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Seed-OO_◆ld4xh1oLN2氏_第03話

Last-modified: 2008-01-02 (水) 19:49:03

第3話 変わる炒飯

 

俺たちの初任務は、ソレスタルビーイングのサポートだった。
セイロン島で多数派のシンハラ人たちの本拠地を叩くという任務だ。
大兵力で最新装備を有する人革連の方は、ソレスタルビーイングが叩くらしい。

 

「まもなく目的地に着きます。目的地に到着しましたら、
支援砲撃を1分行った後にMS射出します。」

 

MSで待機していた俺たちにオペレーターのダコスタが話しかけてきた。

 

「フン。つまらん作戦だ。弱い者達をいたぶるのはオレの趣味じゃないんだがな。」
イザークが毒づく。

 

「フェイズシフト装甲といえども、高出力の攻撃を連続して受けるのは危険ですから、
十分に気をつけてください。」

 

「分かってるって。油断は禁物って事だろ?」
俺はダコスタの注意を聞きながら、柄にもなく緊張していた。
何しろ、この世界のMSがどんな性能でどんな武装を持っているのか、
データでは知らされているが、感覚としてはまだ分からない。
そう、ちょうどあの時・・・バスターを奪った時の気持ちに似ていた。

 

程なくしてレセップスは作戦目的地に着いた。
そこは無数のトーチカが並び、幾重にも防壁が張り巡らされ、要塞と呼ぶにふさわしいものだった。

 

先制攻撃!
敵がこちらをはかりかねているわずかなスキにつけ込み、砲撃を開始する。
被弾したあちらこちらの施設から煙と炎が立ち上る。

 

「では、デュエルどうぞ」
「イザーク・ジュール、デュエル行くぞ!」
先陣を切るのはいつもイザークの役目だ。

 

「では、バスターどうぞ」
「あいよ。ディアッカ、バスター出るぜ」
いつもの調子で答えたものの、俺はうっすらと手に汗をかいていた。

 

俺たちが射出されたと同時に、敵MSも迎撃のためにぞろぞろと出てきた。

 
 

俺たちの前にわらわらと現れたのは”アンフ”というMSだった。
数こそ多いものの、かなり鈍重で、いい的にしかならない。
おまけに、少しのダメージで機関部に引火して大破するというお粗末なものだった。
連合のメビウスでももう少し手ごたえはあっただろう。

 

草を刈り取るようにイザークがライフルを撃ち、ミサイルを放ち、レールガンを撃つ。
すると敵は炎を上げて吹き飛ぶ。

 

俺もバスターの連結砲を組み立て、対装甲散弾砲で敵MSを散弾でまとめて吹き飛ばす。

 

「・・・つまらん。つまらんぞ!」
イザークが感じていたいらだちは俺も感じていた。
一方的にただ蹂躙するだけの戦闘。これは戦闘行為ではなくて一方的な虐殺だ。

 

「だけどさ、今こいつらを叩かなきゃ、誰かが死ぬことになる。だろ?」
「うるさい!!そんなことはお前に言われなくても分かっている!!」

 

戦闘開始から10分ほどで要塞は沈黙した。
煙とMSだった残骸と建物の瓦礫がそこに満ちていた。

 

俺たちはいまさらながら、”ガンダム”の力を見せられた。

 

と、その時レーダーに1個小隊の反応が現れた。
識別コードから判断すると人革連のMSの様だ。

 

要塞が攻撃されていることを知って、自分たちの友軍が攻撃していると思ってこちらの攻撃に来たんだろう。

 

「お客さんが来たみたいだぜ、イザーク。」
「フン、少しは骨のある奴らだといいがな。」
「それじゃ、ご挨拶といきましょうかね。」

 

俺は連結砲を組み立て、超高インパルス長射程狙撃ライフルで敵の中心を狙い撃つ。
高出力のビームが敵MSを次々に貫く。
どこから攻撃されたのかも分からず、敵はあわてて散開する。
そこをイザークが切り込んで1機づつしとめる。
これが俺たちのいつものパターンだった。
そして、今日もそれは見事に決まった。

 
 

ティエレン1個小隊を沈黙させ、いよいよ俺たちのミッションも終了かと思われたその時、
謎のMSが俺たちの前に現れた。
その機体はこちらのデータにはなく、オレンジ色を基調としたデザインだった。
そう、あとで知ったのだが、ソレスタルビーイングの4機のガンダムの1つ、
キュリオスだとこのときは分からなかった。

 

俺もイザークも初めて見るデータにない機体にとまどった。
果たして敵なのか、味方なのか。
それは相手も同様のようだ。
こちらの様子を注意深く見守っている。

 

先に仕掛けたのはイザークだった。
「ええい、このまま戦場でにらめっこしていられるか!!」
「お、おい、待てよイザーク!アイツが味方だったらどうするんだよ!」
「だとしたらちょっと実力を試してやるだけだ!」
相変わらずむちゃくちゃなヤツだ。

 

イザークがビームライフルを連射するが、相手は物理法則を無視したかのような不条理な動きでかわす。
「なんて機動性だ!あんなMS見たことないぜ!」
俺はイザークを援護することも忘れてその動きに見入ってしまった。

 

今度は相手が撃ち返す。
ヤツの手持ち武器はビームマシンガンの様で、連射性は高いが威力は弱いように見える。
当然、イザークはこれを難なくシールドで防いだ。

 

「こざかしい奴め!!」
イザークはミサイルポッドのミサイルを全弾発射する。
当然、相手はそれをシールドで受け止めた。
しかし、ヤツがシールドを構えたスキをとらえて、デュエルが一気に間合いを詰める。
イザークはビームサーベルを抜いて斬りかかった。

 

「よっし!」
これは当然防げないだろうと、俺もイザークも思っていた。
しかし、完全に回避の間に合わないタイミングだったにも関わらず、
ヤツは真横に水平移動してかわした。
そのスピードと動き方は完全にMSのものではない。

 

その動きに驚く俺たちを前に、ヤツは飛行形態に変形し、戦場を離脱し、やがて見えなくなった。

 
 

作戦終了後、レセップスに収容された俺たちは、さっきのMSに衝撃を受けていた。
ダコスタがあの機体のことを説明してくれたものの、釈然としない思いだった。
それはイザークも同様だった。
「GN粒子か・・あの機動性は。」

 

「ああ、そして、あれが4つのガンダムの1つって訳だ。」

 

今回のことは、お互いにデータがなかったために起きたニアミスということで、上の方では処理されたようだ。
当然イザークの行動に注意勧告はあったが、罰則を適用されると言うことはなかった。

 

今後は俺たちの機体にも彼らの使っている暗号通信チャンネルが追加され、
通信をとることが出来るようになるそうだ。

 

今回のミッションはあまりに手応えのないものだった。
しかし、まだまだ世界は広い。
次のミッションに備えて、今日も俺は中華鍋をふるう。

 

「だーかーら、俺は中華屋じゃないって。
ラーメンはやってません。炒飯だけです。
・・・あ、ガチャ切りしやがった。やれやれ。」