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SEED-クレしん_18-302_03

Last-modified: 2012-06-20 (水) 12:39:29
 

劇場版 機動戦士0ガンダム めぐりあい春日部編

 
 

いくらオリジナルGNドライヴ搭載機とはいえ所詮は一機……容易に戦闘力を奪えるはずであった。
こちらは雑魚の寄せ集めではない。種世界でその名を轟かせたエースパイロット達が集結しているのだ。だが……

 

「ふ…迂闊な奴め」
「へ、こんな攻撃……うわッ!や、やられた!?」
「アウル!」
「り、離脱するぜッ後は頼む……!」

 

0ガンダムのビームガンの銃口が光るたびに必ず種MSが撃墜されていく。
幸いコクピットの直撃こそないものの、足や腕を撃ち抜かれて行動不能に陥る機体が多くなっていく。
シンはだんだん得体の知れない違和感を感じてきた。これは……今まで経験した戦いとはなにかが違う……と。
その証拠に味方がどんどん攻撃を受けているのに、なぜかこちらの攻撃はまるで当たらないのだ。

 

「んーみんなふがいないですなあ。長いことガンダム乗らなかったから勘がにぶってるのかな?」
「……いや違うしんちゃん。そうじゃない……そうじゃないと思う……なんだ?このいやな予感…………レイ聞こえるか?」
「ああ」
「敵を分析してたんだろ、なんかわかったか?なんで俺たちがこうも簡単に…」
「……わからん。奴は適当に勘で撃って、適当に勘で避けているようにしか見えない」
「そんなんであそこまで命中回避できるわけないだろ!」
「だが0ガンダムからのロックオンをただの一度も確認していない。恐るべきことに……奴は狙いをつけていないんだシン……」
「そんな…!」

 

シンが戸惑っている間に白と赤の閃光が0ガンダム目掛けて飛んでいった。
キラのストライクフリーダムとアスランのインフィニットジャスティスである。

 

「被害が予想外に大きい!キラ久しぶりに本気でいくぞッ」
「コンビネーションだね。アスランに合わせるッ!」
「よし頼む!」

 

「ふん……?あれはコズミック・イラ最強といわれる二機か。ちょうどいい…イノベイダーすら凌ぐ僕の力を見るがいい!」
「ターゲットマルチロック……!さらに敵の回避予想を入力して……いけえええ!フルバーストッ!」

 

あらゆるMSを撃墜してきたストフリの虹色光線が0ガンダム襲い掛かる。
ただ一機を狙ったものであるため、できるだけビームを収束させて回避すらできないように撃ったものだ。
これでさらに不殺も考慮しているというのだからキラの情報処理能力は異常だといわざるをえない。
だが……

 

「あれに当たるわけにはいかない、な!」
「な……避けた!?」
「……ふっ砲撃するためには位置を固定しなきゃならないんだって?攻撃直後の硬直状態こそが君の最大の隙……」
「させるかああああ!」

 

虹色光線をすりぬけるように謎回避した0ガンダムにドンピシャのタイミングでインジャのファントゥム-01が飛んで来た!
これは撃墜が目的ではない。目的は「ファントゥムをシールドで防御させること」だ。
EカーボンとGN粒子で強化された盾はファントゥム-01の刃すら容易に防ぐだろう。
だがそれでいい。防御すれば吹き飛ばされ一瞬リボンズの動きがどうしても止まる。
その決定敵な隙を突いて二機で間合いを詰めてサーベルでセイバーのごとく0ガンをダルマにする、それが2人が瞬時に立てた作戦である。

 
 

だがその神業のごときコンビネーション攻撃をもってしても

 

「見えるのさ僕には!」
「さ、さらに避けた!?そんな…」
「いただきっ!」
「そ、そんな!」
「俺のジャスティスが――――!?」

 

ビームガンによる射撃が数回。ただそれだけで……無敵伝説を誇った二機のガンダムは両足と頭部をそれぞれ打ちぬかれた。
バランスを崩して地上へと落下するキラとアスラン。

 

「ま、まさか……そんな!」
「キラにいちゃんとズラ兄ちゃんがやられちゃったゾ!」
「う……うああああああああああ!」

 
 

ピキ―――――ンッ!

 
 

その時シンの中で何かがはじけた。久しぶりに種割れしたのである。
アロンダイトを引き抜き、ミラージュコロイドをふりまいて0ガンダムに向かって突撃する!

 

「いっっくぞおおおおおお!」
「ほっほーい♪いけいけー」
「なに?いくつも残像を残しながら移動してくる……なるほど、あれがデスティ二ーか!」

 

あっというまにリボンズに肉迫してアロンダイトを振りかぶるシン。
今までいくつものMSを切裂いてきたまさに必勝パターンである…………だがその時!シンの背中に凄まじい悪寒が走った。

 

(な、なんだ?なんだこの感覚……なんか……なんかヤバい!だがもう攻撃モーションに入っているんだこのまま……
 いやダメだ!ヤバい!ヤバい!ヤバい!やられる!やられる!やられ………う、うああああああああああっ!!)

 

シンは0ガンダムに向けて振りさげようとするアロンダイトを無理矢理手元に引き戻した。
そしてその瞬間、デスティ二ーは攻撃を受ける。

 

「くううう!?」
「なんと。コクピット直撃コースをよくぞ防いだ……というべきかな?」

 

いつのまにか0ガンダムのビームガンで至近距離から撃たれたのだ。
だが手元にひきよせたアロンダイトが偶然にも盾がわりとなってビームを受け破壊される。
アロンダイトとともにビームが貫通した左腕も肘から爆散した。

 

「シンにいちゃん!?」
「に、逃げるぞしんちゃんッ!」

 

爆発にまぎれてなりふり構わず0ガンダムの射程から離脱するシン。もう顔はまっ青で全身汗まみれだ。

 

「はあ、はあ、はあ、はあ………し、死ぬかと思った……」
「い、いまのはちょっとオマタがひゅ〜としたゾ〜」

 

「ちょ、ちょっとどうしたのよシン!いまのは必殺のタイミングだったはずよ?なのになんで攻撃をやめたの!」

 

「ルナ…い、いま……斬りつけていたら……俺は確実にやられていた……ぜ」
「ど、どういうことよ?」

 

「今…リボンズに斬りかかったとき……凄まじい悪寒が走ったんだ……これから確実に死に至る致命傷を受ける気持ちって
 こんなものなのかって思った。蛇に睨まれた蛙の気持ちってやつを俺は理解した気がした……
 そして完璧に理解した。あいつの強さの秘密……!」

 

「秘密だと?シンそれは…」
「結論から言うぜレイ、ルナ……そう…俺たちじゃリボンズには絶対に勝てない!」
「な、なぜ!?」
「それは…………その、奴は……奴はそう俺たちにとって……なんというか…………聖域なんだよ」
「聖域…?」

 

「あいつは……0ガンダムとリボンズ・アルマークは……俺たちの始祖に限りなく近い存在…なんだ。
 そうさ原初のガンダムとそのパイロットに!」

 

シンたちガンダムという作品に籍を置くキャラにとって……
最初にガンダムという伝説を作った始祖の存在はまさに神であり踏み入ってはならない聖域といえる。
なにせ彼の存在あってこそ、その果てに自分たちがいるのだから。
聖域の存在と戦うなんてことは絶対にありえない。あってはならない。
勝てる勝てないどころの話ではない戦いにすらなりはしないだろう。それこそMSの性能やパイロットの腕の差とか以前の問題だ。
天に唾をするようなもの。まさに不遜の極みといえる。

 

「で、でも……でもあれは所詮まがい物でしょ?似たようなデザインのガンダムと中の人が同じなだけで……
 そうよ顔や性格なんか全然違うじゃない!」」
「それで充分のようだぜ?本物だったら俺たち、それこそ蛇に睨まれた蛙のごとく身動きすらできなかったはずだルナ」
「限りなく近い存在……たったそれだけでこの有様なのか」

 

「んーつまりカンタム・Jrがいくら強くなったとしても、とーちゃんのカンタム・ロボにはぜーったいに勝てないってこと?
 ファンやしちょーしゃの心情的に〜」
「……まあそんな感じ」
「しかしシン、それだけでここまで一方的にやられるものなのか?俺たちが知らず知らずに躊躇したとしてもこれは……」

 

レイの疑問にシンは苦い顔をする。
その疑問に対する答えを当然知っている……知っているができることならば言いたくない、そんな顔だ。

 

「…………あいつは限りなく始祖に近い存在となったことで……00勢以外の俺たちと戦う場合のみ、ある強力な能力を身に付けたんだ」
「能力?」
「それが苦戦の原因なのね?で、その能力ってなに?」
「そ、それは……その」
「なんか急に奥歯にチョコビが詰まったような歯切れの悪さだゾ」

 

そのとき撃墜されたはずのキラとアスランから通信が入ってきた。
どうやらスティングとイザークが落下中の二機を空中キャッチしたらしく無事だったらしい。
今までの通信も全部聞いていたようで…

 

「話は聞いてたよシン君。君が言う能力とは……アレのこと?」
「……そうです。かつて俺もキラさんも持っていた、あの恐るべき能力ですよ…」
「そう……やっぱりそうなのか…」
「ちょっとお!2人だけで納得してないで私たちにも教えなさいよー!」
「そうだそうだ〜」
「俺から言おうか?キラとシンに以前あって今リボンズが発輝している力というと一つしかないからな。そう、その能力とは……」

 
 

「……補正……だ」
「ほ……補正?」

 
 

補正!それはありとあらゆる主人公に付与される神秘の能力である!
主人公はこの補正の恩恵を受ける限り、特別なイベントが起こらない限り敗れたり死んだりすることは決してない!
キラやシンが……いや種死において名のあるパイロット全員がただのひとりも
名もなきパイロットの手にかかったことがない事実から見ても、補正という能力の恐ろしさがわかろうというものである!

 

「でなきゃシンなんて一クールもたずに死んでいただろうさ。あんなにがむしゃらに前へ前へと突進してたんだからな」
「昔の事は言うなよアスラン!」
「んー……と。つまり……具体的に言ってどういうことなの?」
「要するに主人公補正というのは凄いもので命中率や回避率にも大きく影響するんだよ。ということは…」
「……まさか!」
「わかったかいレイ君?そう……それが伝説中の伝説である始祖の主人公補正となれば……」

 
 

「どんなにやる気のない適当な攻撃でも必ずクリティカルになる、どんな鋭い攻撃でも余裕で回避できる、
 まさに無敵……というわけさ。さあ話し合いは終わったかい?」

 

どうやらリボンズは律儀にもシンたちの作戦会議が終わるまで手を出さずに待っていたようだ。
絶対的な自信と余裕のあらわれというべきだろうか。
だがこれで手品のタネはすべて解けた。シンはあえてリボンズに答え合わせをしてみることにした。

 

「そういうことだったんだな……リボーンズガンダムとかいうのに乗らずに、わざわざ0ガンダムに乗ってきたのは
 00以外のガンダムキャラである俺たちに対して無敵になれるからか?」
「そうだね。僕自身ここまで効果があるとは思わなかったけど」
「脳量子波で00キャラを行動不能にしたのは、唯一あんたと対等に戦える連中を封じ込めるためか!」
「まあ僕が遅れをとるとは思えないけどね。念には念をといったところさ」
「そして邪魔者がいなくなったこの世界をあんたが支配しようというのか!」
「上位種に下賎な人間風情が従うのは当然のことだろう?」
「あ、あんたって人は……!」
「ん?なんだい言いたいことがあるのならはっきり言えばどうだね?」

 

「うん。で、あんた納豆たべれる?」
「嫌いじゃあないな。むかし日本に行ったときに食べた事がある」
「タマネギは?」
「料理次第かな。生は苦手だねさすがに」

 

「お〜オラたち気が合うかもー」
「いやまったく…………はっ!な、なにを言わせるんだ君はっ」

 

いつのまにか会話に割り込んできたしんのすけに、つい釣られたリボンズ。確かに気が合いそうではある。
とはいえ今が大ピンチであることには違いはないワケで。
みんなして懸命に打開策を考えようとはしているのだが……

 

「とにかく僕たち種キャラじゃ逆立ちしても彼には勝てないよ……他に戦える人がいればいいんだけど」
「00勢はみんな仲良く机の下でしょ?誰かと言われても……」
「考えろ!考えるんだ……可能性があるとしたらリボンズを倒す運命にある刹那か。もしくは………もしくは……
 ああっ!?そうだ……そうだクレしんだ!しんちゃんだ!」
「お?オラがなにか?」

 

「ガンダムシリーズの系譜にいないクレしんキャラなら奴の補正の影響を受けないはずだ!
 なによりもしんちゃん自身からして強力な主人公補正をもってるんだから!充分すぎるほどに対抗可能なはず!」
「おおーここでオラの出番ですか!」
「そ、そうか!それだよシン君!」

 

「しんちゃんがデスティ二ーを操縦して戦えば勝てる!席を交換しようッしんちゃん俺に代わって操縦席へ!」
「ほっほーい♪」
「クレしんだと?馬鹿なッ!そんなケースは負債から聞いてないぞ!」

 

少しは動揺するリボンズ。予想外の事態に弱いのはあいからわずのようだ。

 
 

「さあ覚悟しろよ!しんちゃん、俺が補佐するから思う存分戦ってくれ!」
「んー」
「……どうした?」
「言いにくいことですが……」
「な、なに……?」
「オラの足、ペダルに届かないゾ」

 

「あ………ああああああああああああ!?」
「なにしてんのよバカ――――――――――!」

 

ルナの罵倒を聞きながらコントロールを失ったデスティ二ーはきりもみスクリューで地上へと落ちていくのであった。

 

落下するデスティ二ー……シンは懸命に操縦席に戻ろうとするのだが、いかんせん落ちながらなのでそう上手くいかないわけで。

 

「いやあ〜困りましたなあ♪」
「はやく!はやく姿勢制御しないと地面に激突するんだってば!」
「あ、真下にオラの家」
「やべろおおお!家を壊したらひろしさんに殺される〜〜〜〜〜!だ、ダメだ……!もう間に合わな……」

 
 

ガシィィィ………!

 

野原家激突寸前!デスティ二ーは空中で他のMSに受け止められた。
恐る恐る外部モニターで状況を確認するシン。そこには……

 

「……エクシアリペア!?ということは……」
「刹那にいちゃん?」
「なんとか間に合ったようだな。とにかく無事でよかった」
「ひっさしっぶり〜だゾ♪マリナお姉さんのとき以来?」
「そうかな。ティエリアから連絡を受けて飛んできた、リボンズが復活したと聞いてな」
「そ、そうだ刹那あんたが来てくれたんなら話は早い。あいつと戦ってくれ!俺たちじゃあ……」

 

「当然そのつもりで来たんだが……どうやら俺の出番はないらしい」
「え?それはどういう……」
「リボンズと戦いうる戦士がまだひとり、シンたちの陣営にいるということだ」
「な……そんな奴がいるのか!?」
「ああ。だから用なしの俺はお前たちを降ろしたらこのまま帰る。ロックオンたちによろしく言っといてくれ」

 

そう言うと野原家の前の道路にデスティ二ーを降ろすと刹那はさっさとどこかへ行ってしまった。
来るにしてもも帰るにしてもあっさりとした奴である。

 

「お、おい待ってくれ刹那!せめてそいつが誰なのか教えて……あーあ行っちまった……」
「うーん……なんかオラたちの出番はこれで終わりぽい、いやーな予感がするゾ」

 
 
 

そしてその頃……ミネルバではMSが一機発進しようとしていた。
そうこの戦いに終止符をうつために……!

 

「ザクウォーリア発進スタンバイ。央カタパルトオンライン、気密シャッターを閉鎖します。
 発進区画の非常要員は待機して下さい。中央カタパルト発進位置にリフトオフします」

 

「いける?」
「ああ問題ない…よくぞここまで仕上げてくれた。ミネルバの整備班とイアン殿には厚く感謝していると伝えてくれたまえ」

 

「ザクウォーリア全システムシステムオンライン。発進シークエンスを開始します……ハッチ開放」
「無茶はしないでよ?あなたは素人もいいとこなんだから…」
「わかっているさタリア。だがここは私が行かないと収まりがつかないのでね……苦手でもやるしかないのさ」
「カタパルト推力正常。進路クリアー。デュランダル議長、発進どうぞ!」

 

「ギルバート・デュランダル……ザク出るぞッ!」

 

背部を改造してグフのフライトユニットを装備、頭部にブレードアンテナを追加した赤きザクがミネルバから発進した!
これは以前デュランダルがルナマリアから借りた機体である。
これはこの日がくることを予感し、かねてから用意していた切り札である。
このMSは……ギルバード・デュランダルが乗ってこそ真の力を発輝するッ!

 
 
 

「見せてもらおうか……異世界のガンダムの性能とやらを!」

 

そうッ今こそ赤い彗星が春日部の空を駆け抜けるのだ!

 
 

次回・逆襲のデュランダル編に続く

 

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