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もしもアーサーがミネルバの艦長だったら_第01話

Last-modified: 2007-11-06 (火) 16:30:53

アーサー・トライン26歳。ザフト軍の軍人である。

まだ26の若さにして黒服をまとうエリートになったアーサー。
しかし、ここまで来る道のりは長かった。

軍に志願し、士官学校時代、教官であったフレドリック・アデスに憧れ、
艦長職を目指すと心に誓ったアーサーは、勉強を惜しまず、
士官学校を上位の成績で卒業し、晴れて黒服となった。

だが、彼にはあまり友達がいず、尊敬していたアデス艦長が
C.E71の戦争で戦死したショックもあり、C.E73現在となった今では、
彼はブラブラとした毎日を送っていた。

巷の噂では、ザフトが新造艦を作ったらしいが、アーサーは
あまり興味を持たなかった。なぜなら、戦争も終わり、
特に何をするわけでもなく、友達もいない彼は
パソコンゲームにのめり込んでいたからである。

「フォンドゥヴァオゥ!このルートで攻略するんじゃなかった!」
「やっぱりこっちのシナリオからクリアする方が良かったかな・・・選択肢を間違えた・・・。」

PCを前にシャウトする一人の男。アーサーは今日もエロゲと格闘していた。
パソコンや机の周りには、数多くのエロゲが並び、ゴミ箱はティッシュで埋まっていた。

と、そこへ、部屋のチャイムがなった。

アーサーは、軍の士官寮に住んでいる。建物の周りは公園があり、自然が整備されて
穏やかな場所だ。部屋も防音で、綺麗なため、アーサーはここが気に入っていた。
しかし、アーサーには友人もおらず、近所付き合いもないため、この部屋を訪れる者は
皆無と言ってよかった。

「誰だろ・・・?」

ドアの前にアーサーが近づくと、突然ドアが開いた。

「やあ、突然邪魔をして悪いね。」

そこに立っていたのは、紛れもない、現在、プラントの最高評議会議長を務める、
ギルバート・デュランダルだった。彼の後ろには、数人のMPが見える。

「フォンドゥヴァオゥ!ぎっ、議長!?」

自分がエロゲをしまくっているのがバレたのかと思ったアーサーは心底驚いた。

「ふむ・・・噂どおり、すごい部屋だね、ここは。」
だが、デュランダルは部屋の様子に特に驚くわけでもなく言った。

「あ、あの、議長?」
「ああ、君の事はよく知っているよ、アーサー・トライン君。今は多くの
 アダルトゲームをプレイしている事もね。いや、何、色々と情報も
 入ってくるからね、私の所には。」

その言葉にアーサーはショックを受けた。自分のエロゲマニアが軍上層部や
評議会に筒抜けだった事が信じられなかったからだ。

「終わった・・・orz」
「まあ、待ちたまえ、今日はアダルトゲームなどの用件で来たのではないんだ。」

「え・・・?」
「実は、君に折り入って頼みごとがある。重要なことだ。」
「はい。」
「実はね、君に、我が軍の新造戦艦の艦長になってほしいのだ。」

「・・・ええぇえぇぇえぇ!?ぼ、僕にですかぁ!?」
「そう、君にだ。」

「えぇぇ?で、でも、なんで・・・?」
「君が士官学校を優秀な成績で卒業した事は私も知っている。
 あのアデス君も、特に君を褒めていたそうだからね。残念ながら、
 彼は前の戦争の時に亡くなってしまったが・・・。」

「で、でも、噂では、その新造艦には女性が艦長になると・・・」
テレビなども一応見るアーサーは、そこそこの情報は知っていた。

「ああ、タリア君の事か。確かに彼女は、士官学校をトップの成績で卒業し、
 色々と優秀な女性だ。だが、艦長を選ぶ会議で、女性が艦長になるのは
 相応しくない、という意見が大半をしめてね。いやはや、軍の老人達の考え
 も古臭い物がある。連合では女性の艦長もざらにいるというのにね。」
「それで、僕が・・・?」

「そうだ。女性艦長は否決され、君の他に数人いた男性候補も、辞退したりして、
 結局、成績などから判断して残ったのが君だ、という分けだ。」
「で、でも自分は・・・」
「なに、すぐ決めてくれとは言わない。だが、たいして時間もないのだ。もうすぐ
 艦のお披露目式だからね。君が優秀なのは私もよく分かっている。どうか
 考えておいてくれないだろうか。」
「・・・・・」
「もし、この話を受けてくれるなら、2~3日のうちに、私に連絡を頼む。
 では、良い返事を期待しているよ。」

そう言って、議長は部屋を出て行った。

結局、1日悩みに悩んだアーサーだったが、この話を受ける事にした。
なぜならば、そろそろお金がヤバく、満足にエロゲも買えそうにない状況だったからだ。
艦長職になれば、給料も多く入り、エロゲには困らないだろうと判断をアーサーは
最終的に下した。

・・・それでいいのかアーサー。

決心したアーサーは翌日、評議会へと向かった。
「やあ、アーサー君、君ならきっと受けてくれると思ったよ。」
「いえ・・・そんな。」
「その様子だと、決心してくれたみたいだね。ありがとう。」
まさかエロゲのためとは口が裂けても言えなかった。

「さて、あまり時間もない、早速艦に案内しよう。書類や手続きなどは
 その後にすぐ行う事にする。まずは艦を見てほしい。」
「は、はい。」
そう言って議長はアーサーを連れ、部屋を出た。

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