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X-Seed◆EDNw4MHoHg氏 特別篇

Last-modified: 2007-11-11 (日) 14:04:12

ガロードinDESTINY特別篇
アナザーノイマン航海日誌「不沈艦の沈む時」

序章〜
ジブラルタルでアークエンジェルからミネルバに乗り換えたティファは、テクスの勧めもあって部屋に籠ることを控え、
テクスの手伝いをしたり、可能な限り食堂で食事をしたりするようにしていた。

ただ、ガロードはこの世界に来てからというものの、色々と思うところがあったのだろうか、
シン・アスカの特訓に、レイ・ザ・バレルとともに付き合うことが多くなってきており、
ティファにとってはやや心寂しい日々が続いていた。
そして彼女は、同じような状況になったことがあることをふと思い出す。
それは自分達の世界でフラッシュシステムを操ったアベル・バウアーとガロード達が戦ったときのことである。
その時彼女は、ガロードに自分を見て欲しいと願い、離れつつあるようにも感じられた心はまた近付いたのだが、
この世界に来て、再びその距離が離れつつあるのではないかと感じ始めていた。

ティファがそんな想いを抱いている中、ミネルバはヘブンズベースに向けて航行していたが、
そのティファは、自分と同じようにいつも食堂の片隅で静かに食事をしているある女性クルーと触れ合うようになっていた。
人付き合いが決して得意でないティファにとっては、この静かな女性とはどこか波長があったのかもしれない。
そして、最初は目があったら会釈をする程度だったのだが、徐々にではあるが、自分たちの話をするようになっていた。

「男というのは女が気を許すとそれまで優しくても、途端に冷たくなったりするものですからね…」
「でも…前も同じようなことになったんですけどガロードは優しい人のままでした…」

結局、このときは、ヘブンズベースでガロードやティファの前に再び現れた、
ネオ・ロアノークが命を懸けて駆ったラスヴェートとの戦いにティファがその力を貸したことによって、
結果的には、ガロードとティファの関係は良好なものに戻っていた。

「そう、よかったわね」
「…はい」
「でもまた同じようなことをしたら今度はそんな簡単に許しちゃダメですよ?
 同じ過ちを3回も繰り返すような男には制裁が必要です。その時は私に言ってください?約束ですよ」
「…はい」

このとき、実はティファを寂しがらせていたという過ちをガロードが繰り返していたことは有耶無耶になっていた。
しかし、この過ちは三度繰り返されることになるとは誰一人予想していなかった。
ただ1人の女性を除いて。


ノイマン航海日誌●月○日
俺達はユウナ・ロマ・セイランを連れられて、メサイア宙域でミネルバの面々を回収し、オーブに戻ってきていた。

結局、あのピンクとテロニストと不愉快な仲間達によってデュランダルのオッサンは倒され、レイの奴も命を落とす結果となった。

そしてアスランはシンにやられたらしい。結局あいつはニートしか信じることができなかったようだ。
正直な話、あいつが裏切ったと聞いたときはやっぱりな、というのが正直なところだった。
やっぱり、今、仲間に銃口を向ける、というのはいただけない。
まあ、あいつにとっての「仲間」があのニートだけだったとすれば、話は変わってくるが。
とはいえ、死んじまった奴の悪口を言ってもしょうがない。よっぽどの極悪人でなきゃ死んじまったらみんな仏さんだ。

だが、シンにとってはまた大事な人間をあのニートに殺される結果になっちまったようだ。
家族、守ると約束した相手、戦場を駆け抜けた戦友(とも)
…そんなに悲しい想いをしながら、あいつは再び戦うことができるのだろうか?
まあいくら悲しみに打ちひしがれたからといって、親や親友の敵に屈服するなんてことはありえないだろうがな。
そんなことが起きるだなんて考えてるのは、よっぽどの世間知らずか、正常な判断能力というか、
是非弁別能力いや事理弁識能力すら欠く常況にある奴が作った世界くらいだろうな。
まあそんなありえない世界の話をしてもしょうがないが、
レイの奴の最期の言葉はきっとシンを蘇らせてくれるだろう。

そんな中、子供をプラントに残しているため今後はどう動けるかわからない我らがアークエンジェルの有能な方の艦長、
キシリ…じゃなかったグラディス艦長からあることを頼まれた。

「ノイマン、チャンドラ、あなた達はこれまで2度の大戦を生き抜いてきたわ。だからあなた達に頼みたいことがあるの」

ほほう、艦長自ら頼みごととは珍しい。いいでしょう、お聞きしましょう。

「アーサーを立派な艦長にしてあげてちょうだい。私が伝えられることは全て伝えたつもりだけど、
 艦長を支えるブリッジクルーの意見や経験はいい艦長の上を目指すには必要だから…」

…わかりました。任しておいてください!

といって安請け合いしたものの、実はトライン副長はかなり優秀な人物だ。
軍人としての能力は、本来の配属艦ではないアークエンジェルで遺憾なく副長として、CICとして、
その能力を遺憾なく発揮していることから極めて高いし、リアクションは下手な芸人より面白いし、艦内の男クルーからの信頼もある…
俺がバレルロールさせてから指示を出す、結婚適齢期に男を亡くして心を病んだ末に宗教に走ったどこぞの艦長なんかと比べれば、
今でも十分いい艦長以上になれるとは思うんだが、奴に足りないものは何だろうか…

「女性クルーからの信頼だろ」というのは俺の相方、チャンドラの弁。
…やっぱりそれか。さすがにエロゲばっかりやって、リアルの女とほとんど接していないというのはいただけないな。
さてどうしたものか……………

そうだ、合コンやろう

「京都に行くみたいに言うなよ」

ほっとけ!今、艦内の(ミネルバから来た)クルーは、カルト教団のテロで国を失って沈んでるんだ。
その嫌な空気を少しでも和らげるためにすることといったら合コンだろうが!

という訳で、まずはアークエンジェルにもいたクルーの伝手で、手頃にミネルバのクルーと合コンをすることにして副長を誘いに行く。

「フォンドゥヴァオゥ!合コンでありますか!」
そうだ、合コンだ。さっさと支度しろ。
お前が知らないリアル女を手っ取り早く学ぶためには合コンが一番だ。エロゲテクなんて使えないから覚悟しておけよ。
「あ、ありがとうございます!一生ついて行きます!」
いや、ついてこなくていいよ。男なんかについてこられても微塵にも嬉しくねえ。

という訳で、俺、チャンドラとトライン副長とで合コンに行くことになった。
本当は、ガロードの知り合いのロン毛君も一緒に連れて行こうと思ったんだが、
フリーデンに女がいるらしく、結局3対3の合コンになってしまった。

んー…本当なら初心者がいるときは4対4くらいの方がいいんだが…
経験上、3対3の場合、上手く行けば成功率は高まるんだが、逆に外ればっかりだったり、話が合うのがゼロということもある。
だが、4人いれば大体誰か1人くらいは話があう奴がいるからな…といってももう遅いか。

そんなこんなで合コンが始まった。
相手の3人は、ミネルバのオペ子ちゃんアビー・ウィンザーと看護兵の2人。3人ともなかなかの上玉だ。
ラッキー、どうやら外れはいなかったようだ。
ほら、副長話を振れ!リアルの女と話すことを恐れるな!
相手も人間、こっちも人間、失敗したってそれが貴様の糧となる。

「わ、話題が…」

ええい!テレビとかの当たり障りのない話から振ればいいだろうが!

「あ、アニメなら分かるんですけど!」

ちょwwwおまwwwww合コンで最も危険な話題だぞ、そりゃ!せめてドラマやワイドショーくらい見ておけ!まあしょうがない。
こういうときは、さりげなく、「そういえばこの前夜中テレビつけてたらガンガルやっててちょっと懐かしかった」
みたいなことを言ってリアクションを伺うんだよ。
小学生の時とかにガンガルのカードダスとかデフォルメされたやつがあったみたいな記憶をたいていの人間は実は持ってる。

「あー見た見た、カエルみたいな顔したやつでしょ」とかいうリアクションが来れば、適度にその話を振ってもいい。
だが気を付けろ!たまに腐が混ざっていることもある!いや、これホントに外見が普通の子なのに思考が腐なんだ!
そいつのスイッチだけは押しちゃなんねえ!そんなのに関わったら別の意味で悲劇だ!
その場というか飲み会自体が完全にぶち壊しになっちまう!そうなった時は、別の子を持ち帰れそうになければ即無効試合だ!
「○○(←ロボでなくキャラの名前)の××なところいいよね」だなんて言い出したらそいつは爆弾だ!

だが結局、副長の願いに応えるためのそんな話を振りはしなかった。だって相手の3人、外れがいないんだもん。
そんなこんなで残り時間もあと半分、ちょっと男3人で作戦会議と相成った。さて諸君、誰狙いかね?

「俺?あのおっぱいの大きい看護兵の子」
おいおい、巨乳はどっかの艦長みたく、胸に栄養全部吸い取られて頭スカスカの可能性があんぞ。
…いや、まあ、虚乳でも頭がおかしいのはいるか。
じゃあ副長、あなたの狙いは誰ですか♪
「私はもちろんアビー君です、実は彼女がミネルバに配属になったときから狙ってたんですよ」

        や     め     て     よ     ね     !

本 気 で 合 コ ン し た ら 副 長 が 僕 に 勝 て る は ず な い だろ ?

あれ、今、ニートじゃなかったころのニートが乗り移ったような…気のせいか。
という訳で、結局その日の合コンでは副長には沈んでもらうことになった。
まんまとアビー嬢の携帯のメアド&次のデートの約束ゲトオ!(AAは省略されました)。
ちなみに副長は、「新しい携帯の操作に慣れてなくて、自分の長いメアドを表示する方法がわからない」から、といって
パソコンのアドレスしか教えてもらえなかったそうな…合掌、チーン。
だが、副長をこのままにしておく訳にもいかないので、後日、別の合コンをセッティングしてやることにしよう。
という訳で二次会にGO!

いいか、2次会では、男女に分かれて座ってはいかんぞ。せっかく一次会で狭めた距離をふたたび広げかねないからな。
姑息な手かもしれんが、誰かがトイレ立った隙にそこへ座って、座席秩序をデストローイ!しろ。
それをするのとしないのとでは大きくこの後の成功率が変わってくる。って副長!いくらカラオケだからってアニソン歌うな!

●月×日
カーペンタリアのザフト軍を撃退してオーブに戻ってきた。
チャンドラがユウナの大将に呼ばれたらしいので、運転がてらついていくことにした。

チャンドラが何やら機械をいじっていてやることがない俺は煎餅をほう張りながら茶を飲んでいたが、そこにシンが爆弾を投下した。

「でも何でオーブで運送業やってたノイマンさんやチャンドラさんがまだアークエンジェルに乗ってんです?」

なんだとお!一体誰のせいでアークエンジェル操縦してると思ってんだ、お前は?
お前がエクステンデットの子を連合に返したときに手ぇ貸したときに、無罪にしてもらうために俺も
デュランダル議長に約束させられたんだぞ。「セイラン代表代行の気が済むまでアークエンジェルに乗れ」って!

「そ、そうなんすか?」

そうだよ!お前に…(以下略)
それになあ!デュランダル議長がカルト教団にやられたけど、その代わりにあのエサ君とロン毛君が見張ってんだぞ!?
こんな状況でアークエンジェル降りて旧ザフト敵に回したら、
カルト教団にすら命狙われててもおかしくないのに、命がいくつあっても足りねえよ!と言おうとしたらユウナの大将に止められたが。

そしてピンク教祖の説法が始まった。相変わらず、キチガイじみた電波飛ばしてんなあ、おい。
てめーがどんな思考しようが、宗教活動しようが知ったこっちゃねーがてめーの信者以外巻き込むんじゃねえよ。
つーか、平穏に暮らしてる俺の邪魔すんな!

そんなことを思ってると、今度はユウナの大将が電波ジャックを仕返し始めた。

…なるほど、徹底抗戦ですか。いや、いいんだけどさ、いいんだけどさ、あのカルト教団と戦うってことは。
だってあいつら、常識ないくせに暴れまわってヤクザより性質が悪いし。
ホント、あのカルト教団、さっさとユニウスセブンと一緒に消え去れ、マジで。
でも…あんたが徹底抗戦するってことは、俺がいつまでもアークエンジェルに乗らなきゃいけねー、ってことじゃん!orz

少し、というか結構落ち込んでいると、メールが届いた。
どれどれ…ウヒョ〜!ウヒョ〜!ウヒョ〜!ヤキンで散ったアニキの、意外な喜びを味わった時の口癖だ。
じゃあそういう訳で、俺は帰る。

「どういう訳だよ!?」
適確なツッコミどうもありがとう、チャンドラ。
いやあ、アビー君が手料理振舞ってくれるってさ。色々と頂いて参ります。アーノルド・ノイマン、突貫します!

(ピンポンパンポンしばらくお待ちください。
 人格が発展途中の性少年の教育上不適切な光景が繰り広げられております。キンコンカンコン)

…横で静かに眠っているアビー君を見ながら思った。結局俺は、いつも合コンで騒いで、刹那的な出会いを楽しんで、
あの人を失ったこと悲しみや虚しさを埋めている、いや誤魔化そうとしてるんだろう…
結局、ドンパチを続けてればこんな思いをする奴は増えていく…悲しみが拡がっていくんだな…

あれ?俺みたく、大切な女を目の前で失った寂しさを、たぶらかした乳牛と幼女で埋めてる
俺と髪の色が同じでコーディネーターなのに生え際の侵攻が禿げしい艦長がどっかにいなかったっけか?気のせいか。

そんなことを思いながら俺は眠りに落ちた。だが、俺はまだこの時、知らなかったのだ。
彼女の恐るべき正体を…ザフトの鷹の目の恐怖を…

数日後、再びトライン副長を連れて合コンに出掛けた。
昨日の相手はオーブ空軍のメカニック・医療班・パイロットの3人組だったが、
今日の相手は、エサマスター隊長とロン毛君の部隊の元部下の子3人らしい。
副長、同じく元ザフト同士、話があうかもしれん、ガンガレ!いやマジでガンガレ。
もうお前が狙った子を取ったりは…するかもしれない。相手の女性陣を見て意見が変わった。
ウヒョ〜!ザフトのオペ子ちゃんはレベルが高いぜ、イヤッホーゥ!(AA略)
いや、ほら、合コンっていう新たな出会いの場で、新しい人間関係って築きたいじゃない?

悪   く   言   う   と   こ   れ   っ   て   欲   望   ?

まずは乾杯をしよう。そういう訳でグラスを掲げてカンパ〜…その時、俺が手にしたグラスは粉々に砕け散った。
ちょwwwカルト教団の襲撃か!?落ち着け、こういう時は早く避難しなければ!
えーと、避難する時のお約束…ホウレンソウ…報告・連絡・相談…じゃねえよ!
押さない・駆けない・支払は来週まで待ってください、じゃなくて喋らないという…オカシの約束に従って、
絶対頭につけても効果がなさそうな防災頭巾かぶって逃げるぞ!え、ここは屋外のビアガーデンだからそんなもんない?
そんな時、俺の携帯が鳴った。一体誰だよ!?…こ、こんなときにってアビー君?ハイもしもし、悪いんだけど今取り込み中で…

「合コンに行くなんていい度胸してますね」
ななななななな何でそれを?
「あなたの予定表は私が全て把握していますから」
そ、そんなバカな!ちゃんと予定帳も兼ねている携帯電話にロックは掛けているはずだぞ!?
「そんなロック、私の前ではないも同然です。さて、この場でさっきのグラスのように頭を吹き飛ばされたいですか?」
ちょwwwやめてwwwwwってかどこにいるの!?そんなことできる訳…
その時、トライン副長が箸でつまんでいたたこ焼きが吹き飛んだ。
あなた、オペレーターじゃないんですか!?何でそんな精密射撃できるんだよ!?

「こう見えても昔はザフトの鷹の目と呼ばれていたことがありまして。
 元3隻同盟アークエンジェルクルー、青い嵐の演説に暴走したクライン派に殺害される、なんて記事が明日の朝刊。
 『セイランへの警告。ラクス様を裏切った不忠者に天の裁き』というモーニング・サンタイムズの一面が目に浮かぶようです」
…私が悪ぅございました。何でも言うことを聞きますから命だけはお助け下さい…
「いいでしょう。でも条件があります。……って下さい」
は、ハイ。そんなことでお許しいただけるのなら…
「勘違いしないで下さい。今のは命を助けるためだけの条件です。五体満足にここから帰りたければ別の条件があります」
へ?
「『私にはアビーという絶世の美女の彼女がいるからもう帰ります』と大声で叫んでこの場を去りなさい」
ちょwwwそんなイザークの親戚みたいな人がやらされた羞恥プレイだけはマジやめてwwwwww
「2度と操縦桿を握れないようにして差し上げましょうか?」

あー…やっぱ女って怖え…

この日、この俺、合コン不沈艦伝説アーノルド・ノイマンの伝説は、静かならずに幕を閉じることとなった。


アビーの日記

私達は、オーブのユウナ・ロマ・セイランが乗ってきたアークエンジェルに乗って、オーブへやってきました。
結局、デュランダル議長はラクス・クラインに討たれ、おそらくプラントは彼女のものになるでしょう。
私はこの後どうするべきでしょうか…
ザフトに戻っても、私がいたのはデュランダル議長の息がかかったミネルバ。
これからのクライン派特にラクス派が主要ポストを独占することは明白です。
私達はきっとロクでもないところに飛ばされ続けるのがオチでしょう。
だとすればやはり、このままオーブに亡命するのが妥当でしょうか。
ユウナ・ロマ・セイランはデュランダル議長と親しかったという情報もありますし。

そんなことを考えていたら、どういう訳か、合コンのお誘いが来ました。
相手は副長とその知り合いのオーブ軍人だということです。副長が来るのは嫌ですが、

そのコンパに来たのは、最近までグラディス艦長が臨時に艦長をしていた、元アークエンジェルのクルーでした。
時折絡んでくる副長が鬱陶しかったですが、青い髪の男に番号とアドレスを渡しておきました。
何故だかとても、私と同じ、「背景」の匂いがしたからでしょうか。

自分の部屋に戻った私をAIBOのブラックハヤテ号が迎えてくれました。
ペットを艦内で飼う訳にはいかないので、ミネルバ脱出の折、こっそりと持ち込んだのです。
そして、シャワーを浴びてからPCを開きました。今日来た2名の軍人の経歴調査です。

…アーノルド・ノイマンに、ダリダ・ローラハ・チャンドラ2世ですか…長い名前ですね。以下、そのまんま眼鏡と呼称します。
なるほど、かつて私達ザフトの前にストライクとともに立ちはだかったアークエンジェルのクルーのようですね。
今はオーブ軍の一尉ですか。まあトップエリートではありませんが、27歳で一尉というのは悪くはないですね。
職業も軍人ですから喰いっぱぐれる心配もないでしょう。
それに将来のことを考えると、相手がナチュラルというのは安心ですね。
実は最近、私達の中でも、分野によってはコーディネーターを凌駕するというナチュラルが噂になっていましたから。
グラディス艦長が酔っ払った時に子作りの苦労を滾滾とおっしゃっていましたし。

しばらくして結局そういう関係になりましたが、今日は手料理を作って招いてあげました。
肉じゃがと味噌汁を作ってやれば、半分くらいの男にはクリーンヒットらしいですので。
でも何故私がこの男を私の部屋に招いたかというと、何やら不穏な噂を聞いたからです。
なんでも、副長とそのまんま眼鏡、他にフェイスのロン毛や整備士の黒とケチャップを引き入れて合コンをしまくっているということです。

私というものがありながらいい度胸です。そういう訳で、眠りについたこの男の携帯電話をチェックします。
…ロックなど私の前では無意味に等しいですよ。ふむふむ、メールや発信受信履歴は消しているようですが、
メールの送受信記録が残っていますよ。詰めが甘いですね。
コドモの携帯のユーザーは意外とこのメールの送受信記録を消し忘れる人間が多いそうです。
次に、写メールを見てみましょう…やはり残ってないですか。
というわけで財布の中をチェックします。やはりありましたね、miniSDカード。
……色々と入っていますが、1つ、ロックがかけられた画像データがあるようです。
…………随分厳重なロックですが、私の手にかかれば赤子も同然ですよ。

そこに映っていたのは、ノイマンが黒髪の気の強そうな女性と砂漠の街で何やら買い物をしている場面でした。
どうやら私の中の鷹が目を覚ましてしまったようです。白魚のような手が痛むから手放した銃を再び取ることにしましょう。
ひとつ、人の世の欲望をすすり、ふたつ、不埒な合コン三昧、みっつ、みだらな行ないを成敗しましょう、私の手で。

でもどうやって制裁を加えましょうか…
そんなことをアークエンジェルの食堂で考えていたら、そこにあの子が通りかかりました。どうやら、また浮かない顔をしています。

どうしました?元気がないようですけど?また彼氏が戦いに夢中になりましたか?
「………」
表情がYESと言っています。まったく男という生物は、女が甘い顔するとすぐこれです。
本当ならそんな男はさっさと捨てた方がいいのかもしれませんが、若さゆえに気付いていないのかもしれません。
それに、唯でさえ内気なティファの恋愛感覚を、ここで狂わせるわけにはいきません。
ですから、バレルロールに対してのものとは異なり、教育的観点から配慮がされた制裁を加えることにします。

色々考えると、男に対してはやはり10ツンで1デレくらいがちょうどいいですね。
…いいアイディアを思いつきました、ノイマンを使えば簡単にできるはずです。
という訳で、そのまんま眼鏡を、奴が狙っていた子のパーソナルデーターを取引材料にして「こちら」に引き込むことにします。

数日後、私はノイマンやそのまんま眼鏡達が合コンを行なう予定であるビアガーデンを上から見下ろせる隣のビルで
狙撃の準備をしてコンパが始まるのを待っていました。
当然、狙撃しやすいこのビアガーデンをそのまんま眼鏡に選ばせたのは私の仕業です。

ですが、そこに現れた女性陣に見覚えのある顔がいました。あのオペ子は忘れもしません。
かつてエターナルに配属されていた、生粋のクライン派…確か彼女はメサイア戦当時ジュール隊にいたはずです。
そうか、クライン派がオーブにこっそりと送り込んでいたスパイですね。
なるほど、オーブの男性陣相手に諜報活動ですか。敵ながら天晴れです。

むぅ…あのバレルロールが鼻の下を伸ばしています…これは何とかしなければ…
勘違いしないで下さいよ!私はあくまでオーブの情報が漏洩するのを防ぐためにやるんですからね!!!!
という訳でミッションスタートです。

(中略)

後日、羞恥刑に処したバレルロールに突きつけた条件を実行させます。
具体的には、バレルロールにガロード・ランを合コンに無理矢理誘わせ、店に入ろうとするところを
偶然を装ってティファに目撃させるというものです。
もちろん、ティファにはそのことは知らせてあります。
そして、そこでティファに、一言言い放ってもらい、ガロード・ランが2度とティファをぞんざいにせぬよう懲らしめるというものです。

さっそくバレルロールがガロードを連れてきました。
どうやらガロードは渋々、といった感じの顔をしていますが、合コンに来たことは事実です。
あ、ガロードが私の横にいるティファに気付きました。
さあ、ティファ、言っておあげなさい、純情な心を大きく揺さぶるあの言葉を。

「ガロードの…裏切り者…」

やや顔を赤らめているのは演技がしきれていない証拠ですが、まあいいでしょう。
作戦通り、ティファはフリーデンへと走っていきました。
あとは3日ほど口を聞かずにいれば、3回も相当期間放置したことを悔い改めるでしょう。
さて、私も最後の仕上げと行きますか。


ノイマン航海日誌
●月▼日
アビー君に言われたとおりにガロードを無理矢理引っ張ってきた。許せ、俺も生きなくてはいけないんだ…

順調に作戦は進み、「裏切り者」呼ばわりされたガロードは地に膝をついてうなだれていた。

まあ、元気出せ、もうあの子を放って置いたりすんなよ。あとは3日か4日、謝り続ければきっと許してくれるって。

「本当かよノイマン?」

ああ、間違いない、そういう手筈になっているんだからな。

数日後、食堂では幸せそうに食事をしている2人の姿があった。
だが、俺はこの後、当然といえば当然ながら、アビー君の部屋で制裁を受けていた。

俺は力任せに両腕を押さえつけられ抗拒不能にされる。
くそ!腕が…動かねえ!

「や め て よ ね ?本気で力比べしたらあなたが私にかなうはずないでしょ」

副長の祟りか…

(中略)

おながいします。もう体が持ちません、マジで…
だが、俺はこのとき、この直後にあの男の、この発言をここまで恨めしく思うことになるとは全く考えてなかった。

「女性は装置・機械らしいですから。機械に暴走はつきものですよね?」

明日の朝日は見れないかもな…

「朝日が昇るまでに眠れるとでも思いましたか?」

柳沢のバカヤロオオォォォ!!!!!!!!!


アビーの日記(追記)

バレルロールに制裁を加えて、パンツ一丁で外に放り出してからしばらくして、
フリーデンの副長の人…確かサラさんが大きくため息をついていました。
何でも、意中の人がシン・アスカの特訓の相手につき合わされていてなかなかアタックできないとのことです。

…(ティファと違って)いい大人が情けないこと言わないように。

私がサラさんの実年齢を知ったのはしばらくしてからでした。テヘ///
つづく(次回は週末になりそうです)