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_LP ◆sgE4vlyyqE氏_「幸せになる」

Last-modified: 2009-06-27 (土) 02:46:20

だが、ちょっと待って欲しい。小さくなるのが悪い事だけだなんて事も無い筈だ。

 
 
 

単純且つ最も難しい目標である。だが、それぐらいしか彼にとっちゃ
憎いアンチクショウ共を見返す手段が無いのも事実だ。

だが、それは彼にとって非常に厳しい問題だった。
彼にとっての幸せとは、家族と団欒するという程度の他愛の無い物であり、
それはどう足掻いても取り戻せない物だったから。

 

そう、シン・アスカは思い込んでいたのだ。その瞬間まで

 
 

「……ん、朝か……」
寝ぼけ眼を擦りつつ、起き上がる。時計を見ればもう昼頃。

 

「昨日は頑張りすぎたか……」
酔った勢いだの何だので色々やらかしてしまった。

 

「おい、起きろよルナ」

 

そして、何かがおかしい事に気付いた。
傍でシーツに包まって寝ているのは判るのだが、その盛り上がりが妙に小さく感じる。

 

「猫みたいに丸まってんのか?」

などと言いつつ、シーツを剥いだシンは絶句した。
何故なら、そこにいたのはどう見ても

 

「………ルナが………小さくなった……?」

 

小さい。そう、小さいのだ。
歳に釣り合わぬハイレベルで纏まっていたナイスバディは見る影も無く、
どう見ても10歳前後の少女です。本当にありがとうございました。

 

「……うう、さむいー」
「え……?」

 

聞き間違いだろうか、何だか凄く懐かしい声を聞いた気がする。

 

「……なにすんのよー、ひとがせっかくきもちよくねてたのに……ってあれ?なにこれ?」

 

違う。聞き間違いなんかじゃない。間違いなく目の前の彼女の声だ。

 

そう、目の前にいるるなまりあの声は、今は亡き最愛の妹にそっくりなのだ!!

 

「ルナ、頼みがあるんだ!!」
それを確信した瞬間、シンは迷う事無く土下座した。
「ほへ?」
シンは、るなまりあを目を見て一息ついてから

 

「お兄ちゃんって言ってくれ!!!」

 

恥も外聞も無く、とんでもなくアホな事をシンは叫んでいた。

 

「………なに……いってるの?」

 

無論、るなまりあはどん引きだ。
だが、そんな事では引かぬ媚びぬ省みぬ諦めぬ。
言わぬなら、言わせて見せようと言わんばかりに気合の入っているシンに
そのような蔑みの視線など通用しない。

 

「頼む!!!それさえ聞ければ死んでもいい!!!
 というか、言ってくれないなら死ぬ!! そのぐらい絶望する!!」

 

必死すぎる姿はもはや哀れというか何と言うか、見てられない。
故に、言ってやろう。
流石にそんな一言が聞けなかったぐらいで目の前で死なれたのではたまったもんじゃないし。

 

「おにいちゃん」

 

瞬間、シンの脳内でその言葉が何度も何度もリピートされる。
過去の記憶、幸せだった日々。何もかもが溢れ出してくる。

 

「も、もう一回頼む」
「お、おにいちゃん?」
「ワンモアプリーズ!!!」

 

逆らえない。目は血走ってるし、興奮しすぎてハァハァ言ってるし。
その怖さにるなまりあは思わず、涙目になってしまい

 

「こわいよ、おにいちゃん……」

 

なんて言ったもんだからもうシンの理性は壊れた。

 
 

こうして、シンは大切な物を取り戻した。
今まで色々あった一切合財がどうでも良くなるぐらいに彼はハッピーだった。

 

一人ばかり、犠牲になった者もいるが、常軌を逸した程の想いをぶつけてくるシンも
満更じゃないなどと思ってしまったのでまあ問題は無いだろう。