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SRW-SEED_660氏_シン×セツコSS_04

Last-modified: 2014-01-03 (金) 00:17:53
 

 愉快な有限会社カイメラや、いつでもどこでも神出鬼没な変態美青年アサキムらと廃墟の片づけを終え、ビーターサービスの名義で借りている安いだけが取り柄の宿に戻った。
 ランドとメールは自前のトレーラーがあるから、そちらで寝起きしている。
 セツコはシンと共に自室のベッドの上にいた。服は脱いでいない。身につけたままベッドの上に横になり、セツコはシンの思うがままに弄ばれている。抗う気力は、ベッドに押し倒された時に根こそぎ奪われている。
 セツコは胎児の様に背を丸め、きゅっと瞼を閉じて零れ出そうになる吐息を必死に堪えていた。
 MSを操縦するにはあまりにか細く見える右手は震えながら握り拳を作り、喉の奥からシンによって際限なく引き出される声を殺すように、桜の花びらを張り付けたような可憐な唇に押しつけられている。
 しっとりとした湿りを帯びた淡い桜色のセツコの中を丹念に丹念にかきわけ、シンは飽く事無く何度も何度も進入と後退を繰り返した。
 急角度で反り返った先端が何度もセツコの体の中に擦りつけられ、どんな凹凸も逃すまいと浅く小刻みに動き、時には奥に秘された宝を狙うように時折深く侵入してくる時もある。
 入口の辺りで浅く小刻みに動かれるのも、大胆なほどに奥の奥まで突きこまれるのも、どちらにも抗う気を損なわせる痛みに似た快楽があった。
 苦痛のベクトルへ向かわずにこそばゆさを伴う気持ちよさを、無償でセツコに与え続けているのは紛れもなくシンの技量に依る。
 そのまま突き込まれれば自分の肉を破って本当に体の中を突き刺しそうなほど硬い、棒状の感触と、それを巧み操るシンに、セツコはどこか恍惚と酔いしれていた。

 

(シン君、すごく上手……)

 

 眉間に深い皺を刻み、セツコは少年の卓越した技量に一抹の羞恥を感じながら、ただただ驚いていた。震える唇も、小さく握り締められた右手も、先程から快楽をごまかすようにシーツを握ってしわくちゃにしてしまっている左手も、すべてはシンの所為だ。

 

「…………」

 

 当のシンは、先程から固く唇を結び、まるで実験結果を冷徹な目で見つめる科学者の様な瞳でセツコの奥を、淡々と見つめている。
 セツコへの海の底よりも深い、などという陳腐な言葉では足りぬ思いやりも、胸をかきむしり心臓を抉り出してしまいたくなるほど狂おしい程の独占欲も、時の果てを迎えても決して色焦る事の無い愛情も、今はまるで死んでしまったかのように陰に隠れていた。
 ほんの数時間前までとはまるで別人の様なシンのそんな瞳が、暖かさを失ったガラス玉の様な眼が、自分に向けられている。そう考えるだけで、セツコは我知らずに甘く、桃色を帯びた吐息を薄く開いた唇から零していた。
 零れた吐息に触れた風さえも淡く色づいて地に落ちそうなほどに艶やかな、セツコの声。その声を一言でも聞いてしまったら、性の快楽を知らぬ未成熟な少年でさえも、ソレに対する渇きにも似た欲望を抱かせてしまうだろう。
 だというのに、シンはまるで反応を示さなかった。セツコを抉り、中から掻き回し、なじませるようにこすりつける行為だけを繰り返している。

 

「ん……あ……」
「痛くない?」
「う、ん。……大丈夫だから、続けて。……お願い」
「分かった」

 

 セツコの体を慮る言葉も、了承を伝える言葉もどこか今までの様な熱はなく、まるでセツコに対する情熱の一切を失ってしまったのではないかと錯覚してしまうほどに淡々としている。
 ただ機械的に作業をこなしているような印象さえある。一体、二人の間に何があったというのだろう。
 セツコだけがいつもと変わらぬ清楚さと共に隠し持った、どこか背徳感さえ感じさせる、清らかな淫らさとでも言うべき矛盾した艶姿を演じているきりだ。
 シンにとっては毎夜の如くセツコから引き出しているその姿は、すでに見る価値を失ったとでも言うのか、シンはいっかな機械的な様子を変える素振りはなく、ひたすらに同じ作業を繰り返す。
 絶える事の無いシンの動きは、その時間に比例して加速度的にセツコの体と心を蝕んでいた。理性や道徳、倫理観といった堅固に築かれた筈の心の中の砦が、快楽を始めとする極めて原始的な感覚に崩されつつあった。

 

「ふう……ぅう……」
「どうした? 痛いのか? やめる?」

 

 立て続けに瞼を閉じて懸命に堪えようとしているセツコに浴びせかけられる、シンの言葉。どこか掌の上で踊るマリオネットを愛おしむ傀儡使いの様な、はっきりとした一線の引かれた言葉であった。
 ようやく意地悪げな感情の色をかすかに帯びたシンの声に、セツコはほんのわずかに首を横に振って答えた。薄く開いた唇からは絶え間なく密度の薄い霧の様な吐息が零れはじめていた。
 首を振って答えたのは、もう言葉で答える余力さえもないからだ。その細いガラス細工の様に儚い輪郭を描く顎が、シンの手に捕らえられた。
 痛みを感じはしない程度に力を加えられ、セツコは頭の動きを封じられる。首を動かす自由を奪われ、セツコは両足の内側や足の指先を切なげに擦り合わせて今感じている感覚を打ち消そうともがいた。

 

「こら」

 

 年の離れた幼い弟妹を叱るように柔らかな叱咤だというのに、シンの口から紡がれたというだけで、セツコにはもう抗う事が出来なかった。
 びくりと、わずかに肩を震わせて、電流が走ったように体が硬直する。シンに怒られるのでは? そんな恐怖からではない。では、シンに嫌われてしまうかもしれない。そんな不安ではない。
 自分の顎を捉えて自由を封じたシンの手の感触に、体が喜び、心が歓喜の歌を歌ったからだ。今確かに自分に触れているシンの手の感触。
 なんどもセツコにぬくもりを与えてきた手。悲しみの殻に閉じ込められ、絶望の闇に心を塗りつぶされていた自分に差しのべられた手。それが、今はこんなにも確かな実感を伴って自分を束縛している。
 それに気づき、セツコはなによりもまず喜びを覚えたのだ。
 そっと、シンの唇がセツコの耳に寄せられる。自分の髪がかすかにシンの体に触れる感触。自分の頬に当たるシンの黒髪の感触。少しだけ野生の獣の様な匂いを含んだシンの匂い。
 耳に当たるシンの吐息を意識した時、セツコは大きく息を吐きだした。こんなに近くにシンがいる。こんなに近くでシンの声が聞こえる。こんなに近くに、シンの傍に居てもいい。それが、なによりも、嬉しい。
 そっとシンが囁く。夜陰に乗じて姫君の寝所に忍び込む秘密の恋人の口にする愛の言葉の様に甘く、夢の中でこの世ならぬ快楽を与える代わりに、現実の世界で二度と満足出来ぬ快楽を与える夢魔の睦言の様に、危険な言葉。

 

「あ……」
「動いたらダメだって言っただろ?」
「……ごめん、なさい」
「分かったら、もう動いちゃダメだぞ」
「……はい」

 

 大好きなご主人様に怒られた子犬の様に、セツコはたちまちの内にかすかに上気しつつあった美貌を暗く沈め、申し訳なさそうに瞳を閉じる。あまりにも従順で、素直な様子が気に入ったのか、シンはセツコの頭を捕えていた手を離す。
 そして、セツコの頭を優しく優しく撫で始めた。すべすべと何の抵抗も与える事無くセツコの髪は、シンの掌の愛撫を受け入れていた。
 最近少しだけ日に焼けたシンの手の下で、セツコの艶やかな黒髪は持ち主同様に、シンの与えてくれる感覚を受け入れているように見えた。
 何度も何度も、決して痛みを与えぬようにと加減されて滑ってゆくシンの腕。たとえそこに痛みが加えられようとも、セツコは新たな喜びと共に甘受しただろう。
 シンに与えられるモノが、例え苦痛であれそれは『シンに与えられる』という前提が存在すれば、セツコにとって拒絶する理由の一切を失う。
 痛みさえも、セツコにとってはシンを感じる事の出来る要素として受け入れても構わぬモノへと変わっていた。
 シンに何かを与えられるという事。シンに何かを与える事が出来るという事。シンから何かを奪われるという事。シンから何かを奪う事が出来るという事。強奪され略奪され搾取されても、それがシンによるものであるなら、セツコはそこに幸福を見出すだろう。
 二人は、そんな関係になっていた。

 

「ごめんな。すこし意地悪だったな」
「ううん、いいの。シン君の好きにして。私、大丈夫だから……。シン君がしてくれるなら、平気」

 

 頭を撫でられる度に胸が暖かくなり、セツコは至福の法悦に包まれて、どこまでも美しく、かすかに『女』の匂いを漂わせる微笑を浮かべていた。
 赤くなった顔に浮かぶ微笑はあどけない幼女の如く無垢。
 瑞々しく濡れた唇が形作る笑みは描く天空に輝く三日月を写し取った様に美しい。
 そんな笑みも、一泊の間を置いて動きを再開したシンによって、たちまち恍惚の色を隠そうとしても隠しきれない切なげなモノへと変えられる。シンに突きこまれセツコの中を堪能しているモノは、途方もない硬さでセツコの体の中でその存在を主張し続けている。
 セツコが体の中から溢れる感覚に支配されつつあるというのに、シンは息を荒げる様子さえなく、ひたすらに入れては出し、出しては入れてを繰り返していた。
 セツコは動こうとする体を必死に抑え込もうとしていた。

 

――分かったら、もう動いちゃダメだぞ

 

 そう言ったシンの言葉が、呪いの様にセツコの体の中と心に張り巡らされて自由を奪っていた。たった一つの言葉だけセツコを支配してしまえるほど、今のシンは絶対的な存在になっていた。
 赤い赤い、血の様なシンの瞳がセツコを見つめ続けている。あの瞳に私の体はどう映っているのだろう? そう思うだけでセツコはどうしようない羞恥とほんのわずかな不安を覚え、体はそれに比例するかのように熱を帯びていった。

 

 早く終わって欲しい――嘘。
 手を離してくれないかな――ホントにそうなったら、寂しいのに?
 好きに動いていいって言ってほしい――そんな気ないくせに。彼にされるのが好きなんでしょう?
 私も、シン君にしてあげたい――それが本音。でも、それだけじゃないでしょう? 私なんだから、隠さないで言ってみて。
 ……まだ、もっと続けて欲しい。まだ半分も終わっていないんだもの――ほら、ようやく素直になれた。この時間がいつまでも続くといいわね。
 そう、ね。ずっとこうしていられたらいいのに……。

 

 心の中で、セツコは二人の自分の間で揺れ動いていた。今、シンがセツコに施してくれている行為を、もっともっと続けて欲しいと切望する自分。シンがセツコにするように、自分もセツコにいくらでもしてあげたいと渇望する自分。
 どちらも自分。どちらも心からの望みだった。

 

――なんてわがままなんだろう。

 

 呆れ、自嘲する自分の声を聞きながら、セツコの心は夢想へと飛んだ。

 

 シン君は喜んでくれるだろうか? そもそも私は上手くできるだろうか? もし私が拙いばかりに彼に不快な思いをさせてしまうくらいなら、このままただされるだけの関係でもいいのではないだろうか? 
 ああ、でも。シン君が、喜んでくれたら。私に微笑んでくれたら。あの手で私の頭を撫で、頬を撫でて褒めてくれたなら、そっと唇に口づけてくれるのなら。
 自分はそれだけで幸福の頂に登り詰めるだろう。セツコにはそれが太陽が東から昇るのと同じくらい当たり前の事実のように思えていた。それほどまでにセツコの心はシンのモノへと成り変っていた。
 行動のすべてのベクトルが根底的にシンの喜怒哀楽の感情へ対するものになり、シンには笑顔を浮かべていてもらいたい、シンの愛情をすべて独占して心も体もそれを実感し続けていた。
 それがセツコの心も肉体も魂も何もかもが最優先にしている事だった。それまでセツコの体の中を蹂躙と愛撫の狭間で刺激し続けていたシンが、完全に抜き取られてしまう。

 

「あ……」

 

 名残惜しさを微塵も隠さぬ自分の声に、はしたない、と感じたのは一瞬だった。つい今しがたまで異物を受け入れ、敏感になっていた体の中に、シンの吐息が吹き込まれていた。

 

「ふぅ……うん」

 

 くた、と力尽きたように体から力を抜くセツコに、シンがこれまでよりも幾分柔らかい声をかけた。目の前で心地よさげに脱力しているセツコの艶めかしい肢体に、満足げな笑みを浮かべている。
 セツコのやや熱を持って赤くなった頬を手のひらで触れるかどうか、という程度に撫でながら、続きを強要する。

 

「ほら、頭を動かして。じゃないと続けられないだろう? …………耳掃除」
「うん」

 

 やや恥ずかしげにセツコが体を起こし、体の向きを変えて再びシンの膝に遠慮がちに頭を乗せた。
 そう、セツコは今、シンに膝枕をしてもらいながら耳掃除をしてもらっていたのだ。シンの手にはそれまでセツコの体の中――耳の穴を丹念にねっぷりと掃除していた耳かきが握られていた。
 うんしょ、と小さく声を出し、自分の膝の上で頭の向きを変えるセツコに、いますぐ抱きしめたいという強い衝動を感じつつ、シンはかろうじて自制する。
 今度はシンの方に顔を向けた姿勢で膝に頭を置いたセツコが、真下からシンの顔を見上げて、ふふ、と嬉しそうに笑う。

 

「なにかおかしかった?」
「だって、今度はシン君の顔が見られるもの。それが嬉しくって」
「そっか。痛かったらすぐに言うんだぞ」
「うん。よろしくお願いします」
「任された」

 

 そうしてシンはセツコの耳掃除を再開しましたとさ。

 
 

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