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Seed-Ace_794氏_第04話

Last-modified: 2013-12-25 (水) 23:09:43

in Erusea

建造後の駆逐艦の脇に立つ一人の男。駆逐艦は新品同様だが、作業員がいろいろとチェックを行っている。
男は軍服姿で、自らが乗るであろう艦をじっと見つめている。
その男に、副官らしき男が近づいてくる。

「艦長、作業は順調です。もうじきこの船も海に出られますよ」

副官は報告を入れる。

「うむ。・・・・しかし、こちらに来ても艦長をすることになろうとは。
 むこうでは勝てなかったが」
「われわれも皆同じ気持ちです。こちらでは、絶対に負け戦はしません。
 あちらで乗っていた人員全てがこの艦に乗りますので、連携は心配ないでしょう」
「そうだな。我々も艦隊に合流して、すぐに出撃したいものだ。この戦争もエイギル艦隊が出れば全て終わる。
 ・・・今度こそ、我々の手で勝利を掴もう」
「了解です、アデス艦長」

アデスは再び、乗ることになる艦、駆逐艦"ヴェサリウス"を見上げる。

 

第四話『空中回廊の遮断』

 

「エルジアの野郎共!!なめたことしやがるぜ!まったく・・・」

ヴァイパー7が罵声を上げる。理由は、エルジア軍が少数の護衛だけでコンベース港へ物資を、
しかも俺たちの眼前を空輸しているからだ。これには隊長も頭にきているようで、
その報告が来た後は、ものすごい殺気が漂っていた。
前回の作戦の成功のおかげで、残存戦力のほとんどの撤退を完了した、いまだに敗北の危機感が漂う
我らがISAFに残った最大の問題、それがエイギル艦隊だ。この艦隊が出港したら最後、
ISAFの敗北になるのは間違いない。そのエイギル艦隊が今いるコンベース港への物資の輸送。
十中八九間違いなくエイギル艦隊への荷物だ。これを止めることは大きな意味がある。

総司令部も目と鼻の先を輸送されることはプライドが許さなかったのであろう。
すぐに俺たちに出撃命令が出た。

「作戦名は『ハンティングホーク』、決行日時は11月7日1226時。今の俺たちには兵装が不足している。
 なんとかスパローは数発確保できたが、それらはスパローをつまないと明らかに兵装が少なくなる
 レイピアとメビウス1にまわされる。俺たちやオメガはサイドワインダーを満載、ヘイローはR−73か。
 久々の対空任務だ。気を引き締めていこう」

いつになくとっとと詳細を報告した隊長。やっぱり・・・・

「なぁ、ハイネ。やっぱ隊長頭に来てんのかな」
「そりゃぁ、あんなことされたら頭にきてもおかしくないだろ」

隊長には珍しく早く出せというオーラが漂っていた。

当日、俺たちは基地を発進、編隊を組み相手が通ると予想されるエリアへ向かう。

「スカイアイより各機へ。目標は敵輸送機だ。一機も逃すな」

スカイアイには珍しく単純明快な説明。すぐに敵機をレーダー上に捕らえた。

やはりF−16はタイガー兇箸楼磴Α
サイドスティックやリクライニングしたシートは訓練のとき驚いたが、 今ではしっかりと慣れている。
レーダーの性能も明らかに上だ。
全機がドロップタンクを放棄、射程に入ったためかすぐにこちらからミサイルが飛んでいく。

「レイピア1、フォックス1!」
「レイピア4、フォックス1!」
「メビウス1、フォックス1!」

スパローが敵機へ向かっていく。その隙に俺たちが敵機の懐へ飛び込む。
だが、敵機に近づくにつれて、レーダーに波のようなものが出てきた。
その波は近づくほど間隔が短くなり、波の間からなら見えるものの、敵機を覆い隠してしまっていた。
これは・・・・・

「ヴァイパー1より各機。ジャミングを確認。敵機の中に電子戦機がいるぞ」
「オメガ11よりヴァイパー1、位置が確認できないぞ!」
「こちらスカイアイ、ジャミングの方向に電子戦機がいる。
 戦力を分散させ、電子戦機を撃墜、ジャミングを解除せよ」
「ヴァイパー1了解。ヴァイパー3、6と一緒に電子戦機を落として来い。
 ヘイロー、そちらも分けてくれると助かる」
「こちらへイロー1、了解だ。それじゃあ・・・」
「僕が行きます。ヴァイパー3、6、行きましょう」
「了解だ、ヘイロー2」

このやり取りの間に敵機が何機か撃墜された。

「メビウス1、スプラッシュ2!」
「レイピア1だ。かわされた!」
「レイピア4スプラッシュ1!」

このジャミングでもいかれてるのはレーダーだけのようだ。発見できればロックできる。
俺たちは電子戦機を落としに行く。

「こちらスカイアイ、ジャミングの発生源から予想される電子戦機の数は2。
 一機目の方位は345、まもなく視認できるはずだ」

波の間からは戦闘機が何機か確認できた。こちらに向かってきている。

「電子戦機の前に戦闘機をやりましょう。危険は避けるべきです」

ニコルから提案が来る。まったくもって正しい。

「そうしよう。・・・・・ヴァイパー6、敵機視認!数は2、1時の方向だ!エンゲージ!」
「ヴァイパー3、エンゲージ!」
「ヘイロー2、エンゲージ!」

敵機とすれ違う。機種はMig−29だった。ニコルと同じか・・・。
ニコルは右へとブレイク、敵機の後ろを押さえようとする。しかしもう一機に後ろを取られる。

「ヘイロー2、後ろだ!」

ニコルは思っても見なかった行動にでた。エアブレーキを開き、速度を落とす。
いきなりの減速に敵機はたまらずオーバーシュート、そこをニコルに撃墜される。

「ヘイロー2、スプラッシュ1!」
「ヴァイパー6、フォックス2!」

ハイネのミサイルは一直線に敵機へ。被弾した敵機は墜落していく。
その間に俺は電子戦機を視認していた。
的はでかい。機銃を使う。弾は敵機に次々と突き刺さる。爆散。
その瞬間にレーダーには回復したエリアが表示されていた。

「ヴァイパー3、スプラッシュ1!」

敵機の数は大分減っている。あのジャミング下でも落とせたらしい。
また2機、レーダーから消える。

「メビウス1、ターゲット撃墜!」
「ヴァイパー1、スプラッシュ2」

すぐにスカイアイから次の電子戦機への進路が来る。

「こちらスカイアイ。2機目はそちらの4時方向。
 回復したエリアから敵機が向かってきている。警戒しろ」
「こちらヴァイパー6、了解だ!」
「こちらヘイロー2、急ぎましょう!」

俺たちはアフターバーナーに点火。F−5とは比べ物にならない加速Gがかかる。
その間にも撃墜のコール。

「オメガ11、スプラッシュ2!やったぜ!」
「メビウス1、スプラッシュ3!」
「レイピア1、こちら4。7時の方向から敵機が向かっている!」
「大丈夫だ、見えてる。誰かやってくれ!」
「了解だ。ヴァイパー2、フォックス2!・・・撃墜!」

敵機を視認。電子戦機の周りを戦闘機が飛んでいる。こちらに機首を向ける。
数は4、機種はおそらくミラージュだ。

「ヴァイパー6、電子戦機を!僕たちで敵はひきつけます!」
「了解だ!任せたぜ!」

ハイネは急上昇。上から狙うらしい。
コクピット内に警告が響く。捕捉されたようだ。
俺はサイドスティックを操り、パワーダイブ。ロックを振り切り、降下の加速力で敵機を捕らえる。
正面に2機。ニコルもひきつけている。

「ヴァイパー3、フォックス2!」
「ヘイロー2、フォックス2!」

F−16から放たれた2発のサイドワインダーは敵機を捕らえる。
空中に火球が3。ニコルも1機やったらしい。さらにハイネも電子戦機をやる。
レーダーが完全に回復した。

「スカイアイより各機へ。レーダーが回復した。輸送機を狙え!」

ニコルがまた落とす。ターゲットは・・・・向かうまでもないようだ。
今までの鬱憤を晴らすがごとく敵機に友軍が群がる。まもなくレーダー上から
敵機のシンボルは消えた。

「スカイアイ、こちらオメガ1。任務終了だ。帰還する」

その後、基地に戻った俺たちはいつもの騒ぎを起こした。
その間にヴァイパー7に呼ばれる。

「なんすか?」
「いいからいいから!」

意味も分からずにやけているヴァイパー7に近づく。
しかしそれが命取りになった。ヘッドロックをかけられ、頭からシャンパンをかけられる。

「ちょ、なんだよ!」
「この野郎!俺の撃墜記録を抜きやがって!今度は絶対に勝つ!」

次の日になってもシャンパンくさい頭に俺は思わず頭を抱えた。

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