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SRW-SEED_11 ◆Qq8FjfPj1w氏_第41話

Last-modified: 2014-01-03 (金) 01:03:53
 

スーパーロボット大戦OG's DESTINY
第41話「ヴィガジの猛襲」

 
 

スレイ・プレスティのカリオンを撃退したシンがゼンガー達に合流してからしばらくして、テスラ研では先遣隊であるグルンガスト参式、ヒュッケバインMK−轡肇蹈鵐戞△修靴謄凜.ぅ機璽とインスペクターの戦闘が開始していた
頭数ではインスペクターの方が優勢であるものの、対するゼンガーら3人はいわばハガネ・ヒリュウ改の精鋭中の精鋭といっても過言ではない面子ということができる。
それを反映するかのように、戦闘が始まってまだほとんど時間は経過していないにもかかわらずインスペクターの機体は次から次へと数を減らしていっていた。

 

「オメガブラスターッ!」

 

グルンガスト参式が胸部を上空の部隊へ向ける。それとともに胸部前面へのエネルギーの収束が始まり、それが最も濃密なものとなると、白く輝く高エネルギーが一気に解き放たれた。
そのエネルギー量故に広範囲に及ぶ攻撃はテスラ研を防衛するべく配置されたインスペクターのバイオロイド兵が操るヒュッケバインMK−兇筌丱譽螢ン、ガロイカを飲み込んでいく。
さらにこれを散開して回避した機体もあったのだが、シンやレーツェルらがこれを見逃すはずはなかった。
散開して難を逃れた量産型ヒュッケバインMK−兇蕕離灰奪ピットが次々と飛来した弾丸によって撃ち抜かれて潰されてゆく。
ヒュッケバインMK−轡肇蹈鵐戮離屐璽好謄奪疋薀ぅ侫襪両判爐蓮発射された弾の着弾結果を待たずして次へ、また次の機体へと移っていく。バイオロイド兵レベルの操縦では確認の必要すらないのである。

 

その一方でシンもレーツェルの活躍を、指をくわえて見ていたわけではない。ヴァイサーガも散開してオメガブラスターを逃れた機体へと切り込んでいく。
両腕先端の鉤爪である水流爪牙を構えたヴァイサーガが機体を上下左右に動かして、放たれるフォトン・ライフルの弾を潜り抜けながら距離を詰めると、量産型ヒュッケバインMK−兇魄豕い棒擇衫いた。
さらに周辺のガロイカやガンセクトのビームガンや機銃をかわしながら1機ずつではあるが、それらも水流爪牙の一振りで切り捨てられる。

 

そしてその頃地上では、グルンガスト参式がガンセクトとランドリオンの大軍と向かい合っていた。
迎撃のために放たれたホーミングミサイルは参式の両目から放たれたアイソリッドレーザーで薙ぎ払われて着弾前に爆発へと姿を変える。
ならば、と弾速に優れるレールガンが今度は参式へと放たれるのであるが、参式は背負っていた参式斬艦刀を機体前面に出し、刀の腹の部分を盾にして攻撃を遮ってしまう。
他方、足の止まった地上部隊は上空にいる機体にとっては格好の餌食である。上空のガロイカやヒュッケバインをあらかた殲滅し終えたシンのヴァイサーガは地上部隊の背後に舞い降りると、
1機ずつであるがまずはランドリオンを水流爪牙で切り裂いてその戦闘能力を奪う。残ったガンセクトがヴァイサーガに狙いを定めようとするが、近距離で高速で動き回るヴァイサーガの動きを捉えることは難しく、
前面に伸びた砲塔が照準を定めようと動き回るだけで牽制すらできないでいる。そこへ動きを止められていたグルンガスト参式が追いついてきて、携えていた参式斬艦刀を横一文字に一気に振り抜いた。
機体が上部と下部に完全に分断されたガンセクトはグルンガスト参式の周囲で次々と爆発へとその姿を変えていき、タイミングよく再び上空へ飛んで難を逃れていたシンもゼンガーと斬艦刀の力を実感せざるを得ない。

 

シンもこれに負けじとテスラ研の前に立ちはだかる現状における最後の壁であるバレリオンの部隊に目をつけてヴァイサーガの最強の得物である五大剣を引き抜いて斬りかかって行く。
バレリオンから放たれるミサイルやレールガンを最小限の動きで回避しながらヴァイサーガは相手との距離を確実に詰めていく。そしてすれ違いざまに五大剣を引き抜いて、さきほどの参式と同様にバレリオンを真っ二つにした。
さらにそばにいたバレリオンの巨大な砲身に剣を突き刺し力任せに振り抜いた。刃が突き刺さった部分から火花が散ると、小さな爆発がその周辺に幾つも生まれてやがて機体全体を飲み込んでいく。
そしてこれと時を同じくしてゼンガーもレーツェルが目指すテスラ研潜入のための最後の障害であるバレリオンに目を付けていた。

 
 
 

「ドリルブーストナックルっ!!」

 

グルンガスト参式は両肩のドリルを両腕の先端に装着すると、そのドリルは間もなく高速回転を開始する。そしてゼンガーの咆哮とともに両腕が上空のバレリオンに向かっていく。
至近距離で暴れまわるヴァイサーガに気を取られていたバイオロイド兵はこれに気付くのが遅れてしまい、2つのドリルはその横っ腹に突き刺さると、
まるで豆腐を貫くようにドリルは厚い装甲で有名なバレリオンの奥へ、奥へと突き進み、間もなく機体にはドリルの直径ほどもある大きな風穴が開いた。
これでテスラ研への道を阻むものがなくなり、いざ突入を試みようとシン達が考えたそのときであった。
3機のレーダーがある機体の反応を捉え、彼らの視線の先に現れたのは黄金色に輝く巨大な怪獣のような機体。
かつてインスペクターがテスラ研に攻め込んできたときに刃を交えた、インスペクター四天王のリーダーであるヴィガジの愛機であるガルガウである。

 

「黒いヒュッケバイン…やはり、ここへ戻って来たか」
「あの時の男か…!」
「俺もいるぞ茹蛸野郎!」
「貴様!…いや、まあいい。所詮は下等な野蛮人の言うことだ。この研究所と人員には利用価値がある…貴様らには渡さんぞ」

 

以前の交戦で茹蛸の意味するところを知っていたヴィガジであったが、ここでは彼の怒りは地球人に対する侮蔑意識がかえって自身に冷静な思考を維持させていた。
ヴィガジとて四天王としての意地と誇りがある。彼の中にある、確実に相手の意図を挫くのだという決意は固く、いつも相手の言うことに乗せられている訳には行かないことは自覚しているのである。
とはいえ、相対するレーツェル達とて、当然ながら本気を成し遂げてみせるという決意がある。そして、それはゼンガーやレーツェルだけではない。
シンも明確な約束をしたというわけではないが、スレイに対して自分が兄を助けると宣言したのであり、立ちはだかるヴィガジを何としても打ち破るのだという決意があった。

 

「行け、レーツェル!シン!奴は俺が食い止める!」
「無茶言わないで下さい、少佐!」
「そうだ、いくらなんでも無理が過ぎるぞ!」
「今は行くのだ!今こそ捕らわれた者達を救い出す時…!行って、師匠達を…そして、ビアン総帥の遺産を!」
「それなら俺も残ります、足は引っ張りません!」
「………いや、行くぞシン」
「え!?ちょっと待ってくださいよ!」
「後は頼むぞ、友よ」

 

言葉少なにレーツェルのヒュッケバインMK−靴聾紊蹐鬟璽鵐ーに任せてテスラ研へと向けて再び愛機を走らせ始める。言葉が少ないのはゼンガー・ゾンボルトという長年の友への信頼があるからに他ならない。

 

シンとしてはレーツェルらの気持ちも分からなくもないのであるが、かといってインスペクターの幹部機というシンがこれまで遭遇した敵の中でも間違いなく最強クラスの機体が相手である。
ゼンガーの実力を踏まえたとしても、1人で彼を残していくことが了承し難いものであることは間違いない。後ろ髪を引かれる気持ちという表現であった。
何と言ってもシンは似たような経験があり、これが棘となってシンの心の中に刺さっているのである。言うまでもなく、レクイエム攻防戦でキラ・ヤマトの相手をレイに任せて自分はレクイエム本体の防衛に回ったときの経験である。
結果論で言えばレイは生きていて、なおかつこの世界で出会うことはできた。しかし、レイは記憶を失っていてシンだけでなく自分のことすら覚えてはいなかった。
これでは残してきた仲間が無事であったとはシンは考えることはできない。これがシンの心に影を落としていた。

 

他方でいわば上手いこと出し抜かれた、という表現があてはめるヴィガジにとっては当然ながら面白い気分であるはずがない。
野蛮な地球人の数少ない特技ともいうべき兵器開発分野において、渡せるようなものはないと言われ、かつ自分たちでも捜索をしてみたにも拘らず成果らしい成果を見つけることはできなかったのである。
これでは地球人より上位の存在であると当然ながら認識しているインスペクターの面目は丸潰れに等しい。

 

「ビアンの遺産だと…!?あの狸め、そのような物を!…フン、しかし貴様1人で本当にこのガルガウを止める気か?その闘志は見上げたものだが、状況が見えていないらしい。やはり所詮は下等な野蛮人……」
「黙れッ!!」
「!」
「そして、聞けッ!我が名はゼンガー!ゼンガー・ゾンボルト!!我は悪を断つ剣なり!!」

 
 
 

ゼンガーの咆哮に、一瞬ヴィガジはたじろいだ。もちろん物理的な衝撃波の類がぶつけられたわけではない。ただ目の前の敵の持つ気合に気圧されただけである。
おそらく地球圏における戦士の中でもトップクラスの迫力を持つであろうゼンガーが相手である。たとえインスペクターの幹部であろうとも、プレッシャーを感じても無理からぬところである。
だがそのような地球側の事情をヴィガジが知る由もない。そのため、今気圧されたことはヴィガジの戦士としての誇り、インスペクター四天王のリーダーとしてのプライドに傷をつけたことは間違いない。

 

「何が悪だ!それは貴様らの方だ!この銀河においてはな!」
「我らの星へ一方的に攻め込んでおいて何を言うか!」
「予防策なのだよ、これは!貴様らのような病原菌を銀河に蔓延させぬためのな!」
「病原菌だと……!?」
「そうだ! いずれ、貴様らは銀河の秩序を乱す存在となる!故に我らに監視……いや、支配されて然るべき野蛮人なのだ!」
「そのために武力を行使したいというのなら…貴様らも我らと同じ野蛮人ではないか!」
「ええい、黙れ! 下等生物にそんなことを言われる覚えはない!貴様はここで死ね!!」

 

パイロットのヴィガジに呼応するようにガルガウの咆哮が戦場全体に響き渡った。その叫び声とヴィガジの気迫は相まって周囲の空気が震える。
そしてガルガウの胸元が開くと、中から巨大な砲門がせり出してきてグルンガスト参式に狙いを定める。
だが、これとほぼ同時にゼンガーも参式の胸部へのエネルギーチャージを開始していた。白く輝く光の珠にも見える夥しい数の粒子が参式の胸部へと吸い込まれ、集められ、1つにまとまっていく。

 

「メガスマッシャーを喰らえぃ!」
「オメガブラスター!!」

 

両機から放たれた白く輝く高エネルギーはちょうどそれらの中間地点でぶつかり合い、その場所で大爆発が起こる。
これによって大小数多くの岩の固まりが周囲に飛び散るのとともに衝撃波が発生して参式のコックピットを揺らした。そして2機の間には視界をほぼ遮るほどの土ぼこりが舞い散って互いの姿を隠す。
さらにこの衝撃によって参式の足場がわずかに崩れてその態勢が傾くと、これを計算して狙っていたのだといわんばかりにガルガウが土ぼこりの中から参式に向かって突っ込んできた。
全長60メートルを越える機体を飛ばす背部のロケットスラスターが猛火を噴き、金色の巨大な肩に全体重を乗せたタックルが参式に突き刺さる。

 

「ぐぅっ!」

 

地球人を辺境の野蛮人とみなすヴィガジであるが、戦闘能力のみにおいては相応の評価をしている故にただ何も考えることなくメガスマッシャーを撃ったわけではない。
事前に集めていた情報から斬艦刀の破壊力自体はヴィガジも把握しており、迂闊に斬艦刀の餌食にならぬよう牽制の意も込めて大出力の攻撃を放ったのである。
重量こそグルンガスト参式の方が上ではあるが、加速により加わった運動エネルギーの大きさは参式の巨体を吹き飛ばすのに十分であった。
のみならず、コックピットのゼンガーもその衝撃を歯を堅く喰いしばって耐えながらも肉体的苦痛によって顔を歪める。その隙を狙ってガルガウは倒れ込んだ参式の顔面に向けて右腕部のアイアンクローを振り下ろした。
参式は機体を強引に捻らせることで地面を転がってガルガウの攻撃をかわすとともに、その脇腹を力任せに蹴っ飛ばし、さらに牽制の意を込めてその両目からアイソリッド・レーザーを放つと、
ガルガウはこれを両腕のアイアンクローを交差させて盾とする。装甲の表面をほんのわずかに焼くにとどまった参式の攻撃であったが、この隙に今度は参式が右腕に肩部のドリルを装着させていた。

 

「行け!ドリルブーストナックル!」

 

高速で回転し耳を劈くような摩擦音を上げて飛んでいく巨大なドリルが参式の腕から放たれると、態勢を整えつつあったガルガウはこれをアイアンクローで薙ぎ払って弾き飛ばすと、
大きく右足を踏み込ませて左側からその巨大な尻尾に勢いを乗せて、参式の顔面とボディに叩き付けた。衝撃で後ろに下がりながらも戻ってきたドリルブーストナックルを装着したグルンガスト参式であったが、
さらにガルガウはこの隙に斬艦刀の間合いの内側、つまり零距離まで詰め寄るとアイアンクローで参式の両肩に組み付こうとする。
これを参式は辛うじて両腕で受け止めることに成功し、両機による力比べが始まったのだが、地力ではさすがにガルガウの方が上であった。
徐々に参式の腕が押し込まれ始めるとともに、じりじりと参式の巨体が地面を削りながら後ろへ後ろへと下がり出す。

 
 
 

「ふん、どうした? お前の力はその程度か?」
「うぬっ…!」
「フン!口ほどにもない奴め!!」

 

ガルガウの力に耐え切れず参式の両腕の間接部分は何かが軋むような音を発し始め、そのコックピット内には機体の異常を知らせるアラート音が鳴り始め、ディスプレイ上に示される損傷部分が急激に広がっていく。

 

「ぐううっ!!」

 

呻き声を漏らしながらも、レーツェルが戻ってくるまでは倒れるわけにはいかない、と歯を喰いしばってゼンガーはガルガウへの抵抗を続ける。
だがそこへ再びヴィガジはガルガウの巨大な尻尾をグルンガスト参式の全身に激しく打ち付ける。
さらに態勢を崩したところに続けて何度も尻尾を打ちつけたところで、参式は両腕を上げてこの攻撃を防御しようとするが、
今度は今の叩きつける攻撃で開いた両者の間合いを活かしてガルガウはその両腕のアイアンクローで参式に連打を繰り出し始めた。
先端が鋭く尖った金色のアイアンクローは参式の両腕に命中するたびに、その強固な装甲を削って傷をつけていく。
そして斬艦刀を持っている右腕部の付け根、肩の部分にガルガウはその牙を突き立てた。
ゼンガーとしてもこのままやられ続けているつもりは当然なく、残った左の拳でガルガウの顔面を何度か殴りつけるのであるが、その牙は度重なる鋼の拳の殴打でも離れる気配はない。
これがカルガウのコックピットを大きく揺らすのであるが、結果として地球人を遙か格下の存在と位置づけているヴィガジの怒りに火を注ぐことになった。

 

「貴様あぁぁっ!よくもガルガウの顔をっ!」

 

ガルガウはもう一度巨大な尻尾を振り回し、参式の横っ腹を力任せに打ち付けると、たまらずグルンガストの巨体が地面の岩を削りながら背後の大岩に叩きつけられた。
さらにゼンガーが苦痛の声を出すよりも先に、参式が動きを止めたところで再び胸部内部の砲身を伸ばし、参式に向けてメガスマッシャーを放つ。
見ようによっては特撮作品の怪獣が放つ破壊のブレスにも見える、無慈悲なほどに巨大な破壊の光はみるみるうちにグルンガスト参式に迫っていく。
辛うじて上半身を起こした参式は斬艦刀を前面に出してこの攻撃を耐えようとするのであるが、先ほどからのガルガウの攻撃によって腕部に蓄積されたダメージは大きかった。
なんとか機体の全壊こそ防ぐことができたものの、メガスマッシャーの威力に耐えかねた右腕部は斬艦刀を握ったまま遙か遠くへと弾き飛ばされてしまったのである。

 

「うぬっ! 斬艦刀が!うぐっ……!!」
「頼みの大刀を失ったか…終わりだな、ゼンガー・ゾンボルトとやら」
「ゼンガー少佐っ!」

 

レーツェルが研究所への突入したのを確認したところで、近付いてきた敵の迎撃をしていたシンの目に、腕ごと回転しながら宙を舞い、大事に深々と突き刺さった斬艦刀の刀身の姿が映る。
そして気付いた時にはシンはヴァイサーガをガルガウの方へ向けていた。このときはもう既に思考よりも行動が先行していた。ある意味シンらしいといえばシンらしい行動であると言えなくもない。
だが、突然ヴァイサーガのコックピットに警戒アラートが鳴り響く。とっさにヴァイサーガを後退させたシンであったが、その行く手の前方を、シンを遮るかのような軌道で一条のビームが走り抜けていった。

 
 
 

「!?」
「おっと、そこから先は通行禁止だぜ、地球人」
「誰だっ!」

 

ビームが来た方向へシンは目を向ける。ヴァイサーガのモニター画面を拡大すると、そこにはシンが見たことのない機体が映っていた。
左腕に先端の尖った青と白に塗られたシールドを持っており、右肩にはイエローに光る5,6本の突起物を装着している。
さらに背部には鈍角二等辺三角形の形状をした青いウイングが光り、頭部はヴァイサーガのような鋭い突起があり、その眼は赤いバイザーで覆われている。
シンは知らない機体であったが、ヴァイサーガのデータにはこの機体が記録されていた。ホワイトスターを護衛していたヒリュウ改やゲシュペンスト、
月のマオ社から脱出してきたリョウトやアラドらが遭遇・交戦したこの機体の名はグレイターキン。インスペクター四天王の実質的なリーダー、メキボスの機体である。

 

「俺か?俺はメキボス。お前らがいうところのインスペクターだ」

 

どことなく聞いたことがあるように思えなくもない声に少々気分が悪くなるシンであったが、現在はそのようなことを考えている場合ではない。
ガルガウの前に参式斬艦刀を失ってしまったグルンガスト参式が膝を突き、ゼンガーは絶体絶命の危機に陥っているという状況であり、救援に向かおうとしていたのにも拘らず、
一機いるだけでも厄介この上ないインスペクターの幹部機がさらにもう1機現れたのであるから、状況は最悪のものであるといっても過言ではないであろう。
とはいえ、インスペクターメキボスの出現に驚きを覚えているのはシンだけではなかった。

 

「メキボス貴様、どうしてここにいる!?」
「なぁに、地球人が不穏な動きをしているらしいからな。ラングレーはひとまずアギーハ達に任せてきた」
「余計なことをしおって!」

 

これがヴィガジのプライドを逆撫ですることになるのはメキボスとて承知の上である。ヴィガジとしては自分とガルガウ一機でテスラ研を防衛するに十分だと考えている。
インスペクター四天王を統率するウェンドロに分かりやすい功績を作るためには自分1人で地球の軍勢を殲滅するのが一番である。
シカログとアギーハはともかくとして、四天王それぞれが自分こそが上位の存在であると主張し互いに牽制しあっているのであるから手柄の横取りは面白くない。

 

「助けに来たんだからそう言うなよ、地球人を侮ると痛い目を見るってのは俺達だってわかってるはずだろ」

 

そう言われるとヴィガジも弱い。今、テスラ研に攻撃を仕掛けている面々は以前にヴィガジ自身が取り逃した者達だからである。
そして、メキボスも月面のマオ・インダストリー本社攻防戦においてリョウトのヒュッケバインMK−靴鯢遒辰新覯未箸靴銅茲蠧┐靴討靴泙辰寝甬遒鮖つ。
それ故に連邦軍、ノイエDCという地球側勢力が戦力を結集しつつある現状においては、いがみあっているのではなく、ひとまずは地球側の反攻作戦を失敗に終わらせることが肝要であるという共通認識は形成されている。

 

「……チィっ!だが俺の邪魔をするなよ」
「そういう訳だ。力を見せろよ、地球人」
「ふざけるな、インスペクタアァァ!」

 

インスペクター側の事情は知らないが、突然軽いノリで戦いを申し込まれてはシンも当然ながら面白くない。ゼンガーは剣の師匠を、レーツェルは旧い親友を助けるべく死力を尽くしているのと同様に、
シンも兄のために暴走しがちなスレイ・プレスティに向けて彼女の兄は自分達が助けると宣言したのであり、彼女のためにも今の戦いに全力を注いでいるのである。
根は真面目なシンとしては、このような戦場におけるおちゃらけたような言動は侮辱とも感じられた。

 

「メキボスだって言ってるだろうが」

 

立ちはだかるグレイターキンに向けてヴァイサーガは突っ込んでいき、五大剣を振り下ろす。カウンターの胴薙ぎなど到底許さぬほどの速度で繰り出された右上段からの高速の斬撃を、
グレイターキンはエネルギーを纏わせたブレードのような高周波ソードで受け止める。さらに今の斬撃の勢いを利用して後退しつつ、ビーム砲を懐から取り出してその引鉄を引く。
連続して放たれたビーム弾は機体を横に平行移動させて回避行動を取るヴァイサーガの足元に着弾するに留まるが、ヴァイサーガの勢いを殺すことには成功していた。
すかさずシンは機体を上昇させつつ体勢を整えなおし、腰部にセットしてある列火刃を投げ放つ。これをグレイターキンはシールドで防ぐが、命中したクナイはシールドの表面で爆発を起こす。
意図せぬ爆発とはいえ、強固なシールドが破壊されることはなかったが、不意打ちにはなったらしくグレイターキンの態勢が若干崩れる。

 
 
 

「うおっ!?」
「はあああぁぁぁぁっ!」

 

その隙を逃すまいとヴァイサーガが再び斬りかかり五大剣を振り下ろすのだが、辛うじてメキボスは高周波ソードで受け止める。2つの刃が交差し、その間では行き場を失ったエネルギーが迸る。
そして今度はヴァイサーガとグレイターキンによる押しては押され、押されては押し返すという鍔迫り合いが始まった。
見た目からパワー重視がうかがえるガルガウと異なり、どちらかといえばバランスに重点の置かれたグレイターキンの地力それ自体はヴァイサーガと大差がないらしく、両機の均衡はなかなか崩れない。
とはいえ、この状況はシンにとっては到底いいものではない。時間稼ぎをされたのではゼンガーの救出は叶わないのである。シンの心の中には焦りが広がり始めていた。
他方で、乱入してきたメキボスを視界の隅で眺めつつ、ヴィガジは愛機ガルガウのすぐそばで膝を突くグルンガスト参式を見下ろして勝利を確信していた。

 

「邪魔が入ったが覚悟はいいか、ゼンガーとやら。ここで……!?」

 

死ね、と言いかけたところで突然足元の地面が揺れ始めた。ヴィガジは一瞬地震かと思考をめぐらすが、それはすぐに撤回された。
発生した大地の震えは徐々に大きく、そしてガルガウに近付いてきており、自然現象というよりも人為的なものであると判断したからである。

 

「何だ、この揺れは…ぐおおぉっ!!」

 

ヴィガジを疑問ごと打ち砕くが如く、ガルガウの真下の地面の中から高速回転するドリルが突然に突き出してきた。
敵の返り血で染め上げたような赤で塗られ、先端はグルンガスト参式のものよりさらに鋭く尖ったドリルは、地面を内側から割りそのままガルガウの胴体に向かっていく。
接近してくるものが高速回転するドリルであるとの認識を形成する前に、察知した危機を避けるためにヴィガジは反射的にガルガウを後退させるのだが、
1つ目のドリルの回避には成功したものの2つ目のドリルはガルガウの金色のボディの表面を破片を撒き散らしながら削り取っていった。

 

「ぬうっ!?」
「あ、あれは!?」

 

その場にいた全ての者がこの光景に眼を奪われていた。地中から現れてガルガウを襲った2つのドリルは空高く舞い上がり、やがて速度を落として主の元へと戻っていく。
各所に金色を纏わせつつ大部分を黒に塗られた巨大なボディ、その黒とのコントラストが映える白で塗られた肩、さきほどガルガウに喰らいついたドリルを背負い、頭部にもまるで天を突くがごとく上方へ伸びるドリルを頂いている。
そして、シンや、レーツェル、そしてゼンガーはこの機体をよく知っていた。ゼンガーによく似た口調の男が駆り、斬艦刀を使いこなす正体不明の特機。

 

「ウォーダン…!ウォーダン・ユミル!!」

 

ゼンガーが静かに呟いた。

 

つづく

 
 
 

スーパーロボット大戦オリジナルジェネレーションズD おまけ
<連邦軍>
シン・アスカ   乗機:ビルトシュバイン→ガーリオン・トロンベ→ビルトビルガー(赤→紫)→ヴァイサーガ
本作主人公兼ツッコミ兼ラッキースケベ担当。確信犯的に危険なボケをするエクセレンやタスクが世界を崩壊させる前にツッコミを入れるのが主な役割。
レクイエム攻防戦でアスランのインフィニットジャスティスと交戦するものの劣勢を悟るとともに本心では生まれ育ったオーブやそこにいる戦争とは関係のない人間が焼き払われることを望んではいないことに気付く。
だが、かといって戦いを撒き散らすラクシズには到底賛同できないこともあり、レクイエム内でアスランもろとも自爆しようとしたが、そのときのエネルギーとレクイエムにチャージされたエネルギーが原因となって、
セプタギンとDiSRXの戦いの直後の新西暦の世界に転移してくることになる。そのときに戦場から離脱しようとしていたエルザムやゼンガーらに救出されクロガネでしばらくの間過ごすことになった。
亡くなった妹、両親、ステラ、ミネルバの仲間達のことが常に心の片隅あり、特に妹に関連することになると、これ以上自分のような思いをさせないためにも熱くなりすぎる部分がある。
パイロットとしての技量はα主人公クラスで、教導隊クラスにはまだ至ってない。俗に言う種割れ状態になると教導隊に準ずる程度に能力は上昇するものの、キラ・ヤマトと異なり意図的にその状態を作り出すことはできない。
ルナマリアと唇を重ねたことはあるので、女性関係については、ブリットにはとりあえず勝っている、と実は心の中で思っている。
本作では剣の道を行く求道者でもなければ、特殊な能力はたまに発動する種割れ以外になく、目指せ地味な主人公癸院
本人の意図とは別にラッキーなアクシデントに巡りあうことが多く、レモンによって作られた神の如き造形美を誇るラミアの乳を何度もその魔の手にかけた。
幸運の神の意思が宿る魔の両手が次のターゲットとしようとしているのは果たして誰か。

 

ブルックリン・ラックフィールド    乗機:ヒュッケバインMK−侠虎龍王
俗に言うα主人公ズの鼻血担当。エクセレンの玩具。クスハとは恋愛関係のはずだが、アメリカ人っぽくない奥手さは、ラッキースケベを繰り返すシンとよく比較されている。
サルファのように少し落ち着いて、頼られる男になるにはまだもう少し時間がかかる模様。
シンとともに世界を崩壊させかねないエクセレンやタスクのボケに突っ込みをいれる様は、糖尿病の万事屋か未来人・超能力者・宇宙人らに取り囲まれた本名不詳の高校生のようである。

 
 
 

<民間>
レイ・ザ・バレル     乗機:ペルゼイン・リヒカイト・アカオニ(俗称モモゼイン)
レクイエム攻防戦でキラ・ヤマトに敗れ宇宙を漂っている中でシンやラクシズらと同じタイミングで新西暦世界に転移するとともに、心に秘めた強い想いがオペレーションSRWの様子見をしていたアルフィミィの目に止まる。
シャトル事故でエクセレンの体がアインストの力により修復されたのと同じ原理で肉体の修復が行われたため、CE世界で服用していた特別な薬がなくても生活に支障がなくなった。
愛機はアルフィミィの気まぐれにより与えられたペルゼイン・リヒカイトであるが、その姿は連邦軍がレッドオーガと呼ぶ赤い骸骨のような姿ではなく、
まるで日本古来のおとぎ話に登場する想像上の生き物である赤鬼のような姿をしている。元のアレがアレであることは言うまでもない。
なお、モモゼインの頭部は通常のペルゼイン・リヒカイトの両肩にある2つの面が変化したものである。またモモゼインはアインストレジセイアがしようとしたように、他の機体を取り込んで能力を吸収できる。
現時点ではシーリオンから得た脚部の水中戦闘用パーツ、ビルトビルガーのジャケットアーマーから得た龍の頭の形状をした胸部増加装甲と鳥のような背部の翼がある。
オリジナルジェネレーションズDのDはアレのDじゃないのかと言われても間違っていると言い切れない。
必殺技もアレがアレしてアレするものである。ここら辺はアレのアニメのように、アレの代わりにピー音を入れたほうがいいかもしれない。
転移と肉体修復により記憶を失っており、かつてのような冷静沈着な人格ではなく、少々悪ぶった熱血感な性格になっているが、断片的に記憶は残っている模様。
難民キャンプのような所で生活をしていたが、何故か俳優の真似事をするようになる。
その撮影をしているときに襲いかかってきたアスラン率いるノイエDCとヒリュウ改の戦闘において、インフィニットジャスティスにシンのビルトビルガーが追い詰められたときに初めてモモゼインを呼び出して再び戦場へと舞い戻る。
なお、出演していた特撮ヒーロー番組は、国内報道機関に某国から潜り込み、その国の特殊貨物船千魚峰の運航にも関与していたスパイを成敗した話を最終回として放映が終了しているが、劇場版の製作準備が進行中らしい。

 

ディアッカ・エルスマン
職場:仕出し弁当屋の厨房
厳密には本編未登場。実は新西暦世界に転移していたが、シンやレイ、ラクシズらが転移しているとは全く知らずに持ち前の炒飯作りの腕を活かして料理人として生活を立てている。
その中でエルザムと出会い、秘伝の炒飯は彼の舌をも唸らせるものであった。なお、ディアッカと炒飯は2ちゃんねる発祥で公式設定とは何ら関係ないことは有名。
実は、外伝でアクセル復活措置がなければ、記憶を無くしてアホセルとなっていたアクセルが記憶を取り戻してシャドウミラーに復帰するまでの旅路を一緒に行き、諸国を漫遊する予定であったが外伝発売により没となり、
世界には痔悪化の痕跡のみが残る結果となってしまった。

 
 
 

<ノイエDC>
ユウキ・ジェグナン 乗機:ガーリオン・カスタム→ランドグリーズ→ラーズアングリフ→ラーズアングリフ・レイヴンP
L5戦役時代からのDCのパイロット。新西暦世界に来たシンが初めて戦った敵のパイロットである。ある種の理想論を言うブリットと相反する考え方を持つユウキに対してシンが噛み付いたのが始まりであった。
何度も互いの機体の限界まで戦う中で、お互いに部分的には認め合い始めており、アルフィミィのペルゼイン・リヒカイトとの戦いでは共闘も果たした。
例えるのであればジャンプシステムにうまく取り込まれたタイプの敵キャラとでもいうべきか。
また、新西暦世界に転移してきたラクシズと交戦し、キラを欠くエターナルを追い詰めて覇王に降伏勧告をして屈辱を味あわせた。
だが、アーチボルドの策略により、直後にマシンセルの力を得たアスランのインフィニットジャスティスと交戦し、敗れる。この戦闘で多くの部下を失い、アスランとは因縁が生まれ、相性は最悪となっている。
シンのビルガーとの戦いの後、レモン・ブロウニングの一身上の都合によって、原作以上にカスタマイズされたラーズアングリフ・レイヴンに乗り換えることに成功する。
空への想いは赤い星の戦士譲りか、それとも病弱な蛹から生まれ変わった蝶人であろうか。
なお、彼を隊長とする対インスペクター四天王特殊部隊オーバーレイヴンズの命名はバン・バ・チュンが行った。これはDC時代にビアンから余興で見せられていたロボットアニメにも4体の強力な機体が登場していたからである。
元ネタがアレであることは言うまでもない。ライバルは少し変態っぽいくらいがちょうどよくね?ただ愛や宿命に目覚めたりはしないし、また、相方が絶対無敵になったりする予定も全くないのであしからず。

 
 
 

<ラクシズ>
ラクス・クライン   乗機:エターナル
プラント元議長シーゲル・クラインの娘であり、平和の歌姫と呼ばれることもありながらも、CEという戦いの続く乱世において己に歯向かってきた者達のすべてを強大な力を持って完膚なきまでに叩き潰してきた。ゆえに覇王。
フリーダム、エターナルという最新鋭かつプラントの防衛の要となるべき機体を強奪したり、歌姫の騎士団と言われることもある自らに付き従う私的武装集団ラクシズを率いて戦場へ乱入する、
条約違反の機体を修理し隠匿していたり、ザフトの最新鋭機をも上回るフリーダムとジャスティスの後継機を開発させたり(ザフトが開発していたものを窃取したとの説も)と、既存の規範など歯牙にもかけぬ行動は衝撃的である。
これは覇王が政治家の娘に過ぎず、独善的正義感と浅薄な知識がもたらしたものであるという説があるが、当SSではその逆であるとしている。
むしろ、過去の人類が歩んできた歴史や学問等は既に修めた上で、世界は自分のものであるということから、コーディネーターも含み過去の人類が作ってきたルールや規範などに己が縛られるはずがなく、
それ故に普通の者では思いもよらない行動、躊躇うのが通常であるという行動を取ることが可能となったのである。
何の因果か、新西暦世界に転移してきて間もなく半壊状態の主なきアストラナガンを回収しただけでなく、シャドウミラーやノイエDCと手を結んだが、
レモン・ブロウニングとは女としてか、人間としてか、根本的な部分で相容れず犬猿の仲である。ラピエサージュだけでなくヴァイサーガも自軍のものとしようとしたのだが、
これが原因でラーズアングリフが原作以上の改造をされたり、ランドグリーズ用飛行ユニットを多めに作成されたり、CEの人間用の改良作業を大幅に遅延されるなどして、結果としてヴァイサーガを手に入れることはできなかった。
なお、原理こそ不明であるが覇王の声はコーディネーターの精神状態に遺伝子レベルで影響を与える上に、その行動はコーディネーターの度肝すら抜くものであるが故に憧れの対象にすらなっている。
これらのことから極めて強固な意志がない限り、敵方のコーディネーターなら多くを寝返らせることができた。
キラ・ヤマトに対しては最も役に立つ人間兵器であるという認識と高い能力を持ち己とペアな存在になる価値がある者であるという気持ちが併存している。
とはいえ、ラクシズの軍事力の要であるキラ・ヤマトと恋愛関係的な状況を作ることによって己の下に留めおくことに主眼があるので、マルキオを経由して手に入れたゆりかごシステムによって極めて強い精神制御措置を施している
ちなみにアスラン・ザラに対しては丸め込みやすくかつ強大な戦力、という認識である。
アスランにとってはキラこそ至上の存在であることを知っているのでキラを通じてアスランを制御している。

 

キラ・ヤマト    乗機:ストライクフリーダム→ラピエサージュ→G・ミーティア(ラピエサージュ)
ヒビキ博士によって作り出された最高の能力を与えられたコーディネーターことスーパーコーディネーター。だがその力は不幸にも覇王の目に止まり、本来は心優しい彼の人生は大きく変わることになる。
アスランの自爆によって深い傷を負ったオリジナルの彼は、ヤキンドゥーエ攻防戦まで目を覚ますことはなかった。
マルキオや配下の者らから得た情報を元に覇王はキラ・ヤマトのクローンを何体か作成しており、2人目はフリーダムをザフトから強奪し、その後メンデル周辺宙域での連合軍との戦いまで運用された。
だが2人目のキラは、オリジナルの記憶を忠実に反映させた結果、フレイ・アルスターに引き摺られすぎていると判断した覇王により処分された。
そのため、本作では最強のナチュラルであるラウ・ル・クルーゼを倒したのはオリジナルのキラ・ヤマトである。
3人目のキラ・ヤマトは次なる戦いのために覇王によって様々な能力が付加された。連合・オーブ艦隊とミネルバの戦いの時などにネオことムゥを感じ取ったり、
空間認識能力者ほどではないにしろ、不殺を可能にする程度にはドラグーンを上手く使いこなすことが出来たのはこのためである。
CE73において絶対的な戦闘能力で世界を駆け巡り、一部ではCEの聖剣とまで呼ばれたが、上記のように試験的な能力付与に重点が置かれたものであるが故に戦闘能力は歴代のキラ・ヤマトの中では高い方ではない。
結果として機体能力・技量ともに劣るシンとインパルスに負けたり、型落ちとはいえ相応に強化されたストライクルージュに乗ってもザクやグフ数機を相手にあっという間に大きなダメージを負ったのはこのためである。
新西暦世界においては量産型ヒュッケバインMK−兇筌螢ン、シンのガーリオンを改良したストライクフリーダムで撃退することはできたが、サイバスターのアカシックバスターにより絶命。
4人目はゲイムシステムへの適合に重点を置かれていて、ビルトビルガーに乗ったシンやモモゼインのレイと互角以上に戦って見せたものの、
アギラらの非道な行いに激怒したリュウセイのSRXと交戦の末に重傷を負い、その直後にオリジナルのキラ・ヤマトが長い眠りから目を覚ましたため処分された。
そのオリジナルのキラ・ヤマトはクルーゼとの最後の戦いにおいて、互いに傷付けあいながらもそれでも互いが大事な存在であると気付いたフレイ・アルスターを失うとともに、クルーゼの深い憎悪の力により心身に深い傷を負う。
フレイの本当の想いはこれ以上戦いに巻き込まれて誰かを傷付け、傷付けられることを是としなかったキラを、覇王によって戦いに引きずり込まれないように昏睡させ続けていた。
だが、彼女の力も無限大ではなく、とうとうキラ・ヤマトは目覚めさせられてしまう。

 

アスラン・ザラ    乗機:エルアインス→インフィニットジャスティス(俗称ジャスティスゲルミル)
シンの自爆道連れ作戦に巻き込まれて新西暦世界に転移したところをアギラらに回収されて一定の調整を受け、ノイエDCのパイロットとして再びシンの前に現れた。
その戦闘能力は高く、種割れ状態であればキョウセレンにも勝る。キラ・ヤマトを倒したサイバスターの打倒に燃えていたが、キラ復帰後は再び覇王の下で戦うことを選ぶ。
意思こそ薄弱であるものの、思考自体にあしきものはないという意味で悪人ではない。
シンに対しても、異世界に来てもまた騙されて戦わされている哀れな元部下という認識が基本であるが、アスランにとっての至上の存在であるキラ・ヤマトを傷つけたときは何人であろうとも無慈悲な攻撃を加える。
彼にとってはキラ・ヤマトこそが最も大切な存在である。本心から覇王に陶酔しているわけではない。
覇王自身もアスランの意志の弱さに乗じて何度も丸め込んできたが、根本的にはキラ・ヤマトという存在を通しての間接的な支配を及ぼしているというのが実体である。

 
 

《つづく》

 
 

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