「ワシは眼鏡に興味はない!!それより本当にワシが勝てばかがみたんのフィギュアをくれるのだな!?」
「はい。約束します。悪の美学に誓って」
「アビー!!」
「大丈夫です。要は勝てばいいのですから」

グレイブヤード、剣道場。
「勝負は単純じゃ。先に参ったした方が負け・・・・・・よいな?」
「構いません」
その中央で、アビーとジジイが対峙していた。
アビーはナイフ、ジジイは真剣をそれぞれ持っている。
「しかしおまえが相手とは・・・・・・試合中は何が起こるか分からんぞ?」
剣を構えたままイヤラシク鼻の下を伸ばすジジイ。
「あ、あの爺さんどさくさに紛れてアビーの体を触る気だよ兄さん」
「なんたる無謀さ・・・・・・間違いなくあのジジイは自殺志願スプリンター」
「・・・・・・」
アビーは黙ってジジイを見据えていた。その瞳に、ほんのちょっぴりの殺意を孕ませながら。
「それでは、始め!」
シャギアの号令で試合が始まった。
「ふっ、東西南北中央腐敗と恐れられたワシに――」
「まだ続けますか?」
「え・・・・・・?」
ジジイの首筋。
そこに、アビーのナイフがピタリと押し付けられていた。
「な・・・・・・なんという・・・・・・」
まさに一瞬の出来事だった。ジジイが無駄口を叩いている間に、アビーは既にジジイの背後に回りこんでいた。
「これ以上は命の保障はし兼ねますが」
「・・・・・・、まいった」
体を触るどころか剣を振る事なく、勝負はあっさり決着ゥ!!

太平洋。
『ガモフを捕捉しました』
「よし。では行くぞオルバよ」
『了解、兄さん』
巨大な日本刀――ジジイから強奪したガーベラストレートを携え、ヴァサーゴはカタパルトに着く。
「しかし見事な剣だ。心が洗われるようだ・・・・・・」
手に持った剣をしげしげと眺めるシャギア。持ち主はアレだったが確かに伝統ある宝剣らしく、その純白の刀身は
美しく輝いていた。
『兄さん!今はそんな事している場合じゃ――』
「見たまえオルバよ、この宝石にも勝る輝き――ぬおっ!?」
剣を眺めていたため体勢を取っておらず、不格好な姿勢で射出されるヴァサーゴ。
そしてガーベラストレートは刃の腹を前面に見せたままでっぱりに引っ掛かり――
ポキムッ
「あ」
真ん中から真っ二つに折れた。
「ぬおぉぉぉぉぉぉぉぉ・・・・・・!」
ヴァサーゴはそのまま海に放り出された。
『に、兄さん・・・・・・』
『針路変更。ガーベラストレート修理のため適当なジャンク屋の元へ向かいます』
「か、海水が!私のヴァサーゴは泳げんのだ!アビー救助を・・・・・・ってどこへ行く!?」
ガモフにはついぞ気付かれる事なく、ヴェサリウスは艦首の向きを変えた。

機動戦士阿部さんSEED DESTINY X
第二十三話〜俺「ガーベラストレートを借りようと思ったのでその行動は既に終わっていました」〜