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Seed-Crayon_3-384_2-3

Last-modified: 2008-06-19 (木) 00:42:37

ある愛の物語(シン編)・第3話
 
 病院に運ばれたステラはタンカーですぐさま応急処置室へと移された…
 
シン 「ステラ!!、ステラ!!」
看護婦「ここから先はダメよ!!あなたは出て!!」
シン 「でも!!」
看護婦「下がりなさい!!」
シン 「…はい」
 
シンは小さく頷くと、その部屋の前に立ち尽くしていた
 
〜数十分後〜
 
キラ「担当のキラ・ヤマトです。君かい?彼女の恋人は」
シン「ヘっ?恋…人?ま、まぁ」
キラ「ちょっとこっちに来てくれないかな?」
シン「?」
 
 シンは不思議に思いながら、その先生について行った…
 
〜診察室〜
 
シン「どうなんですか? ステラは大丈夫なんですか?」
キラ「…大変言いにくいんだけど…彼女はもう…そんなに長くない…」
シン「!?…そ、それどう言う事ですか!?」
キラ「まだ検査段階なんだけど…おそらく彼女は…癌だ。しかも末期まで進んでる」
シン「だ、だってステラはまだ16ですよ!!いきなりそんなこと言われたって!!」
キラ「気の毒だけど…」
シン「先生!彼女は…ステラは助からないんですか!?お、オレ、何でもやりますから…
   お金だっていくらでも出すから!!なぁ…先生!!」
 
 シンはキラの白衣にしがみ付き、激しく迫った…
 
キラ「さっきも言ったじゃないか!! 彼女は!!」
シン「先生!!」
キラ「君もしっかりしろ!!僕だって出来るならとっくに君に言ってる!!
   けどどうしようもないんだよ!!」
シン「そ、そんな…」
 
 シンは掴んでいたキラの白衣から腕を離した
 
シン「余命は…ステラの命は、後どのくらいなんですか?」
キラ「長くて…1ヶ月。若いから進行も早いんだ…」
シン「1ヶ月って…だって、オレら会ってまだ数ヶ月も…」
キラ「……」
 
 キラもかける言葉が見つからない
 シンはそのまま茫然と診察室を出た後、そのドアによりかかり、力無くその床に座った…
 
シン「…な、なんでこんな…うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!
 
 シンの悲痛な泣き声が病院中に反響し、彼の目からは大粒の涙がとめどなく流れた…
 
しん「シン兄ちゃん…」
 
 気が付くと、そこには野原家がつらそうにシンを見つめ、そっとしんのすけが彼の側にそっと寄り添っていた
 
シン「しんちゃん…オレ…オレ…うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!
 
 シンはしんのすけの両肩に手をかけ、また涙の粒を廊下に落とし始めた…
 
しん「よしよし」
 
しんのすけはそれ以上何も言わず、ただシンの頭を撫でた…
 
………
……

 
〜数日後〜
 
ステラ「シン!…おはよう!」
 
 久しぶりにあったシンの顔を見て、ステラは満面の笑みを浮かべた
 
シン 「あ…うん、おはよう…どう?調子は」
ステラ「うん…大丈夫…」
 
〜回想〜
 
キラ「いいかい、彼女に悟られないように気をつけるんだよ」
シン「は、はい…」
 
 シンは暗い顔でこくりと頷いた…
 
キラ「君がしっかりしないでどうする?、君が彼女を『助けるんだ』」
シン「…」
 
〜回想終了〜
 
ステラ「…ン?…シン?…元気ない?」
シン 「!!い、いや、そんなこと無いって!元気だよ」
 
 シンはキラに言われたことが頭がよぎって、ステラの声は上の空だった…
 気が付くと、あわててステラに挨拶を返した
 
ステラ「そ、そう?」
シン 「ステラこそ先生が『過労』って言っていたから、しっかり休まないとダメだぞ!
    家の人には連絡してあるから、ゆっくり休みなよ」
ステラ「けど…つまんない…シンと…遊びたい」
シン 「我慢しろって…またいつでも遊べるから…ね?」
ステラ「…うん…」
シン 「じゃ、じゃあ、オレちょっと用事あるから…」
 
 ステラのしぶしぶ頷く様子を見て、シンは思わず嘘をついて病室を退出した…
 シンは病室のドアを閉めると、トン、とそこに力なくよりかかった
 
 「…こんなの無理だって…」
 
 今にも流れでそうな位、彼の瞳は潤んでいた…
 
〜野原家〜
 
みさえ「最近…私、シン君を見てるだけで悲しくなっちゃうわよ」
ひろし「ああ…まさかこんな事になるとはな…今はシン君をそっとしといてやろう。
    変に気を使うとつらいだろうから…」
みさえ「けど…!」
ひろし「みさえ!シン君の気持ち…くんでやれよ…」
 
 野原家でもステラの状況を知り…気持ちが沈んでいた…
 そんな中、しんのすけは不意に立ち上がり、沈んでいる野原家に「風」を吹き込んだ!
 
しん 「…オラ、ちょっと行って来る!!」
ひろし・みさえ「お、おい?しんのすけ(しんちゃん)!」

 そう言うと、しんのすけは突然家を飛び出し、ある場所へと向かった。
 
〜夕方の病院で〜
 
 シンは肩をガックリと落として、病院をあとにしようとしていた…
 
シン(オレは彼女にこれからどんな感じであえばいい?どんな顔で彼女をみればいいんだ?
   いくら明るい顔しろって言われたって…オレには無理だよ…)
 
 シンはそんな心の葛藤をしながら、沈み込んでいた…その時だ
 
しん 「はぁ、はぁ、はぁ、シン兄ちゃん!!」
 
 そこにはしんのすけが息を切らしながら、病院の前に仁王立ちしていた
 
シン「し、しんちゃん。どうしてここへ?」
しん「これを届けに来たんだソ」
 
 そういうとしんのすけは右手に持つ200羽位の鶴の束を差し出した。
 少し引きずってしまったのか・・・下の鶴は砂埃を被っていた
 
シン「こ、これは?」
しん「幼稚園のみんなに一羽づつ折るように頼だんだゾ!
   これでステラお姉さんの病気も治るから、だから暗い顔しちゃダメだぞ!!」
シン「しんちゃん…ぅぅぅ…(涙」
 
 シンはその鶴の束を受け取ると、また大粒の涙を流した…
 彼は大切なモノを気づかされたようだった…
 
 
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