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R-18_Abe-SeedDestiny-X_安部高和_33

Last-modified: 2007-11-09 (金) 20:46:43

「貴様・・・・・・阿部高和と言ったか?」
ヴェサリウスとデスフリコンビの交戦を背景に、ヴァサーゴ、アシュタロンはインモラルと対峙していた。
『おまえアナルは初めてか?力抜けよ』
「私は貴様が憎い・・・・・・」
『心配するな。元々アナルはペニスが入るように出来ている』
「貴様のような世界に認められた強者が、我々の邪魔をする権利などない!」
『考えてもみろ。ウンコだってペニスみたいなモンだろ?』
「貴様には分かるまい!世界から贋作呼ばわりされた我々の気持ちが!!」
『男は度胸、なんでも試してみるもんさ』
対話が成立してなかった。
――「兄さん・・・・・・あいつとは話すだけ無駄っぽいよ」
――「・・・・・・そのようだな。ちっ、これから訊かれてもいないのに犯罪の動機をぺらぺら喋って読者の同情を
引こうと思っていたのだが・・・・・・」
火サスなんかで10時40分あたりに崖の上で繰り広げられる会話なんかがそんな感じである。まぁ大抵はクダラネー
動機なんですが、読者の気を惹くにはもってこいです。
例:

避難民を乗せたシャトルを撃った→逃げ出した腰抜け兵だと思った→それでもアウト。
この娘を殺すわ!→だってパパ死にそうだし→今思えば奴はあそこで死ぬべきだったのかもしれません。
NJキャンセラーのデータをムルタに渡した→戦争を終わらせる鍵だと思った→けどそんな事はなかったぜ!
マユ殺した→正義と信じた行いの裏では悲劇が・・・・・・→紆余曲折を経て殺ったのはオルガよ。
エターナルを援護した→あれはザフトの船だ!→どう見てもテロリストです。
親父殺した→戦争が終わると思って殺った。今は反省している→泥沼に。
敵国の軍に入った→中から変えようと思ったんだ→でもユフィ死んだからもうどうでもいいや。
戦場から勝手に離脱した→妹がさらわれたんです→井上・・・・・・
コーネリアを撃った→あれっ?ワシなんでこんな事――→あqwせdrftgyふじこ――
新人に制裁を加えた→実戦であんな勝手な事しちゃあいけないんです→しょうがないね。
ララアを殺った→急にエルメスが来たので。
ロザミィを殺った→急にトチ狂ったので。
フラニーを殺った→トチ狂ってお友達になりに来たので。
などなど。
『さて、ど、ち、ら、に、し、よ、う、か、な・・・・・・』
ゲイ・ボルグでヴァサーゴとアシュタロンを交互に指すインモラル。
「・・・・・・、ふっ。舐められたものだな」
その様子を見てシャギアは、不快感を露にした。
「まるで勝った気でいる・・・・・・オルバよ、どうやら奴の目に我々はただの餌としてしか映っていないようだ」
――「気に食わないね、それ・・・・・・まるで僕らが三下みたいじゃないか」
『えっ?だっておまえらヴェサリウスのオマケだろ?戦力的に考えて』
「・・・・・・」
――「・・・・・・」
どうやら阿部の目に彼らは、はねとびで言うところの西野程度の存在価値だなぁといった感じに映っていたようだ。

「・・・・・・、ふっ」
それでもめげないシャギア兄さんは、不敵に笑ってみせた。少し涙目だが。
「確かに今までは大した活躍をしていない・・・・・・それは認めよう。だが!今の我々は昔とは違う!」
『どのへんが?』
「今の我々には、心から信頼の置ける仲間がいる!そう、アビーだ!ヴェサリウス云々ではない、アビーが背中を守って
いるからこそ今の我々は真の力を解放する事が出来るのだ!」
『そうさ!背中を守ってくれる味方がいるという事・・・・・・それ自体が僕らに力を与えてくれるのさ!』
そう――今の彼らは二人きりではない。アビー・ウィンザーという仲間がいる。彼女の存在は互い以外を信頼出来なかった
彼らを大きく変えた。
それは信じるという事。所詮二人で出来る事など限界がある。しかし仲間がいるなら話は別だ。例えアビーがヴェサリウスでなく
そこいらのポンコツ戦艦に乗っていたとしても、彼女がいるという事自体が彼らの支えとなって力を与えてくれるのだ。
『ふーん。・・・・・・でもさ』
二人のセリフを興味なさげに聞いていた阿部は、二人の背後を指差した。
『ヴェサリウス落ちてるよ』
阿部の指した方を見ると、ちょうどヴェサリウスが真っ二つになったところだった。
「『な、なにィィィィィィィ!!?』」

――直後、ヴェサリウスは爆発を起こした。
爆発によって生じた炎は、ヴェサリウス内部を余す所なく焼き尽くす。生き残る余地が欠片ほどもないので、中にいる人間が
助かる術はない。
「危ないところでした」
そんなヴェサリウスの様を背に、アビーは呟いた。
寸でのところで脱出したアビーは、ノーマルスーツを着込んで宇宙を遊泳していた。
目指す場所はミネルバ。ヴェサリウスを失った今、彼女に出来る事は単身でミネルバに乗り込んでブリッジを制圧する事。
当然道中デスティニー、ストフリ、レジェンドに見つかる可能性はあるのだが、基本的に彼らはマヌケなので問題ないだろう。
「・・・・・・まさか私がこんな行動に出るなんて」
アビーは自分の今の行動に驚いていた。
アビーは元々消極的なタイプだった。化け物戦艦を一人で操る能力や軍のコンピュータに易々と侵入出来る能力がありながら
つい最近まで何も行動を起こさなかった。復讐心こそあったがそれだけで、日々を無為に過ごしていた。
しかしフロスト兄弟と出会ってからアビーは変わった。目的に向かってひたすら進み続ける二人と共に過ごしていく内に、彼女
は彼らに感化されていった。今の状況がいい証拠だ。昔の彼女なら、ヴェサリウスが撃沈された時に全てを諦めて艦と運命
を共にしていただろう。
「さて、あの二人は――」
ミネルバの方に目をやる。
二人はミネルバを落とさんとインモラルと交戦していた。まるでこちらの事など気にもしていないかのように。
「・・・・・・それでいいのです。つまらない事に脇目を振る必要はありません」
二人はアビーの言ったように、ちゃんと前だけを見続けていた。

爆炎に包まれるヴェサリウス――それは、仲間の死を意味するものだった。
――「に、兄さん・・・・・・」
ショックを隠しきれない声で兄に語りかけるオルバ。
しかしシャギアは、すぐに意識をインモラルへ移した。
「オルバよ。今はそんな事を気にしている場合ではない」
――「そ、そんな事って!?アビーが死んじゃったんだよ!?」
「だからどうしたというのだ。・・・・・・仲間が死んだからといって敵に背中を見せていいのか?」
――「それは・・・・・・そうだけど」
「もしアビーを悼む気持ちがあるのならば・・・・・・前を向け。それが彼女の望んだ事だ」
シャギアはずっと前を見続けている。何故なら、それが彼女の遺言だったから。
――「兄さん・・・・・・」
シャギアとオルバは思考を共有出来る。だからオルバは、兄と同じように前を向いた。
――「分かるよ兄さん・・・・・・兄さん、心で泣いてるんだね」
「・・・・・・・・・・・・。オルバよ、それは・・・・・・」
ここは感動の場面のはずなのだが、一気に場がしらけた。
心で泣いてる、なんて陳腐なセリフを吐かれてはそれも仕方のない事だよ。いやね、ドラゴン桜のドラマでもさ、言ったじゃん?
山なんとかがさ。「あんた、心の中で泣いてるから」とかなんとか。それ聞いた瞬間・・・・・・ふふ、最終回なんですが・・・・・・
しらけてしまいましてね。
ちなみに俺の他のしらけワード。

「死にたい死にたいって、生きたくても生きられない人もいるんだよ!」
A「そんなのおまえらしくない!」 B「俺らしいってなんだよ!」
「金で○○(愛とか心とか)は買えないんだ!」
てゆーかアビー生きてるし。
と、ここまで書いてふと思ったのだが、一番場をしらけさせているのはひょっとして俺なのではなかろうか?まぁいいや。
『えーと、そろそろ掘ってもいいのかな?』
今まで待ってた阿部さんが尋ねた。
「良くはない。貴様に許可するのは――死、ただそれのみ!」
『今までの僕らだと思わない事だね!』
ようやっと戦いの火蓋が落ちた。

「ふぅ、酷い目に遭ったぜ」
ミネルバのブリッジに、ひょっこりアスランが現れた。
「あらアスラン。生きてたの?」
「頑丈だけが取り得なんですよ」
コクピットを蹴り込まれたにも関わらずアスランは無傷だった。
「それで、戦況は?」
言いつつアスランは適当な席に座る。
「なに当たり前のように居座っているのかしら・・・・・・?」
「いや俺元々ミネルバ隊なんですけど・・・・・・」
今思い出したけど、そう言えばアスランはミネルバ隊所属だった。
「戦況は・・・・・・見ての通りよ」
モニターを目で指すタリア。
戦況はと聞いたものの、見るまでもなくそれは明らかだろうとアスランは思った。
何せ阿部の戦い方は、

阿部戦闘フローチャート
 
 敵と戦う
    苦戦しましたか?
      yes    no → ア ッ ー!!
      ↓
 良い男の為せる業を出す    
    敵が奥の手を使用しましたか?
      yes    no → ア ッ ー!!
      ↓
 もういっちょ良い男の為せる業を出す
    敵が必殺技を繰り出してきましたか?
      yes    no → ア ッ ー!!
      ↓
 それを上回る良い男の為せる業を出す
      ↓
     ア ッ ー!!
                      (BLEACHアンチスレのテンプレの一部を抜粋、改変)

てな感じなので、モニターを見るまでもなく次の瞬間にはア ッ ー!!だろうなとアスランは思った。
しかし、現実はそう甘くはなかった。
「・・・・・・あれっ?」
なんと、阿部がフルボッコにされているではないか!
たまらずアスランはメイリンから通信マイクを奪い取った。
「ちょっ、何するんですか!?」
非難の目を向けるメイリンを無視し、アスランは阿部に通信を入れた。
「おい阿部!何やってるんだ!?」
『いや、なんかちょっと調子が出なくって・・・・・・』
「調子?なんだ、まだどっか悪いのか?」
『一応病み上がりなんでね。栄養を補給したいんだけど』
「そうか。それなら・・・・・・ん?」
視線を感じ振り向くと、メイリンがじっとアスランの方を見ていた。
「なんだメイリン。悪いが俺はおまえとは付き合えないぞ」
「んな事言ってねーよ。それより、今の声ってひょっとして・・・・・・」
メイリンはスピーカーから流れてくる声に聞き覚えがあった。
そう、忘れもしない――自分のハートを鷲掴みにした、ツナギの王子様の声とそっくりだったのだ。
「ん?阿部がどうかしたか?」
「その阿部さんって人・・・・・・もしかしてツナギを着てません?」
「そうだが・・・・・・なんだ突然?」
アスランの言葉を聞いて、メイリンの表情がぱぁっと輝いた。
「やっと会えた・・・・・・私の王子様・・・・・・」
恋する乙女の顔を見せるメイリン。恋焦がれた相手との再会・・・・・・それは乙女にとって至福の瞬間なのだ。
「王子様?何を言ってるんだメイリン?」
「あの、アスランさん!今の通信はどこに入れてるんですか!?」
「どこって・・・・・・」
アスランが通信先を指差すと、メイリンの顔が今度はさぁっと青ざめた。
「えっ・・・・・・?・・・・・・もしかして、アレですか?」

「ああ、アレだ」
二人の言うアレとは、言うまでもなくモニターの前で戦闘行為を行っている肉色のMS。
その肉色のMSは有名だ。股間の武装で敵MSを後ろからファックするという変態戦闘行為を行うMSなど、どこの世界を
見渡してもそいつ以外には存在しない。
そしてそのMSのパイロットがどのような人種なのかも、もはや周知の事実となっていた。
「いや、そんなハズない・・・・・・あり得ないあり得ないあり得ない・・・・・・」
虚ろな瞳でぶつぶつ繰り返すメイリン。
そして次のアスランの言葉が、彼女へのとどめとなった。
「何を思ってるか知らないが・・・・・・あいつゲイだぞ?」
「がっ・・・・・・!!」
メイリンの作画が崩壊した。
「ゲイ・・・ゲイ・・・初恋の相手がゲイ・・・・・・うふふあはは・・・・・・」
「か、艦長!メイリンが風化してます!!」
「あらやだ。アスラン、メイリンの代わりにオペレーターやってちょうだい」
「了解。・・・・・・で、話の続きなんだが、阿部」
椅子に積もったメイリン砂を払いのけ、アスランは阿部との話を続ける。
『ああ。なんか身近にファック出来るものはないか?』
「ファック、か・・・・・・」
アスランは少し考え、そして阿部に言った。
「よし!ミネルバをファックしていい!」

フロスト兄弟が繰り出す必殺の陣『フロストコンビネーション』。
スパロボあたりで実際に技になっていそう(ってかRではなってた)だが、彼らのコンビネーションは他キャラのそれとは
大きく一線を画する。他キャラのコンビネーションは、言ってしまえば所詮は『息の合ったコンビネーション』に過ぎない。
しかし彼らは、そんな域を超越していた。それも生まれながらにして。
思考の共有――贋作とされた彼らが、唯一備えている力だ。元より双子であるという事で抜群のコンビネーションを誇る
彼らにその力は鬼に金棒、例えば互いが互いの見ている場所を意識の共有という形で理解出来るので、視界は実質
二倍――それが戦闘においてどれほど有利な事かは語るまでもないだろう。
そう、彼らは1+1をきっちり2に出来る唯一の存在なのだ。それって別に大した事じゃなくね?と思うようだが、例えば
サッカーを思い出して欲しい。司令塔と呼ばれる選手でも、プレーにおいては積み重ねた練習で培った『勘』でボールを
出しているに過ぎない。あいつはああ動くはずだからあそこにボールを出す、あそこに出せばあいつがシュートするだろう、
この局面だとあいつは上がっているはずだ、といった具合に、あくまで自分が考える他者の動きをなぞって動いている。
当然その予測が外れる事は多々あり(例:急にボールがry)、それ故に完全なコンビプレイなど存在し得ない。
しかし彼らは思考の共有によりそれを可能としている。相手がどこにいて何を思っているかをリアルタイムで知る事が
出来、それに最適な行動を起こす事が出来るのだ。ことコンビプレイにおいては、彼らの右に出る者はいないだろう。
とまぁ長々と書いたが、それ故この場でインモラルフルボッコショー兇開催されているのだ。
仲間を失ったという事もあるだろう。時に気迫は敵との実力差を縮め、今の彼らは気力170ってな感じだった。
そんな彼らに対し阿部さんはと言うと、
「アウチッ!?アアウチッ!?」
イマイチ調子が出ていなかった。
『やれる・・・・・・これならやれるよ兄さん!』
『ああ・・・・・・これは弔い合戦だオルバよ。敗北は許されんのだ!』
「ンギモッヂィィィィィ!!」
ついでに別な快感に目覚め始めたが、阿部さんの好むプレイはあくまで純然たるSEX・・・・・・掘りつ掘られつのアナル
プレイなのだ。

と、そこでアスランから通信が入った。内容はさっきの続きだ。
『よし!ミネルバをファックしていい!』
ミネルバのファック――それはイマイチ調子の上がらない阿部には10秒チャージ2時間キープ、栄養補給にはもってこい
だった。何故精液を射出するのに栄養が補給出来るんだ?というのは考えてはいけません。補給出来るんです。
ちなみにミネルバとは、護衛対象の戦艦である。
「ひゅう♪嬉しい事言ってくれるじゃないの」
『存分に掘りちょタリア艦長うわなにをするやめるんだあqwせdrftgyふじこ』
何やらブリッジでマズイ事になっているようだが、そんな事阿部さんはお構いなしだ。てかそんな事でどうにかなるような
アスランではない。
インモラルはヴァサーゴとアシュタロンに背を向けた。
『まだこんなものじゃ・・・・・・え?』
『背中を見せた・・・・・・?逃げるつもりか!?』
そのままインモラルは一直線にミネルバの傍へ行き、そして――
「フンッッ!!」
ゲイ・ボルグを突き立てた。

実にあっさりとミネルバに侵入したアビーは、ナイフ片手にブリッジへ向かっていた。
(どうしてザフトというのはこうもザルなのでしょうか・・・・・・?)
仕様です。
「おい貴様!こんな所で何をしている!」
不意に通路の先から、銃を構えた大柄な兵士が姿を見せた。
「両手を頭の後ろに――」
しかし次の瞬間、兵士は通路に伏していた。
「しばらく眠っていてください」
ザフトの兵士など敵ではない。MS戦の王者が最新鋭のMSなら、白兵戦の王者は変態なのだ。
「おい貴様!こんな所で何をしている!」
「おい貴様!こんな所で何をry」
「おい貴様!こんな所でry」
「おい貴ry」
増援が現れた。彼らは地べたとキスをして昏倒する仲間を見て、ホールドアップを省略して発砲体制に入った。
「あまり手間を掛けさせないでもらいたいものです・・・・・・」
対するアビーはナイフを構え、彼らを迎え撃つ格好を取る。
――と、そこで兵士達に異変が起こった。
「「「「ア ッ ー!!」」」」
壁から突き出た棒状のモノにケツを穿たれ、嬌声を上げて倒れ伏したのだ。
「・・・・・・。いや、深く考えてはいけないような気がします」
何が起こったのか大体想像はつくが、アビーは努めてそれを頭の中から排した。
その後は何事もなく(男性兵士や屈強がズボンのケツに穴を開けて倒れてはいたが)、アビーはついにブリッジへ続く
ドアの前まで来た。
(あと少し・・・・・・あと少しで)
そしてアビーは、ブリッジのドアを開けた。

「ば、バカな・・・・・・!?」
『あいつ、味方の艦を――!』
インモラルの取った行動――それは、兄弟にとって信じ難い事だった。
護衛対象であるはずの艦を貫く・・・・・・常識ではとても考えられない事だった。

『――――ッフォォォォォォゥゥィィィィィァァァァァァァッッッ!!』
そして次の瞬間、インモラルの体が肉色に輝き出した。
「なっ!?これは――」
MSが発光する様子などシャギアは当然これが初めてだが、その現象が何を意味するかは肌で感じ取れた。
『まさかあいつ・・・・・・戦艦のエネルギーを吸い取る能力を備えている!?』
いや、ただ絶頂に達しただけなんですけどね。
とにかく、ミネルバを掘った事により阿部、インモラルの両者に力がみなぎる。その溢れんばかりの力は、最新型の
スカウターでさえも破壊せしめるだろう。
それだけ阿部はテンションが上がっていた。射精した後はむしろテンションガタ落ちするんじゃないかとか、そんな事は
問題ではないのだ。
『兄さん!この力は――』
『落ち着くんだオルバよ。我々には必殺の陣があるだろう?』
言うまでもなくそれはフロストコンビネーション。絶対無敵の必殺の陣だ。
しかし考えてみて欲しい。
いくらコンビネーションが完全だとはいえ、果たして蟻が巨像に勝てるかどうかを――
「よし、仕掛けるぞオルバよ!」
『了解、兄さん!』
二人で左右からインモラルを挟み撃ちにする。
と、そこで二人を違和感が襲った。
『・・・・・・ぬっ?』
『あれ・・・・・・レバーが・・・・・・』
機体の調子がおかしい。いや、どこも異常はないのだが、何故か思うように機体を動かせなくなっていた。
「オルバよ、どこへ行く!?それでは奴の餌食に――」
『に、兄さんこそ!なんでそんなところにいるのさ!?』
コントロールの利かない両機は、とあるポイントへと引き寄せられていた。
その中心点には――――インモラル。
先ほどから微動だにしていないインモラルに、両機は引きずり込まれていた。
「ま、まさかこれは・・・・・・!?」
インモラルゾーン――一定範囲内にいるMSを自身の股間に引き寄せる、原理とかが全く不明な業だ。
これに巻き込まれたが最後、男性パイロットの乗る機体は、遍くインモラルに突き穿たれる事となるだろう。
「くっ・・・・・・このままでは・・・・・・!」
どうレバガチャしてもヴァサーゴは思うように動かない。アシュタロンも同じで、もがいているのは見て取れるのだが
インモラルゾーンからは到底逃れられるようには見えなかった。
――と、ここで二人をもう一つの異変が襲った。
「――ぐぉぉ!?こ、これは・・・・・・!?」
兆候。いや、前兆と言ってもいい。
世界から引き剥がされる感覚が二人を襲う。今までも何度かあったが、今度のは桁違い――おそらく、これが最後であろう。
『に、兄さん・・・・・・!!』
「・・・・・・ぉおおおおおお!!」

しかしこのままでは終われない。ミネルバを落とさぬ内に・・・・・・仲間の仇を討たぬ内に消えるなど、許容出来るものではない。
「オルバよ!このまま奴を仕留めるぞ!!」
するとシャギアは、流れに敢えて身を任せた。抗えぬのなら乗るまで、そして一瞬の隙を突いてインモラルを殺る!
『了解!これで最後だ、インモラル!!』
兄の意思を言葉でなく心で理解し、オルバも流れに身を任せた。
「インモラルゥゥゥゥゥ!!!」
『落ちろぉぉぉぉぉぉぉぉ!!』
そして、中心点。
振り上げた両機の拳はインモラルの体を捉え――

『フンッッ!!』
「『ア ッ ー!!』」
二機の姿は、世界から消えた。

アビーは勢いよくドアを開け放った。
ブリッジの全員(タリアにボコされたアスラン及び風化したメイリン及び掘られた男性クルーを除く)が彼女に目を向ける。
タリアは突然の来訪者に驚きながらも、彼女に訊いた。
「あなた・・・・・・誰?」
何がなんだか分からないわといった風の顔のままでアビーに問い掛けるタリア。
アビーはそんな彼女に、こう答えた。
「・・・・・・アビー・ウィンザーです。ええと・・・・・・通信士の資格を持っています」
二人は互いに目を丸くしていた。

機動戦士阿部さんSEED DESTINY X
第三十三話〜つまり我々は糞をするたびに掘られているのです〜