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SCA-Seed_MOR◆wN/D/TuNEY 氏_第02話EX

Last-modified: 2008-12-07 (日) 18:57:07

『見殺しにするには……ソキウスー、これなんて読むの? いささか? お? しいな』

 

柔らかい女の子の声が全周波通信で全ての機体に届いた。
その声は威厳もへったくれもない、しかも『些か』が読めないらしい。

 

「上空から何か来ますけど、どうしましょうか?」

 

長距離レーダーを装備したムラサメ、ゴウの機体から困惑の声で疑問が上がる。

 

「聞くな! 構わん。 撃てっ!」

 

僅かに聞き覚えの有る声に一瞬動揺を見せるイケヤ。 だが瞬時に迷いを振り切り、吼えるように叫んだ。
残存七機のムラサメに搭載された全火器が半壊したグフへと集中し、解き放たれた。

 

「避けきれないッ!?」

 

シンが死すら覚悟したその瞬間、黒い機影がグフを狙う射線上にまるで庇うように立ちはだかった。
周囲の爆炎が晴れ、そこに立ちはだかったもの。

 

「あの機体、まさか……?」

 

イケヤは息を飲む。あの声、そして失われたはずのあの機体。 あの機体を駆るのは今現在、この世にただ一人。

 

「ご存じないのですか!?」

 

タケズミカヅチ以来の部下ゴウが叫ぶ!

 

「あの子こそサハク家に残された、ただ一人の末娘、超天空プリンセス! ろんど・みな・さはくたまです!……ハァハァ」

 

さりげなくゴウの脳内からは双子のギナの存在が抹消されているらしい。
まあ、勢い余ってショタに奔られても困るので別にいいのだが。
旧五大氏族、生き残り二人の内の一人、12歳オーブの影のアイドル。
天空の宣言の要所要所で舌を噛むミナたま。
実はシークレットブーツで身長ごまかしてるけどバレバレなミナたま。
11時過ぎると眠くなるけど執務にがんばるミナたま。
カガリのウェンディング姿に憧れるミナたま。
アメノミハシラで頑張っている筈のミナたまがなぜここに?

 

「……駄目だ! ミナたまに銃を向けるなんて、俺には出来ない!」

 

部下の一人から飛び出したのはいきなりの職務放棄宣言。

 

「「何っ!」」

 

軽いめまいを感じるイケヤとオシダリ。

 

(帰ったら絶対に懲罰房に入れてやる……!)
「俺もだ!」 「自分も!」

 

しかもそれに追従する馬鹿が続出し、オシダリは頭を抱える。

 

「貴様等ッ! それでもオーブ軍人かッ!」

 

思わぬ惨事にイケヤは叫ぶ! 流石は隊長だ。とオシダリが続こうとしたとき

 

「貴様等はアスハ、いやカガリ様派じゃなかったのか! この裏切り者のぺド野郎共がっ!」

 

懲罰房行きがもう一人追加になった。

 

「隊長! 実は自分も……」
「お前もかニシザワ!! オシダリ! 君はどうなんだ!?」
「あ、自分、嫁さんいますんで」

 

即答である。

 

「ザフト帰りの嫁と一緒に消えうせろッ! ……リア充がっ!」
「俺は兎も角、嫁さんの事は悪く言うんじゃねえッ! ……いいか! ウチの嫁さんはなあ・・・」
((あーあ、やっちゃったよ))
オシダリの愛妻家振りを知る部下二人はひそかに溜息を付く、話し始めると3時間は止まらないのを知っているからだ。

 

もはや只のアイドルファンと化したオーブ軍の混乱、痴話喧嘩と世間では言う。をよそにアマツは光波シールドを待機状態へと戻し、グフへと向き直る。
因みにシンは開いた口が塞がらず半開きの口で阿呆面を晒している。

 

(そういや、ミーア・キャンベルのライブもあんな感じだったなー)

 

オーブ軍の正気を疑ったシンだったがよく考えると自分の所もあんまり変わらない。

 

「ぶじではあるようだな」

 

幼い少女の声とともに通信モニターが開かれるも姿が映っていない。

 

「カメラ、もう少し下げた方がいいですよ」
「これいじょう、さがんないから、いいの!」

 

親切心で教えてあげたら怒られてしまった。

 

「しょうがないなあ、……よいしょ、これで見える?」
「あ、見えます(どれだけ小さいんだ?)」

 

モニターに移ったのは人形のような長い黒髪のかわいらしい幼女。 どうもシートの上に立っているらしい。

 

「しばらくおとなしくしててね」
「え? なんで?」

 

そんな事いきなり言われたって困る。 可愛いことは可愛いがシンはロリコンじゃないので。 言うまでも無く大きい胸が好きなので。

 

「もう! そんなこといわないでよー『お兄ちゃん』」
「 ! 今なんて?」 「お兄ちゃん?」

 

確かにシンはロリコンではない、シスコンである。
そんなシンにお兄ちゃん発言は、かみにチェーンソー、アンデットにフェニックスの羽根、炎系になみのり。
つまり、こうかはばつぐんだ。 でタイプ計算いれて16倍の威力である。

 

(妹、それはエデンの園に生えた知恵の実がごとき、禁断の果実。まるで蜂蜜を100万倍に濃縮したような甘さ(長いんでカット)は砂漠に神秘の潤いをもたらす。 ああ、やっぱり妹は素晴らしい)
「うごかないでねー、うごくとしんじゃうよー……えっとこれでいいんだよね?」

 

妄想爆発状態なシンを無視してアマツは右腕のトリケロス改を突きつける。

 

「ちょッ、これでいいって……!」

 

正気に戻ったシンが何かを叫ぼうとした時、シンの目にランサーダートが発射されるのが飛び込む。
結局、オーブ軍のミナたまが至高か、カガリが究極か、の大騒ぎが聞こえたのを最後にシンの意識は途切れた。