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SEED-クレしん_14-054

Last-modified: 2009-05-30 (土) 22:05:43
 

未来の国からはるばると?だゾ

 
 

しん  「お仕事中?」
ラクス 「えぇ、なにか深刻な患者みたいなのですが…」
シン  「珍しいもんだなぁ。でもキラさんなら余裕なんでしょ?」
ラクス 「それが……なんでもアスランの力が必要だとかで」
Wしん 「「ア ス ラ ン!?」」

 

〜フリーダム医院〜

 

キラ  「……この女性の手術は何とか無事成功した。ただ、もう一人が……」
アスラン「で、俺を呼んだわけか? でも俺は医者じゃないぞ?」
キラ  「君を呼んだのは……君の電子機械・機器工作技術を見込んだ上でだよ」

 

 キラはおもむろに一枚のレントゲン写真を貼り出した。その写真にアスランは驚愕する…

 

アスラン「おい……なんなんだ、この患者は!?」
キラ  「ごめん。でも、こんな事を頼めるのは君しかいなくて……」
アスラン「冗談はよせ! 俺は人間を『修理』した事なんか……」
キラ  「分かってる! でも…僕には無理なんだ!
     明らかにこのクランケ(患者)は『この世界』の住人じゃない!
     ましてや僕達『コズミックイラ』の住人でもない! ……他にどうしようもないんだ!」

 

 暫しの沈黙の後、アスランは重い口を開いた……

 

アスラン「……わかった。だが、俺だけでやれるか分からない。他にも技術者を呼んでくれ。
     これはとんでもない大仕事になるぞ!」
キラ  「アスラン……覚悟の上だ!」

 

 ここ春日部に現代、コズミックイラ、そして『もう一つの世界』を結ぶ戦いが始まろうとしていた……

 

   *   *   *

 

 西暦2008年4月1日、スーパー『ミネルバ』地下の一室は物々しい雰囲気に包まれていた。
 面々はデュランダル、キラ、アスラン、そして……

 

ひろし (なぁ、俺達って場違いじゃねーのか?)
みさえ (アレよ、エイプリルフールなんだし あたし達をドッキリさせる気とか)
シン  (ハハッ、まさか…ね)
ルナ  (でも、ドッキリにしちゃ雰囲気が重々しいというか…)
しん  (オラ退屈だゾ…)
ひまわり(Zzzzz……)

 

 そう、場違いとしか思えないごく平穏な家族の野原家……
 そんな奇妙な空気を裂くように、ギルバート・デュランダルは口を開いた。

 

議長  「野原さん、わざわざ呼び出してしまって申し訳ない。だが、あなたがたを呼んだのは理由があるのです」
ひろし 「理由?」
議長  「ご存知の通り、あなたがたは 我々『C.E.世界』の住人であるシンとファーストコンタクトを取った
     『この世界』の住人だ」
ひろし 「そういえば……確か、しんのすけが傷付いたシン君見つけて…」
しん  「うん! オラ覚えてるゾ!」

 

 しんのすけ達はシンと出会った当時の事を思い出す。
 あの日から非現実的な日常がここ春日部には流れている。
 それ以後も、C.E.と春日部のリンクは続いている。
 C.E.の住人が日常生活に溶け込んでいた為、あまり気にも留めなくなってはいたのだが…

 

みさえ 「でも、それとあたし達をここに呼んだのにどんな関係があるの?」
議長  「貴方方なら……この非現実的な話を信じてくれると思ったからですよ。キラ君」
キラ  「2週間程前、DSSD(深宇宙探査機構)から緊急連絡が入ったんです。
     どうやら事故か何かで漂流中の男女を発見したと。
     2人とも重傷を負っていて緊急手術が必要らしく、そのまま僕の病院へ届けられたんだけど……」
シン  「あぁ、ラクスさんが言ってた深刻な患者がどうのこうのって、その2人の事ですか?」
キラ  「うん。女の人の方は背中に何かの破片が刺さっていて、それが肺にまで達していた。
     なんとか一命は取り留めたけど、まだ意識は戻ってない。
     ……問題は男の人の方なんだ。あ、しんちゃんにはキツイかもしれないから席、外して貰えないかな?」
しん  「ん?なにかするの?」
シン  「(もしかして……)ルナ、悪いけどしんちゃんと一緒に居てやってくれないか?」
ルナ  「え、えぇ……しんちゃん、行きましょ」
しん  「ほっほ〜い」

 

 2人が席を外すと部屋が暗くなり、スクリーンにその患者の写真が映し出された。

 

キラ  「この人の体、爆風か何かに晒されてて、初めは火傷かと思っていたんだけど…」
ひろし 「(ウヘェッ、グロかよ……ん?)この腕、もしかして義手か?」
みさえ 「でも、義手というより……ロボットの腕みたいよ?」

 

 写真に映し出された男。その腕は皮膚が吹き飛び無残な姿を晒している。
 ……が、本来なら有るべき筋肉や骨格は、鈍い人工物特有の輝きを見せていた……

 

キラ  「僕も初めは義手だと思いました。でも……実際はもっととんでもない物だったんです!」

 

 その男のレントゲンが映し出され、皆は息を呑んだ……

 

ひろし 「おいおい……冗談だろ!?」
シン  「こ……これって、もしかして!?」
キラ  「この人の体は義手や義足なんて単純な物じゃない……いわばサイボーグなんです!」

 

 映し出された写真は、精巧に作られた人工物と臓器が合わさった男の胴体だったのだ。

 

みさえ 「で、でもキラ君達の世界じゃ、これ位当たり前なんじゃないの?」
アスラン「確かに俺達の世界でも義体の研究はされています。でも、ここまで精巧な物は……まだ作られていません」
キラ  「僕には手に負えなくて、アスランとDSSDの技術をフルに使って何とかこの人は一命を取り留めた。
     でも、この人も意識がまだ戻らない。それに、C.E.の技術で直して良かったのかどうかも……」
シン  「あ、ルナ? もう入っていいって」
ルナ  (ねぇ、やっぱりグロい写真でも見せられたの?)
シン  「あ、うん。しんちゃんには まだちょっとね」
しん  「なになに〜? キレイなおねえさんの写真でも見てたの〜?」

 

ひろし 「じゃあ何か? この2人は君らと同じ世界から来たんじゃないのか?」
アスラン「……女性に刺さっていた破片、それとこの義体の材質には、一部にカーボン(炭素繊維)が使われていたんです」
ひろし 「普通だろ? カーボンの義手とか、俺達の時代でも普通にあるし」
アスラン「ただのカーボンなら……ですけど、このカーボンは現代の物ともC.E.の物とは別物なんです。
     それに、これほどの強度のカーボンは、俺達の時代では考えられない!」
キラ  「2人が身に着けていた宇宙服も、僕らの時代では旧式に近い物だったんだ」
シン  「ちょ、ちょっと待ってくれ! それじゃあ もしかして……」

 
 

議長  「……結論から言おう。この2人は、我々とは違う『別の未来』から来たとしか考えられない」

 
 

 その唐突な発言に野原家の面々は唖然とする。

 

みさえ 「べ、『別の未来』って……そんなものがあるの?」
ひろし 「……まさか『パラレルワールド』って奴か!?」
しん  「ねぇねぇ、パラなんとかって何?」
シン  「しんちゃん達の世界とは、また別の世界の事だよ。
     例えばその世界だと魔法が普通に使えたり、
     俺達の世界みたいに大きなロボットが普通にあったりとかするんだけど……」
ルナ  「あたし達も一応パラレルワールドから来たって事になるのね。
     でも、パラレルワールドって複数存在する物なの?」
議長  「未来の可能性は無限だからね。今この瞬間も生まれているんだ。だから可能性としては有りうる」

 

 にわかには信じ難い話だった。
 C.E.以外にも存在する別の未来――
 しかし、それでも野原家には信じられる話だった。目の前、いや春日部に別世界の住人が存在しているのだから。

 

議長  「しんのすけ君も驚いただろう?」
しん  「うん! オラ、なんかワクワクして来たぞ!」
議長  「……え?」
しん  「だって、シン兄ちゃん達と違うお友達が出来そうな気がするんだもん!」
シン  (子供って純粋でいいなぁ)
キラ  「でも、あの2人が来た世界はどんな未来なんだろう? 今の世界のまま進んだ未来かな……」
アスラン「あるいは……C.E.同様 戦争に明け暮れている世界かもな」
ひろし 「また、春日部が騒がしくなんのかねぇ? ま、騒動は慣れっこだしいいか!」
みさえ 「そうね。その時はその時でドーンと来いっての!」
ひまわり「たーい! たーい!」

 
 

 突如として現代に現れた別世界の二人。彼らが目覚めるのはまだ少し先の話である。
 そして、しんのすけの予感は現実の物となる。別世界から召還された人々、そして……

 
 

 ――別世界の『ガンダム』――

 
 

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