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X-Seed_新たなる道_第10話

Last-modified: 2008-03-05 (水) 13:17:29

「そう言えばさ」
「ん?」

 

ガロードがストライクのOSを砂漠様に書き換えているキラに話しかけた。

 

「フラガのおっちゃん、俺があのキツネ野郎と戦ってる間何してたんだ?」
「ガロードが1機目を倒す前にヘリを全滅させて、
 その後戦艦からの砲弾を食い止めたり敵艦の位置を特定したりしてたよ」
「敵艦? いたのか? 全然見えなかったぞ?」

 

ガロードがそういって首をかしげるとキラはプログラムし終わったのか画面からガロードへ視線を移した。

 

「うん、居たみたいだね…なんでも砂漠の…なんだっけ…キツネだったかな? そんな事いってたよ。
さっき襲ってきた部隊もその人の指揮する部隊だって」
「ふ〜ん、キツネってのは同意だな、なんかそれっぽい動きするし背中から砲撃するし」
「そうだね」

 

そう言うとガロードとキラは笑いあった。
なおそれを横で聞いていたフラガは腹を抱えてピクピクと肩を動かしていた。
どうやらキラの『キツネ』発言が壷に入ったようだ。

 
 

「な〜んか慌しいな」
「こっちだって忙しいんだよ?」

 

キラはそう言うとエールストライカーパックの再調整をしていた。
なおその横ではキラ用の飲み物を持ったミリアリアと整備員の小間使いされているトール、
ミリアリアと一緒にガロードの飲み物と結局食堂に来なかった二人の夕食を持つティファがいる。

 

「キラ、そっちはどうなの?」
「あと少し…よし、これで地上ではある程度空を飛んでいられるよ」
「サンキュー、やっぱ空飛ぶとなるとエールが一番いいんだよな?」
「そうだね、ソードやバスターだとジャンプが精々で滞空はできないし」
「ねえガロード、やっぱり空からの攻撃って有利なの?」

 

ミリアリアはティファと共に夕食をガロード達に渡しながら訊いた。

 

「ああ、空飛んでるってだけで簡単に相手の死角に潜り込めるし、回避もラクだぜ?
それに相手の真上から落ちるだけでも結構な攻撃になるから」
「へ〜」

 

ミリアリアはそういって頷くと、

 

『総員! 直ちに帰投! 警戒態勢を取る!』

 

とアナウンスがアークエンジェルに響いた。

 

「一体どうしたんだ?」
「何でもレジスタンスの拠点が攻撃されたんだと…
もしかしたら囮かもしれないから坊主達はこっちで待機だ」
「てことはフラガのおっちゃんが?」
「お兄さんだ! ったく…スカイグラスパー、出るぞ!」

 

フラガのスカイグラスパーが発進した後、格納庫は静かな緊張感に包まれていた。

 
 

「え? 援護?」
『ええ、そうよ…流石にレジスタンスじゃバクゥには勝てないわ』
「そうなの?」

 

ガロードはそう言うと首をかしげた。
ガロード達の世界では闇討ちすれば武装車両がみっつもいて訓練なり修羅場をくぐるなりしていれば、
旧式ならばどうとでもなる。
もっともこの世界とガロード達の世界とでは武装車両の火力が全然違い、
ここの世界はあくまで対戦車用、ガロード達の世界は対MS用だ。
まあ火力の他にMSが登場してから20年近くたっているのと、
1年以下と言うのならば対策の違いがあって当然である。

 

『と言う訳だからお願いね?』
「了解っす、ティファはどうする?」
「一緒に行きます」

 

傍らのティファに聞くともう行く準備万端といった具合で、
ベンチシートに座りシートベルトを装着していた。

 

『装備は一番速いエールで』
「あとバズーカと予備の弾ね! …うし!」
『APU起動…カタパルト、接続。エールストライカー、スタンバイ。
システム、オールグリーン。進路クリアー。ストライク、どうぞ!』
「ティファ・アディール」
「ガロード・ラン「エールストライクガンダム、行くぜ(行きます)!」」

 

二人の掛け声と共にストライクは四つの大型ブースターをふかし、
砂漠の夜を高速で飛行していった。

 
 

「お、見〜っけ…なんだよまだ全然倒せてないじゃん」
「ガロード、あれ…」

 

ティファが指を指す先では、バクゥが3機バギー10台に囲まれてからだから爆炎を上げている。
もっともそれに応える様子はなく、そのバギーを潰そうとバクゥ達も必死になっていた。

 

「よし、チャンスだ!」

 

ストライクはエールパック装備で高高度を飛んでいる。
それでも備え付けのレーダーでバクゥ達を見つけられたのは、
バギーのロケットランチャーの爆炎があったからこそである。

 

「ティファ、しっかり捕まってるよ!」
「はい!」

 

ガロードがそう言うとストライクは右手に装備しているビームライフルを構え、ブーストを切った。
推進力を失ったストライクはそれから数瞬もしない内に落下を開始した。
バクゥ隊はストライクの存在に気が付いたのか上を見るものの、構造上真上への攻撃は難しい。
そうしてのたのたしながらもストライクへミサイルを向けたバクゥのすぐ横をビームが横切った。

 

「…あり?」

 

ガロードはそういいながら降下から一転上昇し、ビームライフルを2発撃つが、
しかしビームはことごとく外れた。

 

「…ビームが」
「曲がった…?」

 

ガロード、ティファはその現象に首を傾げたがミサイルが接近して来たので考えるのをやめ、
そのミサイルをかわし、打ち落としす。

 

「仕方ねえな、だったらこれで!」

 

ガロードはそう言うとビームライフルから持ってきたバズーカに切り替える。

 

「…く………そりゃ!」

 

バズーカの弾は再度降下したストライクから撃たれ、
バクゥの内一機がその攻撃によりミサイルランチャーに命中、吹っ飛ばされた。
ガロードは最初機体を上下逆にして降下したが、正位置に戻し足から着地した…
一瞬前までいた攻撃されてないバクゥの位置に。
どうやらキラの砂漠対応は完璧なようで、足が埋まったり滑ったりしなかった。

 

「ち、惜しい」
「ガロード、後ろ!」

 

ストライクの着地で砂が舞い上がり視界は見えなくなったが、
バクゥ達はそれを好機とミサイルを放ってきた。
ミサイルアラームもなってはいたが砂の影響かどこから来たのかは解らなかっただけに、
ティファの指摘はガロードにとってありがたい物だった。

 

「うおっと!」

 

ガロードはブーストを点火、砂を巻き上げつつ水平に左に移動、
偶然そこにいたもう一機のバクゥにケリを食らわせ、バズーカを撃った。
蹴られたバクゥは回避仕切れず翼に当たり、その爆炎がミサイルに誘爆した。

 

「おしい! …ん?」

 

すると今までばらばらに攻撃していたバクゥが前二機、後ろ一機の三角形の編隊を組んだ。

 
 

三機ははじめ一直線にガロードへ突進、
ガロードがバズーカを撃つと後ろの一機は後退しつつミサイルを発射。
後の二機は左右に別れ、ガロードがミサイルを迎撃しようとバルカンを撃つと、
後ろと斜め右方向から同時に体当たりをしてきた。
ガロードはそれをジャンプする事でかわしたが、バクゥ二機はお互い上手く交差し、
それぞれぶつからずに着地した。
それと同時にアラートが鳴り響き、ミサイルの第二派が来た。
これに対しガロードはミサイルの横に突っ込み、バルカンで当たるものだけを破壊、
そのままミサイルの持つバクゥへバズーカを向けた。
バクゥはそれに対し左右に蛇行しつつ後退し、当たらないようにしつつミサイルを発射するが、
ミサイルをバズーカとバルカンで相打ちにされ、煙幕ができた。
他の二機のバクゥも食いつこうとするも射撃武器を持っておらず、様子を伺っていた。
ガロードは煙幕を利用してシールドを投擲、バクゥはそれを右に避けると、左足にナイフが刺さった。
反対側にはバズーカの弾が当って爆発したことからこちらの方が正解なのだが、
左腕にビームサーベルを装備したストライクがそのままバクゥの胴体を切り払った。
爆発するバクゥを背に残り二体のバクゥを見るストライクに対し、バクゥは撤退をしていった。

 
 

「うへ〜、結構やられたな」

 

ストライクから降りたガロードは、そうひょうひょうと言った。
これに対しカガリが、

 

「おい、そんな言い方は無いだろう!?」

 

と言うも、

 

「復讐って言っても俺が来なきゃ全滅してただろうし、装備も貧弱…
これじゃ八つ当たりって言われても仕方ないぜ?」

 

と返された。

 

「なんだと…貴様!見ろ! みんな必死で戦った…戦ってるんだ!
大事な人や大事なものを守るために必死でな!」
「戦えば良いという物ではありません」
「ティファ?」

 

いつの間にかティファが怪我人の手当てからこちらに来ていた。

 

「力がなければどの様な思いがあっても、それを叫んでも無意味な事があります…
勿論力があるからと言ってその思いが達成される訳でもありませんが…」
「それじゃあ…それじゃあ一体私達はどうすれば良いんだよ!」
「解りません」
「「え?」」
「思いは人それぞれであり、その思いによって必要な事は別だったりします。
その伝え方、解決方法は決して一つではありません…
その方法はあなたが自分で考えなければいけません」
「自分で…」

 

カガリはティファの言葉を呆然と聴いていた。