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Seed-Crayon_5-660_3

Last-modified: 2008-06-30 (月) 20:12:30

さらば愛しき人よ!だゾ・その3
 
シン  「お〜いしんちゃ〜ん!…まったく!
     早くこの戦艦を出てオーブに行かなくちゃいけないのに、どこに行ったんだ?…
     あっ、あんたは…」
ミリィ 「あら?あなたは…あの子のお兄さんだっけ?」
シン  「しんちゃ、いやしんのすけを食堂に連れて行ったのはミリ…じゃない君だよな?
     弟がどこに居るか知らないか?食堂に居ないみたいなんだ」
ミリィ 「ああ、あの子なら…」
 
しん  「ねえ、牢屋に入っていて楽しい?」
ディアッカ「楽しいわきゃねえだろ」
しん  「チャーハン作るのが得意なんでしょ?おら食べてみたいゾ」
ディアッカ「なんでお前が俺の得意技を知ってんだよ。つーか俺拘束具付けさせられているの。
      チャーハンなんか作れるわけねえだろ」
しん  「でも、ディアッカお兄さんはミリィおねいさんが好きなんだよね」
ディアッカ「ミリィ?…ああ、俺を刺そうとしたナチュラルの女か?ま、まあ嫌いじゃないか、な?」
しん  「またまたあ〜、隠してもバレバレだゾ〜〜?」
ディアッカ「あ、やッぱ分かっちまうか?実は俺、ああいうキツイ性格の女が結講ツボなんだよな〜〜えへへへへ…」
しん  「お兄さんも好きだねえ、えへへへへ……」
 
ミリィ 「あの子がザフトの捕虜にどうしても会いたいって言うもんだから…
     しんのすけとディアッカを閉じ込めてみた。
シン  「うっ!そのセリフ、どっかで聞いた事があるような…ないような!」
 
          *          *          *
 
ムウ  「あの坊主達、行っちまったのか?」
マリュー「ええ。元々テスト飛行中に偶然あの場に出くわしたって言ってたから…
     一足先にオーブに戻りたいって言ってたわ。
     それに…アークエンジェルがオーブにまた受け入れてもらえるっていう保証もないし。
     スパイの類ってわけでもないみたいだったから許可したわ。
     それにしても……シンタロー君、気になる事を言っていたわね」
ムウ  「ザフトは残った地上戦力をまとめ上げて、間もなく連合のパナマ基地を攻める。
     その後連合はオーブに攻めて来る…っていうアレか?まさか」
マリュー「ザフトが死力を尽くしてパナマを攻めるとしたら…狙いは何かしら?少佐はどう思います?」
ムウ  「そうだなあ…パナマにはマスドライバーがある。
     ザフトがそれを抑えれば連合は宇宙に地上戦力を送り込めない。
     そういう事なら何とかつじつまが合うが、な」
マリュー「ではオーブの方は…?」
ムウ  「おいおい、オーブは政治的にも軍事的にも中立だぜ?
     連合がオーブを攻めても大義名分が立たないし、世論の反発もかなりのものになる。
     連合によほどイカレた奴でもいない限り、そんな馬鹿な事をするヤツは…」
 
 
 居た。その『イカレた奴』が連合に…その名はブルーコスモス代表、ムルタ・アズラエル。
 彼は今まさにオーブ攻略作戦を立案しつつあった。オーブもムウ達もそれを知らない…なんとも危ない状況にあった。
 
          *          *          *
 
 シンとしんのすけがアークエンジェルを離れて2時間後…2人は密かにオーブに上陸し、オノゴロ島のはずれの原生林である作業をしていた。
 
しん  「シン兄ちゃ〜ん、こっちはこれでいい?」
シン  「ああ上出来だ、しんちゃん!
     しかし…デスティニーの股間にMSサイズののミラージュコロイド毛布が内臓されてるとはびっくりしたな。
     もしかしてコレ、イザークさんとロウさんの共同開発なのか…?」
しん  「…よっと。でも何かあっさりオーブに入れたね?いっぱいお船とかヒコーキとかいたのに」
シン  「おいおい、俺は子供の時からずっとオーブに住んでいるんだよ?
     それに一度はオーブを攻める側に廻ったことがあるしな。
     オーブの防衛網の薄い処は分かっているのさ。後はデスティニーをミラコロ毛布で包めば…」
しん  「お〜お〜…見ている分にはひどく間抜けだけどね。毛布を被ったロボットって」
シン  「…いいんだよ。見えていないんだから」
しん  「それと、ここにデスティニーを置いておいて大丈夫なの?誰かに見つかるとかそういうのは…?」
シン  「ここさ…俺が子供の頃、友達や妹と秘密基地を作ったりしてた場所なんだよ。
     大人も他の子供もあんまり来ない秘密の場所でさ……大丈夫、バレやしないよ」
しん  「秘密基地!おお〜、かすかべ防衛隊をシン兄ちゃんもしていたの?」
シン  「ん?まあそんな所かな。自分で言うのもなんだけど懐かしいな…もう何十年も前の話みたいだ」
 
しん  「で?これからどうすんの?」
シン  「しんちゃんにオーブを案内してあげたいけど…その前に俺、どうしても行きたい所があるんだ」
しん  「行きたい所ってどこ?」
シン  「………俺の、家」
 
          *          *          *
 
〜オーブ住宅地〜
シン  「懐かしいなあ。この辺りの風景は全然変わっていない…当然と言えば当然だけど」
しん  「あまり春日部と変わらないね。あっシン兄ちゃん、あれ!」
シン  「ん?ゲッ!!しんちゃん隠れろ!」
 
 
シン(14歳)「ほらマユ、もたもたすんなよ。学校に遅刻するだろ?」
マユ  「くしゅん!ご、ごめんお兄ちゃん。待ってよう〜……くしゅん!」
 
 
しん  「おお〜…シン兄ちゃんがもう一人いるゾ。あの女の子は誰?」
シン  「マユだ…俺の妹の…幻じゃない。生きているんだ…
     分かってはいたけどやっぱり俺達、過去の世界に来たんだ」
しん  「シン兄ちゃん。マユちゃんに声かけなくていいの?」
シン  「いや。俺同士が鉢合わせしたらどうなるか分からないし…それに、一目見れただけで…充分だよ」
しん  「シン兄ちゃん……」
 
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
 
しん  「ねえシン兄ちゃん。まだここにいるの?」
シン  「…え?ああ、ごめんごめん…俺の家の前でついもの思いにふけっちゃった…
     そろそろ行こうか?しんちゃん」
 
マユ  「あれ?お兄ちゃん…?」
シン  「っ!マ、マユ?お、お前…その、学校に行ったんじゃあ……!」
マユ  「うん。学校には行ったんだけど熱っぽかったんで早退させてもらったんだ。
     お兄ちゃんこそ学校はどうしたの…?」
シン  「えっ!お、俺は、そのあの」
マユ  「あれ…?何かお兄ちゃん…すごく大人っぽく見えるよ?どう…して…だろ…(バタッ)」
シン  「マ、マユ?!…うっひどい熱だ…
     しんちゃん!玄関の植木の下に家のカギがあるからドアを開けてくれ!俺はマユを部屋に運ぶ!」
しん  「ブ、ブ・ラジャー!おらにおまかせだゾ!」
 
          *          *          *
 
マユ  「う…ん…?」
シン  「マユ。気が付いたか…?」
マユ  「お兄ちゃん…学校は休んだの……?」
シン  「ああ。大事な妹がこんなに熱出して寝込んでいるんだ…今日はずっとマユのそばにいてやるよ」
マユ  「大事な妹って…変だなあ。お兄ちゃん、いつもマユをじゃまっけにしているのに」
シン  「…だから今日だけはマユに優しくしてやるよ。だからゆっくり休んで早く風邪を治せ」
マユ  「うん…でもマユの手だけは握っていてね?離したら…ダメ…だよ……すう…すう……」
 
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
 
しん  「マユちゃん寝ちゃった?」
シン  「……」
しん  「シン兄ちゃん?」
シン  「…思い出したんだ。今日だったんだな…
     あの日、俺は学校が終った後、友達にカラオケに誘われて、バカみたいに歌いまくったんだ。
     何時間も延長して、帰ってきたのは夜も遅くだった。
     ……マユがこんなに苦しんでいたのに俺は…俺は何てバカな兄貴だったんだ……クソッ!
しん  「まあまあ、オラもひまと言う妹がおりますが、妹のお世話はけっこう大変だゾ?
     それくらい誰にでもあるって」
シン  「はは…ありがとう、しんちゃん。……俺決めたよ」
しん  「ん?何を決めたの?」
シン  「俺が、父さんを…母さんを…そしてマユを、家族を今度こそ守ってみせる!
     もうすぐ地球連合が攻めて来るハズだ。その時に俺がデスティニーできっと!」
しん  「シン兄ちゃん!一人だけじゃダメだゾ!オラも手伝う!」
シン  「しんちゃん……ようし!2人でやろう!
     誰も気が付かない所で、誰も知らない歴史を変えるんだ!」
しん  「よ〜し!かすかべ防衛隊、ファイアー!
シン  「ファイアー!
 
 
 ―この2日後、ザフト軍のパナマ攻略戦が開始された。
  あらゆる電子機器を狂わせるザフトの特殊兵器「グングニール」の投入によって、
  パナマ基地はザフトの手に落ちる事になる。
  ……オーブに戦乱の嵐が否応なく訪れようとしていた。
  果たして、シンとしんのすけは未来を変える事ができるのだろうか?―
 
 
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