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SCA-Seed_MOR◆wN/D/TuNEY 氏_EX02

Last-modified: 2009-02-04 (水) 17:02:10

一月末日、アメノミハシラ。
「うーん、どうしようかしら。 あの人は多めで……でもこの間ミスしてたし」
アメノミハシラ内にある休憩室で、ロンド・みな・サハクの秘書にして事務会計担当情報部門補佐、
元プラントジャーナリスト、ベルデナット・ルルーは頭を抱えていた。
「よう、何やってんだ?」
そこにチョコレート菓子を片手に現れたのは、箒を逆立てたような髪型をした元情報屋、
現アメノミハシラ情報部門担当、ケナフ・ルキーニだった。
「あ、師匠、良い所に」
「だから! お前を弟子にした覚えはねえ!」
「そんな事はどうでも良いんで! 知恵を貸してください!」
ベルデナットはケナフの怒りなど意に介さず、机を叩いて叫んだ。
「……あん? 何だ?」
機嫌が悪そうにケナフがベルデナットに近づくと、そこにあったのはノートパソコン。
画面を覗き込むと、アメノミハシラの戦闘要員(社員)の名前と、
空欄は多いがいくつかの数字が打ち込まれていた。
「こいつは、給与査定か?」
覗き込んでいた画面から顔を離すとケナフは問いかけ、ベルデナットは静かに頷いた。
「なるほど、どうやってランク付けするか困ってたわけか」
「はい。 うちは腕利きが多いのは良いんですが、その分問題児も多いですから……」
はー、と大きくため息をつくベルデナット。
「下手にランクなんて付けたら、俺の方が上だなんてドンパチやらかしかねん」
アメノミハシラはPMCとしては破格の戦力、腕利きのパイロットを揃えている。
だが、大半は腕は良いが何か問題があって軍と揉めていた様な連中を、
みながどこからか拾ってきたようなものだ。

 

その辺で拾ってきたパイロットの代表例:赤鬼(シン)、ソキウス、ジャン、エド。

 

「元々パイロットなんてのは、みんな自信過剰で自分が一番腕がいいと思ってやがるからな」
ケナフの偏見です。
「師匠、何かいいアイデアは無いですか?」
「「うーん……」」
二人して頭を抱え始めたその時、格納庫の方から突如として轟音が響いた。

 

『やだ、やだ! 節分やりたいよー! まめまきたいよー!』
『みな嬢! もういい加減大人なんですから、駄々こねないでください!
 ……あ、私のパワーシリンd ウボアー』
『ああ、ジャン・ルイがやられたでソキウス!』
『(いろいろな意味で)落ち着け! お前が指揮を取るでソkカメーーー』
『皆さん、とりあえず格納庫で暴れるのは止めて下さいー!』

 

「「…………」」
思わず顔を見合わせる二人。
「相変わらず騒がしいな。しかし、節分か……待てよ! 俺にいい考えがある!」
「師匠、それは失敗するフラグかと……」  
声高々に叫ぶケナフに対する自称弟子の反応は冷たかった。

 
 

それから数日後、二月二日のガルナハン。

「コニール、準備はまだなのか!?」
コニールの部屋の前で傭兵赤鬼ことシン・アスカは焦っていた。
「もうちょっと待てよ! 一体どうしたのさ、いきなり旅行にいこうなんて」
コニールは大き目の旅行カバンに着替えなどを詰め込みながら、顔だけ出して答える。
「ま、まあいいじゃないか。 色々苦労もかけてるしさ、ほんのお礼だよ……それとも嫌か?」
「べっ、別に嫌じゃないけど……なんで急に言い出すかなってさ」
僅かに頬を赤く染め、旅行カバンを引きずりながらコニールは首を傾げた。
「カバン持つよ。 夢にな、友達が出てきたんだ。 (急いで)どこか遠くに(捕まらないように)
 出かけろって言うんだよ」
コニールのカバンを右手で持ちながら、シンは昨夜の夢の中で、めったな事では表情を崩さなかったレイが、
必死の形相でこちらに呼びかけて来る様を思い起こす。
「変な夢だな」
シンの持っていた小さなかばんを手に持ち、コニールは玄関へと向かった。
「それにな、めったに働かない俺の(NT的な)勘が光ってるんだよ。 ピキーンって」
「??」
訳が分からずコニールはシンの顔をじっと見つめる。
「そう、あれは3ヶ月前、俺がエジプトのホテルで……」
天井を見上げながら過去を思い起こしていたシンは、コニールの睨みつけるような目線に
自分が喋り過ぎた事に気付く。
だが、もう後の祭りである。

 

「エジプトのホテル? 3ヶ月前? 3ヶ月前はアジアで野宿してたんじゃないのか?
 どういうこと?」
シンの荷物を床に放り投げ、ゆっくりとシンへとにじり寄る。

 

「……御熟ヶ江寺(おぅれがえじ)、埠頭(ふとう)って言う名前の地名があってね、
 そこの和尚さんが法輝(ほうてる)さんって言って親切に俺を泊めて……」
「ふーん、そうなんだー」
必死に取り繕うも、シンの今考えたような苦しすぎる言い訳では通じる筈もない。
「そうだ! とりあえず外に…ギャーー!」
その場を取り繕おうと玄関の扉を開けたシンは、奇怪な叫びとともに突如逆さづりに吊り上げられた。
「目標Rの確保に成功。 ミッションコンプリートでソキウス」
そこに現れたのは同じ顔した怪しい2人組。 
アメノミハシラ、みなたま専用の便利屋。 ソキウスである。
「またか! またくぁあ! 今度は何だ! 何の用だ!」
片足をロープに引っ掛けられ、まさしく釣られた男の状態でシンはもがく、
ロープの先にはNダガーNがいた。
あれにもソキウスが乗っているのだろう。

 

「それにしても懲りないでソキウス。 エジプトのホテルでお楽しみの前も同じ手に……」
「ばっか! ちょっと黙ってろ!」
余計な事をは喋り始めようとするソキウスを黙らせようとするが、全てが手遅れだった。
「へェー、そうなんだー」
さっきよりも、表情が引き攣り、棒読みになりながらコニールは笑っていた。
その表情にシンは幼い頃に見た般若の面を思い出していた。
「ナチュラルの安全を守るのが僕たちソキウスの仕事です。 そうだね、フォーソキウス」
「ああ、そうさ、サーティンソキウス」
「汚いぞ! こんなときだけシリアスになるのかよ、あんた達はッ! コニール助けてくれ!」
「シン、逝ってらっしゃい(はぁと)」
あくまで笑顔のまま中指を立て、サムズアップをひっくり返し地面へと振りぬいた。
「それじゃあ、預かっていくでソキウス」
シンを片手にぶら下げたまま、NダガーNがゆっくりと立ち上がり、町の外へと向かっていく。
「おっ、女の子がそんな事しチャダメダッテイッテルダロウガーー」
段々と遠ざかって行くシンの声。

 

「ふん! シンなんて知るもんか!」
NダガーNの姿が見えなくなるまで見届けた後、目を真っ赤にしたコニールは
不機嫌そうにドアを閉めた。

 
 

二月三日、アメノミハシラ周辺空域。
「アメノミハシラのみんなー、いそがしいのに集まってくれてありがとー」
「これから、だいいっかいアメノミハシラきゅーよさてーけっていだいえんしゅう(給与査定決定大演習)
 節分大会を開始するよ!」
みなたまの開始宣言の後、ベルデナットやユンからの注意点などが説明される。
周囲にはPMCアメノミハシラのほぼ全戦力。 MSが約50機。

 

「ったく、人、誘拐しといてやるのは豆撒きか」
指定戦域の真ん中でグフクラッシャー(空間戦用に換装済み)に乗り、始まるのを待っていた。
「よう、赤鬼! 元気だったか?」
そこへ一機のMSが近づいてくる。 機種はソードカラミティ、
アメノミハシラでこの機体に乗っているのは二人(とはいっても世界に三機しかないが)。
「エドさん! エドさんも元気そうで何よりです。 ジェーンさんはどこに?」
以前からエドとシンは任務で共に行動する機会があり、お互い追われる身という事もあってか、
意気投合していた。
「ああ、あいつ体調崩しちまってな、今回は休みだよ……ま、鬼役頑張r」
「……それで、赤鬼くんのグフクラッシャーにこうげきをあてたぶん、ばしょによってさてーがく、
 ボーナス、休みがかわるよー」
エドがシンに励ましの言葉をかけようとしたその時、みなの大音量の声が辺りの機体全てに聞こえた。
「はっ?」
一体何を言っているのか、シンには理解できなかった。
「あー、ケナフ・ルキーニだ。 みな嬢の言葉を分かりやすく言えば、何つーかリアル豆撒き? 
 あ、赤鬼も攻撃していいぞ……模擬弾だから安心して死んで来い」
ケナフのやる気のなさそうな声で通信は切られる。
「つまり、50機対1機?」
「赤鬼さん……死ねえー!」
放心状態のシンのグフクラッシャーのすぐ側を、対艦刀が通り過ぎる。
「危なっ! エドさん!?」
それはエドのソードカラミティの物だった。 驚きの余り、逃げる事さえ思いつかない。
「すまんシン! ボーナス持って帰らないとジェーンに怒られちまうんだ!
 生活の為に一撃もらってくれ!」
「貰える訳ないだろうが! 何考えてるんだ、アンタは!」
余りの理不尽にシンが切れかけたその時。
「赤鬼だ!」
「ボーナスだ!」
「休みだ!」
「給料だ!」
「畜生! ドイツもコイツも! そんなにボーナス、休みが欲しいのか、アンタ達はっ!」
「当たり前だろうが!」×50
「こうなったらやってやるさ! うおおおおおおお!」
シンの勇気が世界を救うと信じて!

 
 

ちなみにこの模擬戦闘の結果は定かではない。
確かなのは、帰還した後暫く、シンはコニールに頭が上がらなかったということだ。

 
 
 

昨日のみなたまの流れと朝、節分のニュースを見ていたら、五分で思いついた。
書き終わったらもう節分(2/3)終わってるし、粗挽きだし、正直かなり反省している。
……でもまたやるかm(骨と肉の潰れた音