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Last-modified: 2009-01-28 (水) 21:07:12
 

コードギアスSEED
第6話 復讐の連鎖

 
 

 小惑星地帯にミサイル攻撃を続け、敵をあぶりだそうと続けるアヴァロン供
 それに耐えかね、アークエンジェル、そしてクサナギが姿を現す。
 敵はザフトである。自分達にとっても敵であることは変わりない。
 ここで逃亡するわけには行かない。
 アークエンジェルのマリューはそう判断を下す。

 

「フリーダムとジャスティスを順次出撃させて!バスターとストライクは艦の防衛に。クサナギにも連絡を」
「了解!フリーダム、ジャスティス、発進…どうぞ!」

 

 マリューの指示の元、ミリアリアがオペレーターとして仕事をこなす。
 その言葉と共に、アークエンジェルからキラの操る白と青色の機体色であるフリーダムと、赤色を主体とするアスランの操るジャスティスが出撃する。
 フリーダムとジャスティスは、アヴァロン兇らのミサイル攻撃を防ごうと、ミサイルをサーベルで撃墜していく。
 アークエンジェルの防御に回ったディアッカ・エルスマンのバスター、ムウ・ラ・フラガのストライクもライフルでミサイルを撃ち落としていく。
 爆音と閃光が小惑星地帯を照らしていく。

 

 その閃光の最中、ストライクに目掛け突出してくるもの…。
 それはランスロットに似ている機体。だが、頭部など形が異なっている。
 キラはサーベルでそれを受け止める。
 すぐにライフルで攻撃を繰り出そうとするが、その姿はすぐに消える。
 キラは後退しながら、こちらにビームライフルを撃つ、その機体を追撃し捕らえようとするが、なかなか照準が定まらない。

 

「くっ!」

 

 キラはライフルでの攻撃を諦め、サーベルでの近接戦闘に切り替える。
 相手もそれを察知したのか、ビームサーベルではないランサーに切り替え、ストライクとぶつかり合う。

 

「このパイロット……今までの人たちとは違う!」
『…我らラウンズに、ここまで迫るものが、他にもいるとは』

 

 キラと剣を交える、その機体にのる女は、歯を食いしばりながら、機敏な動きでストライクを撹乱する。
 エターナルのロイドは、その二機のやりとりを見て目を見開く。
 キラのフリーダムと戦う機体は、見たことのあったものであった。
 それはブリタニアにて、今現在は存在しえないもの…

 

「あれは……まさか、《ラウンズ》専用機!?」
「え、えぇ…おそらくは、しかもあのカラーリングは……《ナイトオブトゥエルブ》モニカ・クルシェフスキーです」

 

 ラクスは、その2人のやり取りがいまいちつかめないが、相手が強敵だということだけは理解できた。
 アスランにも、黄緑色の機体がなんなのかわからない。
 あのような機体…連合にもザフトにもなかったはずだ。
 系統としては、スザクの機体と似通っているが。

 

『お前の相手は、私だ!』
「なに!?」

 

 油断したアスランに襲い掛かる新たな機体。それもまた、自分の知らないものである。
 黒い機体色をした重装甲な機体。
 両腕にランサーを装備しており、手首を回転させランサーをまるでドリルのようにしている。
 アスランはビームサーベルで受け止めようとするが、回転の勢いを受け止めきれずに弾かれてしまう。

 

『フフ……私は《ナイトオブフォー》ドロテア・エルンスト。
 我が愛機、《アグラヴェイン》の力、ここで見せてくれる!』
「お前達のようなものに、俺達の未来を潰させはしない!」

 

 ライフルを撃ち込み、敵の動きを止めようとするアスランだが、そのライフルさえも回転したランサーを前に弾かれる。
 アスランは迫るアグラヴェインの前に防戦一方となる。
 そんな中、猛スピードで迫る機体。

 

『きたか……枢木スザク』

 

 ドロテアはアスランから距離をとって、目の前に現れるその白き、自分をかつて容易く倒したその機体を睨みつける。

 

「貴方達がどうしてここに!?」

 

 スザクは、かつて知った顔のものであり、この異世界にそして死に絶えたものが眼前に現れたことに衝撃を覚える。
 そんなスザクの驚きを嘲笑うかのようにドロテアは剣をスザクに向ける。

 

『お前を倒すために、地獄から蘇った。そういえばお前にはわかりやすいだろう?
 以前は機体が無く後れを取ったが、今日はそうはいかない。
 お前を倒し、失墜したラウンズの栄光を取り戻す!』

 

 ドロテアの操るアグラヴェインは再び二刀流のランサーを高速回転させ、憎しみをこめてスザクに襲い掛かる。
 スザクはそれをアスランと同じようにハドロンライフルを撃つ。
 それをかわすドロテア。

 

『はああぁあぁぁぁ!!』
「うおおぉぉぉ!!」

 

 スザクは、ドロテアの高速回転を行なうランサーの突きを剣で向きを変えさせたことで、姿勢を崩す。
 目の前で完全に露になる、アグラヴェインの胴体部分。
 止めを刺そうと、剣を構えるランスロット。
 だが、そこでスザクの脳裏にラクスの言葉が蘇る。

 

『戦い、人を殺せば…復讐の連鎖が生まれる』

 

 出来なかった。
 ラクスの前で彼女の理想を崩すことは……
 アグラヴェインを素手で殴る。
 それだけでも、機体にはかなりの衝撃が加わる。
 勢い良く殴られたアグラヴェインは、後退する。

 

「こ、この私が……情けをかけられたというのか!」

 

 それは撃墜されると感じていたからこそ、思う屈辱。
 コクピットでドロテアは拳を壁に叩きつける。
 さらには、撤退命令…。
 ドロテアの機体に近づくモニカ。

 

『…ドロテアお姉さま。連合軍の艦が近づいています。ここは撤退を』
「わかった。引き上げる……この屈辱忘れはしないぞ、枢木スザク!」

 

 二機はアヴァロン兇飽き上げ、アヴァロン兇睥ッΔ靴討い。
 その余りにも早い退却に、キラとアスランも不思議に思う。
 だが、マリューにはそれがなぜかわかっていた。
 連合軍の艦が、ここでの戦闘に気がつき、近づいていたのである。

 

「連合軍の戦艦接近……これはっ!アークエンジェルの同型艦です!」

 

 ミリアリアの報告を聞き、驚くマリュー。
 先ほどの戦闘に続いて再び、脅威が現れるとは…
 その新たな連邦軍の接近は、クサナギ、エターナルにも報告が入っていた。
 連戦となると、さすがにエネルギー供給などが間に合わない。
 ここは、撤退したほうがいいだろう。

 

「全部隊、速やかに撤退、MSを回収し現宙域から離脱します」
『…クサナギもアークエンジェルに続く』

 

 エターナルにいるラクスは、自分の理想とは程遠い現実に、何も言えなくなっていた。
 戦いは続く。
 どうすれば、みんながわかってくれるのだろうか。
 いいえ、もうそれには時間が無い。
 戦いは戦いを呼び、悲しみは悲しみだけを生み出していく。

 

「…お姫様、あなたが指示を出す番ですよ?」

 

 見ていたロイドが、戦場を呆然と見ていたラクスに問いかける。
 ラクスは自分の思い描いた世界に霧がかかり始めていたことを知った。

 

「……え、エターナルも……両艦に、続いて……回収後、宙域を、り、離脱してください」

 

 バルドフェルドがそれを聞き、エターナルも離脱する。

 

 ▽ ▲ ▽

 

 アヴァロン兇任蓮△修療餌爐陵融劼鬟皀縫拭爾砲督めていた。
 ブリッジではビスマルクと、今回の戦闘には参加していなかった《ナイトオブテン》ルキアーノ・ブラッドリーが、オレンジ髪の頭に両手を回しにやにやと笑っている。

 

「……相変わらず、偽善者気取りかよ。あいつは」

 

 ビスマルクは、そんなルキアーノを横目で見ながら再び正面の画面を見る。

 

「強さに関しては以前と変わらない。
 実力を出し切った我々であっても、勝てるかどうかは難しいところだな」
「ナイトオブワンともあろうお人が、随分と弱気ですね。
 それとも、一度敗れたことで自身が喪失してしまいましたか?」

 

 ルキアーノはビスマルクであっても決して引かぬ態度で皮肉る。
 ビスマルクはそんなルキアーノを相手にはしない。

 

「我々の目的は…この世界における『異邦の存在』を抹消すること。それ以外には興味はない。
 戦闘したとしても、それはあくまで足止めにしなくてはいけない。それを忘れるな」
「…わかってますってば。そうじゃなきゃ…折角生き返った俺達の存在も消されちまうってことでしょう?」

 

 ルキアーノはそれでも楽しそうに笑っている。
 再び戦闘を行い、さらには一度相手をしたかったスザクと戦うことができるのだ。
 一体どのようにして彼を追い詰めようかを考えている。
 ビスマルクは、このような事の大きさも分からないような存在までもがこの世界に呼び寄せられたことに対して不満が残る。

 

 実際、自分がなぜこの世界に呼び出されたかははっきりとはわかっていない。
 ただ、皇帝陛下が《集合無意識》と仰った『神に等しい存在』により、この世界に送り込まれたのは確かなのだ。
 自分の復讐を成し遂げるためにこの世界に送られたとは考えにくい。
 しかし、今はこのものであっても利用するしかない。
 全ては、歴史の修正。皇帝陛下の理想を実現させるため……

 

 ビスマルクは目を閉じて、改めて自分の気持ちを確認し、とりあえずの目的であるスザクを倒すことを誓う。

 

 ▽ ▲ ▽

 

 エターナルに戻ってきたスザクはロイドとセシルに話を聞くことになる。
 今、現在…連合軍との距離とは一定を保ったまま行動している。
 すぐに補給作業を行い、迎え撃つか、それともこのまま逃げ切るかを考えなくてはいけない。
 だが、それと同じく、今回戦ったアヴァロン兇鮖つラウンズの亡霊たちのことがスザクにとっては気がかりだ。

 

「……やはり、そうでしたか」

 

 スザクは険しい表情でロイドたちから話を聞く。

 

「おそらく、あの艦にあった部品やら資料を見て機体を作ったんだろうね。
 それか…僕らと同じく飛ばされてきたか」
「……確認したところ、今回の戦闘に参加していたのは戦死したラウンズ、ナイトオブフォー…ドロメア、ナイトオブトゥエルブのモニカの両名です」

 

 スザクは、自分達の世界の人間達によるこの世界への介入が不思議であった。
 それは最初から考えていたことでもある。

 

「…僕らがこの世界に飛ばされた理由はおそらく、ルルーシュとC.C.と一緒に誓った『人類の未来』が原因だと思います。
 要するに、この世界で『人類の未来』が損なわれることが起きそうになっている、ということです」
「えぇ、それはこのナチュラルとコーディネイターの種族をかけた戦争であると私は考えていたんだけど…」

 

 セシルとロイド、そしてルルーシュの家のメイドであり今現在自分の世界で《ゼロ》の影武者を務めているであろう篠崎咲世子には『ゼロレクイエム』時に、《Cの世界》の一件を伝えてある。

 

「……どうやら、それだけじゃないみたいだね。
 彼らがここにいる理由。ここに飛ばされた理由は僕達のとは別にあるのかもしれない」

 

 ロイドは、悩みながら考える。スザクも。
 《Cの世界》は、一体自分達に何をさせようとしているのか、
 それがわからない以上は、ただこのまま流れに乗ることしかできない。

 

「……ところで、ラクスは?」

 

 今回の出来事で、かなり心に傷をつけているだろうスザクはそんな彼女に、言葉をかけてあげたかった。
 彼女はまだ軍人になりきれていない。
 それはそうだ。アークエンジェルにいたものたちと違って、ラクスはこの前までただの一般市民であり、アイドルとして活躍をしていたのだ。
 戦いを現実に見せつけられ、そしてそれを指揮する立場にあたる彼女に対する期待は、計り知れないプレッシャーとなっているだろう。

 

「…今は自分の部屋で休んでいるみたいよ」
「機体の整備はやっておくから見てきてあげて」
「…わかりました」

 

 スザクはロイドとセシルにお礼を言うとラクスの部屋に向かう。

 

 ▽ ▲ ▽

 

 ラクスの部屋は暗闇に包まれていた。そしてベットの上、膝を丸めて、震えている。
 声が……声が聞こえるのだ。
 さっきからずっと…。

 

『あなたの理想は、あなたの声じゃ届かない』

 

『あなたの求める世界は、訪れない。あなたは結局誰も救えない。お父様も…誰も』

 

「やめて!もう…やめてください!」

 

 ラクスは声が聞こえないよう両手で耳を抑えるが、それでもなお声が聞こえてくる。まるですぐ隣から話しているようだ。

 

『……力を行使すればいいじゃない。みんなあなたのギアスで平伏せばいいわ。
 そうすれば、誰も血を流さない。誰も死なない。理想の世界が出来上がるわ』

 

「そんなのは平和とは呼びません!偽りの平和、そんなものは……」

 

『だったら、あなたはどうするの?邪魔者を排除するの?パトリック・ザラのように…』

 

 お父様が殺されたやり方で…だけど、それは元々自分の行動が原因。
 人を恨むのは間違っている。私は、人を恨まない、人に復讐なんかしたくない。

 

「私は、私は……一緒になんかなりませんわ!
 戦うだけが解決策じゃないもの。話をして、聞いてもらえばわかってくれますわ!!」

 

『いいえ。わかってくれないわ。今日の戦いを見たでしょう?あなたを狙うものは、あなたの言葉なんか聞かない』

 

「あなたは…あなたは誰なんですか?どうして……私に付きまとうの?!」

 

 ラクスは暗闇の中、顔を上げる。
 ラクスの前にあるのは『鏡』……

 

『私は……あなた。あなたの心……』

 

 鏡に映る《ラクス》は、そういって微笑んだ。

 
 

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