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もしもアーサーがミネルバの艦長だったら_第05話

Last-modified: 2007-11-06 (火) 17:01:15

~地球・ジブリールの私邸~

そこには10人ほどの男達が集まっていた。
ロード・ジブリール、ブルーコスモスの新盟主と軍事産業体、
ブルーコスモスの母体ともされる「ロゴス」の幹部達である。

「皆さん、デュランダルのした事、しかと目に焼き付けたでしょう。」
そう話し出すジブリール。
「だがジブリール、あれはまだデュランダルがした事とは完全には判明していないのでは?」
「そうじゃ、今動くとしても、性急すぎやせんか?」
ブルーノ・アズラエルら、ロゴス幹部が口を開く。

「あれ」とは無論、ユニウスセブンの地球落下事件、ブレイク・ザ・ワールド事件の事である。
ユニウスセブン本体が落下する事はなかったが、砕かれた多くの破片が地球上の各地を
直撃したのである。それにより、ローマ、上海、北京などをはじめとした地球の各地が被害を受けた。

「私はただザフトのガンダムが欲しかっただけなのだ!それなのにデュランダルはあのような
 非道な仕返しをした!これはあまりにも酷すぎる!そうは思わないかね?諸君!」
「そもそも、ガンダムなぞ連合製ので普通に我慢すれば良かったじゃないかのお。」
「・・・それにデュランダルがやったというはっきりとした証拠もないではないか。」

「何を言うんです!ちゃんと証拠ならある!あの映像を皆も見たでしょう!」
映像とは地球連合軍特殊情報部のマティスからジブリール宛に送られた、ユニウスセブンを
落下させようとしているジンハイマニューバ2型が映っていたものである。

「確かに見たがのう・・・ジンタイプだけではデュランダル、ザフトとは分からんぞ。判断できん。」
「いや!奴だからこそやりそうな事です!間違いなくあれはザフトの連中が仕掛けた事です!
 やつならやりまよ、腹いせにコロニーを落とすくらいね。」
「う~む・・・。」

その時、入り口のドアから一匹のペルシャ猫が入ってきた。

「おお!ペルシャちゃん!来てくれたのか!」
すかさずジブリールは猫に駆け寄り、抱き上げた。
「相変わらずじゃの・・・ジブリール。」
「しかし、ペルシャ猫の名前がペルシャって・・・そんな安直な。」

「ペルシャの悪口は許しませんよ!」

「分かった分かった。お主の猫好きにも困ったものだわい・・・。」
ジブリールは屈指の猫好きだった。特にペルシャ猫が。

「猫は可愛いですよ、いや、ほんとに。なあペルシャ?」
にゃぁ~ん、とペルシャが鳴く。

「・・・ごほん、まあ、これくらいにして、本題に入りましょうか。我々は今後、連合を動かし、
 プラントとの戦争準備を始めましょう。オーブあたりと軍事同盟を結ぶのもいいでしょう。
 あそこはまた中立を貫いていますがね。皆さんも軍備の増強をお願いします。」
「そうか・・・分かった。お主が言うならそうしよう。」

「ふふ・・・デュランダル・・・私を怒らせた罪は重いぞ。」
ロゴス幹部達が帰った後、ジブリールは窓を見ながら一人呟いた。

と、その時、ペルシャが腕から離れ、向こうへ走っていた。
「ああっ!ペルシャちゃん待って!!いたっ!」
ビリヤード代に足をぶつけたジブリールは見事にすっ転んだ。

~オーブ・オノゴロ島近海、マルキオ邸~

時はジブリール私邸での会議より少し遡る。
ユニウスセブンの砕かれた残骸が空を赤く染め、流星雨となって地球へと降っていた。

オーブ近海に浮かぶ小島。ここにはプラントやオーブに影響力を持つ盲目の導師、
マルキオ導師が住んでいた。そして、小さな孤児院がそこに建っていた。
その孤児院の外、木で作られたベランダに二人の男女がいた。

「キラ・・・」
「ああ・・・ラクスか。」

キラ・ヤマトとラクス・クライン。前大戦の際、伝説とまで言われたフリーダムのパイロットと
クライン派を率い、戦争を終結させたとされるリーダーである。賛否両論はあるが、
彼らの名はプラント、地球を含め広く知れ渡っていた。

「キラ、何をしていたんですの?」
「ああ、空を見ていたんだよ、きれいな流星雨だね。」
「あれはユニウスセブンの残骸だそうですわ・・・。」
「そんな事しってるよ、案外細かいんだねラクスは。」
「・・・・・」

「それよりラクス、早く夕飯頼むよ。」
「キラ、今、子供達を地下へ避難させている最中ですわ。もう少し待って・・・」
「あ、風呂もそろそろ沸かせてほしいな。
 それと、明日の朝は目玉焼きがいいから、新鮮な卵買ってきといて。」
「・・・キラ、少しは働いたらどうですの?毎日毎日・・・せめて洗濯か掃除くらい。」
「働いたら負けだよ、ラクス。」

キラ・ヤマトは立派なニートとなっていた。

(駄目だわ・・・このニート、なんとかしないと・・・)

舞台は変わり、戦艦ミネルバ。

無事、地球へと降下できたミネルバは現在海上にいた。

「では議長?プラントへ帰るんですか?」
「ああ、ユニウスセブン落下事件の事で、至急、地球の災害地への救援の準備や、
 評議会への報告などもしなければならないからね。」
ブリッジでは議長がプラントへ一度帰る、という事をアーサーや皆に話していた。

「幸いにも今いるこの地点からはカーペンタリア基地が近い。基地へ連絡して
 小型飛空挺に迎えにきてもらうよう、先ほど連絡をしておいたよ。」
「で、でも議長、僕らはこれからどうすればいいのでしょうか。」
「そうだね・・・ここからはオーブが近いね。まずはオーブへ寄って見るのはどうだろうか。
 あそこは中立だからね、ザフトの艦でも大丈夫なはずだ。」
「オーブ・・・ですか。」

「そのままカーペンタリアへ行ってもいいのだろうが、あそこは基地だから他に何もない。
 君達も今まで色々と疲れただろうし、補給もかねて一度大きな休息をとるべきだろう。
 その点オーブは観光地としても有名な所もあるし、商店なども充実している。
 オーブに行った事のない者も多いだろうし、どうだろうか?オーブのウナト宰相には
 私からちょっと話をしておこう。」
そうまで言われては断る事もなかった。
「分かりました。我々はオーブに向かう事にします。」

「デュランダル議長!飛空挺が到着したようです!」
その時、マリクが叫んだ。見るとミネルバの横にザフトの小型飛空挺が着水している。

「そうか・・・では、アーサー君。君達とはしばしお別れだ。ミネルバを頼んだよ。」
「はっ、はい!」
アーサーは直立不動で敬礼を返した。
そしてデュランダル議長は飛空挺に乗り、飛空挺はカーペンタリアへと飛んでいった。

「よし!これより本艦はオーブへ向かう!」
アーサーの指示によりミネルバは動き出した。

オーブへの道中、ミネルバは自動航行へと移行した。
「よし・・・オーブまではまだ長いかな、ここらでちょっと休憩をしようか。」
アーサーはそう言い、必要最低限の人員を残して、皆に休憩の命令を出した。

「あたし、お姉ちゃんの所に行ってきます!」
そう言ってメイリンはブリッジを飛び出していった。
「メイリンちゃん元気だなあ。じゃあ僕もちょっと休憩に行って来るよ。」

「ちえっ、いいなあ艦長・・・俺達は休憩はどうすんです?」
バートが言う。
「まあ誰も居なくなるのは困るから、交代ずつで行ったらどうだい?」
「そうですね。」
「何かあったらすぐ連絡を頼むよ。」
「はいはい分かりました。じゃあ行ってらっしゃい。」
そうしてアーサーはブリッジを後にした。

「さて・・・何処に行こうかな。外のデッキにも行ってみようか・・・」
アーサーはミネルバの外にある展望デッキへと足を進めた。
ドアを開け、デッキに出ると、そこには先客がいた。
「あれは・・・シンか?」
そこにはシンが一人、デッキの柵にもたれながら携帯電話を眺めていた。

「やあシン、こんな所でどうしたんだい?」
「え?あ、アーサー艦長・・・。」
「携帯なんか眺めてどうし・・・ちょ、何この可愛い美少女!!!」
携帯の画面には栗色の髪の毛の可愛らしい少女が写っていた。

「え?待ちうけ画面だよねこれ。彼女かい?やるなあ、シン君も。」
「ち、違いますよ!これはマユ・・・妹ですよ。」

(い・も・う・と!?)

「それなんてエロゲ?」
「は?」
兄弟がいないアーサーにとって「妹」とは魅力的なエロゲーワードだった。

「そっか・・・マユ・アスカちゃんかあ。シン君の妹ねえ・・・。」
「ええ、俺の自慢の妹なんですよ。クッキーを焼くのが得意なんです。」
そう言ってシンは笑顔を見せた。

シンの家族・・・両親と妹のマユは現在プラントに住んでいる。
前大戦の際、オーブは連合により攻撃を受け、数多くの被害を受けた。
シン達の住んでいた地域も例外ではなく、連合の攻撃で焼け野原となってしまった。
だが、シンと家族はなんとか無事にオーブを脱出する事ができたのである。

オーブの家や街は焼けてしまい、かといって非道な攻撃をした地球連合へ
行く事もできず、シン一家はそのままプラントへと移住する事にしたのである。
一家はプラントで新しい家を借り、シンはそのままザフトの軍人となった。

「マユは今頃、プラントの家でどうしてるのかなあ、と思って、携帯を眺めてたんです。」
「そうか・・・しかし、軍人になる事に両親やマユちゃんは反対しなかったのかい?」
「ええ・・・でも、俺は連合のした事が許せなかったし、・・・何よりお金が必要でしたから。」
「君も苦労してたんだな・・・。」
毎日エロゲばかりしていたアーサーはちょっと恥かしくなった。

「これからオーブへ行くんですよね?」
「え?ああ。そうだよ。僕はオーブは初めてだけど、シン君にとっては色々と・・・その・・・」
「あ、いいんです。・・・悪いのは連合ですから。オーブ政府とかには特に恨みとかないですし、
 オーブの人たちにも色々親切にしてもらったし・・・ただ、自分の住んでいた所は今は
 どうなっているのかなあ・・・なんて。」

「そうだな・・・。まあオーブに着いたらまずは補給だな。それで・・・それからの事は
 また着いてからどうするか考えればいいと思うよ、僕は。」
「そうですね・・・なんかすいません艦長、こんな話しちゃって。」
「いいんだよ。こっちこそすまなかった。・・・じゃあそろそろ僕は戻るよ。それじゃ。」
そう言ってアーサーは展望デッキを後にした。

~オーブ連合首長国・オーブ行政府~

「・・・ああ、分かった。連絡どうも。・・・それでは。」
オーブ行政府の宰相室。そこで、オーブ宰相であるウナト・エマ・セイランが電話をしていた。
「どうしたんだい?父さん。誰からだい?」
側には一人の優男風な青年がいる。ウナトの息子、ユウナ・ロマ・セイランである。

「ああ・・・ユウナか。何、ザフトのデュランダルからだよ。」
「あのデュランダル議長からの電話だって?」

「そうだ。なんでも、ザフトの新型戦艦の我が国への寄港を認めてほしいそうだ。」
「新型戦艦・・・?」
「ミネルバと言うらしいが・・・。その艦の補給その他もろもろを頼まれたよ。」
「ザフトか・・・何も、オーブが連合と同盟を結ぶか否かってこんな時に、面倒だね。」
「ユウナ、それはお前が一番押してる事ではないか。」
「まあね、ブルーコスモスの盟主殿が、連合と同盟を結べば連合の最新エロゲーを
 多数くれるって言うんだから、こりゃもう同盟結ぶしかないでしょう!!」

ユウナ・ロマ・セイランも屈指のエロゲーマーであった。

「・・・まったく、お前のアダルトゲーム好きにも困ったものだ・・・。」
あきれ顔のウナト。
「それで・・・補給は?」
「ああ、認めたよ。まだ連合と同盟は結んでおらんし、私自身も、その新型艦を
 ちょっと見てみたくてな。・・・それにうまくすればザフトの最新軍事情報を手に入れれるかもしれん。」
「そうだね。」

「だが、仮にもザフトの新鋭艦だからな、ワシとお前、それにアスハ嬢も出迎えに出た方がいいだろう。」
「カガリも!?・・・いや、そうだね。護衛はあのアレックスに任せればいいし、ザフトにも彼女の
 可愛らしさを思いっきり見せ付けてやれるね!」
「・・・・・」
「あれ?どうしたの父さん。」
「いや・・・まあいい、・・・早速出迎えの準備をしなくてはな、よし、行くぞユウナ。」
「OK。カガリにもこの事を伝えなきゃ。」
そうして二人は部屋を出て行った。

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