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SEED-IF_30years_22

Last-modified: 2009-11-05 (木) 13:20:23

会議は、狭い戦闘指揮所(会議室)の中で行われた
基地の南端の、食堂のすぐそばの部屋だった
「では、状況を説明してくれ」
副司令のヨアヒム・ラドルが声をかけると若い士官が立ち上って現状説明を始めた
「わが軍の前線の30キロ手前に、連合の部隊が接近してるとの報告があります」
「規模は」
「斥候の報告によりますと、戦車250台、MS70機前後、歩兵は4000弱」
威力偵察?)
「夜間偵察の結果か?」
ラドルは腕を組みながら椅子に座った
「どう思います、軍団長」
「アスランで良い。ラドル司令」
「自分は副司令です」笑いながら目の前の初老の男は答えた
これは、現地偵察しか有るまい
アスランが椅子から立ち上ると続いて部屋の全員が立ち上り、敬礼の姿勢をした
「これ以後の戦闘中の敬礼は省略だ。徹底する様に」
部屋の壁の方にあるホワイトボードに近づくと
「今後、君達にこれは徹底してほしい」
マーカーを取って何やら書きながら話し始めた
「まず、連合軍捕虜の人道的な扱いだ。そうだな……
扱いの具体的な内容は、ユニウス条約でも、コルシカ条約を参考にしてほしい。
旧時代のヘーグ規定(1899年のハーグ陸戦規定)でも、ジェネバ条約(1929年のジュネーブ条約)でも構わない。
ザフトの利益に反しなければいい」
書いた文字を丸で囲んで、線を引く
「次に、情報の流出に気をつけてほしい。
先の大戦は、そうクライン派の、いい加減な扱いで作戦がすべて事前に漏れた。
文章はなるべく特務隊か、保安の者が、優先的に、回収してほしい。
クルーゼ云々言う奴がいるかもしれないが、あんな仮面の一人や二人で情報は漏れない」
振り返って席の方を見た。みな真剣な面持ちだ
「で、最後になったが、ロシア人と東アジア人の奴らは信用するな。ナチュラルだからとかそういうのじゃなくて」
どこからか、失笑が聞こえたが、咳払いをして続けた
「奴らは、約束を守らない。
私は、一時期、坊主の真似ごとをして、チベットに居たことがあるが、彼等は約束を守らないことで有名だった。
国際条約でも、結んだその日から破るのを待ってるという話を、土地のナチュラルから何度も聞いた
ナチュラル同士で結んだ約束すら守れない連中が、どうしてコーディネーターと、ザフトと結んだ約束を守れるのだろうか?」
正面を向いて、制服の襟を正すと
「長くなってしまったが言いたいことはこれだけだ。私は今から偵察に出る」
「軍団長、危険です、護衛も付けずにですか?」
わざとらしく手を挙げて、指した
「あの二人が居れば、十分だ」
―二人とは、アイザック・マゥと風花・アージャだった―
「じゃあな、後は頼む」

 

戦闘指揮所のドアを抜けて外に出ると、二人に早速命令を出した
「あ、アイザック君、君は俺の機体の整備状況を見て来てくれ、もしこの間より駄目だったらどこからかセイバータイプのMSを《調達》して来い」
おもむろに胸ポケットに手をやって何かを探す仕草をしたが、何もなかった
「あと、飲料と飴を持って来てくれ、飲料は1リットルだ、味はコーヒー、茶以外、早くしろ」
話を聞くと、アイザック・マゥは駆けていった
「アージャ君、まず君は、その格好は不味い、着替えなさい」
風花の格好は、DSSD(深宇宙探査開発機構)の放出品(らしい)の防寒着と、黒い太めのカーゴズボンだった
「失礼だが、背丈と身体の幅を教えてほしい」
「!」
「勘違いするな、君の制服のサイズが知りたいだけだ。その格好の儘じゃ、交戦規定の要件すら満たして居ないからな……」
アスランはポケットから鍵を出して風花に投げた
「これは私のトランクの鍵だ。そこに女性用の軍服が入ってる……妻の物だが多分私の見立てが正しければ(サイズが)合うだろう」
「奥様の……宜しいんですか」
風花が答える
「有っても意味のない物だ、既にこの私に於いてはな。持ったえないし、着て呉れた方が妻も喜ぶだろう……」
横顔を見ると俯いてる
「さあ、時間は無いんだ。早くして呉れないか」
軽く一礼をして、駆けて行った


 

格納庫に着くと、すぐさま機体に駆け寄っていた
整備兵が駆けつけて来た
「軍団長、手短に説明します。軍団長の機体(スクリーム)は手の部品が無いので、今回はセイバーの量産型に乗ってもらいます」
「ああ、データは?」
「30年前と同じです。ただ武装は実弾です。ビームとレーザーは使える様にはして有りますが、バッテリーに影響が……」
「まさか、30年前の儘か?」
「外観も、エンジンも、OSも同じです。ただ武装だけ実弾です。バッテリーは4倍ですが」
「有難う。俺は出る、後はラドル司令の指示を仰ぐ様伝えて置け」
そう言うとコックピットに軍服の儘、乗り込んで行く
「軍団長、スーツは」
「メットと防寒着だけ寄越せ。メットは陸戦用でも構わん、防寒着のサイズはM-S、Mサイズのショート丈だ」
兵士がカバンを持ってきたので、それをコックピットに入れると
「発進準備確認、アスラン・ザラ、只今より発進に入る、作業員を下がらせろ!」
ヘルメットを被り、操縦桿に手を置く……
十数年振りにMSに乗って戦闘したばかりで、感覚も戻ってきた様な感じも有るのに、何か不安だ……
セイバーか、良い機体だ……キラ……
一瞬考え事をして居たら、時間が経った様に感じる……
「発進、どうぞ!」
男のオペレーターの声が聞こえる。英語だ
「アスラン・ザラ、セイバー出る」
そう言うと、滑走路を滑空して、セイバーは飛び出していった


 

またキラと戦うことになろうとは……と考えたのだが、妻達のあの最期を知っている人間としては許せなかった
「あの阿婆擦れの所為で、キラは奇怪しく為ったんだ。許せん」
通信機の電源が入っていることに気が付いた
「どうした」
「軍団長、此方です」
セイバーを変形させて降りると、兵士が数名駆け寄って来た
「自分は偵察隊の……」
「説明は手短に頼む」
話が終わらない内に聞き返した
「ここから6キロ先に韓国軍と思われます自走砲とダガーの中隊がいるとの情報を我が隊は受けてますが」
「目視偵察は」
「してません。レーダーと航空機偵察からの情報の分析だけです」
正直、偵察部隊の報告に呆れてしまった。
「後方と変わらないことをしてどうする。お前達、MS6機で俺に続け」
「ジンが8機しかありませんが……」
参ったな。これは
「じゃあ1機だけで良い。白旗も作って置けよ」
「?」
「軍使の準備だ。勘違いするな」
声をあげて、手を叩く
「早くしろ、敵は待ってくれん」


 

白旗を持ったジンを抱えて、上空を飛んで行くと直に大規模な軍勢が見えた
中隊レベルじゃないぞ。これは
ゆっくり離れた場所に着陸すると旗を掲げてジンを先行させた
敵兵らしい影が見える。
装甲車と自走砲が近づいて来る……
おかしい。無防備すぎる
離れたところでダガーに狙撃させるつもりだろう……
ライフルとシールドを置くと両手を挙げた
「戦闘の意志は無い」
そう話してる間に装甲車からどんどん兵士が下りて来る
ダガーが四方からバズーカを構えて寄って来た
「隊長を出せ!」
エールストライカーを付けた105ダガーが前に出る
「私だ。白旗は出任せではなかろうな」
アスランには理解できない言葉で話しかけてくる
「もう一度頼む」英語で返した
返事が悪い
「名前を名乗ったらどうだと聞いて居るんだ」日本語に替えて話し掛けて見た
「私は金間溟大尉、この部隊の指揮官だ。赤いMS,貴様は」
「アスラン・ザラだ、韓国人か、連合になんか居ないで、俺達の陣営に来たらどうだ」
「冗談を言うな。コーディネータが信用できるか」
「まあ、いい。俺が言いに来たのは悪口じゃない、周りの連中を下がらせろ、それから話だ」
105ダガーが空いた右手を上げるとダガーと装甲車両は視界の外に消えていった
「そちらの軍の司令官はキラ・ヤマトか?」
「!」
「奴に伝えろ、俺とサシ(一人)で勝負に来いと!後、この部隊の事だが攻撃する意思はないと言っても無駄のようだが……
俺は軍団長だ、サシで勝負をして、負けた方が軍を引くと。むろん負けた軍の追撃はしないように徹底する様にしてだが」
「本当か?」モニター越しに男がにらんでくる
「ああ」白旗を持ったジンが近づいて来る
「それ以上近づくな、サーベル(重斬刀)を寄越せ」
ジンがすべての武装を外す―攻撃の意志のないことを示すために―
105ダガーもストライカーとシールド以外の武装を外した
サーベルを拾うと切先をダガーに向けた
「剣で決めようじゃないか」


 

風花達が偵察部隊の兵士達と合流して着いた時にはすでに始まっていた
どうやらアスランはジンの重斬刀で頑張っている。しかもビームサーベル相手に
無茶な事をする物だ……叢雲劾より危険な男かもしれない
「風花さん、タイミングを見て軍団長を救いますよ、準備しておいてくださいね」
アイザックから通信が入った
両脇のジンもモノアイを点滅させている……準備にかかるようだ
正面を向くと、セイバーが一撃をくらい、手から刀が弾かれてしまった
しかもとんでもない方向に……
ヤバい!)
バクゥを動かそうとしたら周りに止められた
「だって、ヤバいんじゃないの!」
「まだ早い、武器はある」
「!」
ダガーが一気に切りかかる
不味い!)
「まだ、勝負は終わっちゃいないぞ!」
そういうとセイバーの両肩からビームサーベルを取りだした


 
 

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