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X-Seed_新たなる道_第11話

Last-modified: 2008-03-05 (水) 13:24:50

ここはバナディーヤ、アークエンジェル一同はレジスタンスの提案に従いここで補給物資を調達することとなった。
武器や水、食料の調達はナタルやトノムラなどの管制官がレジスタンスの幹部と共に、
雑貨は逆に怪しまれない子供でなおかつ腕が立つガロードとティファが案内役のカガリと共に町で買い込む事となった。

 

「じゃぁ、4時間後だな」
「ガロード、ティファも気をつけろよ?」
「了解、任せとけって!」
「そちらも気をつけて…」
「解っている」

 

ナタルがそう返事を返すと互いに笑いあってその場は別れた。
ただその時ティファは片時もガロードから離れなかった為、
一緒に行動するカガリはなんとなくのけ者にされたような気がしてさっさと歩き出してしまい、
それをガロードとティファが追いかける形になった。

 
 

「キ〜ラ!」
「ミリィ、トールも…」
「お前は行かなかったのかよ?」

 

格納庫でジン及びストライクのプログラミングをしていたキラにミリアリアとトールが話しかけた。

 

「うん、ガロードにさっきの戦闘でビームが曲がって当らないって言われて、
原因を突き止めたのは良いんだけどのプログラムが難しくてね…」
「そんなに難しいの?」
「実際自分の目で見た訳じゃないからね…後で何回か試射して見ないと…」
「それってキラがするのか?」
「それは俺がやんだよ」
「「え?」」

 

キラ達の会話に突然横から入ってきたフラガがそう応えた。
フラガはストライクのコクピットで今までシュミレーションを行っていたらしく、
頭をかきながらコクピットから出てきた。

 

「しっかしガロードの坊主ってすげえな、ほんとにあれでナチュラルなのかよ………」
「そんなにMSの操縦って難しいんですか?」

 

トールが興味本位でそう訊くとフラガは真剣な顔で頷いた。

 

「ああ、戦闘機やMAにはジャンプや歩行の概念は無いし、
バランスだって殆ど自動だったのがこっちじゃほぼ手動だし、
歩かせるだけながらともかく武器構えたり切り付けたり…
下手に動作をプログラムに頼ると結構隙ができるしでやっぱり腕もある程度は自分で動かさなきゃならん。
坊主がそこいらへんはフォローしてくれてっけどまだまだ俺じゃ扱いきれねえよ」

 

フラガはそういいながらキラの頭をくしゃくしゃと荒く撫でた。

 
 

「ふぃ〜、よっこらせっと」
「ふふ…ガロード、お疲れ様」
「おう!」
「…そうしているとほんっとに夫婦みたいだな」

 

カガリがそう言うとガロードとティファは互いに顔を赤くした。
それはまさにご馳走様という雰囲気であり、それに当てられているカガリはたまったものではない。

 

「まあいいや、これでだいたい揃ったがぁこのキャンパスだっけ?
 こんなのここじゃまず手に入らないぞ?」
「そう…ですか」

 

ティファはそう言うとガク〜ンと肩を落として落ち込んだ。

 

「ま、まあけどスケッチブックは見つかったしな!?」
「それに鉛筆もデッサン用のがあったし…な!」

 

二人は慌ててティファにフォローした。

 

「お待たせしました」

 

調度そこにカガリが注文した3人分の食事が来た。

 

「ケバブ?」
「そ、ドネルケバブさ! あー、疲れたし腹も減った。
 ほら、お前らも食えよ、このチリソースを掛けてぇ…」
「あーいや待ったぁ! ちょっと待ったぁ! ケバブにチリソースなんて何を言ってるんだ!
 このヨーグルトソースを掛けるのが常識だろうがぁ!」

 

カガリが赤い容器を持つと突然隣の席からアロハシャツにサングラスと言う怪しい格好のおじさんが、
白い容器を携えカガリの言葉に割って入った。

 

「うわ!?」
「え?」
「いや、常識というよりも…もっとこう…んー…そう! 
ヨーグルトソースを掛けないなんて、この料理に対する冒涜だよ!」
「なんなんだお前は!」

 

カガリはそう言うと自分のケバブに赤いソースをかけ、近くに座るティファに差し出した。

 

「見ず知らずの男に、私の食べ方にとやかく言われる筋合いはない!」

 

カガリはそう言うと一口ケバブを頬張り、

 

「っんまーーーーいーーー! ほぅらお前も! ケバブにはチリソースが当たり前だ!」

 

と言ってティファに勧めた。

 

「だぁぁ待ちたまえ! 彼らまで「お前ら何言ってんの?」「え?」」

 

そこまで黙っていたガロードが口を開いた。

 

「ケバブにソースをいきなりかけるなんて贅沢こそ邪道だろ? まずは一回そのままで食ってみる!
 店によって味が微妙〜に違うんだからまず食ってそれから味を変える為にちょこっとかける!
 それで気に入るソースがあればそのままかければ良いんだから…
 そりゃ二人はこの店でも食った事あっかも知んないけど俺達は初めてなんだぜ?
 初めての奴にいきなりドバッてかけて舌が合わなかったらもったいないじゃん」

 

ガロードがいつに無く長い台詞を言う傍らでティファはすでにガロードの食べ方を実践していた。
どうやらソースはヨーグルトが気に入ったらしく一口分容器からかけては食べている。

 

「なんか俺間違ってる?」
「「い、いいえ」」

 

ガロードがかなりの迫力で二人にそう言うとカガリとおじさんは揃って首を横に振った。
ガロードはそれに納得すると早速ケバブにかぶりつき…
そのまま一足速く食べ終わったティファを抱えてカガリの座る椅子とテーブルを蹴り上げた。

 
 

食堂は一瞬前の静けさから一転戦場へと姿を変えた。

 

「いたた…なんなんだ一体…」
「死ね!コーディネイター! 宇宙の化け物め!」
「青き清浄なる世界の為に!」

 

カガリが椅子から転げ落ちている間にその掛け声と共に何人かの男が、
さっきまで話していたおじさんに銃を向け、発砲した。

 

「ブルーコスモスか!?」
「構わん! 全て排除しろ!」

 

おじさんがそう言うと周りにいた客数人が銃を持ち、
ブルーコスモスと言われた男達と銃撃戦を繰り広げた。
なおカガリがかじったケバブはガロードがしっかりキャッチ、
それをティファに預け自分は片手でケバブを口に押し込みつつもう片手で銃を引き抜いた。
周りではおじさんの護衛が多いようでブルーコスモスは早々に撃滅したようだ。
銃撃が一段落した時にガロードはおじさんを後ろから狙おうとしている男に気付いて、
その男の右肩を正確に撃ち抜き、よろけた拍子に銃が下を見たのを良い事にその男の銃を撃ち抜いた。
その男は遅ればせながらに反応したおじさんの部下らしき人により意識を刈り取られた。

 

「隊長!御無事で!」
「ああ!私は平気だ。彼のおかげでな」
「ぁ…アンドリュー・バルトフェルド…」
「いやぁ〜助かったよ、ありがとう」

 

そう言うとおじさん、アンドリュー・バルトフェルドは男臭い微笑を浮かべた。

 
 

ガロードがテーブルを蹴り上げた時、
不運にもカガリはお茶をかぶってしまいそれを見かねたバルトフェルドが、
ガロード達を屋敷まで招待した。

 

「この子達ですの? アンディ」

 

バルトフェルドの後をついてきた3人を妙齢の美女が出迎えた。

 

「ああ、彼女をどうにかしてやってくれ、お茶を被っちまったんだ」
「あらあら〜」

 

美女はそう言うとカガリとさらにティファの手も掴んだ。

 

「おい、ティファは…」
「まあまあ、彼女に任せたまえ」
「大丈夫、ガロード」

 

ティファにそういわれガロードはしぶしぶ従った。

 

「僕はコーヒーには、いささか自信があってねぇ。
「へ〜、知り合いの医者にコーヒーに五月蠅いのがいるんだけどそいつと話し合いそうだな」
「それはぜひ会ってみたいね…まぁ掛けたまえよ、くつろいでくれ」
「はいよっと………うぇ…」

 

ガロードは一度テーブルにおいてあるコーヒーの匂いを嗅いでからちょっと口と付け…うめいた。

 

「はっはっ! 君にはまだこの味は分からんかね」
「一生解る気はないよ」

 

ガロードはそう言うと少し膨れたようにそっぽを向いた。

 

「これはすまない、機嫌を損ねたかな…っと」
「アンディー」

 

先ほど出迎えた美女がドアをノックして入ってきて、それに続くようにまずカガリがその部屋に入る。
服装は白と黄色のドレス姿だ。

 

「ほぉ…」
「へぇ〜」
「ドレスもよく似合うねぇ。 と言うか、そういう姿も実に板に付いてる感じだ」
「つうかなんで似合ってんだ? 違和感がある筈なのにそれが無いし…」
「…ガロード、それはどういう意味だ!?」
「な、なんでもねぇよ」
「おやおや、しゃべらなきゃ完璧」

 

バルトフェルドがそう言うとガロードはそっぽを向き、
カガリは頬を膨らませながらガロードの近くに寄った。

 

「それでもう一人のお姫様は………」

 

続いて入ってきたティファは顔を赤くして部屋に入ってくる。
こちらは薄い水色のドレスで、ティファの雰囲気に良くあっている。

 

「………」
「………」

 

二人はお互いに見つめあい、そのままほぼ同時に下を向いた。
しばらく初々しい雰囲気が続くが、バルトフェルドが何か言おうとして美女に止められた。

 
 

「あ、あの…その」
「………」
「その…すっげぇ似合ってる、いや、マジでその…なんていったらいいか」
「………」

 

ティファは頷き、もうしばらくその初々しい空気は続いたが、

 

「お前ら何やってんだよ!」

 

その雰囲気はカガリによって壊された。

 

「やれやれ…もう少し待つって言う事はできないのかい?」
「ふん! 何時もあんなことをしているのか?」

 

カガリは語気を荒げながら言った。
なおその頃ガロード達ははっと我に返ってお互い顔を赤くしながらもソファーにそそくさと座った。

 

「あんなこととは?」
「町をうろついたり、警告を出してから町を焼いたりしたことだ!」
「いい目だねぇ…真っ直ぐで、実にいい目だ」
「くっ! ふざけるな!」
「おいおい落ち着けって…」

 

そのまま掴みそうな雰囲気だったのでガロードがカガリをなだめた。

 

「君も死んだ方がマシなクチかね?」
「「「は?」」」

 

しかしガロードがなだめるよりもバルトフェルドのこの一言のほうが効果があった。

 

「君達の方は如何思うかね? モビルスーツのパイロットとしては?」
「なっ! 何でその事を!」

 

慌てていたカガリはあっさりとバルトフェルドの鎌に引っ掛かり、立ち上がった。

 

「はっはっはっは、あまり真っ直ぐすぎるのも問題だぞ」
「くっ!」

 

カガリは悔しそうにその場に座った。

 

「戦争には制限時間も得点もない、スポーツの試合のようなねぇ…
 ならどうやって勝ち負けを決める?」
「そんなのお偉いさんの仕事だろ?」

 

ガロードはそう即答した。
ガロード達の世界では戦争を始めようと画策した兄弟や、終わらそうとする自身の先輩達がいた。
ガロードとティファは先輩たるジャミルたちが築いた交渉を少し離れた所で1年見てきた。

 

「戦争ってのは始めるのはそれこそ少人数でできっけど終わらそうとしたら本気で大変なんだ。
 互いの維持やプライドやら文化やら…後それぞれに背負っている人たちもいるし」
「ふむ…確かに」

 

ガロードの物言いに、一緒に見てきたティファは頷き、
カガリは自分よりも具体的な意見を言っているガロードを驚いたような目で見ていた。

 

「だから中途半端な、背負っている人達が納得しない成果や条件じゃいつまでたっても終わんねぇよ」
「では君は今回の戦争をどう見るかね? どこで終わりにできる?」

 

「さぁね」
「「え?」」

 

ガロードの言葉にカガリとバルトフェルドは驚いたような顔をした。

 

「今は泥沼って言うか小競り合いばっかなんだろ?
これからどう転ぶかなんて俺は全体を見たり聞いたりしてる訳でもねぇし解る訳無いって」
「では君は何の為に戦っているんだね?」
「過ちを繰り返さない為に…です」
「「過ち?」」
「核とか広範囲無差別兵器とかだよ」

 

ガロードがそう言うとカガリはバルトフェルドを睨みつけた。

 

「最初に使ったのは其方なんだがね」
「え? 俺は知らないよ? 
ヘリオポリスがいきなり崩壊して助かるにはあの艦に転がり込むしかなかったんだからさ」
「ヘリオポリス…ということは君はオーブ出身かい?」
「さぁね、それに俺達はあくまで傭兵、オーブに行くまでの間の護衛でしかないからね」
「ほぅ…」

 

バルトフェルドは感心したような顔をした。

 

「中々良い話を聞けたよ。
何故君たちが同胞を敵にまわすことを決めたのかは知らないが、
あのモビルスーツのパイロットである以上、私と君は、敵同士だと言うことだな?」
「同胞?」
「君もコーディネイターだろ?」
「俺らはナチュラルだよ?」

 

これにバルトフェルドは驚いていた。