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R-18_Abe-Seed_安部高和_03

Last-modified: 2007-12-27 (木) 10:16:12

「足付きが先遣艦隊に合流するという情報を入手した。
よって我々はそれを襲撃し殲滅する!」
ブリーフィングルームに集められた5人に、クルーゼは開口一番そう告げた。
「作戦は30分後に執り行う。各員所定の位置で待機だ。・・・以上、解散」
事を全て告げ、クルーゼは全員に背を向けた。
「いや以上じゃなしに。もうちょっと詳しく」
それを引き止めたのはイザーク。あまりの無茶振りに口調がおかしくなっていた。
「素晴らしく簡潔かつ明瞭な説明だったと自負しているが?」
「いえ、そうですが・・・もうちょっとこう・・・ディアッカ!」
「やれやれ。相手の戦力はどれくらいなんです?」
「それを訊くか・・・。知ればやる気をなくすと思い、黙っていたのだがね・・・」
つまりやる気のなくなるような戦力差であるという事だった。
「つまりよりどりみどりって事かい?」
隊員より頭一つ大きいこの男は阿部高和。今日は全裸でブリーフィングに
参加していた。
「そうだ。良い事を言うな、阿部。ますます気に入ったよ・・・」
「俺はいつでも準備OKだぜ、クルーゼ・・・」
ブリーフィングルームに入った時から勃起しびくびく震える暴君を
握り、その先端(亀頭)をクルーゼに向ける阿部。透明の液体は絶えず
床に滴り落ちていた。
「貴様!神性なる作戦室を汚すとは何事だ!」
「別に汚くはないさ。・・・なんなら舐めてみるかい?」
「お断りだ!」
「つーかおっさんなんで全裸なんだよ」
「いい加減にしとけよおまえ血便しか出ない尻穴にしてやろうか?」
「すいませんでした許してくださいもう言いません」
「話はまとまったようだな。では解散だ」
強引に話を締め、クルーゼはブリーフィングの終わりを告げた。

 

「阿部さん!」
ハンガーへ通じる通路で、阿部はニコルに声をかけられた。
「ニコルじゃないの。どうしたんだい?」
「この前の話です」
「ああ・・・」
この前の話とは言うまでもなく、アルテミス攻略戦におけるミラコロプレイの事だ。
「今後はあのような状況下での行為は謹んでください」
「ああいうのは嫌いかい?」
「好き嫌いの話じゃありません!ヘタをすれば命に関わるんですよ!?」
「俺は平気だけどね」
「僕が危ないんです!ですから今後そういった行為をしたくなったのなら・・・

 

その・・・夜ならいつでも空いてますから!それじゃ!」
一方的に話を打ち切り、顔を真っ赤にしながらニコルは走り去っていった。
「・・・・・・ひゅう♪可愛い事言ってくれるじゃないの」

 

ところ変わってアークエンジェル。
なんやかんやでピンクを拾った一行は、先遣艦隊に合流すべく指定ポイントへと航行していた。
「ノイマン。あとどれくらい?」
「20分といったところであります、サー!」
「5分で到着させなさい」
「サー、イエッサー!」
「やはりザフトは襲撃してくるでしょうか?」
彼女はナタル・バジルール中尉。この艦唯一の常識人だ。
「さぁ?」
「さぁ・・・って、あなたは艦長でしょう!?そういった事を考えるのが仕事のはずです!」
「私技術仕官だもの。難しい事はあなたに任せるわ」
「それでも艦長はあなたです!自覚してください!!」
「めんどい。パス」
「こいつはダメだ・・・・・・早くなんとかしないと・・・・・・」
ナタルの常備薬(胃薬)は底を尽きかけていた。

 

AAの食堂。そこにはヘリオポリスで拾った少年達が食事をとっていた。
「もうすぐ地球に降りられるみたいだね」
色眼鏡の彼はサイ・アーガイル。もうじき地球に降りられるという事で、今は緊張を解いていた。
「早くママの料理が食べたいわ。ここの料理鬼マズだもの」
「言えてるなミリアリア。あ〜あ、母ちゃんビデオ撮っといてくれてるかなぁ?」
「フヒヒヒヒ・・・・・・」
外ハネのミリアリア、天パのトール、変な頭のカズイも、戦場から開放されるという事で
大きく安堵していた。
「・・・・・・」
かたり、とサイの隣りに座っていた少女が席を立つ。
「?どうしたんだフレイ?もう終わりか?」
「そうじゃないけど・・・」
DQNっ娘のフレイはサイから椅子一つ分横にずれ、そしてまた座った。
「シャワー・・・浴びてないから・・・」
AAは水不足のため、給水制限がかけられていた。飲み水だけで精一杯、シャワーに使う
余裕など少しもなかった。
「フレイ・・・」
サイはフレイを追いかけ、横に座る。
「汗くさいのがたまらないんじゃないかぁ」
「やっぱあなた変態だわ婚約解消していいかしら?」
「つれない事言うなよフレイ〜。もうお互い知り尽くした仲じゃあないかぁ」
「アンタがコーディネーターだったらぶち殺しているところだわ・・・」
「・・・・・・!?」
コーディネーターという単語に反応したのはキラ・ヤマト。彼はクルーの中で唯一コーディー
である人物だった。
「あ・・・。べ、別にキラの事を言ったわけじゃないのよ?ホントよ?」
「そ、そうだよキラ。おまえは友達じゃないか!」
「わ、私たち別に気にしてないから。うん、ホントに」
「ほ、ほらキラ!俺のポテトやるよ!」
「フヒヒヒヒ・・・」
たった一人のコーディーという事で、もはや腫れ物扱いだった。

 

「はぁ・・・」
とぼとぼと通路を歩くキラ。彼らのあまりによそよそしい態度に、精神は疲弊していた。
手には食事の乗ったトレイ。先日拾ったピンクの分だった。
「あー、ピンクさんピンクさん?ハローハロー?」
声を掛け、ドアを開くキラ。
――そして眼前に、トラウマがたくさん転がっていた。
「げぇっハロ!?」
「あら?あなたは・・・キラ様?」
固まるキラに声を掛けたのは、先日拾ったピンクことラクス・クライン。暇さえあれば歌う彼女は、
連日連夜クルーの安眠を大いに妨害していた。
「お食事を持ってきてくださったのですね?」
「う、うん・・・」
意を決し、部屋の中に入るキラ。
「ハロ、ハロ。ウホッ、イイオトコ」
「ひぃっ――!?」
「あらあら。こらハロちゃん。キラ様を驚かせてはいけませんよ?」
ハロを鷲掴みにし、思いっきり壁に投げ付けるラクス。色々な部品が散乱した。
「え、えと・・・ピンクさん、お食事です・・・」
「名前、覚えておりませんの?」
「いやっ・・・えと、ラスクさん、でしたよね?」
「そんな美味しそうな名前ではありません。ラクスですわ」
「そ、そうそう、ラクスラクス。食事、ここに置いときますね」
ぎこちない動作でトレイを置き、キラはそそくさと部屋を出た。
――ハロで埋め尽くされたあの部屋は、かつてのストーカーを彷彿させていた。
「あらあら・・・照れ屋さんですのね」
そんな事は露知らず、自分の魅力にイっちまったと解釈したラクスは、
「もう、しょうがないわねぇ」といった表情で食事に手をつけた。

 

「・・・・・・マズっ」

 

「阿部高和、インモラル行くよっ!」
「アスラン・ザラ、イージス出るっ!」
「イザーク・ジュール、デュエル出るぞ!」
「ニコル・アマルフィ、ブリッツ行きます!」
「ディアッ(ry」
ヴェサリウスから光の尾を引いて、MS隊が出撃した。

 

「見えました、先遣艦隊です、サー!」
「ちゃっちゃと合流するわよ」
「あの、艦長・・・万一に備えてコンディションレッドを・・・」
「日本語でおk」
「・・・・・・キラ・ヤマトとフラガ少佐はモビルスーツデッキで待機。敵襲に備えよ」

 

「ねぇキラ!」
デッキに向かう途中、フレイと出会った。
「なにフレイ・・・うわ汗くさ」
「大丈夫よね!?パパの船は沈まないわよね!?」
「大丈夫だよ。敵が来るとは限らないんだし。あと少し離れてよね」
「そっか・・・そうよね、来るとは限らな――」
――敵影発見敵影発見!ザフトと思われます!パイロットはただちに出撃してください!
「来たじゃないのよ!」
「僕にキレないでよ・・・」
「坊主!そんなとこでぼさっとしてないで出るぞ!お嬢ちゃんは・・・うわくさっ」
「お願いよキラ!?パパを守ってね!」
「へーへー」

 

「キラ!今日はどれで出る!?」
マードック整備班長は、今回使うストライカーパックをキラに尋ねた。
「ランチャーで」
「またランチャーか。たまにはソードとかどうだ?」
「――!?じょ、冗談じゃありません!ランチャー一択で!」
キラがランチャー以外を・・・とりわけソードを嫌がる理由は、あの肉色のGにあった。
ソードストライカーは、その武装から必然的に接近戦になる。あの対艦刀は、遠距離では
単なるオブジェに過ぎないからだ。
しかしそうなると、あのインモラルと接近戦をしなければならなくなる。
――同じくインモラルの得意とする、接近戦を。
彼に接近戦を挑んで勝てるとは、キラは到底思えなかった。どうシミュレートしても、ストライクが
インモラルに犯される映像しか浮かばない。
そしてエールでは火力不足、インモラルを倒すには至らない。
結果、キラはランチャー以外で出撃するという選択をばっさりと切り捨てたのだ。
――もっとも、インモラルにはアグニすら効かないわけだが。
「よし、いいぞキラ!」
「はい!キラ・ヤマト、ストライク行きます!!」

 

「流れ〜る〜精液、後で後で拭け〜♪狙い定〜め〜る〜、ケツがターゲット〜♪」
「ア ッ ー !」 「ア ッ ー !」 「ア ッ ー !」
次々とメビウスにゲイ・ボルグを突き刺すインモラル。今日も絶好調だった。
「阿部!先行し過ぎだぞ!」
「いいじゃないの。俺は良い男なんだぜ?やられはしないよ」
「そういう問題じゃない!俺達はまだ一回も戦闘をしてないんだぞ!赤服にも立場というものがある!」
アカデミーでの成績優秀者に与えられる、真紅の軍服。これはエリートの証なのだが、
イザーク達はまだエリートらしい事を一度もしていなかった。
「まぁまぁイザーク。チャンスはいくらでもあるさ」
「しかし!!」
「皆さん!足付きからMSが!」
「ひゅう♪メインディッシュが来たじゃないの」
「阿部!奴らはこの俺が――」
「キラ!!!!!」
イザークの言葉が終わらぬ内に、イージスはAAの元へと飛んでいった。

 

「敵は!?」
戦場に出たキラは周囲を見渡す。いつかの焼き直しのように、メビウスが宇宙を漂っていた。
「くっ!やはりあいつなのか・・・!」
キラは緊張を高め、周囲に気を張る。
すると、その警戒網を突破する一機のMSが目に映った。
「あれは・・・イージス!?」
「キラ!!」
それはかつてのストーカー、アスラン・ザラの機体だった。
インモラルよりはマシだとはいえ、キラにとっては会いたくないMSだった。
「トーマス!君はまた!」
「アスランだ!いいからこっちに来るんだキラ!」
イージスはMA形態になり、がばっと足を広げた。
「うわキモ。フラガさんあれの相手お願い」
「いいけどなキラ。それじゃあ肉色の奴を頼むぜ」
「前言撤回。そっちはフラガさんに頼みます」
「あっちの方が貧乏くじなんだが・・・じゃあ任せたぞ!」
フラガのメビウスゼロは、インモラルの方へ向かった。
「キラ!ようやく二人きりに――」
「ていっ」
キラは無造作にアグニを乱射した。
「ふぉぉぉぉぉぉぉっ!?」
慌てて回避するイージス。変態ストーカーだが、さすがは赤服といったところだった。
「いきなり何をするんだキラ!危ないじゃないか!」
「ちっ」
「・・・そうか!あの艦におまえを惑わせた奴がいるんだな!?待ってろキラ、今すぐそいつを消してやる!」
「なっ・・・!よっせーーー!!」
イージスは再び足を広げ、AAのブリッジに向けてスキュラを発射した。

 

「敵の砲撃、来ます!」
「回避ィッ!!」
「イエス、サー!!」
明らかにかわせないであろう距離、速度のビームを、ノイマンは実に正確な操舵でそれをやり過ごした。
ぶっちゃけ彼は、不可能を可能にする男よりもよっぽど不可能を可能にしていた。
「よっしゃあ!」
拳を握りガッツポーズをするノイマン。してやったぜという顔だった。
「おいノイマンあんま調子のるなよ?」
「・・・・・・イエッサ」

 

フレイの父親の乗る戦艦は、インモラルによる襲撃を受けていた。
「だ、だだだだ大丈夫なんだろうな艦長!?」
「心配いりません。見てください我が艦隊を。圧倒的じゃあありませんか」
「そそそそそうだよなしししし心配なんてないよな!?」
確かに艦の数は膨大だった。未だに一つも落とされず、この艦を守るように陣を敷いていた。
「未だに彼らは一糸乱れぬ陣形。敵を退けるのも時間の問題です」
――しかし彼らは知らない。インモラルの取った、恐るべき撃墜方法を。

 

「これで六つ目!いよいよパンツがぐしょぐしょじゃないの!」
艦から離れ、インモラルは新たな標的を目指した。
インモラルの武装ゲイ・ボルグは、敵機のシートを変形させアナルに一撃を加えるというもの。
しかしそれは、MS、MAに限った事ではない。
その気になれば、戦艦背部に突き刺してその全てのシートを変形させる事だって可能なのだ。
そして阿部がその気になった今、もはや戦艦は単なるでかい的に過ぎなかった。
「フンッ!!」
七つ目の戦艦にゲイ・ボルグを突き刺す。
艦内全ての人間が、同時に「ア ッ ー !」と声を上げた。
「さぁて、残るは・・・」
阿部が目を向けたそこには・・・・・・フレイの父親が乗る戦艦があった。

 

フレイ・アルスターは焦燥に駆られていた。
突然の敵襲、そして次々と撃墜(レイプ)されていく味方に、
フレイの不安はみるみる内に膨れ上がっていた。
「このままじゃ・・・パパの船も・・・」
嫌な予感がしていた。パパの艦は厚く守られているとナタルは言っていたが、
その言葉を聞いても何故か全く安心できなかった。
――軍がダメなら、私がなんとかしないと・・・
フレイが今向かっている場所は、先日保護したピンクの部屋。
なんでも偉い人の娘だとかいう話で、ならば彼女を使えば戦いを止められるのでは
とフレイは考えていた。
フレイはノックもせずに、彼女の部屋のドアを開けた。
「邪魔するわ」
「あら?あなたは確か・・・」
ハロに囲まれるピンクの少女。彼女は戦時下であるにも関わらず、優雅な
笑みを浮かべていた。
「ちょっと顔貸して」
「え?・・・もう、フレイ様ったら。いくら私が美しいからって顔を取り替えたいなんて・・・
わたくし達はアンパンマンではないのですよ?」
「うっさい。いいから来なさい」
「あらあら、そんなに強く引っ張って・・・・・・少し汗臭いですわね」
鼻をつまみながら、ラクスはフレイに引っ張られていった。

 

「邪魔するわ」
ブリッジ。戦闘中という事もあり、みんなピリピリしていた。
「アルスター!今は戦闘中だ!部屋に戻れ!!」
「まーまーナタル。で、何か用?ってかちょっと臭うわよあなた」
「パパの・・・パパの船はどうなってるの!?」
「ああ、あれ?あれなら心配ないわよ。ほら、ちゃあんと守られて・・・・・・あれ?」
マリューは目を凝らした。すると、パパ艦のすぐ近くに小さな点がある事に気付いた。
「ね、ね、ナタル。あれって何?」
「敵MSでしょう・・・・・・常識的に考えて」
「・・・・・・!?」
フレイの顔からさっと血の気が引いた。
――このままじゃ、パパが死んじゃう!
「今すぐ相手に伝えて!パパの船を攻撃したらこの娘を殺すって!!」

 

「そぉれ!次はおまえの番だ!!」
沈黙した戦艦を蹴り、一番奥の戦艦に向かうインモラル。
「本物の絶頂を味わわせちゃうよ!」
と、そこで突如回線が開いた。
「おやおや、なんだってんだい・・・お楽しみの最中なのに」
『ザフト全軍に告ぐ!!』
よく通る声。どうやら敵からの通信のようだった。
「うわ女だ」
嫌悪を露にする阿部。自身の暴君が萎えかけた。
『こちらはザフトの歌姫ラクス・クラインを保護している!そちらの出方によっては、当方は
彼女にイロイロな事をしでかす用意がある!!』
それは脅迫だった。プラントの歌姫を盾に、彼女は停戦を呼びかけている。
「へぇ・・・」

 

「人質だと!?」
イザークもまた嫌悪した。ただし、声の主の性別ではなく、彼女の言葉そのものに。
「やってくれるじゃないの、ナチュラルも」
『軍を引けば彼女の安全は保障する!だから軍を引かれたし!!』
「卑劣な・・・!!」
「どうするイザーク?おとなしく引き下がる?それともシカトしちゃう?」
「俺に訊くな!!隊長は――」
『イザーク、ディアッカ、ニコル。ここは引くぞ』
今度は男性の声。聞きなれたその声は、クルーゼのものだった。
「隊長!むざむざ背を向けるというのですか、あの卑怯者どもに!」
『厄介な事に彼女のファンは多い。プラント国民まで敵に回すわけにはいかないのだよ』
「しかし!!」
「りょーかい。行くぜ、イザーク」
「なっ・・・貴様まで!」
「どうしようもないでしょうイザーク。それとも何か良い案でも?」
「そ、それは・・・」
「冷静になりましょうイザーク。国民のみならず議会も敵に回す事になってしまいます」
ラクスの父シーゲルは、それはそれは偉い人間で、彼の一声はヴェサリウスの解散すら
容易に可能とする。
イザークは悩んだ末、苦渋の決断を下した。
「・・・くそっ!引くぞ貴様達!」

 

「キラ!あんな卑怯者となぜ共に行動する!」
ナタルの脅迫は、当然アスランにも届いていた。
「彼女・・・君の婚約者なんだってね・・・?」
「・・・!?ち、違うぞキラ!それは親同士が勝手に決めた事で、俺の心はいつでもおまえに――」
「引きなよ、マックス。婚約者を見殺しにする君なんて見たくない・・・」
――だから早く消えてよね。もううんざりなんだよ君にはさ。
「キラ・・・。分かった、ここは引く!」
やけに潔いアスランだが、彼は見事に曲解していた。
――そうか、キラは俺に男らしくあって欲しいんだな!婚約者を盾にされ、血涙を流しつつ
身を退くという漢に!ああ分かったぞキラ!おまえの中の俺はいつだって男らしいさ!!
「しかしどうか忘れないでほしい!俺の心はいつだっておまえで一杯だという事を!!」
「はいはい分かったからさようなら」

 

「バジルール中尉ぃぃぃぃっ!!」
ブリッジにマリューの怒鳴り声が響く。皆が彼女に目を向け、
そして彼女はこう言った。
「GJ!」
「・・・・・・・・・・・・どうも」
ナタルは複雑な気持ちになった。
「あんま褒められたものじゃないけど・・・ま、仕方ないか」
「そうよね少佐・・・・・・ってなんでここにいんの?戦闘は?」
「え!?・・・あー、その、あれだ。お腹痛くなっちゃってさ!なはははは!」
戦艦すら貫くインモラルが怖くて逃げてきた――なんて言えるわけがなかった。
「そう・・・。腹痛じゃあ、しょうがないわね」
マリューはあっさり信じていた。無能艦長、ここに極まれり、である。
「そうそう。なはははは!」
「胃が・・・・・・・・・・・・おや?」
ザフトは皆退いたと思ったが、まだ一機残っているのをナタルは発見した。

 

『そこのMS!!ただちに帰還しろ!歌姫がどうなってもいいのか!?』
再三の警告。阿部は耳障りな声だなぁと思いつつ、彼女に問うた。
「俺が退けば彼女は助かるのか?」
『そうだ!彼女が大事ならすぐに退け!』
「だが断る!この阿部高和がこの世でもっとも嫌いな事の一つは、
女に指図される事だ!!」
『なっ――!!』
絶句するナタル。そんなナタルにはお構いなしに、阿部はパパ艦をゲイ・ボルグで
刺し貫いた。
『いやぁぁぁぁぁぁっ!!パパぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!』
さっきの女によく似た声の悲鳴が、コクピット内にこだました。
「うわまた女だうざっ」

 

「嘘つきッ!!!!!」
キラに出会うなり、フレイはそんな言葉を浴びせかけた。
「・・・へ?」
「パパの船を守ってくれるって言ったじゃない!!」
「いや君のパパ死んでないし」
妙な性癖は発祥したものの、今回の戦闘での死者はゼロだった。当然フレイパパも
生きている。妙な性癖は発祥したが。
「いいえ、奴はとんでもないものを盗みました。・・・・・・フレイパパの貞操です!」
「黙ってろサイ。ぶち殺すぞ」
「(・ω・)」
「コーディネーターの上に役立たずなんてもう最ッ低!!」
そう捨てゼリフを残し、フレイは走り去っていった。
サイは彼女を追いかけ、残ったのはキラとラクスだけになった。
「どうかお気になさらないでキラ様。あなたはよく戦いました。・・・まぁ戦闘を止めたのは
わたくしですけど。美しき者は荒ぶる戦士をも静める・・・ああ、自分の美しさが恐ろしいですわ」
「・・・・・・」
アクの強い女に挟まれて、キラは思った。
――あー、しんど。