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Seed-Ace_794氏_第0.5話

Last-modified: 2013-12-25 (水) 22:53:03

第半話『前線配備』

2004年9月10日
俺はついに前線の部隊に配属された。
とはいっても、前線しかないような状況だったが。

「おう、昨日に引き続き新入りが来たぞ。みんな仲良くしろよ」

部隊長に簡単な言葉だけで片付けられた。言葉から察するに気さくな人物のようだ。
他部隊に異動した人の穴を埋めるということで、番号は結構若い物が振られた。

『昨日に引き続きってことは他の奴もいるんだな』

そう思いながらも挨拶しようとした俺は―

「―シン・アスカです。よろしくお願いします」

思わず挨拶し損ねるところだった。目の前にはあのハイネが居たからだ。
向こうは口をあんぐりとあけてこちらを凝視している。

「また若いのがきたな。おい、若いの。実戦の経験は?」

他の隊員が聞いてくる。

「ありません。初めて配属されたのがここですので」

俺は勤めて丁寧に言った。第一印象が大事だ。そう思ったのだが―

「そんなにかしこまらなくても平気だぜ?俺らは態度なんて気にしない」

別の隊員がこういったことでもろくも崩れ去った。

「そう?だったら俺も普通に話すけど」
「そうしろそうしろ。人間まずは仲良くなることだ。そうすりゃいざって時も連携が取れる」

どうやらここは結構フレンドリーなところらしい。

「しかし、実戦経験なしか。オレンジと一緒だな」
「誰がオレンジだ!俺にはハイネって言う立派な名前があんの!」

フリーズ状態から解放されたハイネは最初の隊員にヘッドロックを仕掛けた。
どうやらもういい関係を築いているらしい。・・・さすが。

「おい、マジになるなって!・・わ、分かったギブギブ!」
「よぉ、シン。久しぶりだな。ま、世間話はあとでゆっくりと」
「ちょ、無視かよ!・・おい、マジでやばいって!」

じゃれあいを気にせず、他の隊員が隊長に聞く。

「でも隊長、場所はどこです?"タフガイ"の代わりですか?」
「あぁ、あいつはオメガの11番機になった。あいつの代わりだ」

"タフガイ"?俺はたまらず隊長―ヴァイパー1に聞いた。

「隊長、タフガイって誰ですか?」
「ん?あぁ、お前の前に3番機だったやつの愛称だ。
 俺はまだ一回しか見てないが・・・他のやつは何回もやつが脱出するのを見ているらしいぞ。
 そのたびに傷ひとつなく帰ってくる。だから"タフガイ"だ」
「なるほど・・・俺、3番機ですか」
「あんまり連携とかは気にしなくていい。とりあえず、友軍と自分を守るように飛べ。
 慣れてきたらフォーメーションとかも考えるが、 今は気にしなくていい」
「ハイ」

 ・・こんな人が向こうにいただろうか。
ああしろ、こうしろいうよりも、味方や自分の安全を優先する。どこか達観しているように感じる。
俺は実はこの人はすごい人なんじゃって思った。

「それじゃ、昨日に引き続き、新人歓迎会でもやりますか!」

やたらテンションが高い、最初の隊員―ヴァイパー7が言う。

「いいな、そうしよう」
「賛成賛成!」

隊長ほどではないが、落ち着き払っている2番目の隊員―ヴァイパー2に、ハイネが賛成する。

ふと気がついたが、

「隊長、何で番号にバラつきがあるんです?」
「他のとこに引き抜かれたり、空に散って帰ってこなかったり・・・お前みたいに番号を埋めるのはまれだ。
ハイネも番号を埋めたんだが、珍しいものが重なるな」

ハイネはヴァイパー6だそうだ。

その後は、歓迎会を経た後、知り合いだからという理由で同室になったハイネといろいろ話をした。
戦争のこと、自分が居たときの最終的な戦況、ロゴスの存在・・・
ハイネはとても興味深そうに聞いていた。俺もハイネに尋ねる。

「なぁ、ハイネ。ハイネはどうしてISAFに志願したんだ?」
「・・・・お前はどうなんだ?」

逆に聞き返された。

「俺が聞いてんのに・・・・俺は、なんとなく、平和を壊しちゃいけないって思って・・・・」
「・・・俺も同じさ」

ハイネがベットに横になりながら言う。

「こっちにはじめてきたとき感じたんだ。『こんな平和を壊させたくない』ってな。
 後は志願して、いろいろやってここまで来た。
 そういや、シン、お前俺より後に志願したのに何で俺と同時期なんだ?」
「操縦経験があるってかいたんだよ、履歴書に。一応コアスプレンダーに乗ってたし」
「あんなのとはこっちの戦闘機は違うだろ。よくばれなかったな」
「うん。初めて乗ったときは驚いたけど、結構慣れるの早かったし」
「そうか・・・。もう寝よう、明日は早いぞ」
「うん。おやすみ・・・」

次の日から訓練を行った。実戦的な紅白戦、特殊な状況下での戦闘。他にもいろいろあった。
訓練のおかげで、俺たちの機体、F−5E タイガー兇砲盍靴譴討た。

「こうも自分の機体が頼もしく思えるなんて・・・」

一度ハイネにそういったことがある。ハイネはこう返してきた。

「そうだな、結構機械任せな所もあるMSより、自分で操るような感覚がするしな」
「うん。自分の一部って感じがするよ・・・」
「・・・そう思えることが、強さだ。少なくとも俺はそう思ってる」
『隊長!』

思わずハイネと言葉がかぶった。

「いつから居たんですか!?」

隊長は答えず、苦笑いしながら歩いていく。

自分の体の一部のように感じることが強さ。隊長らしい言葉だと思った。
タイガー兇肋型の機体だが、このときはどんな飛行機よりも大きく頼もしく見えた。

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