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SCA-Seed_SeedD AfterR◆ライオン 氏_第03話中編

Last-modified: 2009-04-12 (日) 15:11:47

シンはしあわせだ。
何故なら今日はシンの誕生日で、みんなが祝ってくれる。
オノゴロ島のシンの家はまさにパーティの準備の真っ最中。
世の中は戦争なんて出来事が起きているらしいけど、シンにはそんなこと関係なかった。
「お、そういえばシンは今日誕生日だったな。父さんが何か新しいゲームでも買ってあげよう」
物知りでたくましい父と、
「あら、そう言えばそうだったわね。ごめんなさいシン。おわびにいっぱいごちそう作ってあげるから」
優しくて料理上手な母と、
「あ〜! お兄ちゃんの時ばっかりずる〜い! マユの時もそうしてよね!」
そう言って頬を膨らませながらも祝ってくれる妹が、大好きな家族がいつもそばにいる。
シンはしあわせだ。
しあわせすぎて、今いるこの『現実』がウソなんじゃないかと思ってしまうほどに。

 

「シン、ステラといっしょにごはんたべよ?」
そう鈴の音が鳴ったような声で甘えてくる少女の名は、ステラ。
白いドレスがふわふわってしてて、やわらかい金髪と大きな瞳がとてもかわいい。
どこかぼうっとしていていつどこかで誰か悪いやつに怖がらせられているかと思うと
シンはいても立ってもいられなくなり、甲斐甲斐しく世話を焼いてあげる。
それに時々抱きしめてあげると、自分の中がいっぱいになってゆったりとした気持ちになる。
シンにとって、それがたまらなく好きだった。

 

急に片腕に軽い重みがかかった。
振り返るとステラは彼にすべてをゆだねるように、腕にしがみついたままあどけない表情で見つめ返す。
「ねぇ、シンはステラのこと……好き? 嫌い?」
ふしぎだ。シンはステラは好きだ。マユや両親も好きだけど、その好きとはちょっと違う。
「嫌いなもんか! ぼくはステラのことが好きだよ!」
するとステラはその言葉に対して、抱擁で答えた。
風に舞うようにはためくドレスがシンにまとわりつき、金の髪が鼻をくすぐる。
「ステラ……?」
「ステラ、シンが大好き! シンはステラとずっといっしょ!」
シンは大切にその名をつぶやく。呼ばれた相手は、嬉しそうに満面の笑みのままシンの周りを駆け回った。
その光景を見て家族がふふっと笑う。
ぷぅ〜と頬を膨らませたマユが「仲がよろしいことで! お兄ちゃんのバカ!」とはやし立てる。
ふくれっ面のマユに懸命に弁明しながらシンは思った。
ぼくはしあわせだ。これからもずっと、こんな平和な日々が続いていくんだろう。
ずっと、ずっと……。

 
 

『だめ……シン』

 
 

――誰かが、自分を呼ぶ声が聞こえた気がした。
……なんだ? そういえば何かがすっぽりと抜けているような気がする。

 

なんだろう? そのときシンの脳裏に、赤いハネ毛と金の長髪が思い描かれる。 
けど思い出したくない。なんだか大事なものが壊れてしまいそうだから。
「シン、どうしたの? どこかいたい?」
腕にしがみつくステラにそう心配そうに声を掛けられてふとシンは気付いた。

 

『シン……シン……!』

 

遠くから誰が自分を呼ぶ声が聞こえる。今度はハッキリと。シンは不思議そうにあたりを見回す。
その時、シンの脳裏に体全体に鉛がのしかかるような気だるさを伴う耳鳴りが起こり始めた。
シンにはまるで、それが自分を不幸に陥れようとする呪詛のように聞こえた。

 

『シン……目を覚まして……シン!』

 

そのとき、シンの目前でぽっと小さな星が瞬き、暖かな光が辺りを覆った。
そのまぶしさにシンは思わず目をしかめる。
気付くとシンの目の前には、やわらかな金髪を揺らして佇む少女の姿があった。
その可憐な容姿は、自分の腕をひしと掴む少女と同じ。

 

「ス、ステラ……!?」

 

ステラが二人!? シンは思わず小脇で笑うステラと、目の前の星の光に包まれているステラを見比べた。
「シンどこみてるの? あっちでいっしょにごはんたべよ?」
だがシンの傍にいる方のステラはシンの腕を引っ張り続けている。
まるで目の前の"もう一人のステラ"が見えていないかのように。
引っ張る先には食事の準備ができて、シンを手招きする家族の姿が見えた。
シンは今すぐにでも家族の元に駆けだしたかった。だが、気になる。
"もう一人のステラ"が今にも泣きそうな顔でシンを見ていることが、非常に気になった。

 

『シン、行っちゃダメ! シンは生きるの! "あした"!!』

 

目じりに涙をいっぱいためながら"もう一人のステラ"が懸命に訴えかけた。
だがシンはいぶかしむようにそれを見る。

 

シンには何となくわかっていた。
このまま家族の元に駆けだせば、もう戻っては来れないだろうということを。
けど、シンには別にどうでもよかった。だってシンには、他に何もないから。
しかし、なんだろう? この胸を圧迫するような苦しみは。
どうして自分は今駆けだそうとしていた足を止めて茫然としてるんだろうか?
「うるさいな、黙っててくれよ。おまえなんかあっちいっちゃえ!」
体にまとわりつく見えない虫を払うように、脆弱な少年は両手を思い切り振り乱した。
だが治まったと思っていた耳鳴りが再び押し寄せ、シンにのしかかった。

 

『お願い……シン!』
"もう一人のステラ"が、精霊が宿ったかのように輝く細い腕をシンに差し出した。

 

「やめて、今ぼくはしあわせなんだ。邪魔しないで!!」
そのまま耳をふさぎながら目を閉じ、シンはその場にうずくまる。
それにもかまわず懸命の叫びのような耳鳴りは強さを増し、途切れることがなく脳裏に響き続ける。
いくら耳をふさいでも、ちっとも楽にならない。

 

『シン……ステラに"きのう"をくれた。だから、こんどは……"あした"を……あげる……!!』

 

津波のような鈍痛がシンを襲った。耐え難い痛みの濁流に飲み込まれては、
とても正気を保つことなどできない。

 

すると目に映る光景が、父さんが、母さんが、マユが、ステラが、ドロドロと溶けてなくなっていく。
驚きに目を見開きながら、ドロドロとした何かに変わり果てた『それ』に向かいシンは手を伸ばそうとした。

 

だが無駄だった。
何故ならシンの体はすでに顔以外が溶けてなくなっていたからだ。
「―――うわぁあああああああ!」
自身を苦しめる痛みに耐えきれなくなり彼は、天に向かって獣のように吠えた。

 

だがその鈍痛は、シンを『夢』から覚醒させるという一点で効力を発揮した。

 
 

ライオン少女は星を目指す
第三話「シンと神様の落し物(中編)」

 
 

「シン! 私だ、ここを開けろ! シン!」
ドンドンと扉を叩く音と自分を呼ぶ声にシンは意識を覚醒させた。
何よりもまずは自分の体を確認した。
もちろん手足は溶けてなくて、思った通りにちゃんと動く。
でもいったい、さっきの出来事は何だったんだろう?
そんなふうに首をかしげて、シンはベッドから体をゆっくり起こした、そのときである。
「ここを開けろと……いってるだろぉぉ!!」
なにやら野生の獣の咆哮かと間違えそうな声と、けたたましい音とともに木製のドアが『ぶち破られた』。
ものすごい勢いで蹴りつけたのだろう。靴の足跡が残ったドアが反対側の壁まで吹っ飛び、叩きつけられた。

 

「え? ……な、なに?」
今の衝撃と轟音と状況に頭が混乱して、かろうじて発することができたシンの声は、
壁まで蹴飛ばされたドアが重厚な音とともに倒れこむ音にかき消された。
哀れな扉は倒れこむと同時にそのまま真っ二つに割れ、細かいほこりがボワッと拡散する。
「邪魔するぞ」
シンにはその声が唸る獣の声のように聞こえた。
――――誰……!? ぼくをどうするの? 
シンは先ほどの夢のこともあり、粉塵の向こうの見えない何者かに対し恐怖におののいた。
しかし、入ってきたのは見知った顔だった。
「ス、ステラ……!?」
静かに、だが力強くシンに近づいてくるのは、全身に何かをみなぎらせている『ステラ』だった。
「ステラ!? どうしたの? 何しに来たの!?」
答えるよりも先に『ステラ』は、シンの胸ぐらをつかんだ。
「………!?」
シンの心臓が高鳴り出した。そのまま顔を近づけられ、金の瞳と目が合う。
「何の用かだと? ……決着をつけにきたんだ。ついてこい」 
わけもわからないことを言われ、ずるずると引っ張られるシン。
ドアがぶち破られた跡からは、すきま風が吹いている。
とても冷たいその風がシンは嫌いだった。

 

「やめてよステラ! 僕はこの部屋にいたいんだ、離してよ!」
「ダメだ」
言うが早いか、行動が早いか。シンがもがいて手を振り上げた瞬間、
『ステラ』はその手を胸ぐらをつかんでないほうの左手でつかんだ。
―――(痛い、痛い、痛い!)
手にかけられる力は彼女の腕の細さから考えられないほど強力で、爪が手首に食い込んでいる。
シンの胸をつかんでいる手も強力で、シンが振りほどこうとしても
余計に締まるだけで外れる様子もない。苦しい。
それにもかまないかのように『ステラ』はずい、と顔を近づける。
「すまないな、力ずくで。私は馬鹿だからこういう方法しか取れない。
本当はもっと穏便に済ますつもりだったんだが……自分に素直になった結果、こうすることにした」
今シンの目の前には、瞳孔に光を失った金の瞳がある。
シンの鼻先に『ステラ』の息があたって彼女の呼吸をかすかに感じ取れる。
胸ぐらをつかまれて呼吸が苦しくなっているせいもあるが、力が入って荒い呼吸になっているシンと違い、
目の前の少女の呼吸には乱れがない。
それどころか寝息のように穏やかである。
シンはこの時、食器を落として割ってしまった時に見た母のあの表情、そして言動を思い出した。

 
 

――寒い。冷たい。気分が悪い。ここにはいたくない。帰りたい

 

肩を異常なまでに震わせながらシンは思っていた。
シンがカガリに連れてこられたのは、隔壁で仕切られたミハシラのモビルスーツ用ハンガーだった。
シンは以前のパイロット経験からか、無意識に瞼を閉じて天井の光源に目を慣らす。
逆に『ステラ』は眩しそうに顔をしかめ、目を瞬かせていた。
「おい、そこの貴様ら!」
―――衛兵が近づいてくる。いや、自分が近づいている。『ステラ』に引きずられているからだ。
「ここは関係者以外は立ち入り禁止だ。許可は取ってあるのか?」
衛兵が訊ねた。
―――(来るな。ぼくを見ないで。あっち行ってくれ。)
「ああ、ミナにはちゃんと話は通してある。ウソだと思うなら取り次いでみろ」
そうシンを引っ張りながら答える彼女――『ステラ』は堂々とそう言い切った。
やがてひと悶着あり、許可が本当に降りてきていることが確認されると、
衛兵はしぶしぶと持ち場に戻って行った。
「この先だ。ついてこい」

 

30立方メートルはあろう空間の中、整備士がせわしなく動く隙間をかき分け、ずかずかと突き進む。
しかしそれがMSパイロットなど関係者ならともかく、うなだれて生気がない一人の少年と、
少年の胸ぐらをつかんでずるずると引きずる少女というのは、あまりにも奇妙な組み合わせであった。

 

カガリはこの時、出来るだけ人目を避けようとしていたと言うが、その試みは今一つ成功していなかった。
何故なら以前とは違い、カガリの歩くさまは以前とは違い常に威風堂々としていたからである。
威厳、泰然さとも呼べるその態度に加え、一部の迷いも隙も見いだせない洗練された動作は、
ハンガー中のスタッフの視線を集めるのに充分だった。

 

その場にいた者が後に言うには、特に印象的だったのはその目だったという。
その金の大きな瞳は未だに"少女のような"ともいえそうな眼であったが、
その瞳から放たれる眼光の強さたるや並の強さではない。
いかなる障害、いかなる困難を持ってしても、その瞳から溢れる黄金の意志を曇らせることはできないだろう、
と見る者にそんな強烈な印象を与える、そんな目をしていた。

 

やがてハンガー内を歩き、隔壁内を進み、その先のとあるハンガーの一画へたどり着く。
シンは不思議な感覚に襲われていた。
このずらりと並んだ大きなロボット――MSが並べられているこの光景に見覚えがあったのだ。

 

(あれ? それはどこだっけ? それに、ぼくは誰だ?)

 

――思考を整理する。
(ぼくはシン・アスカという名前だ。それは間違いない。オーブのオノゴロに住む12歳の少年。
 そうだ、きっとそうだ。明日には家族で紅葉を見にピクニックに行く予定なんだ。
 こんなところには全く関係のない、ただの子供。ゲームのやり過ぎかな?) 

 

そんなことを考えている中、ようやく『ステラ』の歩みが止まった。
「――ここか。レイが言っていたとおりだな。おい、見ろシン」
『ステラ』が指差した先に、全体をシートに覆われた巨大な物体が係留されているのが見えた。
廃棄処分、と書かれた大きいプレートが側に立てかけられている。
「これは……」
「MSだ。もう大破してるからまだ使えそうな装甲とセンサーを取っ払ってあるがな」
シンはシートが脱落してあらわになった部分に目を凝らした。
そしてあらわになっていた部分――頭部を見ると、急に溢れだした嫌悪感で
喉のあたりを締め付けられたような気分になる。

 

「そして、お前はこれに乗っていたんだ」
「え?」
シンは信じられないといったように隣の少女を見た。そして、再び目の前のMS――ゲイツRに目を凝らす。

 

――気分が悪い。イライラがつのる。吐きそうだ

 

「いいか、よく聞け。お前の正体はザフト軍所属の軍人、シン・アスカ。
 オーブからの避難民でMSパイロット。
 ザフトが誇るスーパーエース。そしてデュランダル議長の――」

 

ここでシンは思わず耳をふさいだ。パジャマ姿のままでうずくまり、体全体で拒絶する。
何か、聞いてはいけないことのような気がした。
「ウソだ、なにをいってるんだステラ、もう帰ろう、明日はマユ達とピクニックなんだから……」
「聞け! このバカ野郎!!」

 

張り裂けんばかりの怒号がシンの鼓膜を通じ、脳を揺さぶった。

 

「あ、あ……」

 

「いいか、よく聞け。3年前のオーブでお前の家族は死んだ!
 オーブの無知で無謀で無力な為政者たちのせいでな! 」''

 

それは、そのときのシンにとっては絶望の淵に立たされるには十分な一言であった。

 

ふと、思考の中に確かに存在していた家族の姿が砕け散ったような気がした。
体中の細胞が拒否反応を起こしている。体も心も頭の中も、必死になって逃げ出したいと叫んでいる。

 

――どこから? 
――このつらい『現実』から。
だけど、目の前の『こいつ』がそうさせてくれない。

 

「辛いか? 苦しいか? そうだよな、当たり前だ。つらい過去と向き合うのは誰でも辛い。 
 そうだな。私もお父様を失ったあのとき、もしかしたら……キラ達がいなければ、
 きっとお前のように……」

 

説くように話していた声が、かすれて小さくなっていく。
うつむいていた顔をあげると、『ステラ』が涙をこぼしていた。先程までの威厳ある姿はなりを潜めている。
――(そうだ、ステラを守らなきゃ、ぼくは……ぼくは……)
そう思い、シンは抱きしめようと手を伸ばす。だが、そこでステラはその手を払いのけた。

 

「シン……私はな、お前の知ってるステラじゃないんだ!
 私はステラなんて言う者のことなんて何も知らない!
 けど確かなことは、もうだれにもステラの代わりなんてできないんだ!
 もう一度言う、私は『ステラ』じゃない!!」

 

その血を吐くような叫びを聞いた途端、視界が揺れた。
ぐらぐらと地震が起きたかのように平衡感覚がなくなり、掌からは汗がにじみ出てくる。

 

――ステラ。ステラじゃない? じゃあこいつは誰? それに、本物のステラは?

 

シンの脳内はすでに動揺と疑問で埋め尽くされていた。
いくら違うことを考えようとしても、次から次へと考えがあふれ出てきて、止まらない。
シンの頭の中はまるで限界ぎりぎりまで膨らんだ風船のようになってしまっている。

 

「ぼ、ぼくは……ぼくは…………………俺は……」

 

そのとき、思考の波にのまれている途中、気付いてしまった。思い出してしまった。

 

ステラは――もういないのだ。守れなかった。

 

思い出した。ステラの軽い体。理不尽にもステラの命を奪った自由の天使、

 

そして……自分の、無力さ。

 

胸を万力で締め付けられたかのような苦しさを感じた。心臓が脈を打つ速度が速くなり、呼吸が乱れていく。

 

――はぁ、はぁ。はあっ、はあっ。はっ、はっ、はっ、はっ、はっはっはっはっはっはっ――――。

 

息が苦しい。気が狂ったかのように呼吸を荒げているのにもかかわらず、空気が体に入ってこない。
胸が痛みは治まらない。無性に誰かを傷つけたい。そうだ、『敵』がいい。『敵』を倒せば気分がいい。

 

『敵』を倒せばレイもほめてくれる。レイ、どこにいるんだっけ? 

 

――――そうだ、もういない、死んじゃった。

 
 

「シン……立て」
目の前の名も知らない少女が、うずくまって頭を抱えているシンを無理やり立たせた。
その目にはまだ涙が残っていた。

 

「最後に一つ言っておかなければならないことがある。……私は、ステラなんかじゃない。

 

 ……わ……私は……私はなぁ……! お前の憎いオーブの無能な国家元首……
 カガリ・ユラ・アスハなんだ!!

 

張り裂けんばかりの慟哭が、ハンガー中の喧騒を津波のように飲み込んだ。ビリビリと梁が震える。

 

まるで己のすべてを吐きだしたように、少女はよろめく。
そのあまりにも必死な様子から、その場にいたすべての者がその少年と少女に傾注する。
なんだなんだ、と作業を中断してこちらに歩いてくる者の姿もあった。

 
 

―――カガリ?

 

カガリ? 誰だっけ? ああそうだ、確かオーブのアスハ――

 

「あああぁ……うあ……」

 

そうだ。コイツがマユを、とうさんかあさんを殺した。許せない。

 

何だその目は。頭にくる。許せない。キレイ事を言うな。俺をバカにしているのか。また俺から何か奪うのか。許せない。ムカつくんだ。最低だよ。

 
 

―――――許すもんか。

 

―――――死んじゃえ。

 
 

「あ。あ、ああ。アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」

 

次の瞬間、シンの顔が真っ青になり、狂った野獣のような声を上げ、
そのまま目の前の“アスハ”に飛びかかった。