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Sin-Meer_番外編―正月―

Last-modified: 2008-01-10 (木) 20:58:53

番外編2
PHASE☆― 正月

 

#1

「はい、皆さんあけましておめでとうございます。シン・アスカです。」
「シン…もう二日になってるんだけど…大丈夫?」
「ミーア…気にするな。レイは気にしてない。」
「今は居ないでしょ。レイ。ところで、お正月って何するの?ていうか、ストーブの上で何焼いてるの?」

 シンがストーブで何かを焼いてる。白くて四角くて、黒い包み紙みたいなのがついた物。

「あぁ、これ餅だよ餅。」

 餅……?聞いた事はあるけど、これがそうなんだ…。

「何か膨れてきてる…。」
「あぁ、そろそろ焼けるな…。」

 餅をお皿に取り分けて、頷きながら自画自賛してる。端から見たら変な人だよ?
 それに、包み紙(?)ついたままだし。

「…………何か?」

 ずっと見ている私が嫌なのか、シンが半眼で私を見てくる。

「あ…包み紙ついたままなのに食べるのかな?って」

 それを聞いたシンが少し笑いを堪えた様な声で、

「違うよミーア。これは海苔。包み紙とかじゃなくて、これも食べ物だよ。ほら、漫画とかのおにぎりについてるアレ。」
「へー……オーブって、変な食べ物たくさんあるのね。」
「変…か?まだまだこんなもんじゃないんだけどな。他にも、お節料理とか…」
「お…お世辞料理?」
「お節な?お・せ・ち。」
「ほう…何か香ばしい匂いがしたと思ったら、餅を焼いてるのか?」

 あ、アスハ代表。この人もオーブの人…かぁ。

「はい。でもあげませんよ。アンタには絶対に。」
「何!?久しぶりに餅が食えると思っていたのに…」
「シッシッ…向こう逝って下さいよ。」
「お前…漢字違う…焼きすぎて失敗しろ!!この馬鹿!!」
「アスハ代表…何がしたかったの?」
「……分かんね。」

 逃げる様に走って逝っ…じゃなくて行ったアスハ代表の背中を見ながら、シンは黙々とお餅を食べている。

 

#2

「シン、お正月って他にはどんな事するの?」
「うん?あぁ…そうだな、お年玉とか貰えるよ。親とか親戚の人から。」
「ふーん?それって、議長とかもくれるのかしら?」
「議長に言ってみたら?」

「お年玉…かね?」
「はい♪下さい。」

 議長が何故か嫌そうな顔で私を見ている。ひょっとして、何か悪い事しちゃったのかしら?

「あ…あぁ、これで…」
「……MGボール…。」
「これがお年玉だよ。シンに聞かなかったのかね?」

 そう言いながら、議長は私に目を合わせようとしない。何か引っ掛かるけど、まぁいいかな?

「シンめ…余計な事を……後で減俸してやる。しかし…あんなもので騙されるとは…まだまだ青いな、ミーア。」

 

「……お年玉って、貰ってもあんまり嬉しくないね。」
「いや、それお年玉違うから。明らかに議長に騙されてるから。なんだ、ボールって?馬鹿でも騙され………あ、ごめん。」
「何で謝るの?謝る事なんて…謝る事……うう…」

 何だか泣けてきた。まさか議長がこんなにもケチだったなんて…でもMGのプラモデルくれるあたりが微妙。

「議長に騙されたんだね?私」
「騙すもなにも、議長だって知らないんじゃないか?オーブのマニアック文化なんか。」
「いいえ!!議長の陰謀よ!!!!」
「まぁ、それでどうなるもんじゃないんだけどな。」

 シンが呆れた様にそう言う。

「ところで、本来は何が貰えるの?」
「お金を貰えるよ。ただ、何度も言うけど………って、話は最後まで聞けぇ!!!!」

 シンが私の襟首を掴む。思わず首が締まると思う程の力で。

「何をするの!?死んだらどうするのよ!!」
「大丈夫!!馬鹿は死なないさ!!」

「生まれてきてごめんなさい…………」

 とりあえずシンは倒したわ。さて、議長に本当のお年玉を貰いに行くわよ!!

 

#3

「議長!!」
「ふふふ…遂に来たかね。ラクス」

 議長と私が居るのは、ザフト軍基地のグラウンド。

「お姉ちゃん…あの、どうして議長とラクス様はRPGのラスボスと主人公みたいな会話をしてるの?」
「それはね、メイリン。話を書き始めてみたけど、思ったよりネタが無くて無理矢理終わらせようとする書き手g―――」
「そういう事言わないでお姉ちゃん!?私も薄々気付いてたけど!!」

 ルナさんとメイリンさんはこの際無視して、話を続行。

「本当のお年玉を貰う為に…今こそ議長!!あなたをこの羽根つきで討ちます!!!!」
「“プラントの羽根つきの彗星”と呼ばれた私に羽根つきで勝負を挑むとはね…いいだろう。望み通り、完膚無き迄に叩きのめしてやろう!!」

 

試合の結果
ミーア10―0議長

 

「試合が省略されてる!?ていうか議長弱っ!!」
「議長の顔が、墨で大変な事になってるよお姉ちゃん!!」
「ぐふっ…この私が……羽根つきで敗れるとは…。あ、目に墨が入っ……痛たたた!!」
「さぁ、約束通りお年玉を下さい!!」

 勝負に買った。後は、お年玉さえ貰えば…。

「良いだろう…タリアの息子には三万やったが、君には五十円………」
「少なっ!?」
「だって君、アイドルとして活躍してるし、お金に困ってなんかいないだろう。」

 真っ黒な顔で議長がそう言う。
 言われてみれば、別に貰わなくても困らないんだった。

「……お姉ちゃん…ラクス様が固まっちゃったよ?」
「そうね。そしてようやく気付いたのよ!争いは何も産み出さないと!!」
「お…お姉ちゃん?」

「なぁ、レイ……。」
「どうしたんだ?シン」
「プラントにまともな人って、あんまり居ないよな?」
「………?」

 シンが何を言いたいのかは分からないが、シン…議長を信じろ。そうすれば、お前の望む世界はきっと実現……。

「レイ。羽根つきに付き合ってくれたまえ」
「お断りします。」

 しそうにない……俺もザフトを辞めようか迷った。そんな一日だった。

 

PHASE☆―END