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Seed-Crayon_6-434_2

Last-modified: 2008-07-11 (金) 18:27:47

レイナ剣狼伝説再び!だゾ
【後編】

 

審判  「それでは……かすかべ高校の福将、並びにおおみや高校の先鋒、両選手前へ!」
レイナ 「はい!」
敵先鋒 「うス!」

 
 

しん  「いよいよだゾ…!」
シャニ 「あの女がただ見栄えがいいだけの、期待はずれじゃなきゃいいがな……」
キラ  「それにしてもいいなあレイナさんって……面を付けていても、物腰だけで優雅な気品を感じるよ。
     ああ、カメラを持ってくれば良かった……」
ラクス (キラ……帰ったらお仕置きですわ……)
オルガ 「おめーら!静かにしろよ。始まるぜ……」

 
 

審判  「始め!」
敵先鋒 「てええ…ぐッ?!」

 

 パーン!

 

 試合は1瞬で終わった。レイナの目にも止まらない逆胴が、相手の脇の下を的確に撃ったのだ。
 一切の無駄がない、精錬され尽くされた動き。それはただ一言「美しい」としか言いようがなかった。

 

審判  「い、1本!そこまでッ!」
レイナ 「まずは…1人抜き、ですね」

 

ルナ  「す、すごい。今の動き、全然見えなかった……」
七瀬  「当然、でしょうね。私にはこういう結果になるって確信していました……あの構えを見たその時に」 
ステラ 「構え?」
カガリ 「なんの変哲もない、ふつーの構えだったと思うが?」

 

七瀬  「あれは…そんな生易しいものじゃありません。レイナさんの構えは全ての筋肉が弛緩し、休息しいる状態なんです。
     でもそれは、一瞬にして緊張し恐るべき跳躍と攻撃を可能にする……言うなれば『野獣の構え』」
ルナ  「野獣……」
七瀬  「静から動へ。動から静へ……
     真剣勝負の場で、あれほど自然に剣の極意ともいえる動きが出きるなんて。
     ルナマリアさん。彼女、何者なんです?
     道場の練習だけじゃ何万回練習してもあんな動き、絶対に出来ません……!」
ルナ  「さ、さあ?私に聞かれても」
カガリ 「もしかしてあいつ、殺し合いの経験でもあるのか……?い、いやまさかな……」

 

          *          *          *

 

 そして……以後の試合はレイナの独壇場になった。
 相手の先鋒に続き、次鋒、中堅・・・・と次々に撃破していったのだ。
 一合も竹刀を交えず、すべてただ一撃で試合を決めている。それはまさに狼のごとき剣であった。

 
 

審判  「両選手、前へ!」
敵副将 「くっ!飛び入りに3人抜きされるなんて……何としても私がここで止める!」
レイナ 「後ひとり、ですね。それではお手合わせ願いましょう」

 

審判  「始め!」
レイナ 「っ?あらあら……」

 

 試合開始の掛け声と同時に、相手はレイナの方を向いたまま大きく後ろに跳んだ。
 そしてしきりにフェイントをかけながら、レイナの出方を見ている。

 

オルガ 「なるほど。前の3人のように無闇につっ込んでいったら、即座に撃ち込まれると感じたんだろうな」
キラ  「だからレイナさんの出方を見極めようと距離を取った……なかなか考えてはいる、ね」
しん  「大丈夫かなあ。レイナおねいさん、負けたりしないよね?」
シャニ 「心配いらないだろ。ほら……見ろよ」

 

 レイナは剣を下ろすと、相手に向かって無造作に歩き出した。
 あまりにも自然なごくごく普通の歩み。だがそれは恐るべき極意だった……何故なら……

 

七瀬  「相手が気が付いた時にはもう……レイナさんは一足一見の間合いに入っている……」
カガリ 「え?」

 

敵副将 「あッ…!」
レイナ 「隙あり、ですわ♪……お面ッ!」

 

 パーーーーン!

 

 レイナの竹刀が、相手の面を唐竹割に捉えた!
 あわれ、相手選手はレイナの打ち込みのあまりの凄まじさに気絶してしまったのだった。

 

ルナ  「……凄い……」
レイナ 「ふう……これで4人抜き、ですわね♪」

 
 

審判  「おおみや高校大将、前へ!それでは次の試合を」
レイナ 「審判、私はこれまでですわ。……棄権いたします。それでは」
審判  「え?あ、あの…」

 
 

七瀬  「レ、レイナさん……どうして棄権なんて。あなたの実力なら次も勝てるはず……」
レイナ 「七瀬さん。私は、いえ私達はあなたをこの舞台に引き上げる為に来ました。
     私達の仕事は終わりましたわ……後はあなたの力で、優勝を決めてください」
七瀬  「あ……うん。そうか、そうですね……それじゃあ私、行ってきます!」

 

レイナ 「ご武運を」
ルナ  「大将!頑張って!」
ステラ 「……がんば♪」
カガリ 「ここで負けたら承知しないからな!」

 

七瀬  「……はい!かすかべ高校女子剣道部大将、草加七瀬……行きます!

 

          *          *          *

 

シン  「よ、レイお疲れ」
レイナ 「まったく……寿命が縮むかと思いましたわ」
シン  「レ、レイ。言葉使いが女のままだ」
レイ  「あ、そうですわね……ふう。寿命が縮むかと思ったぞ」

 

シン  「さすがだな。剣の腕前といい、女装の見事さといい、レイが男だとは誰も気付く奴はいないだろうな……
     でもいいのか?大将戦を見ないでこっそり抜け出してきちゃってさ?」
レイ  「大丈夫だろ。彼女は強い……必ず勝てるさ。
     それにあの場にいたら抜け出せなくなるだろ?いいのさ、これで」
シン  「そうか……ん?」
レイ  「むっ!まずい!シン、後は頼む!」 ←物陰に隠れた

 

しん  「シン兄ちゃーん!はあはあ……レイナおねいさんがこっち来なかった?!」
シン  「え?あ、ああ来たといえば、まあ来たけど……」
キラ  「どこへ行ったのか教えてくれシン君!是非とも彼女の写真を一枚撮りたいんだッ!」
シン  「えっと……その、もう帰らなければいけないって出口の方に」
しん  「ありがとシン兄ちゃん!出発おしんこ〜〜!」
キラ  「フリーダーァァム!」

 
 

シン  「……行ちゃった。すまない、しんちゃん……嘘ついてしまって」
レイ  「ふう……さっさと着替えて帰るか。俺はもう2度と女装なんかしないぞ……

 

     絶対、絶対に、だ!」

 
 

 だが悲しいかな、レイの決意は長くは続かない……そういう運命にあるのだった。

 

          *          *          *

 

 〜そして後日。あ〜くえんじぇる☆にて〜

 

しん  「ふう……オラに挨拶もなしで帰ちゃうなんて、お水臭すぎるぞ。レイナおねいさんってば……」
シン  「まあまあ。議長も言ってたじゃないか。急な用事ですぐに帰らなきゃいけなかったんだって、さ」
しん  「そりゃそうだけど……」

 

シャニ 「まあ……結果的に団体戦に優勝できたし、七瀬も喜んでたから俺としては文句はねえがな」
キラ  「でもせめて、写真の一枚くらいは撮りたかったなあ……はあ〜〜…」
レイ  「諦めろキラ・ヤマト。所詮その子とお前は縁がなかった…それだけだ」

 

ムウ  「そんなに凄かったのか、その子。俺も仕事がなかったら試合を見に行ったんだがなあ」
レイ  (……来られてたまるか。貴方相手じゃ、さすがに正体がバレてしまう)
ステラ 「あ、そうだ…七瀬さんからみんなにって預かった物があるの…これ」
しん  「何それ…DVDのディスク?」
キラ  「正確にはDVD−Rだね。何かの映像でも入ってるの?これ」
ステラ 「うん。この間の大会の、全ての試合の記録映像だって」

 
 

レイ  「ブーーーーーーッ!」 ←コーヒー噴きだした
シン  「うわッ汚ったねえ!」

 
 

キラ  「全て……と言う事は、レイナさんの試合も?!ムウさん!さっそくコレ、再生して見てみましょう!」
しん  「はやくはやく!」
ムウ  「任せておけ!DVDプレイヤーは……あった!それじゃさっそく再生してみるぞ……?」
シン  「あ、あのみんな……ちょっと」

 

しん  「おお〜〜!レイナおねいさんが映ってるゾ〜〜!」
キラ  「しかもこんなに鮮明な画像で……フリーダーームッ!
ムウ  「ほう、こりゃ確かに可愛いな」 ←さすがに映像からではムウの直感は働かない
クロト 「な、なあ。これコピー取れねえか?出来れば自分用に一枚ほしいんだが……」
しん  「あ!それならおらも!おらも一枚ほしいゾ!」
ムウ  「別にプロテクトが付いてるわけじゃないからな、大丈夫だろ。
     よしキラ!さっそくDVD−Rを大量に買い込んでこい!」
キラ  「ブ・ラジャー!キラ・ヤマト、物資調達のため春日部市内に向かいますッ!」

 
 

その場の男共一同 「健闘をいのるッ!ビシッ!」 ←全員キラに対して敬礼

 
 

シン  「レ、レイ。あの…その……」
レイ  「言うなシン。
     やるんじゃなかった……もう俺達が忘れればいいって、そういう問題じゃなくなってしまったようだ………」

 

シン、レイ「「はあ〜」」 ←深ぁぁぁぁぁい溜息

 
 

 その後……レイナの試合映像は、コピーにコピーを重ね、春日部中にバラまかれた。
 そしてレイナ・デュランダルは最早、噂だけの伝説ではなくなった。文字通り生けるレジェンドと化したのだ……
 本人の意思に反して。

 
 

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