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SCA-Seed_GSC ◆2nhjas48dA氏_2月14日は

Last-modified: 2009-02-14 (土) 21:07:26

 2月14日は、ロンド=ミナ=サハクの機嫌が1年で最も悪くなる日のひとつである。

 

チョコレートメーカーが画策し大当たりしたバレンタインデーなるイベントは、
再構築戦争を経たコズミックイラでも健在で、女性が意中の男性に対し
チョコレートを贈るという内容に変化はない。
手作りと店頭購入に確固たる差があるのも、義理と本命に用途が分かれている点も同じである。

「女性が、意中の男性にチョコレートを贈る。それに間違いはあるまいな」
「しかし、逆チョコなる例外的行為は戦前からも確認されています。
 そしてサハク司令官の場合、男性と勘違いされる事が多く……
 事実、送り主の殆どは女性とおぼしき名前で」
「口を閉じよ、ナイン・ソキウス。命令である」
 執務机に積み上げられた、様々な紙に包まれたチョコレートを横目で見ていた戦闘用
コーディネイターは、即座に黙り込んだ。

 

「ともかく、これを片付けねばならぬ」
「廃棄という事ですか?」
「戯言を。大量の高栄養食をただ捨てるなど、許される事ではない。無論、役立てる」
 ソキウスはしばし考え込み、掌を打った。
「つまりすべて召し上が」
 190オーバーの長身が揺らめき、右腕が鞭のようにしなる。
表情を変えないまま身を屈めたソキウスの頭上を風が通り過ぎ、僅かに毛髪が散った。

 

「他のソキウスと……そうだな、アルファ1とエコー7は信頼できる。
 その2人を此処へ連れてくるのだ。住所と名前のタグを全て剥がさせよ。
 その上で当ステーションの男達に配ればよい」
「了解しました。この場合、本命という事になるのでしょうか。義理なのでしょうか?」
「当然、本命である。誰が主人か、改めて教えるわけだからな」

 
 

「そう言えば、明日はバレンタインか。俺は何時も通りだが、お前は?」
「ルネちゃんとヴァレリア姐さんがくれますね。
 期間限定パッチでバレンタインイベントをダウンロードしましたから。
 いやあ、ギャルゲのパッチとはいえ侮れないですよ」
「……ま、まあ、今年もお嬢様からの大量生産チョコのみか」
 夢見る口調で語る後輩から目を逸らし、研究員はドリンクサーバーのスイッチを入れる。
「去年は砂時計型でしたよね。しかも真ん中で折って食べなさいっていう注釈付きの。
 マスコミに嗅ぎ付けられると拙いレベルだったような」
「そうだな……ああ、ひょっとすると今年は無いかも知れん。
 どこのお菓子会社とも契約したって話が無かったような。
 社長室にキッチン作ってたし、行く度に甘い匂いするし」
「忙しいからって仕事中にチョコ作るのはどうなんでしょうか……しかし、誰に?」
「知らんよ」
 彼女いない歴イコール実年齢の2人は、コーヒーカップ片手に雪空を見上げた。

 
 

単!発!