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R-18_Abe-SeedDestiny_安部高和_09

Last-modified: 2007-11-06 (火) 21:36:04

「アスラン!ハイネを何とかしてください!あなたの親友でしょう!俺がシンと仲良くしてるときに
ハイネに見付かると、関係ないのにしゃしゃり出てきていい雰囲気を壊されて正直困るんですよ!」
「いや向こうが勝手に親友って言ってるだけだし・・・お前が勝手にいい雰囲気だと思ってるだけだろ」
「とにかく!ハイネを何とかしてください。あってはならない存在です、あれは」
「そう言われてもな・・・・。そうだ、良いことを思い付いた。ケツ・・・・・じゃなくて耳を貸せ」

ミネルバ、ブリッジ。
「敵機確認!インモラル、カオス、ウィンダム多数!」
「迎撃します。メイリン、コンディションレッド発令。シンとハイネは空中戦闘用意。レイとルナマリアは艦の上で迎撃を」
「了解。・・・・あの、アスランさんは?」
「あ、忘れてた。適当にしてちょうだい」
「――MSデッキより、フォースシルエットが全て使用不可能とのことです!原因は不明!」
「何ですって?仕方ないわね、シンはブラストで出撃!」

「ハイネ・ヴェステンフルス、グフ行くぜ!」
「・・・アスラン・ザラ、ガズウート発進する」
「「「・・・・・・・・」」」
ミネルバ隊のハイネ以外の四人は数々のハイネの攻勢に弱りきっていた。
比較的空気の読めないアスランでもテンションがギリ保たれているくらい。
更にシンはあの肉色のMSの恐怖もまだ消え去ってはいない。できるところなら交戦したくないと
思っていたところにフォース出撃不可能と聞いて正直助かった気持ちになっていた。

『俺一人だけ空飛べるなんて悪ぃな、先に行ってるぜ!ひゃっほう!』
『・・・・計画通りですね、アスラン』
『ああ。あとは奴が上手くやってくれるはずだ』
「二人で何をこそこそ言ってるんです?」
『ああ、いや何でもないんだ。なあレイ?』
『ええ。そんなことよりこの戦いは厳しいものになるぞ、シンも気を抜くな!
ルナマリアはしばらく撃たなくていいからじっとしていろ。ハイネに当たると困るからな』
「了解!」
『・・・・了解』

「ンフフフフフフフフフフフ」
『どうした阿部?えらくご機嫌じゃねぇか』
「新顔がいるな。なかなかイキが良さそうじゃないの」
『ああ。しかしこの大群の中に一機で突っ込んでくるなんて馬鹿か?』
「そういう馬鹿こそ食いがいがあるってもんさ」
『おい、あまり出過ぎるなよ!」
インモラルを突撃させる阿部。本気を出せば新型のカオスやウィンダムでも付いてこれるものではない。
あっという間にハイネのグフの前に到着した。
「一機かい?白いガンダムの少年はどうした?」
『一騎討ちとは光栄だな。シンのことか?あいつはMSの調子が悪くてお休みだ。代わりに俺が相手するぜ』
「シンというのか・・・・良い名だ」
『おっと!ぼけっとしてるんじゃねぇぞ!』
言うが否やヒートロッドをインモラルに巻きつけるハイネ。
ちなみにサブ射撃ではなく特殊射撃の方。いわゆるビリビリである。
「鞭プレイってわけか。これは・・・・なかなかクるじゃないの」
『どうだ!?こいつの電撃はパイロットに直接ダメージを与える!できれば桑島声のカワイコちゃんに
かましてやりたかったがお前さんで我慢してやるぜ!』
「だが・・・まだまだ甘い」
『シビれてきたかい!?ザクとは違うんだよ、ザクとは ア ッ ー !』
「ごちそうさん♪」
『ば、馬鹿な・・・・一体どうやって・・・・・』
質量を持った残像。鞭に捕まったまま残像を出し、そのまま残像を鞭に捕まらせたままインモラル本体は
グフの背後に回り、ゲイ・ボルグを突き立てたのである。
理論としては滅茶苦茶もいいところだが全ては良い男の為せる業、である。
『阿部!またウィンダムが全滅させられた!帰還してくれ!』
「やれやれ。シンもいないんじゃ仕方ないな。わかった、戻るよ」

「しかしレイよ、おぬしもワルよのう」
「いえいえ、アスランほどでは」
「いくらフェイスでも一機で阿部に敵うわけがないからな。これでハイネも少しは大人しくなってくれるだろう」
もちろんフォースシルエットに細工をしたのはこの二人である。下手したらカオスあたりにハイネが殺されていた
可能性もあったのだがハイネを鬱陶しく感じるあまり、そこまで頭が回っていない二人であった。

「しっかりしてください、ハイネさん!」
「・・・・ハイネと呼べっつーの・・・・・敬語はナシだぜ・・・・・・ところでシン・・・・頼みがあるんだが」
「何ですか?何でも言ってくださいよ!」
「や ら な い か」

「・・・・・・・あれ?もしかしてこの状況って前より悪くなってないか?」
「何てことをしてくれたんですか!これじゃシンのケツがあの鬱陶しいハイネに狙われるじゃないですか!」
「お前もノリノリだったくせに・・・・」
予想通り、シン、レイ、アスランはその後ハイネに付きまとわれることになった。
流石の雑食アスランもハイネの相手は嫌なので今回利益を得たのはルナマリアだけだったという。

ちょっと考えた

「ふん!」
またいい男を貫いた
阿部の股間に慣れ親しんだ快感が奔る―――筈だった

『ぎゃああああああああ』
貫かれたウィンダムは錐もみ状態のまま落ちて爆散した

「ぼ、僕はなんてことを」

人工肛門と言うのをご存知だろうか?
なんらかの病気で尻の穴を尾骨近くまで移す手術をした人
勿論ケツの穴はふさがれ、代わりの人工肛門は繊細でとても高く
貫くなんて真似をしたらそれこそ危険、死ぬほど痛い

アークエンジェル、桃色の間。
その名の通りここはラクスの部屋であり(12畳半)、ラクス様はそこで雑誌を読み耽っていた。
「野猿解散・・・・・・あらあら、せっかく大人気でしたのにねぇ」
音楽雑誌だった。ラクスは二年前までプラントのアイドルだったので、こういう雑誌はマメにチェックしていた。
しかしオーブに来てからの二年間は色々と忙しかったため(主にキラの洗脳)、プラントの音楽雑誌を読むのは
久しぶりだった。
と、パラパラとページをめくっていくと、不意にラクスの顔がピシっと固まった。
「な゛っ――!?」
そのページに写っていたのは、今売り出し中の新人アイドルだった。
――『ミーア・キャンベルのデビューシングル、100万枚達成!』
見出しにはそう書いてあった。
別にそれだけならば構わない。一発屋ならば放っておけばいいし(例:シャズナ、シャム・シェイド)、長くオリコン
に名を残しそうならスキャンダルでも捏造して潰せばいい。
しかし、今開いているページに写っている女性は、それどころではなかった。
――ピンク色の長い髪、金色の髪飾り。
まるで鏡写しのようなその女性は、ラクスそっくりだったのだ。
違うのはおっぱい(ミーア:巨、ラクス:貧)。むしろそれが余計にラクスを苛立たせた。
「モリタケ!!」
ぱちん、と指を鳴らすと、ラクスの背後に人影が浮かび上がった。
「何用でしょうか、ラクス様」
モリタケと呼ばれたこの男は、ラクスの専属マネージャーだった。実は前大戦でエターナルに乗ってたりする。
描写してないけど。
「これはどういう事ですの!?」
「ミーア・キャンベル。二ヶ月前に『笑っていいぞよ』のそっくりさんコーナーに出て以来、そのあまりのそっくりっぷり
にアイドルの道を歩み始めた女性ですな」
「ですな、じゃありませんわ!何故このような贋作がプラントのアイドル面をしてるのです!?」
「そっくりなのは顔だけではなく、声――歌声までそっくりだったのです。そしてラクス様が消えたプラントのアイドル
業界に颯爽と降り立ち、瞬く間に人々の心を掌握したのです」
「くっ・・・この女、わたくしの顧客に手を出すなどと・・・!」
「いやはや、それでも相違点はあります。その豊満な胸、動くたびにぷるぷると揺れましてですね、それも男性を
惹き付ける事となったワケですよウヒヒ――」
「黙りなさい」
ハロ(メタリックイエローちゃん)を鷲掴みにして、モリタケに投げつけるラクス。モリタケが吹っ飛んだ。
「モリタケ。この女の過去を洗いなさい。そして何か弱みがあれば余さず報告なさい」
「了解しました」
鼻血をぼたぼた流しながら、モリタケは消えた。
「わたくしの顔を使って名を残そうなどと・・・許せる事ではありませんわ。ええ、断じて許せません」
――桃色の掟、第7項『罪赦しても偽者許すな』

ディオキア、市街地。
「はぁ・・・・・・」
後部座席に乗った女性は、小さくため息を吐いた。
「どうしたミーア?緊張しているのか?」
「い、いえ、そうじゃありませんけど・・・」
ミーア・キャンベル。ラクスそっくりな彼女は、ザフト軍で働く兵のために、ここディオキアにコンサートを
開催しに来たのだ。
そんな彼女は最近、やたらとため息を吐くようになった。マネージャーである真剣谷(まじたに)も、そんな彼女
の事が心配だった。
「あの、真剣谷さん・・・」
「なんだ?」
「あの、その・・・・・・、いえ、なんでもありません」
デビューしてすぐにトップアイドルの座に着いたミーア。そのプレッシャーたるや想像を絶するもので、
しかもラクスの顔でという事で引け目を感じているのだろうと真剣谷は思っていた。
「そんな暗い顔するな。おまえはミーア・キャンベルだ。確かに顔はラクス・クラインそっくりでもな、
ここまでのし上がってこれたのは間違いなくおまえの実力だ」
「あ、ありがとうございます・・・」
そう言われても、ミーアの心は晴れなかった。

明朝。アークエンジェル、桃色の間。
「ラクス様、ラクス様」
「・・・・・・むぇ?」
影より現れたモリタケは、未だ夢の中にいるラクスの体を揺すった。
「・・・・・・なんですのぉ、こんな時間にぃ・・・」
自身も夜中までミーアの調査をしていたため、ラクスはまだお眠だった。
「昨日依頼された調査の件です」
「あ〜・・・・・・。――!?モリタケ、それで掴めましたの?」
「ええ、ばっちりと。あと涎をお拭きください」
「ごしごし。で、彼女は一体どのような人間でしたの?」
「詳しくはこれに・・・」
そう言ってモリタケは、ラクスにファイルを渡した。
「ふむ、ふむ・・・・・・!?こ、これは!?」
「お気に召されましたか?」
「ええもう、バッチリですわ!よくやってくれました。時給を5円上げて差し上げますわ」
「恐悦至極に存じます」
「さっそく準備に取り掛かりなさい。――ディオキアに降りますわよ」
「仰せのままに」
そしてラクスは、昔着ていたアイドルの衣装に着替えた。
「あ、あれっ?おかしいですわ・・・チャックが閉まらない・・・」
「どうやらお太りになられ――」
「フンッッ!!」
ハロ(サーモンピンクちゃん)がモリタケの顔面にめり込んだ。

ディオキア、コンサート会場。
「みっなさーん!元気ですか〜!!?」
『元気でぇ〜〜っす!!』
露出度のやや高い衣装を着たミーアは、舞台の上に立っていた。その顔はアイドル然としており、
車の中での暗い顔は欠片も見えなかった。
「それではさっそく、行ってみよ〜!はい、1、2、3、ミーア!!」
そしてライブが始まった。デビュー曲の『ミアミアナース』から始まり、今日のために作曲家たちが作った
新曲が次々と披露された。
ザフト兵達のテンションはぐいぐいと上がっていった。実はハイネはミーアの親衛隊だったのだが、上記の
通りあのザマなのでライブには来ていなかった。
そしてライブも佳境に入りはじめた頃、不意に音楽が止まった。
ざわ・・・ ざわ・・・
ざわめく観客達。何かの演出かとも思われたが、当のミーアも困惑していた。
そして次の瞬間、ドライアイスと共に声が響いた。
「皆様。その者の姿に惑わされてはなりません」
どこかで聞いたような――いや、ついさっきまで聞いていたその声。
「あ、あなたは・・・・・・!?」
「皆様ごきげんよう。ラクス・クラインですわ」
ドライアイスの雲から現れたのは、昔の衣装に身を包んだ(無理矢理包んだ)ラクスだった。
未だざわつく観客達に、ラクスは憂いを帯びた表情で語りかけた。
「まずはお詫びをさせていただきます。二年もの間、姿をくらませて申し訳ありませんでした」
ちなみにラクスはフリーダムの窃盗犯なのだが、例によって証拠は完全に消えている。代わりに何故か
パトリックの刑期が若干延びたのだが、それはまた別のお話。
「そして今日、再び皆様とまみえる事ができ、わたくしは天に感謝しております」
ラクスの言葉を聞き入るザフト兵。ラクスはそれはもうカリスマアイドルだったので、彼女の言葉には
耳を傾けざるを得なかった。
「そしてミーアさん。わたくしがいない間、プラントの皆様の心の支えとなってくれた事、本当に感謝いたしますわ」
「ど、どうも・・・」
「しかし、わたくしはとても悲しい思いでいっぱいなのです。皆様の心の支えとなってくれたミーア・キャンベルさん・・・
その姿が、偽りのものであると知ってしまったが故に」
「――!?」
ミーアの肩がびくっと震えた。
ラクスはそれを見て心の中でにやりと邪悪に笑い、そして指を鳴らした。
「皆様、どうかその目に焼き付けてください。ミーア・キャンベルさんの本当の姿を」
そして舞台上部に設置されたモニターに、ある女性の写真が映し出された。
それは、コーディネーターにしてはあまりに地味な顔立ちの女性。
――ミーア・キャンベルの、本当の顔だった。
「整形をしてまでわたくしになりたかった・・・・・・嬉しくは思いますが、あなたのために心を注いでくれた皆様を
騙すような行為は許容できるものではありません。・・・分かってくださいますね?」
ミーアに問い掛けるラクス。観客がいなければコブラも裸足で逃げ出すような邪悪な顔をしていたであろう。
しばらく黙っていたミーアだったが、やがて観客に向かって語り出した。

「・・・・・・みんな、今まで嘘を吐いていてごめんなさい。ラクスさんの言うとおり、私のこの顔は整形によって
作られたものです」
ミーアが思い悩んでいた事・・・それは、この顔が偽りであるとみんなに隠していた事だった。
「でも私は歌が好きだった・・・。ラクスさんがいなくなったあの日から、支えを失ったみんなの心を支えて
あげたかった。でも私の顔はあの通り地味なもの・・・だからアイドルに相応しいような――ラクスさんと
同じ顔に変えたんです。そして『笑っていいぞよ』に出て、私の歌声が認められるようになり、私はとても
嬉しかった。みんなを支えてあげられると思った。・・・・・・だけどダメですね、私。それは結局、みんなの
心を騙しているって事だもの・・・」
ミーアの目から、涙が零れ落ちる。
「みんな、今日まで騙していてごめんなさい。私、ミーア・キャンベルは、もう舞台には立ちません。
だって・・・・・・もうみんなにはラクスさんが帰ってきたんですもの」
そう言って観客に頭を下げ、ミーアは背中を向けた。
「ミーアさん。今日までありがとうございました。これからはわたくしラクス・クラインが、あなたの想いを
継ぎますわ」
ミーアの背中に語りかけるラクス。
――ああ、ダメだ。噴き出してしまいそうですわ。ここまで上手くいくなんて、やっぱりわたくしって天・才・・・
しかしそんなラクスの思いも、一人の男が発した声によって掻き消えた。
「やめないでくれ、ミーアちゃん!!」
「――!?」
その声に、涙の流れる顔を振り向かせるミーア。
「ミーアちゃん、好きだー!!」
「例えどんな顔だって、ミーアちゃんは俺達のアイドルだー!!」
「だから笑ってくれ、ミーアちゃん!!」
――そこには、今日までと同じように自分に歓声を上げるファンの姿があった。
「み、みんな・・・」
「みんなミーアちゃんの事が好きなんだ!だからやめるなんて、そんな悲しい事言わないでくれ!!」
「姿を偽ってても、俺達に向けてくれた心は本物だろ!?そんなキミだからこそ俺達はファンでいるんだ!!」
「歌ってくれ、ミーアちゃん!!また俺達に勇気を分けてくれ!!」
口々に叫ぶザフト兵の皆様。まさにご立派、ファンの鑑だった。
「みんな・・・・・・ありがとう!私、歌います!!」
そしてミーアの言葉と共に、音楽が流れる。次のシングル予定の曲『きゅるるんミーアでジャンボ♪』だった。
「ラクスさん、ありがとう!私に告白する勇気をくれて!」
「・・・・・・え!?え、ええ・・・感謝には及びませんわ・・・・・・」
「さぁ、ラクスさんも一緒に歌いましょう!二人で今日を最高の舞台にしましょう!!」
「そ、そう、ですわね・・・・・・ええ、歌いますとも!!」
半ばヤケクソ気味に、ラクスはミーアの手を取った。昨日の調査(ハッキング)で曲の内容は頭に入っていた。
こうして、新旧ラクスのデュエットがここに生まれた。

その日の夜、ラクスの部屋にはハロの残骸が山のように散らばっていたという。

ダーダネルス海峡。
やっとこさミネルバを発見したJPジョーンズ以下連合軍は、さっそく攻撃を仕掛けていた。
「阿部高和、インモラル出るよ!」
「スティング・オークレー、カオス行くぜ!」
「アウル・ニーダ、アビス出るよ!」
「ステラ・・・・・・出る・・・」
その四機を先頭に、もはや描写すらカットされそうな勢いのウィンダム隊がダーダネルスを飛んだ。

「シン・アスカ、コアスプレンダー行きます!」
ミネルバからもMS隊が出撃した。空の飛べるフォースインパルス、グフイグナイテッドは敵陣へ、
飛べないザク2機、そしてガズウートはミネルバの上で敵の迎撃に当たった。
今回は護衛艦もついており、それぞれの艦からもバビやらディンやらが飛び立った。
『ルナマリア!一発浴びせてやれ!くれぐれも誤射はするなよ!』
『分かってるわ!えいっ!!』
『ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!』
目立つオレンジ色のMSの背中に赤いごん太ビームが直撃した。
『あ、あはは・・・・・・またやっちゃった』
『ルナマリア・・・・・・GJ』
『あ、ありがと・・・』
シンを狙うハイネはもはや敵、誤射をすると知りつつレイはルナマリアに砲撃させたのだ。
『よし!俺もやるぞ!!』
中古なのか、ギギギギギとなんとも不吉な音を立てて砲身を構えるガズウート。
『アスラン!俺のケツをどうしようというのです!』
『いや、だってコレ、これ以上上がらない・・・』
ミネルバの両翼に位置する白ザク、赤ザクだったが、両翼という言葉通りそこには二機しか存在出来ない。
故にアスランのガズウートは白ザクの後ろについたのだが、構造上の都合でガズウートは目の前の
白ザクしかロックオン出来ないでいた。
『だったら後ろを向いててください!味方に撃たれるのだけはごめんです!』
『俺は何度も撃たれたが・・・・・・了解した』
レイの背中を守るべく、アスランはガズウートを後ろに向けた。
『よし、ばっちこー・・・・・・い?』
視界には彼方まで広がる水平線だけが映った。

「ンフフフフフフフフ」
『ア ッ ー !』
バビだろうがディンだろうが阿部には関係ない。目に付いた敵機を片っ端から貫いていくインモラルの姿がそこにあった。
バビ、ディン、所によりウィンダム。阿部は戦場という名のハッテン場で、己の性欲を余す所なく吐き出していた。
『おまえが死ねぇぇぇぇぇぇぇ!!』
『ぎにゃぁぁぁぁぁぁぁ!!』
敵パイロットがついブロックワードを口にしてしまったのか、ステラは森下化していた。こうなると手のつけようがなく、
ステラはばっさばっさと敵機を斬り裂いていった。
『こいつ、落ちやがれ!!』
『ちぃっ、こいつ!』
スティングはインパルスと交戦していた。お互い空中戦は自分の領域、故に互いに決定打を浴びせられずに、
原作のカオスVSセイバーのように戦局は膠着していた。
『ってネオ!てめぇは出ねぇのかよ!?』
そう言えばまだ一度もMS戦を行っていないネオにスティングは通信を入れた。
『悪いな。俺のMSは調整中なんだ』
ネオの駆る紫色のウィンダム。永遠に調整中だった。

そしてアウル。彼は海中を進んでいた。
「ごめんねぇ、賢しくってさぁ!」
海上ではMS、戦艦の砲撃に晒される事になるのだが、海中なら話は別。
本日はグーンもおらず、海中は穏やかなものだった。
「頭を落とせばオシマイってね!」
そう言って、アウルはアビスをミネルバへと向かわせた。

「そぉら、落ちろッ!!」
スレイヤーウィップで敵機を薙ぎ払うは、オレンジ色のグフイグナイテッド。
ルナマリアの誤射にもめげず、ハイネは獅子奮迅の活躍を見せていた。
「こんな所で出会わなきゃ、おまえとも親友になれたのにな・・・」
落ちていくウィンダムを見つめながら呟くハイネ。一見カッコイイセリフのようだが、敵を落とすたびにそう呟くから困る。
もちろん通信回線はオープンになっており、ミネルバの隊員はいい加減うんざりしていた。
『あいつが指揮官機か!全機、奴を落とすぞ!!』
『了解!!』
迫り来るウィンダム隊。それを見てハイネは、先日最後まで言えなかったあのセリフを吐いた。
「へっ・・・ザクとは違うんだよ、ザクとは!!」
『『・・・・・・』』
レイとルナマリアがイラっとした。
『ルナマリア。ハイネ隊長を援護しろ』
『了解』
自分が何を為すべきか、ルナマリアは重々承知していた。

「へへっ、後ろからばっさりやってやるぜ!」
海中を進むアビスは、やがてミネルバ後方へ辿り着いた。
「まずはあのスカした白い坊主からだ!」
そう意気込んでアビスは海上へと踊り出て――
「なにィィィィ!!!?」
――そして、再び海の中へ戻った。

「あ〜・・・・・・暇だ」
ぼやくアスラン。ミネルバは最後尾に位置しており、後方からの敵機など来るはずもなかった。
『アスラン!戦闘中です、士気の下がるような事を言わないでください!』
「だってなぁ・・・・・・なぁレイ、しりとりしようぜ」
『お断りします』
「じゃあ俺からな。・・・・・・キラ・ヤマト。おいレイ、『と』だぞ」
『お一人でお願いします。正直迷惑です』
「ちぇっ、ノリ悪いなぁ。と、と・・・遠山万寿夫、お、オシリスの天空竜、う、上杉謙信、ん、ん・・・ンディーブ・モンゴ、ご・・・」
『アスラン。勝手に名前を作らないでください。往生際が悪いですよ』
「聞いてるなら一緒にやろうよ・・・」
『『ん』で素直に負けを認めない人とはしりとりをしない主義ですので、お断りします』
「ちぇっ――」
と、何気なく視線を前に戻すと、目の前に青いMSが飛び出してきた。
「ぬぅおっ!!!??!?」
咄嗟に火器を連射するアスラン。
『なにィィィィ!!!?』
全弾命中し、突如現れたMSは再び海の中へ戻っていった。
『騒がしいですよアスラン。大人しくしていてください』
「いや、だって今、MSが・・・」
『・・・・・・、はぁ。分かりましたよ。しりとりをすれば大人しくしていただけるんですね?』
「いや、だからMSが――」
『五億円・・・・・・の札束。アスラン、『ば』です』
「いや、それは反則だろ・・・常識的に考えて」

「さて、お次は、っと」
周囲のバビやディン、所によりウィンダムをあらかた食い尽くした阿部は、敵を探していた。
と、岩場で何者かに砲撃を受けて倒れるオレンジ色のMSを発見した。
「うほっ、あの時の良い男」
阿部はそのオレンジにインモラルを向かわせた。良い男とは何度交わっても良いものなのだ。
と――
『邪魔だぁぁぁぁぁぁぁぁ!!』
「アウチ!?」
突如インモラルの背中が、犬っぽい何かに斬りつけられた。
ステラの駆るガイア(MA形態)だった。我を失ったステラは、敵を見るやいなや突進するという行為を繰り返していた。
ガイアに吹き飛ばされたインモラル。しかしそれで終わる阿部さんではなく、インモラルはガイアの後ろ足を
がっしりと掴んだ。
『――!?なんだ、おまえは!?』
「こっちのセリフだこの外道が!」
ガイアを岩場に叩き付けるインモラル。そのすぐ後に、インモラルも同じ岩場に着地した。
『おまえ、邪魔をするな!!』
「俺にはどうにも許せぬものが三つある。それはコギャルとセレブ、そして躾のなってないあーぱー女だ!」
『はっ!全身から不審人物オーラを放出しているおまえの言う事か!?』
そう言って、ガイアは中指を突き立てた。
「いい態度だ・・・。貴様には暴力という名の躾を施してやろう!」
『はん!ダーダネルスを今夜のおまえのベッドにしてやる!!』
そう言って流派不明の構えを取る両機。
『待てよおまえら!仲間同士で争うなんて愚かな事だと思わないのか!?』
「フンッッ!!」
『ア ッ ー !』
「どいてろ!!」
『ぐわぁぁぁぁぁぁぁ!!』
間に割って入ったオレンジを四行で蹴散らし、そして数分後――
「思い知ったか、外道が」
『がるるるる・・・!』
そこには、スマキにされたガイアの姿があった。

「くそっ、ちょろちょろと!」
『しつっこいぜ、てめぇ!!』
インパルスとカオス。未だに両者は膠着状態だった。
と――
ぴるるるる ぴるるるる
シンの携帯が着信を知らせた。
「あ、ちょっとタンマ。マユから電話きた」
『うるせぇ!戦闘中に電話になんか出せるか!!』
「なんだよ、いいじゃないかケチ!」
『ケチと言われちゃ仕方ねぇ。・・・いいだろう、存分に話せ』
「さんきゅー」

「唐辛子。レイ、『し』だ」
『シン!!』
「あ、『ん』が付いた!おまえの負けだな、レイ」
『それどころではありません!・・・マユ・アスカからの着信です!』
「ふぅん。結構な事じゃないか。これで戦闘も終わるな」
『何を言っているのです!忘れたのですか!?シンはマユ・アスカと結婚する気でいるのですよ!?』
「・・・・・・あ、そういやそうだったな」
『マユちゃんとお電話しましょ♪』により、今のシンとマユの関係は婚約者同士だった。もちろんシンが
一方的にそう思っているだけなのだが・・・
『なんとか妨害せねば・・・!』
レイはコンソールを操作し、携帯電話に良くない電波を発信した。

『もしもしお兄ちゃん?マユだよ』
「ああ、お兄ちゃんだぞマユ!いや、むしろ将来の旦那さんかな、はは♪」
『え?なぁに?よく聞こえないよ・・・』
「あれっ?電波が悪いのかな?ちょっと待ってて」
そういうとシンはコンソールを操作して、携帯電話の電波を正常に戻した。
レイの仕掛けた妨害電波も、マユ補正のかかったシンの前では二秒と持たなかった。
「よし、戻った。で、今日はどうしたんだ、マユ。式場の相談か?」
『式場?お兄ちゃん、何言ってるの?』
「え・・・?い、いや、この前結婚しようって――」
『結婚?兄妹じゃ結婚できないよ、お兄ちゃん。熱でもあるの?』
「え・・・・・・」
急な婚約破棄に、シンは呆然とした。
そして更に、追い討ちを掛けるようなマユの言葉。
『それよりお兄ちゃん。私ね、サッカー部の子に告白されちゃったの!』
「な・・・・・・なにぃぃぃぃぃぃ!!!!??!?!?!?」
『でさ、どうすればいいかな?結構格好いい子なんだけど、でもマユまだ小学生だし・・・』
「だ、だだだだダメだダメだダメだダメだ!!!ダメに決まってる!!」
『そ、そんな力いっぱい言わなくっても・・・。でもその子、女子にも人気あるし――』
「とにかくダメだ!お兄ちゃん許さないぞ!!」
『そ・・・そんな言い方しなくってもいいじゃない!マユ、これでも結構悩んでるんだから!』
「うるさい!マユはまだ子供なんだ!交際なんて認められるか!!」
『そんな言い方・・・・・・もういいよ!もうお兄ちゃんには相談しないから!!』
「ま、マユ!いや、その、さっきのは――」
『お兄ちゃんなんか大っ嫌い!もう知らない!!』
ブツッ
「ま、マユ・・・・・・」
電話が切られた後。
「・・・大嫌い・・・・・・大嫌い・・・・・・大嫌い・・・・・・」
危うい目つきで、シンはそう繰り返していた。

「んで、これをXに代入して・・・」
シンが電話をしている間、スティングは勉学に励んでいた。
「くそっ、このYの野郎・・・・・・数が合わねぇ!」
連立方程式に悪戦苦闘するスティング。
気分転換にと、スティングはふと外の景色を眺めた。すると――
「――お、落ちてやがる!?」
カオスが落下運動を開始していた。
「バーニアは・・・・・・ちくしょう、動かねぇ!!」
今のカオスガンダムは、バーニアの部分だけが器用に斬り取られていた。
「くそっ、一体誰が――」
そう呟いた時、コクピット内に彼の声が響いた。
『こちらはキラ・ヤマト!みなさん、戦闘を中止してください!』

「・・・大嫌い・・・・・・大嫌い・・・・・・」
周囲のMSが手足を斬り取られる中、シンは未だにそう呟いていた。
「大嫌い・・・・・・大嫌い・・・・・・」
『今すぐ戦闘を中止してください!』
と、インパルスのビームライフルがフリーダムに撃ち落とされ、シンははっと我に返った。
「あ、あいつ、は・・・・・・」
シンの中のある感情が、ぐつぐつと音を立てる。
「そうか・・・・・・あいつが・・・・・・」
操縦桿を握る手に力がこもる。
「あいつが・・・・・・マユを!!!」
ぱりーん

アークエンジェル、ブリッジ。
またもやいつもの戦闘介入。しかしブリッジのクルーは落ち着いていた。
何せキラは最強無敵のコーディネーターだ。例えあの数でも、キラならば平気だろうと皆思っていた。
思っていたのだが、今回はいつもとは違った。
「・・・・・・!?ラクス嬢!!」
いちはやく異常に気付いたのはナタルだった。
「どうしましたの、ナタル様。もう終わりましたの?」
「いえ、それが・・・・・・」
口ごもるナタル。まさかこの言葉を口にしようとは、想像もしていなかった。
「フリーダムが・・・・・・ボコボコにされています!!」

「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
『くっ!?』
フリーダムの顔面を殴りつけるインパルス。
インパルスの動きは、異常そのものだった。
明らかにスペック以上の動き。殴るだけではなく、時にはレッグフライヤーで蹴りを入れたりもする。
「おまえが!おまえがマユを!!」
『な、なんだこの動きは!?』
「このサッカー部野郎がぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
『しかも、意味の分からない事を言っている・・・!』
勘違いから始まる憎悪。シンはフリーダムをサッカー部だと思い込み、決死の攻撃を繰り出していた。
『くそっ、このっ!』
「当たるか!!」
ライフルを撃つも、易々とかわされる。まるでこちらの動きを先読みしているかのような行動だった。
「おまえさえ・・・おまえさえいなければマユはぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
『ぐっ!?まずい、このままじゃ・・・!』
『キラ!聞こえますか、キラ!!』
『ラクス!これは一体!?』
『一度引いてください!体勢を立て直します!!』
『了解!』
「逃がすもんかぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
アークエンジェルへと帰還するフリーダムを追うインパルス。
しかし、エネルギーがそれを許さなかった。
「くそっ!まだあいつは生きてるのに・・・!!」
そのすぐ後に、両軍が撤退の信号弾を打ち上げた。
戦闘が終わり、皆が帰還する中。

「マユゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!」
シンの咆哮が、ダーダネルスに響き渡った。