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R-18_Abe-SeedDestiny_安部高和_17

Last-modified: 2007-11-06 (火) 21:37:35

『デスティニープランの導入をここに宣言します!!』
メサイアを浮上させたデュランダルは、戦場の兵達にこう言った。
そしてデュランダルは、デスティニープランの内容を語り始めた。
『デスティニープランとは、人の運命をこっちで勝手に決めちゃおうという、言うなれば人生斡旋所です!
遺伝子を調べ上げ、その人間に合った職、ひいては人生を決めてしまおうというものです!例えばコック向きの
遺伝子を持っている者はコックに、パイロット適正がある者はパイロットに、とそんな感じです!これにより、
皆様は道に迷う事なく人生をまっとう出来るようになります!私の思い描いた理想の世界・・・その住人に、
皆様は選ばれたのです!!』
彼の言葉に、戦場の兵達は混乱した。
デュランダルは続ける。
『例えばそこのザクに乗ってるあなた・・・そう、あなたです。あなたはどうやら本屋に向いているようなので、
即刻軍を除隊してください』
『・・・へ?』
『で、そこのあなた。あなたは便所掃除に向いているので、すぐに清掃員(便所担当)に転職してください』
『ちょwww』
『で、そこのガナーに乗ってるあなた。あなたはペットボトルのキャップを開ける才能に溢れているので、
今日からは「ペットボトルお兄さん」として街を徘徊してください』
『非グレイトォ!?』
そうして次々に、デュランダルは兵達に自身の適職を告げていった。
それはまともなもの(エンジニアや営業マン)から、とても職とは思えないようなモノ(QMAでメモを取りながら問題を
解いていく人、自動販売機を見つけるたびにお釣りの所に手を入れる人、パチンコ店で床に落ちてる球を拾う人)まで、
その種類は様々だった。
しかし兵達は自分の仕事に誇りを持っていた。なので、そんな事を言われても素直に受け入れる者は誰一人として
いなかった。
そして最後に、デュランダルはこう言った。
『もちろんこれは強制です。ですので、逆らう人にはキッツイお仕置きを施します。今日までプラント、連合を欺き、
そしてザフトの予算を横領して造った、私の自慢の兵器で!』
そしてデュランダルの言葉が終わると同時に、メサイアに取り付けられたジェネシスが稼動し、誰もいない空間に
向けてガンマ線を放った。
その威力は、前大戦のものとは桁違いの威力だった。
『異議のある者はメサイアまでお越しください。まぁ、このインモラルダガーの網を潜れたら、の話ですが』
メサイアを防衛するインモラルダガー。その数は、もはや数え切れないほどだった。
『それでは、良い返事を期待しています』

兵達は、しばしの間手を止めて呆然としていた。
当然そんなプラン、受け入れる気は毛頭なかった。
しかし、あの強大な力の前に、誰もが言葉を失っていたのだ。
プラントを・・・デュランダルを守るはずだったザフトは、彼の裏切りと取れるその言葉に。
プラントを殲滅するはずだった連合軍は、あの強大な兵器の前に。
そうしてしばらくした後、彼らの耳に彼女の声が聞こえた。
『こちらはエターナル、ラクス・クラインです。皆様、迷っている場合ではありません。今や連合もザフトも関係ありません。
あの強大な兵器を用いて人類を我が物にしようというあの男、デュランダル議長を打ち倒すのです。そして皆様の手で、
皆様の明日を守るのです』

ひとしきり演説を終えた彼女は、シートに深く座り込んだ。
「あのような物で威嚇をしてまで、あの男は・・・・・・」
デュランダルの言葉は、明らかな世界征服宣言だった。
逆らう者には死を・・・・・・今時ジャンプでもやらないような三文芝居だが、しかしデュランダルは本気だった。
「あの男はなんとしても倒さねば・・・・・・」
それは名声欲しさからではない。純粋に人類の明日を懸けて、ラクスは彼を打ち倒したかった。
『ラクス。こっちは準備良いよ』
「キラ!し、しかし、わたくしはあなたに・・・・・・」
『洗脳されてたけどさ、でもラクスと過ごした二年間の事ははっきりと覚えてる。だからラクスの事もよく分かってる。
ラクスはあれを止めたいんでしょ?』
「・・・・・・ええ、なんとしても」
『だったら僕は出るよ。僕自身も彼の言ってる事は正しいとは思えないし。誰かに決められた人生なんてごめんだからさ。

・・・それってまるで、一種の洗脳だしね。洗脳される辛さ、僕には分かるから・・・・・・そりゃもう、とてもね』
「う・・・・・・ゴメンナサイ」
『はは、冗談だよ。それじゃ、キラ・ヤマト、ストライクフリーダム行きます!』
「どうかお気をつけて。・・・・・・さぁ、わたくしたちも行きますわよ。全速前進、目標はメサイア!」
『了解、ラクス様』

「ったく、とんでもねー事言い出すな、あいつ」
片付けたダガーの中、アウルはそう口にした。
一見無謀かと思えたあの突撃、しかしアウルは本当に卍解したかのような動きを見せた。
当然アウルは死神ではないのだが、まぁ、二階堂平法でいうところの『憑鬼の術』みたいなモンある。思い込みって怖いネ。
「ま、あんなの許す気ねーし。俺のアルターで粉々にしてやるぜ!!」

「ステラ、まだ戦えるか!?」
『うん、大丈夫・・・・・・』
ネオとステラの周囲には、ジャンク屋が喜びそうな物でいっぱいだった。
ちなみに全部ステラがやりました。ブロックワードって怖いネ。
「だったらお次はあそこだ。あのでっかいの、一緒にぶっ壊すぞ。おまえ達の未来は、おまえ達で決めるんだ」
『未来・・・・・・ネオも一緒?』
「ああ!俺達はいつまでも一緒だ!」
『じゃあ・・・ステラ、あれ壊す・・・』
「その意気だ。よし、ついてこい!」

「なぁハイネ。おまえザフトだろ?どう思う?」
『どうもこうも・・・・・・ワケ分かんねぇよ』
スティングとハイネもまた、戦いの手を止めていた。
『信じていた議長があんな事言うなんて、未だに信じられねぇ・・・』
「そうか。俺は許せねぇ。人の人生をおもちゃみたいに言う野郎、俺は許しちゃおけねぇ」
『・・・・・・』
「俺は行くぜ。行って野郎の首根っこ捕まえて牢屋にぶち込んでやる。止めたいなら好きにしな」
そう言ってメサイアに向かうカオスを、ハイネは手で制した。
「なんだ・・・・・・止めるってのか?」
『へっ、バカ言うな。一人で行くなってんだよ・・・・・・戦友』
「・・・・・・なるほど、立場は違うが、確かに俺らは戦友だな」
『間違った奴は殴って正す。俺の信条だ。それが例え、上司でもな』
「良い事言うじゃねぇか。それじゃ、一緒に野郎を殴りに行こうぜ!」

「やっぱ止めた方がいいのかしらね・・・?」
そう言いつつも、ルナマリアはメサイアへ向かっていた。
その途中、なんか悲惨な事になってるMSから通信が届いた。
『おいルナマリア!聞こえるか!?アスラン・ザラだ!』
「アスラン先輩?・・・・・・って、どうしたんですか、ダルマになって」
『いや、ちょっとな。それで、おまえもメサイアに行くのか?』
「ええ、まぁ。私剣術家になれって言われたんだけど、接近戦って嫌いなんですよね」
『そうか。なら俺も連れてってくれ!俺も議長を止めたいんだ!』
「・・・・・・そのダルマで?」
『どっかからMSを持ってきてくれ!頼む!!』
「・・・・・・はいはい。ちょっと待っててくださいね」
そしてルナマリアは手近な戦艦に入り、MSを運んできた。
「はいどうぞ」
『・・・・・・結局コレかい』
ガズウートだった。

「くそっ!議長は何を考えているのだ!!」
イザークはそう毒づいた。
人の人生を勝手に決めるというプランの導入、そして逆らう者には罰を与えるという議長の言葉。
とても正気の沙汰とは思えなかった。
『まさかデュランダル議長がそのように考えていたなんて・・・』
『俺はペットボトルお兄さん・・・・・・』
「クルーゼ隊長!我々はこのまま議長を守るために戦うべきなのですか!?」
そうクルーゼに問うイザーク。しかし、クルーゼからは答えは返って来なかった。
『それはイザーク、キミ自身が決めるんだ。・・・・・・そろそろキミにも隊を任せようと思う。その練習だと思いたまえ』
「・・・・・・!」
『議長の言いなりになるか、議長を止めるか。道は二つ・・・・・・選ぶのはキミだよイザーク』
「・・・・・・、俺は」
運命を委ねるか、自らの手で掴み取るか。
イザークは少し考えた後、隊員にこう告げた。
「全軍、俺に続け!!ギルバート・デュランダルは敵だ!!メサイアを落とし、デュランダルを捕らえるぞ!!」
そしてイザークは、隊員を引き連れてメサイアへ向かった。
『それでいい、イザーク。それでこそ、ギルバートも浮かばれるというものだ・・・・・・』

「ひゅう♪とんでもない事言うじゃないの、おまえの上司」
『そ、そんな事・・・・・・なんで議長、あんな事を・・・』
「それにあのMS・・・・・・なんだかとっても許せないじゃない?」
インモラルダガー・・・・・・それは相手パイロットの事を考慮せず自分だけ気持ちよくなろうという、阿部にとっては
憎むべきMSだった。
「あの男は許さない。俺はメサイアを潰すが、だがその前に・・・・・・」
『――!?』
「――おまえの貞操を頂く!!」
同時に分身達がデスティニーを捕縛し、そしてインモラルはデスティニーの後ろに回った。
「今度こそ貰った!!」
『させん!!!』
「――!?」
デスティニーを貫こうとした瞬間、横からMSの体当たりを受けた。
そしてそのまま、インモラルはそのMSに掴まれたまま宇宙を流れていった。
『レイ!!』
『シン!おまえが一番好きな者は誰だ!!』
『え・・・・・・マユだけど』
『それならいい!そしておまえも議長を止めてくれ!!』
『わ、分かった!』
ミラージュコロイドの羽を広げてメサイアへ向かうデスティニー。
その背中を見送った後、レイは阿部に通信を入れた。
『阿部高和!貴様には俺と一緒に来てもらう!』
「ったく、人の楽しみを邪魔した後は命令かい?ってか離してくれないか?」
『離したらシンのところに行くだろう、貴様は!』
「ちっ、ばれてーら」
『だから貴様には俺と共に議長を止めてもらう!貴様とて、あのMSは許せないのだろう!?』
「まぁね。自分だけ気持ちよくなるのは俺の主義に反するからな」
『だったら俺に協力しろ!貴様と組むのは不本意だが、俺達で議長を止めるんだ!!』
「・・・ったく、しょうがないね。分かったよ、一緒に行こう」
そして組み合った二機は、メサイアへと向かった。

メサイア、司令室。
そこではデュランダルが一人、戦場の様子をモニターで眺めていた。
「どうやら順調に推移しているようだね・・・・・・」
その様子を見てデュランダルは目を細めた。
「いいや、ところがそうでもないみたいよ?」
そこで、この司令室に二人の男が入ってきた。
「議長・・・・・・いや、ギルおじさん」
「レイに阿部くん、か。よくここまで来れたものだ・・・」
「なんかあのダガー、動きがおかしくてね。それに最初の一発以来、ジェネシスも撃たないみたいだし」
「おじさん!もうこんな事はお止めください!」
「ふっ・・・・・・どうやらフィナーレはキミ達が見届けるようだな」
「フィナーレ?どっちかってぇとゲームオーバーって方が似合う気がするけどね、阿部さんは」
「いいや、フィナーレさ。ところでレイ、キミは何を止めに来たのだ?」
「もちろんデスティニープランです。人の未来を他人の手で決めるなど、間違っています」
「ほう・・・・・・何故だね?私の言う通りにすれば皆が安定した生活を送れるのだよ?」
「人は安定するために生きるのではありません。自分で道を選び、そして自分の意思で歩いていく・・・それが、人が生きる
という事なのです。おじさんの言う世界では、人は家畜も同然です」
「・・・・・・阿部くん、キミはどう思うかね?」
「どうもこうも、俺は好きに生きていくだけさ。おまえに決められた人生なんてまっぴらごめんだね」
「そうか。・・・・・・いや、それでこそデスティニープランの導入を宣言した甲斐もあるというものだ」
「・・・おじさん?何を言っているのですか?」
「まぁ、これを見たまえ」
そう言ってデュランダルは、戦場の様子を映したモニターを指した。
「皆が一丸となってこのメサイアを攻撃している・・・・・・素晴らしいではないか」
モニターを切り替えて、デュランダルは続けた。
「ザフト、連合、エターナル・・・・・・敵も味方も関係ない、皆が手を取り合って自分の明日を手に入れようと奮闘している。

・・・この映像など素晴らしい。被弾したザクを連合の艦が収容し、シグーの背中をダガーが守っている。この
意味が分かるか二人とも。コーディネーターとナチュラルは、互いに手を取り合う事が出来るのだよ」
「・・・・・・なるほど。全てはでっち上げって事かい」
「でっち上げ?・・・・・・まさかおじさん、デスティニープランというのは――」
「そう。デスティニープランなど、私は初めから導入する気はないのだよ。全てはこの瞬間のため、この事実のため、
一芝居打ったに過ぎない。いや、ラクス・クラインもジブリールもよくやってくれた。彼らが戦争を広げてくれたおかげで、
ついさっきまで、そして長い間いがみ合っていた者同士も手を取り合えるという事を証明する事が出来たからね」
デュランダルの真の目的――それは、コーディネーターとナチュラルは共に手を取り合えるのだという事を、彼らの
手によって証明する事だった。
そしてそれは、コーディネーターとナチュラルの融和に繋がる。デュランダルは己を人類の敵とする事で、
両種族間にある溝の掛け橋となろうとしたのだ。

「道理でジェネシスは撃たないし、偽者ダガーの動きもおかしいわけだ。あのダガー、パチモンゲイボルグは装備して
ないわライフルの照準精度は酷いわで、とてもこのメサイアを防衛する気があるとは思えなかったしな」
「あれは無人でね。しかもわざと動きを鈍くしている。雑魚敵というのは簡単にやられるべきだからね」
不意にこのメサイアを、大きな揺れが襲った。
「そろそろこのメサイアも陥落するだろう。いや、何分お金が足りなくてね。半分以上はハリボテなのだよ」
「でしたら早く脱出しましょう!もう十分でしょう、おじさん!一緒にレジェンドに乗ってください!」
「いや、それには及ばないよ。悪は悪の城と共に滅びるべきだ」
「へぇ・・・人柱になろうってのかい?」
「そう取ってもらって構わない。さぁ、二人とも早く脱出するんだ」
脱出を促すデュランダル。しかし、それに反してレイはデュランダルに歩み寄った。
「レイ・・・」
「俺もお供します、おじさん」
「それはダメだ。早く行くんだ」
「いいえ。おじさんは孤児だった俺を引き取ってくれて、そして軍のアカデミーに入れてくれました。だから俺は、
最後までおじさんと共にここに残ります」
「・・・・・・まったく、聞き分けのない子だ」
そう言って、デュランダルはレイの肩に手を置いた。
「レイ。私はおまえに明日を生きて欲しいのだよ。自分で選び、自分の足で歩く明日をね。・・・・・・それにレイ、
どこの世界にいるのだね?・・・・・・息子の死を望む父親など」
「おじさん・・・・・・」
「さぁ、行くんだ。おまえはおまえの明日を生きる。・・・・・・それこそが最高の親孝行だ」
「・・・・・・、はい」
レイは涙を拭いて、そしてデュランダルの手から離れた。
「今日までありがとうございました。俺は、おじさんを本当の父親のように思っていました」
「その言葉が聞けただけでも私は満足だ・・・・・・さらばだ、二人とも」
崩壊が始まったメサイアの中、一人その中央の椅子に戻るデュランダル。
「デュランダル」
そこで、阿部はデュランダルに何かを投げ渡した。
「・・・・・・これは?」
それは、良い男が映ったブロマイド。

「お守りさ。おまえは死なすには惜しい男なんでな。・・・・・・ご利益あるぜ?」

かくしてメサイアは陥落し、戦争は終結した。
そして、その戦場を駆け抜けた戦士達は――

プラント最高評議会。
「では、わたくしはセレモニーホールの建造を提案いたしますわ」
「いやいやラクス。あの場所にはコーヒー記念館がぴったりだろう?」
「今こそグーン博物館をプラントに!な!!」
「ふむ・・・なら皆の意見を汲み、仮面公園を建設するとしよう」
「どこを汲んだらそうなるのです!」
「ラクス様、そろそろリハーサルのお時間ですが・・・・・・」
「まだ会議は終わっていませんわ!」
「ですが、ミーア様はもう1時間も待っておいでですし・・・・・・」
「ミーアさんが?・・・・・・仕方ありませんわね。皆様、わたくしは席を外しますが、決してヘンな物を
建造しないように。それでは」
「・・・・・・ラクスは行ったかね?」
「ああ・・・・・・彼女は戦線を離脱した」
「なればもはやグーン博物館は目前だ!な!!」
「いやいや、それは甘いんじゃないか、モラシム?」
「そうだとも・・・・・・仮面公園こそ人の夢、人の希望、さ・・・・・・」

プラント宙域。
「今日の任務はメサイア残骸の除去だ!各員、所定の位置で待機!」
「ジュール隊長。あの、具体的にはどうすればいいんですか?」
「それはな!それは・・・・・・ディアッカ!」
「やれやれ。取り合えず破片やなんやをあそこからどけてくれ」
「破片は僕が集めますから」
「そういう事だ。以上、解散!!」

ザフト軍基地、ミネルバ。
「アーサー、そっちは片付いた?」
「は、はいぃぃいいえ!!」
「どっちなのよ!はっきりしなさい!!」
「は、はいぃ!!」
「結局どっちなのよ・・・・・・」
「艦長!国税局からの通信です!予算の使い方について少しお話があると・・・・・・」
「即刻切りなさい!沈みたいの!?」

ベルリン市街。
「おーい兄ちゃん!それをあっちに持ってってくれ!」
「はい、分かりました!」
「しっかしあんちゃん、よく働くなぁ。まだ若いのに偉いこった」
「戦争の爪あとなんて残しておきたくないですから。それに困ってる人のために働くのって、結構気持ち良いんですよ」
「くうぅ〜っ、俺の息子にも聞かせてやりたいぜ!」
「はは・・・。あ、そろそろお昼ですね。みんなのお弁当取ってきます」
「おう、頼む!」
「・・・・・・ここもだいぶ落ち着いてきたな。にしても・・・・・・ラクス、人に迷惑かけてなきゃいいけど」

ベルリン上空、アークエンジェル。
「艦長!これより本艦はベルリンに着陸します!」
「あいよっ」
「本日の任務はベルリンの復興支援だ。各員、尽力するように!」
「みんな頑張ってね〜」
「艦長!あなたも行くのですよ!?」
「めんどい、パス」
「パスじゃありません!!」
「だって私艦長だもの。力仕事はあなたに任せるわ」
「・・・・・・・・・・・・バズカーク、胃薬を頼む」
「フヒヒヒヒ・・・・・・」

オーブ首長国、アスハ邸。
「ユウナ!全然分からん!!」
「分からんじゃなくて・・・少しは自分で考えなよカガリ」
「分からないものは分からないんだ!!」
「ほらカガリ・・・・・・ここのxにこの数字を入れてごらん?」
「・・・・・・!すごいなユウナ!解けたぞ!!」
「それじゃ、次はこの問題だ。これが解けたらおやつにしよう」
「パイナップルか!?」
「そうだよ。カガリの大好きなパイナップルだ。だからあと少しだけ頑張るんだ」
「分かった!!」
「ユウナ」
「ウズミ様・・・。何かご用ですか?」
「ああ、これをおまえにな」
「・・・・・・カガリの新しい問題集ですか?」
「いや、違う。これはな、オーブ首長の心得が書かれた本だ。頭に入れておけ」
「・・・・・・僕がですか?」
「そうだ。おまえには次期首長カガリの補佐を頼みたい。・・・・・・やってくれるな?」
「は、はい!精一杯やらせて頂きます!!」

オーブ首長国、住宅街。
「おまえら、忘れ物はないな?」
「教科書、ノート、弁当・・・・・・へっ、ばっちりだぜ!」
「スティングのクラス、今日体育じゃねーの?」
「へっ、俺に抜かりは・・・・・・ちっ、体操服の野郎、いやがらねぇ!」
「ステラの・・・・・・貸してあげる・・・・・・」
「サイズが違い過ぎるだろ。待ってな、俺が取ってきてやる」
「すまねぇネオ・・・」
「迂闊ってんじゃねー?そーゆーの」
「スティング・・・・・・迂闊・・・・・・」
「う、うるせぇぞてめぇら!さっさと行っちまいやがれ!遅刻すんぞ!」
「遅刻は慣れっこ、ってね」
「みんなで・・・・・・一緒に行く・・・・・・」

オーブ首長国、市街。
「せっかく休暇もらったけど、別にする事ないのよね」
「いいじゃん、その辺でもぶらぶらしてろよ」
「シンはいいわよね。これから家族とお食事なんてさ」
「ルナだって、前からショッピングしたいって言ってたじゃないか」
「そうだけど・・・・・・一人でなんて退屈よ」
「メイリンは?」
「あの子はまだ仕事があるってさ。あーあ、どうせだからナンパでもされよっかな」
「はは――」
「お兄ちゃ〜ん!」
「マユ!!じゃ、ルナ、またミネルバで!!マユ、会いたかったぞ〜!!」
「あ、ちょっと!・・・・・・もう、いつまでシスコンなのかしらね、シンは」

オーブ首長国、市街。
「キラ、おまえはどこにいるんだ・・・・・・」
「おいアスラン!おまえも手伝えよ!」
「そしてなんでハイネと一緒なんだ俺は・・・・・・」
「友情を深めるには旅が一番ってな!・・・ほら来たぞ!ヘイヘ〜イ!!」
「今時ヒッチハイクで旅行なんて・・・・・・」
「あら二人とも、良い男じゃない。お姉さんの車に乗る?」
「「うわ女だ」」

とある山村。
「今日は猪が取れたぞ。晩ご飯は鍋だな」
「ええ、すぐに準備します」
「頼む。・・・・・・しかし、本当に良かったのか?軍を辞めて」
「はい。シンとはいつでも会えますから。それに・・・・・・」
「・・・それに?」
「・・・・・・家族一緒に暮らす、というのも悪くはありません」
「そうか・・・・・・ところでレイ、そろそろお父さんと呼んでみてはどうかね?」
「そ、それは!・・・・・・もう少し待ってください」
「はっはっは。レイは照れ屋だな」
「〜〜!!さ、さっさとお風呂に入ってください!汚れた服でうろつかれると困ります!!」

――阿部の姿は、どこにもなかった。
戦争が終わると同時に、彼はまた皆の前から姿を消した。
だがみんな、どうか忘れないで欲しい。

――阿部はいつでも、キミの傍にいる――

「や ら な い か」

〜fin

(続編)SpesialEdition