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Z-Seed_◆x/lz6TqR1w氏_第01話『謎の機体』

Last-modified: 2007-11-12 (月) 12:30:20

「光が……広がって行く……」

突如として浮遊感に包まれる体に、カミーユは恐れを抱かなかった
暖かで優しいそれは、非常に心地がいい

そしてカミーユは目を閉じた――運命に巻き込まれたことも知らずに――

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機動戦士ZガンダムDESTINY
第01話『謎の機体』

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慌ただしく作業に取り掛かる人々――
ここアーモリーワンではセカンド・ステージMSのお披露目のための式典が催される予定のため、軍人たちは休み無く働いている
その中を走り抜けるジープがあった
運転席に金髪の少年、助手席に黒髪の少年、
そして荷台に荷物と共に忌々しげに座る赤髪の少女が乗っていた
軍用地には似つかない風景だが、それぞれ赤い制服を着用している

「はあ、暇だな……」

シン・アスカは退屈そうに欠伸を噛み殺した

「今のうちだけだ。配属されればそうも言ってられまい」

そんなシンをレイ・ザ・バレルは無表情のままでいさめる

「なんで私が荷台なのよ……」
「ジャンケンに負けたからだろ」
「それにしてもこういう時はレディーファーストでしょ!!」
「気にするな、俺は気にしない」
「気にしてよ!!」

不満気なルナマリア・ホークの愚痴を軽くいなす二人
彼等が向かう先はザフト軍新鋭艦『ミネルバ』
そこで正式に着任を済ませた後には軍の生活が待っている
期待と不安が入り混じるような初々しい気持ちとは
無縁な三人を乗せたジープは、ミネルバの搭乗口に吸い込まれていった

「着任ご苦労様。これで貴方たちはミネルバのクルーよ。
よろしく頼むわね」

大人の雰囲気漂う女性艦長、タリア・グラディスの敬礼に、三人はそそくさと敬礼を返した
流石に指揮官を目の前にすると緊張は隠せない

「それと、MS隊の隊長に当たる者がこれから来る予定だから挨拶しておいて」
「どんな人なんですか?」

ルナマリアが興味深々といった具合に尋ねた

「彼はこの艦に配属予定のパイロットで……」

――その時だった

『コンディションレッド!コンディションレッド!
新鋭機『カオス』『ガイア』『アビス』が強奪された模様!
艦長はブリッジまでお越しください』
「なんですって!?」

タリアには、けたたましく鳴り響く警報がまるで戦場の火種のように思えた

一機のザクが三機の強奪された機体に追い回されていた
このままでは撃墜は免れないだろう

『着任早々悪いけど、ひと仕事頼むわね。
他の機体は今、取り行かせてるけど、間に合うか微妙よ』

モニターにタリアからの通信が入る

「落としていいんですか?」
『なるべく捕獲して頂戴』
「簡単に言ってくれるよな……」

画面が切り変わって、オペレーターの姿が現れる

『シン、頑張って!』

メイリン・ホークからだ

「はいはい」
『進路クリアー、発進どうぞ』
「了解した。シン・アスカ、コアスプレンダー、行きます!!」

勢い良く飛び出す戦闘機、それに追従する『部品』群。
それらは空中にて合体し、一つのMSを形成する
その名も『インパルス』

「そこのザク!!援護するから撤退しろ!!」

シンの怒鳴り声に反応し、ザクが撤退して行く
それを見送ったシンは、戦闘に頭を切り替えた

「喰らえ!」

ライフルを撃ち、戦力を分断させる
装備は近接仕様のソードゆえ、距離を詰める必要があった
手近なガイアに連結させた対艦刀を叩き付けんとする

「何だ……こいつ……」

ガイアのパイロット、ステラ・ルーシェは介入してきた機体を睨みつけながら、サーベルを抜く

「墜ちろ!」
「うぇーい!」

反発する粒子、出力は互角

「アウル!奴を囲むんぞ!」
「了解ってね」

カオスのスティング・オークレの指示に、アビスのアウル・ニーダが軽い口調で答えた

「……ちっ!!」

舌打ちをしながらガイアと距離を取る
囲まれることは死を意味する

その後の戦闘はシンにとって劣勢を極めた
同等のスペックの機体同士での戦闘はパイロット技量が左右する
しかし、その技量も拮抗し、ジリ貧の雰囲気が漂う

「このままじゃ……」

ビームブーメランで牽制しながら距離を取る
格闘戦に持ち込みたいが、敵の連携は強固なもので、なかなか崩せずにいた

「もらったぁ!」
「しまった!」

アビスのフルバーストの追撃に右腕が損傷
もはや拮抗を維持することもままならなくなってきた

「はぁぁぁぁ!!」

更にガイアのサーベルが襲い来る
シンは血液が凍りつくのを感じた

爆発音が鳴り響き、恐怖から思わず瞳を閉じてしまう

――目を見開いたとき、シンはその光景を疑った

ガイアのサーベル部分が消失し、尻餅をついているのだ

「何だ!?」

メインカメラを動かすと、空中を滑空するMA――おそらく友軍だろう

そしてそのMAは1秒にも満たない一瞬で姿を変えた

表情が印象的な、まるで一線を画したような機体

『お前ら……そんなに戦争がしたいのかよ!!』

罵声が響き、強奪された三機の動きが一瞬止まる
シンは突如として現れたMSに目を奪われていた