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code geass-sca第02話

Last-modified: 2008-12-26 (金) 20:31:10

 三日後・・・・・・。

 

「本当に行ってしまわれるんですね・・・」

 

 悲しみながらナナリーは言う。その顔の目尻には涙が浮かんでいた。

 

「楽しかったよ、お前がいてくれて。シン、何か困ったことがあれば・・・いつでも来てもらって構わないからな」

 

 ルルーシュは名残惜しそうな顔をしている。この三日間で随分と仲良くなった気がする。

 

「すまないな、いろいろと。そっちには感謝しようにもしきれないな。ほら、ナナリーも泣かないで。またすぐに会いに行くからさ」
「本当ですか?」

 

 涙声の質問にシンは明るく答える。

 

「ああ、もちろん。・・・咲夜子さんも、ありがとうございます。服とかいろいろ用意してもらって」
「いえいえ」

 

 別にかまいませんよ、と言った後、咲夜子はシンの耳元にそっと近づき、

 

「実はあなたが見つかったとき、何も着てなかったんですよ」
「え?」
「介抱したのは私で、見つけになったのはナナリー様ですし、ルルーシュ様は外出しておられましたので・・・」
「えうあ、え・・・?」

 

 なかなかうまく状況が飲み込めない。
 確かに、自分はコズミック・イラにいたときはパイロットスーツを着ていて、こっちの世界で起きた時にはすでにパジャマというか寝間着を着せられていた。
 で、そのパイロットスーツはどこにもない。
 ・・・しまった。

 

「フフフ――なかなかいい体をしていますね?」

 

 初めて心の中で「ひいいぃぃぃ!」と思ってしまった。しかも、見られた! 全裸スッポンポンで自分はルルーシュ達のクラブハウスの前で倒れていたというのか!
 何と言う屈辱っ・・・! そしてナナリーが目が見えなくてよかったっ・・・!! と思ってしまった。

 

(てかこのメイド・・・怖えええ!)
「どうしたんだ、シン? そんな怯えきった顔をして」
「ナンデモナイぞ。ウン」

 

 ルルーシュが咲夜子のほうを向く。

 

「・・・咲夜子さん。なんか怖い冗談を吹き込んだんですか?」
「いいえ。私はありのままの事実を」
「ありのままの事実? なんですかそれ」
「それはですね――」
「さ、咲夜子さん!? ちょ、ちょっとやめてくれ!」
「――お恥ずかしそうなので、言えません」
「気になるな・・・。そう思わないか、ナナリー?」
「確かに気になりますけど・・・。シンさんが可哀想なのでいじめるのはひどいと思います」

 

 ナナリーの清く明るい聖母のような心に助けられたシンは、自分自身の赤っ恥がこのメイドだけとの秘密にすることに成功する。
 シンはこのお茶目(?)なメイドには二度と逆らわず、ドジをしないようにと心に誓った。

 

「じゃあ、また近いうちに会いに来るからな!!」

 

 ルルーシュ達に手を振りながら別れた。
 譲ってもらった腕時計を見るとまだ時刻は午後十時。約束の時間までにはあと二時間ほどかかる。

 

「近くを少し回ってみるか・・・」
「そんなことしなくても大丈夫だよ、シン」

 

 不意に後ろから声がかかる。優男のように柔らかな声だ。
 振り返るとそこにいた人物に見覚えがあった。

 

「アンタは・・・オーブの慰霊碑で会った・・・」
「どうも、シン・アスカ。さて、ここで話すのもなんだからどこかで食事をとりながら話そうか」

 

 そう言って握手も何もなしにキラ・ヤマトは校門を通ろうとする。
 ――こいつが正義の味方気取りで・・・戦場を引っかき回したせいで・・・!
 シンは懐から銃を取り出す。ルルーシュの家から拝借したものだった。

 

「二度と食事が取れないようにその喉笛を貫いてやろうか? キラ・ヤマト!」
「・・・・・・やれやれ。君も愚かなことをするね」

 

 振り返ったキラも右手には拳銃を握っていた。
 お互いの距離は約一メートル。引き金を引けば確実にあたる距離だ。

 

「愚かだと? アンタがそんな事を言うのか! 『フリーダム』でヒーローごっこをしていたアンタが!!」
「だとしたら撃ってみるといい。君が愚かなことがよくわかると思うよ」

 

 どう考えても挑発。こんなところで銃弾が撃たれれば、その銃声で誰かしら来る可能性にキラはかけているのだろうか。
 だが、シンの判断は一瞬だった。
 ドンッ! とシンの拳銃から鉛玉が飛び、キラの心臓に命中。
 そのまま力が抜けたように倒れたキラは左の胸からドクドクと血が抜けているのがわかる。
 実に、あっけない。インパルスでステラの仇を取ろうとして、決死の覚悟で挑んで撃破したのにまた舞い戻った不死身のパイロットが・・・こんなあっけなく。

 

「・・・・・・」

 

 だが、シンは気になった。キラのあの自信は何だったのか。
 自分が銃を突き付けた時、もしこいつが自分の戦った理由を、正義を語ってくれれば、自分は引き金を引かなかっただろう。
 しかし、キラはシンに銃を向けた。「自分は殺せない」と言わんばかりに。
 そして銃から出た弾丸はキラの左胸をえぐった。致命傷だ。キラ・ヤマトの体が血溜まりに堕ちている・・・?
 いや、血溜まりができていない!

 

「まさかッ・・・!」

 

 キラの服装は普通の軽装で防弾チョッキを身につけているようには見えない。
 だが、出血をあまり、いや全くしていない!
 本当に死んでいるのかどうかを確かめるため、シンはキラに近づき屈んだ。
 その瞬間、キラ・ヤマトの眼が開かれる。

 

「だぁから・・・愚かだって言ったんだ」

 

 シンの体に衝撃が走る。

 

「なッ!」
「やめてよね・・・。君が僕を殺せるわけないだろ」

 

 キラは左手でシンの首元を掴み足を払ってねじふせ、顎下に右手の拳銃を当てる。
 シンは衝撃に伴い、襲って来たのは恐怖。

 

「あ、アンタは・・・」

 

 自分が目のあたりにしているのは何だというのか。こいつは、キラ・ヤマトは・・・・・・。

 

「アンタは一体何なんだぁぁぁ!!」