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SRW-SEED_11 ◆Qq8FjfPj1w氏_第11話

Last-modified: 2014-01-03 (金) 00:41:52

第11話「因縁の再会と再開」

 
 

地上に残り、アースクレイドル討伐の任務についたハガネとともに行動を共にしていたシンであったが、敵襲の知らせに出撃した彼やハガネに配属されているパイロット達の前に現れたのは、いるはずがない機体であった。

「あ、あれは!?」
「量産型のゲシュペンストMK―兇世函帖」

ゲシュペンストMK兇藁婿困気譴慎‖里任△蝓∧数存在するものではある。
だがその生産数は決して多くなく、今もなおゲシュペンストを使っている者は多くない。
そして彼らの中でも特に驚いているのがカイ、ライ、イルム、そしてシンである。
というのも、自分たちに襲い掛かってくるゲシュペンストらはテスラドライブを搭載しているのであろうか、飛行を行なっていたからである。
現在連邦軍に配属されているゲシュペンストは飛行ができない。
それがDC戦争の時、DCのリオンやガーリオン、バレリオンに苦戦した理由の1つであった。
既存のゲシュペンストを強化すべくカイ・キタムラが提案した強化計画もまだ始まったばかりであり、ようやく試作型の後付けテスラ・ドライブがシンの乗るビルトシュバインに搭載されたばかりなのである。

「空を飛んでいる所を見るとテスラ・ドライブを積んだ改良型らしいが…性能面はともかく、コスト面じゃリオンの方が上だ。
 連邦軍ならいざ知らず、連中にゲシュペンストMK−兇鯲婿困垢詬由はないぜ?」
「じゃああれは何なんです?」
「その名の通り幽霊だったりしてな。どうだ、シン。お前さんは何か心当たりがないか?」
「え!?俺ですか!?いや…俺は言われてパイロットやってるだけなんで…」

当然、シンが襲い掛かってくるゲシュペンストが飛行している理由など知るわけもない。
彼がビルトシュバインに乗っているのは偶然と成り行きに過ぎず、レーツェルこと、エルザムの推薦により、ちょうどそのときに試作型の後付け用テスラドライブを搭載してテストが必要であった
ビルトシュバインのテストパイロットに選ばれたのである。
敵の部隊を見てキョウスケは静かに何かの違和感を覚えていたが、そんなことは敵は知ったことではない。
飛行するゲシュペンストたちは今もなおハガネに向けて進んでくる。

「各機へ!詮索は後だ!散開して敵機を撃墜しろ!」
「了解!」

カイの指示が飛ぶと同時に、地上に残ったハガネの部隊各機が向かってくる敵のゲシュペンストに向かっていった。

 
 

「俺に出会った不幸を呪え!」

散開してハガネに向かってくる正体不明のゲシュペンストの部隊であったが、ハガネの各機を有効射程距離内に捕らえる前にR−2が手にするブーステッドライフルにより撃ち落されていく。
運良く直撃を避けた機体もバランスを崩して隙が出たところをハガネ自慢の突撃部隊が逃しはしない。

「どんな装甲だろうと討ち貫くのみ!」
「ジェットマグナム!」
「ブーストナックル!」

1機、また1機とゲシュペンストは撃墜されていくが、シンも遅れを取ってはいない。

「あんた達はいったい何なんだぁぁ!?」

ゲシュペンストからスプリットミサイルが放たれ、地上を進むビルトシュバインに向かって突き刺さらんと迫る。
そのミサイルをシンは機体を屈めさせて回避しながらもゲシュペンストへ向かっていき、ミサイル群は大地に突き刺さり爆発を起していった。
その爆発が起こるよりも早くゲシュペンストの真下を取ったシンは、ビルトシュバインのテスラ・ドライブの出力を上げて機体を急上昇させる。
そして、ゲシュペンストの股下をくぐるようにその後ろを取り、ビームソードをコックピットに突きつけた。
シンは次いで近くのゲシュペンストに狙いを定めたが、次の瞬間にはそのゲシュペンストは淡く輝く薄紅色の矢に射抜かれる。

「アスカ様、敵部隊の全滅を確認いたしましたですわ」
「了解です。でもやけにあっさりと…」

敵機全滅との情報を聞き、一息ついたシンが言い終える前にハガネのブリッジでは突然警報が鳴り響いた。
それに続いていつもの問い掛けがハガネのブリッジに響き渡る。

「何だ!?」
「敵の増援部隊、本艦へ向けて急速接近中!」
「各機、警戒せよ!」
「くっ!またゲシュペンストか!」
「いや、待て!」
「え!?」
「あ、あの機体は…」
「まさか…」
「アルブレード……!?」

増援としてやってきた敵機の姿を目にしたイルム、カイ、ライ、ラトゥーニの表情が一気に険しくなる。
だが、それは無理もないことであった。というのも、彼らの前に現れた機体はつい先日までハガネにいたリュウセイが乗っていたアルブレードだったのだから。
指揮官が乗っていると思われるランドグリーズの両サイド上空を2機のアルブレードが浮遊している。
1機はリュウセイのアルブレード同様、灰色と白で塗られたものであり、もう1機は赤とわずかな白で塗られたボディに、ところどころの間接が銀色をしたものであった。
イルムらにとって驚くべき点はテスラ・ドライブを搭載していないため飛行はできないはずのアルブレードが飛行している点でもあったが、シンの体内には赤いアルブレードを見た瞬間に、とてつもなく嫌な予感が走りぬけていた。
とはいえ、彼の素性を知る者がそこにいない以上、彼の心境を察しうる者はいない。

「何だと!?」
「確かに似ています。しかし…」
「あの機体はリュウセイが乗ったものを含めて3機しか作られていないのに…」
「ああ、こんな所に…しかも2機も存在しているわけがない」
「マオ社から試作機のデータが流出した可能性は?」
「ないとは言い切れんが可能性は限りなく低い」
「ライの言う通りだ。それに、あれはこの世に存在しているはずのない機体だからな」
「存在しているはずがない…?どういうことです?」
「細かいところは色々違うようだが、肩のビームキャノン、背部のテスラ・ドライブ、あれは試作型じゃない。量産型のアルブレード、『エルシュナイデ』だ」
「りょ、量産型?エルシュナイデ?」
「ああ、アルブレードってのはコードネームでな…正式採用の暁にはそう名づけられることになっている。もっとも…マオ社じゃ、まだ骨組みを作っている最中だがな」
「えぇっ!?」
「現時点で完成しているはずのない機体か…どうやら幽霊はゲシュペンストだけではないらしい」

こうして各員に緊張が走る中、通常周波数の通信が各機に入ってきた。

 
 

「…ラト、聞こえているなら返事をなさい」
「ラトゥーニを知っているだと!?まさか!」
「オウカ…!」
「オウカだと!」
「ではあれがスクールの…!」
「久しぶりね、ラト。あなたが生きていてくれて嬉しいわ」
「ね、姉様…」
「アラドのことは知っているわ。でも私は貴方を責めはしない」
「え?」
「…あなたは自分の意思で戦っているつもりなのでしょうけど…それは違うの」
「姉様…何を…?」
「今のあなたは本当のあなたじゃない。あなたは連邦軍に再教育されてしまっているのよ。彼らがあなたを自分達の平気として利用するために…」
「違う……!姉様、私は!」
「…可哀想なラト。自分が騙されているとわからないのね。だからあなたはぜオラと戦い、アラドを殺してしまった」
「え…!?」
「違う、あれは事故だ!それにアラドは死んじゃいない!」
「戯言を。弟が生きているという証拠はあるのですか?」
「そ、それは…」
「今は宇宙に上がってる…といっても信じちゃくれないだろうねぇ」

 

「思い出して、ラト、スクールで私たちと過ごした日々のことを…本当の自分を思い出して。そして私と一緒に帰るのよ。母様とゼオラがあなたを待っているわ」
「嫌…!私は…帰らない。騙されているのは姉様たちの方…」
「何を言うの。あなたは母様やメイガスに育ててもらった恩を忘れたの?私達と一緒に過ごした日々を忘れてしまったの?」
「…みんなのことは忘れていない」
「なら、何故?」
「…私はスクールで本当の自分を失ってしまった…そしてそれをジャーダやガーネット、リュウセイ、シャイン王女、ハガネやヒリュウ改のみんなのおかげで取り戻せたの…
 だから姉様…私はあなたたちの所へ帰らない。そして私が姉様達にかけられた呪縛を解く…」
「それは私の台詞よ、ラト。私の言うことが聞けないなら力ずくでもあなたを連れて帰る。そして私と母様の手で本当の自分を思い出させてあげるわ」
「冗談じゃない!それじゃ、スクールの時と同じじゃないか!!」
「お黙りなさい。部外者のあなたに何が分かると言うのです?」
「何!?」
「私とラトの絆を知らぬあなた達に口を挟まれるのは心外です。
 そして…ラトを利用し、アラドを殺させたあなた達…連邦軍を許すわけには行きません。弟の仇は…」
「ふざっけるなあぁ!あんた、本当に俺達がラトゥーニを利用して戦わせてるって思ってるのか!?
 ラトゥーニがあんた達といてどんな仕打ちを受けてきたかってことくらい、あんたが一番よくわかってるんじゃないのかよ!」
「言ったはずです。私たちの絆を知らぬあなた達に口を挟まれるのは心外だと」
「たしかに俺はあんた達の絆は知らない…だがあんた達がやってきたことを知ってる以上、ラトゥーニを渡すわけにはいかない!」

シンの脳裏に再びステラの姿が蘇る。
彼女が自分たちの下にいても命を繋ぎとめることが出来たのであれば彼女を連合に返すことはしなかった。
シンにも、もし連合に彼女を返したとしたならばどうなるか、想像が出来なかったわけではない。
だが彼は信じた。戦いとは縁のない所へ彼女を返すと約束した男を、人の善意を、人の心を。
そしてその結果…彼女は命を落とした。
スクールで行なわれてきた非人道的な行為の数々を知ったシンには、どこかラトゥーニをステラと重ねて見ていた部分があった。
それ故にオウカに対して強く反論することができたのであるが、次にシンの耳に入ってきたのは聞き慣れたあの男の声であった。

 

「いい加減にしろ、シン!お前も連邦に利用されているんだぞ!なぜそれに気付かない!?」
「…その声、その機体の色、やっぱりあんたか、アスラン……!」

シンが、正体や出所が不明のアルブレードのパイロットに返答したという異常事態に、
ハガネの各機のパイロットは一様に顔を強張らせるが、宿敵の登場により頭に血が上ったシンはそれに気付かない。

「どうしてあんたがそこにいる!?」
「この世界に飛ばされてきた俺を助けてくれたのがDCだ。そして感謝と彼らの想いを知ったから俺はDCにいる。
 お前は議長に利用されていたのと同じように、連邦軍に騙されて利用されているだけなんだ、俺と一緒に来い」
「いい加減なことを言うな!俺はあの時も今も俺の意思で戦ってる!」
「今のお前はあのエクステンデットの少女と同じように利用されているんだぞ!どうしてそれがわからない!」
「あんたって人はぁぁぁ!!あんたにステラの…ステラの何がわかるって言うんだあぁぁ!!!!」

シン・アスカという人間にあるトラウマの1つであるステラ・ルーシェのことに触れられたことで、
彼のアスラン・ザラに対する敵対心が一気に燃え上がる。
シンはビームソードを構えたビルトシュバインのテスラ・ドライブを全開にして
ゲシュペンストの間を掻い潜り、赤いエルアインスへと突撃していった。

 
 

「やれやれ。シンの奴、よくわからんがなんかスイッチ入っちまったな、ありゃ。どうします?」
「シンに聞かねばならないことがあるのもそうだが、量産型アルブレードのこともある。
 出来ればアルブレードは機体ごと捕らえたい。シンを援護しつつ、もう1機も捕らえる。いいな、ラトゥーニ?」
「は、はい」

「エキドナ、アスラン、攻撃を開始しましょう。ラトの相手は私が致します」
「了解」
「了解した。俺はシンの相手をする。手出しは無用だ」

アスランはそう言うとオウカ、エキドナの下を離れ、機体を向かってくるビルトシュバインに向けた。
こうして、CEの世界から続くシンとアスランの因縁の戦いが新西暦の世界で再び始まるのであった。

 
 

今回はかなり短いですが以上です。次回から戦闘です。
ちなみにランドグリーズに乗ってるのはエキドナです。