Top > Seed-Ace_794氏_第10話
HTML convert time to 0.004 sec.


Seed-Ace_794氏_第10話

Last-modified: 2013-12-26 (木) 00:11:47

第10話『タンゴ線を越える』

タンゴ線…大陸東部におけるエルジアの主要防衛線。その中のイスタス要塞は、文字通り自然の要塞だ。
だが内陸へと進むには、越えなければならない線。俺たちの今回の任務は、地上部隊に先立って、要塞を無力化することだ。
俺たちヴァイパーの割り振りは、谷の中の補給基地。攻撃完了後は、J−STARSやスカイアイの指示で他を転戦する。
バンカーショット作戦による上陸から1ヶ月。久々の出撃だ。

「作戦名は『ウッドペッカー』、決行日時は2月28日1415時。
 今回も俺たちは地上攻撃、ヘイローが援護、メビウス1が同行する。
 タンゴ線はストーンヘンジの射程内にあり、砲撃が予想される。
 おまけに地形も攻めるには厳しい。十分に注意するように」

いつもどおりのブリーフィング。ちなみにヘイローはすでにタイフーンへの機種変換を終えており、
(東側機から西側機への機種変換はそれなりに大変だったらしい)実に頼もしい。
俺たちもすでに変換自体は決まっているが、その機種がなんなのかは噂でしか届いていない。
F−2だったり、イーグルだったり、タイフーン、フランカー、etc.....。
しかしアップデートは施されており、使い勝手は増している。
俺たちの装備はMk−22を満載した爆撃装備。ヘイローはアムラームとサイドワインダーを満載。
メビウス1は翼下のハードポイントには対空兵装、胴体には爆弾と、どちらもやるつもりらしい。
オメガはVTOL基地、レイピアはサイオン飛行場を担当する。

「はぁ…早く機種決まんないかな」
「イーグルの名前が出たときはハイネすごく喜んだよな」
「そりゃな、待ち望んだ機体の名が出たわけだし。でも決まるかどうかはな…」

屋上。ハイネとふたりで機種変換の話。

「タイフーンもだけど、イーグルもメビウス1と被るしね」
「そうなんだよなぁ」
「フランカーとか?」

ハイネはフランカーには魅力を感じないのだろうか。

「35か37が良い」
「贅沢だなぁ……」

そして当日、予定通りに出撃した。作戦エリア手前で3波に別れる。

《そういや、そろそろリグリーも使えるようになるかな?》

ハイネがそう切り出す。もう少しで作戦エリアだが、雑談が始まる。まぁ、戦局に関係ある話だから私語ともいえないか。

《どうだろうな。確保はできているが補修はもう少しかかるらしい。そろそろメインベースはリグリーに移るかもな》

隊長の返答。2回目の作戦、ハーヴェストによって陥落したリグリー飛行場は、大陸上陸を機に確保され、現在補修を受けている。
設備も整い始めているらしく、そろそろベースは移りそうだ。

「自分たちが攻撃したところに自分たちが入るのも変な気分ですね」
《でも、内陸に基地も移ったし、大陸奪還に一歩前進した気分がするじゃん?》

俺の問いにヴァイパー7が答える。相変わらず陽気だ。

《そう深く考えないで、基地を動くだけだと考えればいいさ》
《そんな深い悩みには聞こえませんでしたけどね》

メビウス1にニコル。攻撃前にリラックスした雰囲気が広がる。

《作戦中の全機、こちらスカイアイ。ここはすでにストーンヘンジの射程内だ。
 撃ってくるかもしれん、十分に警戒しろ》

スカイアイの通信に一気に気を引き締める。ここは内陸。まだ敵の勢力下なのだ。

すでに目の前には谷と基地が見えている。イーグルが先行し、対空火器を潰しにかかる。

《こちらスカイアイ。ヘイロー、敵編隊が接近中。迎撃しろ》
《ヘイロー1了解!お前ら、攻撃隊には近づけるなよ!》
《こちらヴァイパー1、頼んだ》

基地の上、山の上の平地で爆発。メビウス1がAAAを潰したようだ。

《ヴァイパー全機、攻撃を開始しろ》
《ヴァイパー2了解!》
《ヴァイパー6、了解!》
《ヘイロー2、フォックス3!》

目の前の燃料タンクに機銃を1掃射。さらに船や荷物にMk−22を投下する。
次々と爆発。低空でもアップデートされたファルコンは問題なく動かせる。他の機も次々と攻撃を加えていく。
すぐに陥落しそうだ、と思ったとき、懸念していた事態が発生した。そう、ストーンヘンジの砲撃だ。

《スカイアイより全機、警告!ストーンヘンジからの攻撃を確認!高度を下げろ!》
《チッ、こんなときに!》

舌打ちをしたのはヘイロー1だ。敵機とドッグファイトしていたときに高度を下げるのは厳しいに違いない。

《弾着まで後15秒!》
《全機、高度は下げたな!》
《衝撃波に気をつけろ!あおられて墜落するなよ!》
《5、4、3、2、弾着、今!》

雲を引いて飛んで来た弾頭が次々に炸裂し、衝撃を巻き起こす。

《やられた奴はいないな!よし、攻撃続行!》

オメガ1の声が届く。向こうもやっているようだ。
壊滅寸前だった補給基地はメビウス1の最後の一撃で完全に沈黙した。
これでこちらはフリー。スカイアイからの指示を待つ。

《ヴァイパー、レイピア両部隊とメビウス1は潜水艦基地に向かえ。42ndTFSが苦戦している》
《こちらヘイロー1、敵編隊全機の撃墜を確認。脱出はなし。俺たちもフリーだ》
《了解した。ヘイローも同行しろ。》
《ヴァイパー1、了解だ》

まずヘイローと編隊を組み、その後レイピアと合流する。

《ようよう、首尾は?》
《飛行場は壊滅だぜ。35thTFSも良くやったが一番活躍したのは俺たちだな》
「よく言うよ、援護しかしてなかったんじゃないの?」
《トムキャットを舐めるなよ?俺たちが先にSAMとか潰してやったんだぜ?ところでヘイローは?何機やった?》

ハイネの問いかけに答えるレイピア4。質問はヘイローにも飛ぶ。

《俺は2機だ。2が3機で最多、他には6が1機》
《ヒュー、ニコル、やるじゃん。俺も対空戦闘があればなぁ》

ヘイロー1が答え、ハイネがはやし立てる。ここで雑談は終わる。

《おしゃべりはそこまでだ。42nd、クラーケン、こちらヴァイパー1。援護に来た》
《助かった!基地を攻撃してくれ!こっちは敵機を落とす!》

谷の中へ。ヘイローは上空の援護に回る。

《畜生、あのドックは硬そうだな》

ヴァイパー2がそういう。実際に2が投下しても、あまり有効な効果は得られなかったようだ。
まてよ?あの形なら…

「俺が行く。そっちは他のを頼む」
《分かった。頼んだぞ、シン》

真正面からアプローチ、そのまま中を狙って投下する。見事に命中。ドックは吹っ飛ぶ。

《なるほど、その手があったか》

2から感心したような通信。その間に空戦もヘイローの参戦で激しさを増したようだ。

《くそ!SAMが邪魔だ!ぐっ…!》
《クラーケン2!》
《クラーケン3は1の後ろに付け!あの2機をやる!》
《メビウス1、スプラッシュ2!》
《畜生、なんだあのイーグル!あっという間に2機も落としやがった!》
《くそ、またあの白いラファールだ!あいつに何機やられた?!》
《いいぞ白1!》

どうやらSAMと戦闘機、しかもエースパイロットつきに上下から挟み撃ちにされているらしい。
そこに追い討ちをかけるように、ストーンヘンジの第二波が撃たれた。

《こちらスカイアイ、砲撃を確認!弾着まで後15秒!》
《くそっ!ヘイロー全機、高度を下げろ!》
《S.T.N.の砲撃に巻き込まれるな!》

ヘイローとメビウス1はうまく降りてきたが、42ndはSAMに邪魔をされている。
降りようとしても、件のラファールに攻撃されるという手詰まりな状態だ。
ラファールは味方がみな高度を下げているのに、ギリギリまで時間稼ぎをするつもりらしい。

「こちらヴァイパー3!42nd、緊急離脱しろ!」
《…3、2、弾着、今!》

炸裂の中に巻き込まれていく。42ndは、文字通り壊滅した。巻き込まれなかった数機に敵機が襲い掛かる。

《ヴァイパー2、7はSAMを攻撃しろ。残りは援護だ》
《ヴァイパー7、了解!》

隊長の指示は早かった。俺たちは空戦の真っ只中に突っ込む。

《こちらメビウス1。俺があいつをやる!》
《頼んだ!こちらヘイロー1!クラーケン、基地をやれ!上は任せろ!》
《クラーケン5は指揮を引き継げ!》

メビウス1がラファールへと向かっていく。
俺も基地に爆弾をすべて投下し、身軽にする。武装は機銃とサイドワインダー2発、アムラーム2発。
アムラームをすぐに発射する。2発とも命中するが、1機は撃墜にはいたらなかった。

《ヴァイパー3、スプラッシュ1!》
《ヘイロー3、後ろだ!》

先ほど逃がした敵機に機銃を浴びせる。これで2機。
メビウス1はラファールとのドッグファイトに入っていた。ラファールが後ろ。
だがメビウス1はシザーズを仕掛け、さらにそこからバレルロールに入る。
1瞬メビウス1を見失った敵機の後ろに、イーグルがふわりと降りてくる。
機銃が火を吹く。尾翼からエンジンに当たり、爆発を起こす。落ちていく敵機からパラシュートが開く。
最後まで残っていたのはこの機だったようで、この間に基地も壊滅していた。
ヴァイパー2と7があっという間に片付けたらしい。

《敵要塞の壊滅を確認。作戦完了だ。全機帰投せよ》

スカイアイからの通信。これで俺たちの役目は終わった。皆で編隊を組んで基地に帰る。

その後はいつもの馬鹿騒ぎ。久々の戦果に皆の気分も上がる。ニコルはハイネ(悪酔い済み)に絡まれている。
俺はそれを眺める、いつも通りの打ち上げ。

後日、地上部隊はタンゴ線を突破、ロスカナスを無血奪還した。エルジアは撤退し、もぬけの殻だったようだ。
せっかく補修されたリグリーだが、俺たちはロスカナスへ移動する事が決まったため、他部隊が駐留するらしい。
俺としては、この世界にきたときにいたのがロスカナスだったので、思い入れもある。移動したら、散策でもしてみようか。
ISAFのこれからの当面の目標は、ストーンヘンジの破壊だ。あれを破壊しなければ、多くの作戦が制限される。
俺たちはISAFの中核をなす存在として、真正面からぶつかっていくだろう。

】【戻る】【