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SEED-IF_4-5氏_56

Last-modified: 2009-04-03 (金) 17:47:34

「ネオ隊長も将軍かぁ。第3宇宙軍を率いるなんてね」
「俺達も出世してるだろう。俺とスウェンは大尉。お前も中尉だろう」
シャムスはミューディーに言った。
「そんな事じゃないのよ。なんか、遠くへ行っちゃったなぁって」
「惚れてたのか」
「馬鹿!」

 
 

「わ、私がデスティニーに!?」
マユは驚きの声を上げた。
「ああ」
アスランは頷く。
「わ、私なんかより他に適任な人が……」
「俺は……」
アスランは語りだした。
「デスティニーはまだ試作機だと思ってる。バランスが悪い。俺はデスティニーを一番生かせるのは超長距離からの狙撃だと思うんだ。それには君が一番適任だと判断した」
「い、インパルスは……」
「ハイネに割り当てる。本人は前衛嗜好だが、中衛でも後衛でもやれる実力だ」
「……」
「やってくれるね?」
微笑みながらアスランはマユに顔を近づけた。
「は、はい! 一生懸命、やらせていただきます!」
顔を赤らめながらマユはうなづいた。

 
 

「戦艦は3隻ばかり手に入れましたけど、やはりモビルスーツを搭載する艦が足りませんわねぇ」
ラクスは溜息をついた。
服部達が奪ってきた戦艦は皆、新型艦ばかりである。首尾よく奪えたのは伊賀忍術の賜物であろう。
「今度は空母を手に入れましょうか?」
一休みして気力の充実した服部が言った。この短い時間で回復するのはやはり伊賀忍術の賜物であろうか。
「ザフト軍のゴンドワナでも奪ってまいりましょうか?」
服部は事も無げに言う。
ゴンドワナとはザフトの型宇宙空母であり、全長は1200mを超える。艦体の内部にナスカ級やローラシア級を収容する事が可能である。
「い、いえ」
さすがに焦ったようにラクスは答えた。
「大きすぎますし、碌に機動力もありませんわ。それにザフトの物を奪うと言うのはやはり……」
「では、次は地球軍の最新鋭空母を奪う事にしましょう」
「出来るのですか?」
ラクスの問いに服部はニカっと笑った。

 
 

「なーに見てんですか? アスラン艦長?」
ルナマリアが尋ねた。
「気恥ずかしいな。今までどおりアスランでいいよ」
「はい、アスラン」
「フォーメーションを考えていたんだ。宇宙用の」
アスランはルナマリアに一枚の紙を見せた。

 

前衛
ハイネ・ヴェステンフルス フォースインパルス
ショーン・ホワイト グフ
ゲイル・リバース グフ

 

前〜中衛
ルナマリア・ホーク セイバー
レイ・ザ・バレル フォースインパルス

 

後衛
マユ・アスカ デスティニー(M2000GX 高エネルギー長射程ビーム砲)
プロ・デューサー ガナーザク
カン・トーク ガナーザク
シリー・ズ・コウセイ ガナーザク

 

「ずいぶん後衛が多いですね」
「ああ、あいつらひよっこだろう? 後ろなら焦らずに出来るかと思ってさ。マユも付けるし。可能ならエネルギーはミネルバと繋いで弾切れの怖れも無くす予定だ。ひよっこはどうしても余分に撃ってしまいがちだからな」
「うん、いいんじゃないですか? ……アスランは、出撃しないんですか?」
「艦長は指揮をするのが仕事だ。艦長が留守になっちまったら後が困るだろう? まぁ、どうしてもって時は予備機のグフでも借りるさ!」

 
 

「これが、ストライクフリーダム!」
キラは新たに与えられたストライクフリーダムの機動に酔った。
ストライクフリーダム――形式番号ZGMF-X20A
ZGMF-X10Aフリーダムの直接の後継機である。
圧倒的火力を持った大部隊で敵部隊を殲滅することを運用思想とし、量産化を前提に開発されていた。開発自体はフリーダムと同時期にザフトで開始されており、その意味では後継機よりも双子機に近い。しかしドラグーン・システムと新型高機動スラスターの開発が予定より遅れた為、機体の完成は戦争終結に間に合わなかった。
その後、ユニウス条約の発効で核エンジンを搭載したMSの所有が禁止されたため、既に完成していた基本アッセンブリー及び開発・設計データは封印された。しかし、封印されていたアッセンブリーとデータはラクスの命令でターミナルが入手(この際、ザフト統合開発局のサーバーからは、本機のデータは削除された)し、キラ・ヤマト専用の短距離・中距離向き万能機として、オーブで復元されていたフリーダム及びセカンドステージシリーズのデータを投影した強化改造を施し、完成させた物である。

 

「ドラグーン射出!」
前戦役時に彼を苦しめたプロヴィデンスのドラグーン。それが、今度はこちらが使えるのだ。
仮想の敵に向かってオールレンジ攻撃をする。
そして、ドラグーンを射出した後に可能になる高機動!
「今度は、アスランに負けない!」

 
 

「おい」
「お、何だ?」
アスランはミネルバを訪ねてきたイザークの顔を見ると不思議そうな顔をした。
「なんだ貴様ぁ、せっかく祝いに来てやったというのに!」
「やあ、お久し」
イザークの後ろからディアッカが声をかける。
「あ! ああ! ありがとう!」
アスランは嬉しそうな顔をしてイザークの手を取る。
「ふん!」
「しかし、ザフトに復帰してからあっという間に艦長か。期待されてんね」
「ふん、どうやら覚悟は決めたようだな」
イザークは言った。
「覚悟? ああ。俺はもうオーブには拘らない。祖国を守る事に力を尽くす。まぁオーブの事を思うと胸がちょっとしくしく痛いのよ」
「女のような事を〜。しかし、まぁ覚悟を決めた事はよろしい!」
イザークはバンとアスランの背中を叩いた。
「しかし、どうだ? 今日時間はあるか?」
アスランは尋ねた。
「ああ、今日は休みだ」
「じゃあ、食事でも行くか? イザークのおごりで」
「ぶっ。なんで俺がおごらにゃならんのだ!」
「イザークは一番の出世頭だ。それに今回は俺の昇進祝いだろう? お前以外に出す奴いないじゃないか」
しれっとした顔でアスランは言った。

 
 

その頃……服部正吾は、今回はさすがに一人ではなく、100人のSPをつけてもらった。手裏剣の修行をやらせるのはもちろんだが、今回は催眠術の修行も課程に取り入れられた。果たして服部は何を考えているのだろうか?

 
 

「ザラ艦長! 熱紋反応、敵艦です! 相手も単艦の模様!」
それはミネルバがパトロール任務に着いていた時の事だった。
「よし、モビルスーツ隊出撃! 慎重に行こう。デスティニー、ガナーザクはミネルバから離さず、エネルギー直結しろ。残りはまず防御だ!」
「はっ」
ガナーザク3機とデスティニーが撃ちまくる。
「ふ。相手は雑魚ね!」
ルナマリアのセイバーが相手のダガーの間に切り込み攪乱する!
慣れたもので、ハイネとレイが混乱したダガーを狙い、とどめを刺す。
こちらに向かってこようとするダガーもあったのだが、すっかりベテランのハイネ、ルナマリア、レイ、ショーン、ゲイルは敵モビルスーツをミネルバに近づけさせなかった。
結局デスティニーのM2000GX 高エネルギー長射程ビーム砲が敵戦艦を撃沈し、戦いは終わった。
「幸先がいいな。よーし、今夜は俺の奢りで飲み放題食べ放題だ!」
アスランは叫んだ。
周囲は歓声に包まれた。

 
 

セトナはアフリカを後にした。被災地は乾燥地帯なのが幸いし、疾病もあまり広まらなかったのである。
セトナはアキダリアに乗っていた。オーブにただ居るだけなど『我慢できん!』と言うアグニスの主張でセトナと一緒に行動する事になったのである。
「セトナ様、最寄の赤道連合地球軍基地から救援要請が入っておりますが」
「救援要請? 地球軍基地から?」
「ええ、なんでも最近起こった戦闘で民間人が犠牲になったとか」
「……私、本格的な外科手術はまだ勉強中なのですけど」
「怪我がひどい者はもう皆死んでいるそうです。怪我の軽い者を最寄の大都市まで運んでいただきたいと」
「わかりました。参りましょう!」

 

アキダリアは赤道連合の地球軍基地に到着した。
「病気の方はおられませんか? 多少の事ならなんとか……」
セトナは呼びかけた。
「いや、病気の方はなんとかなっております。それより、運んでもらいたい怪我人が30名ばかりなのですが大丈夫でしょうか?」
そう基地の司令官は言った。
「ああ。そのぐらいなら大丈夫だ」
アグニスが答えた。
怪我人が運ばれてくる。
片手を失った少年、両足を失った女性……
「まだ、ましな方です。もっとひどい怪我人はもう早くに死んでしまいましたから」
「一体どうしてこんな怪我人が?」
「ある日、ザフトのモビルスーツがいきなり舞い降りてきたのですよ」
司令官は苦々しげに言った。
「それが、あたり構わず攻撃しまして。残念ながら民間人に被害者が出てしまいました……」
「なぜ、基地に民間人がいたのです?」
「この辺りは碌な仕事も無く、とても生活レベルが低いのです。非効率ではありますが、基地の設営の仕事を与える事で民間人との友好も図れると考えたのですが……」
「そうですか……では、怪我人は責任を持って搬送します!」

 

――!
「――セトナ様!」
ディアゴがセトナを突き飛ばす!
「な、なに……」
セトナを狙ったナイフが、空を切る。
「……撃て!」
アグニスがそう命令しながら銃を抜き、自らセトナを襲った者の四肢を撃つ。
「ぎゃひ!」
襲撃者――老婆が悲鳴を上げる。
「貴様、何者だ? なぜ姉上を狙った!」
アグニスがその老婆の喉元を締め上げる。
「ぐふっ」
老婆は口から血を吐き、がくっと頭を垂らす。
「死んでますよ、アグニス?」
「毒か!? しかし一体……なぜ姉上を!」
「とりあえず、セトナ様をアキダリアへ!」
その後、アグニスは基地指令を始め周囲の者に襲撃者の身元確認をした。だが不思議な事に、誰もその老婆を知らなかった。

 

「姉上、落ち着きましたか?」
「ええ……でも、私が狙われるなんて……
「まったくどこのどいつが!」
「デュランダル議長……」
ぽつりとナーエがつぶやいた。
「かも知れませんね? セトナ様は彼に喧嘩を売ったような物ですからね?」
「そんな……」
アイザックは呆然とする。
「まぁ、はっきりしませんからね?」
「なんにせよ、姉上が邪魔な者がいるという事だ。ともかく姉上の安全にはこれまで以上に注意を払う事にしよう」
「それで、怪我人達をどこに運んだらよいのでしょう?」
セトナは悩んだ。ここらへんの地理には詳しくないのだ。
「ジャワ島まで行けば、かなり大きな都市がいっぱいあります。ユニウス7の被害を受けなかった内陸部でここから近い都市、となるとマランでしょうか」
まほりんが答えた。
「では、そうしましょう」
ほっとしたようにセトナは言った。
「インドネシア政府に話を通しておいた方がいいですね。私がやっておきます」
まほりんが言う。
「助かります」
この様子を、アイザックは辛そうに見ていた。

 
 

ミネルバは遭遇戦で地球軍戦艦一隻を撃沈した。
これは司令部から大いに称えられた。
異例な事だが、突然アスランは臨時と言う名目でナスカ級2隻も指揮する事になった。通称ザラ隊である。
これには各所から強い働きかけがあったと言う事だった。

 

「ふむ。やはりデスティニーのM2000GX 高エネルギー長射程ビーム砲の威力はすごいな」
「うむむ、なんだ、お前の隊は! 長射程ビーム砲ばかり揃えおって!」
イザークが怒鳴った。
ザラ隊とジュール隊の模擬戦である。
ザラ隊はハイネ、ショーン、ゲイルが前面を固め、レイとルナマリアが撹乱する。その隙から数多くの長射程ビーム砲が次々と撃たれる。
模擬戦はザラ隊の優勢勝ちであった。
「もう、補充されてくるのはひよっこ達ばかりだろう? 彼らを生かすにはどうすればいいか、考えた」
アスランはイザークに答えた。
「ふうむ」
イザークは考え込む。
「うむ。見るところがあるな。しかし、ジュール隊の不甲斐なさを見ると自分で出撃したくなった」
「そんな事をすると、余計に事態は悪化するぞ。指揮官が留守してどうする」
その台詞を聞いて、イザークはじっとアスランの顔を見つめる。そして言った。
「やっぱりお前、俺より指揮官向きだよ。上に行け、上に」
「よく言われる」
アスランは苦笑した。

 

「マユ、よかったぜ。お前さんにデスティニーやったのは間違っちゃいなかったようだな」
ハイネがマユに声をかける。
「あ、ありがとう、ハイネ!」
「うん、一時は俺にって話もあったんだけどね。俺じゃ使いこなせねーわ。対艦刀で斬りかかっちまうだろうからなぁ。そうすればデスティニーの戦力はがた落ちだとよ」
「でも、ハイネみたいに前線で頑張ってくれる人がいないと、私、だめです」
会話は弾んでいく。
それを見ていたシンが言った。
「お姉ちゃん、気が多い」

 
 
 

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