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ウルトラマンデスティニー_第06話

Last-modified: 2007-11-17 (土) 03:50:01

人造機動獣キャオス、空間認識兵器エグザス、合成獣ダランビアⅡ登場





─ミネルバディレクションルーム─



「失礼します!ちょっと、何がどうなってるのよ!?」

「敵の奇襲だ。さっきの機体とキャオスのようだ」

入ってきて早々叫びだすルナマリアに冷静に答えるレイ。と、その時メイリンが姉に劣らぬ声で叫んだ。

「艦長っ!コードはガーティー・ルーのメビウス・ゼロから通信です!」

「っ!?繋いで!」

すぐさま命令を下すタリア。するとモニターに仮面を被った男の顔が大きく映された。

『やあミネルバの諸君。私達からのプレゼントは気に入ってもらえたかな?』

「どういうこと!?通信はメビウス・ゼロからのものだったはず」

『ああ、このエグザスの元になった機体かい?悪くはないが古かったので改造させてもらったよ。こっちの方がイカすだろ?』

「改造!?貴方達は一体・・・」

『よくぞ聞いてくれた。私達はファントムペイン!地球平和連合という腐りきった組織に正義の鉄槌となるべき存在だ!』

「正義の鉄槌だと・・・!?」

デュランダルが険しい顔をして睨みつける。しかし仮面の男はそれを意に介さずといった様子で続ける。

『そして私の名はネオ・ロアノークだ!まやかしの平和の影で傷つけられた物言わぬ物たちの痛み、思い知れ!』

その言葉とともにレールガンを撃つエグザス。迎撃もできずミネルバの船体に新たな傷が刻まれる。

「艦長!俺達を出撃させてください!」

遅れて来たシンが出撃許可をタリアに請う。しかしタリアは首を縦には振らない。

「ここまで近づかれてわ無意味だわ。あなたたちが出撃する頃にはもうこの艦は落とされてるでしょうね」

「じゃあどうすれば!」

「・・・・・・」

「艦長!何とか言ってくださいよ!」

「メイリン!・・・・・・」

「でも、それじゃ艦長!」

「早くしろ!私達まで死んだらどうする!・・・ナイトハルト、ってーっ!」

タリア艦長の号令の下、ミネルバから宇宙用ミサイル「ナイトハルト」が発射される。しかしその標的はネオたちではなかった。



「へっ!どこ狙ってんd・・・うおあー!」

ネオたちの前方でいきなり大規模な爆発が発生する。

「スティング!・・・くそっ、奴らめ!俺達が破壊した味方艦の残骸を撃つとは!?」



「なっ・・・艦長!?どうして!」

目の前で起こった事のわけがわからずその意味タリアに聞くシン。そのシンにタリアは冷徹に言った。

「残骸を撃ったのよ。エンジン部分や弾薬庫を狙って。それよりアーサー、全速で逃げ切るわよ」

「残骸じゃない!味方ですよ!もしかしたらあの中にはまだ生存者が・・・!」

「見たところそんなものはいないわ。それに、宇宙港が破壊されたのよ。救助が来る頃には、もう手遅れよ」

「だったら俺達が!」

「馬鹿者!死にたいのかお前は!」

タリアの怒鳴り声にビクリと後ずさるシン。あまりの衝撃に言葉が喉から出てこない。

「我々にそんな余裕はない!死にたいなら勝手に出て行け!ただしザフトイーグルは使うな!」

「う・・うう・・・・・・っ!!」

何も言えないまま走って部屋から出て行くシン。その後、タリアがポツリと言った。

「すまない・・・・・・」





「どうするんだネオ!このままじゃ逃げられちまうぜ!?」

「フ・・・安心しろ、ちゃんと保険をかけてある・・・まさかこうも簡単に使うことになるとは思わなかったがな」

「けどよ、もしあのウルトラマンが出てきたらどうするよ」

「安心しろ、あいつはもうしばらくは出てこんさ。ウルトラマンは一度力を使い果たすと24時間以内には復活できない」

「詳しいな。なんでそんなこと知ってるんだ?」

「・・・さあ、俺にもよくわからん」







─ミネルバ艦内通路─



「くそっ!どうして!どうしてこんな・・・!」

無人部屋の前、感情を押さえられずドンと壁を殴りつけるシンの姿があった。裸の拳が赤くなるが、そんなことにも気付かない。

「畜生っ!ウルトラマンになれさえすればこんなことには!皆、皆助けられたのにっ!!」

再びシンが壁に右手を叩き付けた時だった。無人だと思っていた部屋のドアが開き、カガリとアスランがシンの前に姿を現した。

「・・・君は・・・どうしたんだ」

シンの尋常ではない様子にどうしたのかと聞くアスラン。しかしシンはそんなことに答える気にはなれない。

「あんたらの知ったことじゃないよ!」

思わず怒鳴るシン。それに怒ったのがカガリだ。負けずに怒鳴り返すが今のシンは強かった。

「あんたらとはなんだ!お前、オーブ出身じゃないのか!?」

「ああ確かに生まれはオーブさ!だけど、ガキの頃に離れたんだからアンタなんか聞いたことしかないね!」

「なにい!?」

「ついでに言うともうあんな国には戻りたくもない!専守防衛なんて言葉だけは立派なこと言って、なんなんだよ七年前のあれは!

 怪獣に好き放題やられて!いつの時代だよ!?怪獣がそんな聞き分け言い分けないって事ぐらいわかんないのかよ!」

「・・・!」

「ふん・・・!ほら、何か言いたいことでもあるんじゃないのか?」

早口言葉のようにまくし立てるシンに押されるカガリ。実際シンの言っていることは七年前のカガリ自身が感じていたことでもあるのだ。しかし・・・

「確かに、お父様、いやアスハ家の政策はあの当時としては不適切だったのかもしれない。それは申し訳ないと思う。だが!私は謝らない!」

「「!?」」

これにはシンだけでなくアスランまでもが驚く。更にカガリは続ける。

「それに、お父様達がいたから今のオーブがあるのだ!私達のやり方は間違っていた、しかしその理念までもが間違いだったとは思わない!」

「クッ・・・くそっ!」

今度はシンが黙る番だった。元々怒りに任せて言っただけに、少し冷静になると言葉が出てこない。俯いたかと思うと踵を返して走り出した。

「あ、シン!こんなところにいたの。タリア艦長が呼んで、キャッ!・・・もぉ~、なんなのよアイツ!ちょっと!シ・・・」

全力疾走するシンに突き飛ばされるルナマリア。彼女がシンを追いかけようとした時、後ろにいる二人に気がついた。

「カガリ様!・・・・・・もしかして何かあったんですか?」

慌てて挨拶をしようとするが、カガリの顔を見てたずねる。沈黙するカガリの代わりにアスランがたずね返した。

「気にしないでくれ。それより、あいつどうしたんだ?オーブに恨みでもあるのか・・・?」

ははあ、とある程度状況を把握したルナマリアは。小声で二人に話し始めた。

「私も詳しくは知らないんですけど、シンは七年前に怪獣・・・シグーに母親を殺されているんです」

「「!」」

「その頃シンはまだ9歳で、その後OMNIに所属してた父親を頼って妹と一緒にコロニーに来たらしいんですよ。

 でも、その父親も死んじゃって・・・妹さんはオーブに戻って復興活動してますけどシンは母親の命日以外帰ろうともしないんです」

「そんなことが・・・」

「あ、私そろそろ行きますね。今の話、シンには内緒にしておいてくださいね、あいつキレると何するかわかりませんからw」

そう言うとディレクションルームの方向へ走っていくルナマリア。カガリとアスランはその場に取り残されたようになってしまった。

「・・・カガリ、さっきはよくあそこまで言えたな。驚いたよ」

「オーブを否定したら、国のために死んでいった者達を、お父様まで否定するようなことになる気がして・・・だけど・・・」

「あのシンって奴には謝りたかったか?」

何も言わずに目をそらすカガリ。アスランはそんなカガリに諭すように言った。

「・・・大丈夫さ。きっとわかってくれるよ。あいつもオーブの民なんだから・・・」







─ディレクションルーム─



「これよりガーティー・ルーはファントムペインを名乗る者達に拿捕されたと見做し、ボギーワンと呼称します。メイリン」

「はい。あのキャオスという怪獣は体の80%が機械化されており宇宙空間での戦闘も可能なものと考えられますそれと・・・」

タリア達が敵の戦力分析に熱を入れようとしていたその時、艦内に警報が鳴り響いた。

「これは!ダランビアです!三体のダランビアが艦に取り付いています!」

「何故スフィア合成獣が!いや、それよりレーダーは反応しなかったのか!?」

「周囲の岩石に紛れていたと思われます!」

「くっ・・・ザフトイーグル出撃せよ!」







─格納庫─



「聞いたな、シン。これは急を要する任務だ。まず合体状態で発進後、すぐに分離して散開する。ルナマリアもいいな?」

「「了解!!」」

二人が返事をすると同時に、三機が合体したザフトイーグルがカタパルトから発進する。そして即座に分離、迎撃に回る。







─デブリ帯─



「食らえーっ!」

シン機がその機動力を生かして接近、ビーム砲をダランビアに放つ。だがダランビアの亜空間バリヤーはそれを簡単に跳ね返した。

「正攻法では駄目だ。分析の結果、足元にはバリヤを張れないことがわかっている。見ていろ」

言うと、レイはイーグルPをロールさせてダランビアの攻撃を避けながら直進、そのまま砲撃を加えてダランビアの足を破壊する。

体勢を崩し、ミネルバから離れかけたところへルナ機のガイナー砲が直撃する。

「次だ。シン、遅れるなよ」

続いて二体目も難なく破壊するシン達。しかしその直後、急にアラームが鳴り始めた。すかさずメイリンから通信が入る。

『後方から接近する物体!キャオスです!』

「くそっ!あいつ・・・レイとルナマリアは残りを頼む!」

「シン!一人で行く気なの!?無茶よ!」

「あいつだけは許せない・・・!うおおおーっっ!」







─ディレクションルーム─



「総監!一体何事だ」

「姫!部屋にいてくださいと言ったはずです」

「こうも揺れてはじっとしてなどいられん!状況を説明してくれ」

騒然となった司令室にカガリとアスランが入ってくる。デュランダルが注意を促すが聞く耳を持たない。仕方なく説明を始めるデュランダル。

「・・・スフィア合成獣に取り付かれました。更に後方からはキャオスが接近中です。双方共に迎撃中です」

「大変です!撃破されたはずのダランビアが再生しています!

 どうやら中心で核となっているスフィアを叩かないかぎり岩石を吸収し復活するようです!・・・艦長!シン機が被弾!」

「あいつが!?そんな・・・!」

シンと聞きうろたえるカガリ。その様子を見て、アスランはある決意をした。

「・・・タリア艦長。この艦にまだ動かせる機体はありますか?」

「それを聞いてどうするつもり?」

「自分が出ます。私はこれでもザフトの新型機のテストパイロットです。腕には自信があります。疑うのならこのカードを見てください」

「・・・どうやら本物のようね。しかし・・・」

「今は非常事態なんでしょう!?お願いします!」

部外者を戦わせることに抵抗があるのか、歯切れの悪い返事をするタリアに苛立つアスラン。そこへデュランダルが助け舟を出した。

「いいじゃないかタリア。戦わせてやればいい。今は一人でも多い戦力が必要だ。それに君だって今更なりふり構えるわけではあるまい」

「・・・それも・・・そうね・・・いいわ、予備のザフトウィング1号があるのでそれで出なさい」

「ありがとうございます!」

「アスラン・・・」

カガリは去り行くアスランの背中に、戦士としての面影を感じた・・・







─デブリ帯─



「うわあっ!」

単身キャオスに挑みかかったものの、攻撃を受け機体バランスを大きく崩されたシンは苦戦を強いられていた。

「くそう・・・こんな時でさえ変身できないなんて・・・」

悔しさに歯軋りするシン。さっき壁を叩いた右手が再び痛みだした。

(大体あいつら人間が操ってるはずなのにどうして宇宙で戦えるんだ・・・あれは!?)

必死で冷静になろうとしていたシンは、キャオスの頭部にある白い球体状の物体を目にした。

「あの色、そしてあの亀の甲羅のような模様、まさか」

シンがその先を言おうとした時、キャオスの機動兵装ポッドが分離した。今あれを使われるとおそらく避けきれないだろう。

「くそっ・・・だめだっ!」

ポッドに回り込まれ、思わずシンが目を閉じたその時、突然目の前の兵装ポッドが爆発した。

「・・・ザフトウィング!?」

機動兵装ポッドを撃破しシンを救ったもの、それはアスランの乗るザフトウィング1号だった。

「大丈夫か、シン!」

「あんた、カガリの付き人の・・・」

「シン、諦めるな!カガリは言っていた、死んでいった者達の為にも、私だけは諦めるわけにはいかないと!だからお前も諦めては駄目だ!」

「ッ!」

その瞬間、シンの脳裏に数ヶ月前ミネルバ隊に配属となった日のことが思い起こされた。



『私がタリア・グラディスだ。お前の抱負を聞かせてくれ。オーブでは一年の始めに今年の目標などを決めるのだろう?』

『・・・俺はー!オチョーシモノで自己チューですが!家族と仲間を一番大事にし、何事も絶対に諦めません!』

『・・・・・・・・・・・・』



「なんだ・・・結局俺もオーブのお姫様と同じだったって言うのか・・・ハハハ・・・父さん、母さん・・・マユ・・・そうだな、まだ早いよな。

 こんなことぐらいで諦めるなんて俺らしくないよな・・・そうさ、変身できないからってなんだ!俺は、俺は諦めないぞ!うおおーっ!」

瞬時にOSを修正し、崩れた機体バランスを書き換えるシン。すかさずポッドが後ろをとるが、得意の連続宙返りで逆に回り込むと見事撃破した。

「へへっ、見たか俺の超ファインプレー!」

得意げにアスランに言うが、その眼前に突如キャオスが現れた。

「!!」

「よくもやってくれたな・・・雑魚の分際でえ!」

ビームクロウが閃き、次の瞬間、瞬きをする時間も与えられずザフトイーグルはコクピットを除きバラバラに破壊されてしまった。

「シン!」

アスランが急いで援護攻撃を仕掛けるが、キャオスには掠りもしない。既に七年前の主力機はロートルになっていたのだ。

「うう・・・」

破壊されたイーグルの中で、シンはかろうじて生きていた。だが、体はほとんど動かせない。

「このままじゃ・・・あいつまで・・・」

目の前ではウィング1号が必死でキャオスの攻撃を避けていた。が、それもいつまで持つかもわからない。

「やらせない・・・やらせてたまるか・・・!」

叫ぼうとするも声が出てこない。そんなシンの瞳に突然強烈な光が舞い込んだ。

「太陽!?・・・!これは・・・」

太陽の光に反応するかのように、胸のマユケーが光り出した。その輝きは一秒ごとに眩くなっていく。

「今なら・・・今ならできる・・・!インパルースッ!」

必死で声を絞り出し、その名を叫ぶ。ザフトイーグルから溢れた光は、宇宙空間で人の形へと変わっていく。

「あれは・・・」

「くそっ!またかよ!?」

「ウルトラマン!」