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Seed-Ace_794氏_第06話

Last-modified: 2013-12-26 (木) 00:02:22

第6話『無敵艦隊封殺』

前回の作戦で、俺たちは犠牲を払いながらもエイギル艦隊の機動力を奪うことに成功した。
だがエルジア本国や他の占拠地域に燃料がないとは言い切れないし、現に他の地域からタンカーが出たという報告もあるらしい。
艦隊を叩くなら今、燃料が少ない間を狙うしかない。俺たち航空団の意見が通ったのか、
司令部はすぐに作戦を立案した。

「作戦名は『ラフ・シー』、決行日時は11月23日1200時。
 今回の作戦の目的は、エイギル艦隊を叩きノースポイントの安全を確保することだ。
 作戦目標は艦隊だけではなく、造船中の船なども含まれる。
 俺たちはまず艦隊を叩き、その後他の地域を攻撃する。他に艦隊を攻撃する隊は、オメガとメビウス1だ。
 ヘイローは造船所、レイピアは補給基地。俺たちも補給をした後停泊中の寒帯がいれば攻撃する。
 以上だ。質問は?」

隊長がいつものように説明をする。聞く限りは簡単な作戦だが、相手はあのエイギル艦隊だ。だからこそ奇襲をする。
当日、ブリーフィングを行う。状況説明を行った後、司令が話を始めた。だが俺はそんな場合ではなかった。
前回見た黄色中隊。その恐怖が身に染み付いてはなれない。CEにはあんな恐怖を与えるほどの敵は居なかった。
フリーダムだってアレに比べればかわいい物だ。でも、それを考えると疑問が1つ浮かぶ。メビウス1のことだ。
あの黄色たちに向かっていって無傷で帰ってきた。おかげで時間が稼げ、何機か助かったのだが、黄色とやり合って
生きて帰ってきたこと自体がすごすぎる。もしかしたらあいつなら―――

「―――なお、今作戦はノースポイントに司令部が移されて以来、最も大規模で重要な作戦である。
 各自粉骨砕身して任務を全うし、必ず生きて帰還せよ」

突然、司令の言葉が耳に入ってきた。『必ず帰って来い』、そう司令は言っている。
そうだ、生きて帰ってこよう、そう思えば不安は消えていった。その後、俺たちは出撃する。
大陸戦争最大の海戦が幕をあげようとしていた。

「スカイアイより各機へ。作戦開始、全目標への攻撃を許可する。敵艦隊を攻撃し、壊滅させよ」

心なしかスカイアイの言葉にも覇気がこもっている気がする。
すでにレイピアやヘイローは編隊を離脱、他の部隊と侵攻を開始していた。今回の作戦には、
俺たちの航空団以外に別の航空団も参加している。さすがにこの規模の作戦は俺たちだけでは無理だろう。
俺たちの兵装はサイドワインダー2発にAGM−84ハープーン2発、GBU−12を6発だ。
オメガはハームを4発装備し、イージス艦や巡洋艦、他にもエイギル艦隊旗艦である戦艦タナガーのレーダーをつぶし、
さらにあまったハードポイントにはMk−22を満載していた。
メビウス1は前回と同じくMk−22を16発。全機バルカンは満載だ。
俺たちの最大の攻撃目標は旗艦タナガーだ。タナガーをつぶせば攻撃の半分は成功したと見ていいらしい。

「オメガ1よりオメガ各機へ。俺に続け!オメガ1、マグナム!」
「オメガ11、マグナム!」
「オメガ4、マグナム!」
「ヴァイパー各機へ。2と3は俺とメビウス1と共にタナガーをやる。他は各自攻撃せよ」
「ヴァイパー7、了解!任されました!」
「ヴァイパー2、了解です!」
「ヴァイパー3、了解!」
「ヴァイパー6、了解!」

先ほどオメガが放ったミサイルの半分はイージス艦に防がれていた。だがそのイージス艦にミサイルが命中、
その後のミサイルは全てヒットする。防空網は破られた。
俺たちは低空へ侵入、タナガーの側面を狙う。射程に入り、ミサイルが発射される。
右隣を飛行していたメビウス1のイーグルは上昇、爆撃の準備に入った。

「ヴァイパー1、ミサイル発射」
「ヴァイパー3、ミサイル発射!」
「ヴァイパー2、ミサイル発射!」

俺と隊長は1発ずつ、ヴァイパー2は2発全弾発射した。
ファランクスを撃ってくるが、2の1発にあたるだけで他は命中コース。さらに上からメビウス1が急降下爆撃を仕掛けていく。
イーグルの青と白の機体から緑の爆弾がいくつも離れていく。
完全に隙を突かれたタナガーはもろに爆撃を食らった。さらにハープーンも命中。
ものすごい噴煙を噴出し始めた。

「スカイアイ、こちらヴァイパー1、タナガーを撃沈した」
「こちらスカイアイ、確認した。よくやった!攻撃を続行せよ」
「やったのか!」
「よし! 勝てるぞ!」

タナガー撃沈の声に他のやつらの士気も上がる。メビウス1が隣に並ぶ。尾翼のメビウスの輪が誇らしげに輝いて見えた。
爆弾はすでに4発に減っていた。一気に落としたらしい。
確かに、横からならまだ装甲に阻まれるかもしれないが、 上から直撃を12発も食らったらひとたまりもないだろう。少し敵が哀れに思えた。
他にも撃沈の声が上がる。

「イージス艦レイヴン、沈黙!」
「こちらヴァイパー6、空母を撃沈した!」
「スカイアイだ。空母ジオフォン撃沈を確認」
「駆逐艦を撃沈!」

ハイネも攻撃を仕掛けようとしていた。すでに対艦ミサイルはない。
爆弾を切り離した直後、エンジンから煙を吹き始めた。

「くそ!食らった!被弾した!」
「ヴァイパー6、こちら1。被弾の状況は?」
「エンジンの出力が上がりませんが飛行に支障はありません。離脱します」
「こちらメビウス1。こっちは兵装がなくなった。補給ついでにヴァイパー6を護衛する」
「こちらヴァイパー1、頼んだ」
「こちら6、すまない!」
「こちらスカイアイ、離脱と補給を許可する」
「了解した。ヴァイパー6、いくぞ」

ハイネが被弾した直後、俺は思わず叫んで無事を確認しようとしたが、その後のやり取りで安全だとわかったとたん気が抜けた。
離脱した後、艦隊はほぼ壊滅状態にあった。撃沈まで行かないでも、全て沈黙している。
その後、スカイアイが敵機の接近を告げる。

「こちらスカイアイ、敵戦闘機の接近を確認。警戒せよ」
「こちらオメガ1。俺たちは対空兵装に余裕がある。俺たちでやっておく」
「こちらヴァイパー1、頼んだ。ヴァイパー各機、補給に行くぞ」  
「ヴァイパー3、了解です」

俺たちはいったん基地に戻り、補給を受ける。
ハンガーの脇にはハイネのF−16が駐機しており、すでに修理に取り掛かられていた。
俺の対地兵装は先ほどより減らされ、その分アムラームを積む。隊長は完全な対空仕様だ。
メビウス1と合流し、作戦エリアに戻る。
今度はコンベース港だ。すでに一度帰還していたヘイローが攻撃し、ある程度ダメージを与えている。
俺たちが今度は攻撃に入る。

「ヴァイパー1、敵機視認。攻撃する。・・・・フォックス3」
「ヴァイパー7、投下!」
「ヴァイパー3、投下!」

すでに数は減っているが、俺たちがそこに追い討ちをかける。すぐに敵は壊滅した。
その後、編隊を組み帰投する。その途中、歌声が聞こえ出した。

「紺碧の空と緑豊かな大地が果てしなく広がる――」

歌われているのはユージアの国歌だった。すぐにみんなが一緒に歌いだす。
最初に歌いだしたのはだれだったんだろう。

『――この地には 勇気と力強さに溢れた 自由と正義に充ち満ちている』

気分屋のヴァイパー7はもちろん、あの隊長やスカイアイまで歌いだしている。

『我らは最後まで戦う 我が祖国の自由のために』

最後にヴァイパー7が歓声を上げる。皆気分が良かった。久しぶりの大戦果だったのだから。
基地に帰った後も大騒ぎ。ハイネが帰投途中のメビウス1の戦闘について酔っ払いながら話している。
帰投の途中、敵の編隊に遭遇したが、あっという間に片付けてしまったらしい。
さらにメビウス1はあの国歌を歌いだした張本人だったようだ。
前回と違い人的損害を出さなかった俺たち。騒ぎも大きくなる。ISAF全体で見ても大勝利なのだから。
後日、エイギル艦隊の壊滅により、ノースポイント攻撃が無期限停止になったという情報が入った。
これで総司令部の安全は確保できたというわけだ。

勝利に沸く俺たち。だが更なる恐怖が待ち受けていることなどあのときの俺たちには知る方法もなかった。

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