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ステラ IN ワンピース 8氏_第05話

Last-modified: 2008-01-28 (月) 03:10:19

クロ編2

 

「起きなさい!!」
「ふぇぇっ!?」

 

ナミのパンチによってステラは目を覚ました。

 

「イタタタ……ナミ!その肩どうしたの!?」

 

ナミの肩の大きな傷を見て、ステラは大声を上げた。

 

「あ、いや……大丈夫だから、気にしないで」
「……ほんとに……?」

 

あいまいに笑うナミを、ステラは心配そうにみた。

 

「ん……なんだ、"わる執事"までいるよ」
「あ、ほんとだ」

 

横からルフィの声がしたのでステラは周りを見渡した。そこには、猫の格好をした見覚えのない2人組と、催眠術師とゾロ、そしてこの事件の首謀者の"わる執事"ことキャプテン・クロがいた。
そばにいた海賊達をみると、皆そろって顔を青ざめていた。

 

「そ、そんな……」
「あの2人が目覚めた……」
「いくらジャンゴ船長と催眠状態のブチさんとシャムさんとはいえ、たった3分で、あの3人を倒すなんて……!!」
「考えてる暇はねえ!!ブチ!お前は腹巻をやれ!シャム!お前は小娘の方だ!麦わら小僧はオレがやる!!」

 

一触即発、まさにそんな状態だ。そんな空気を破ったのは林から現れた1人の少女の叫び声だった。

 

「クラハドール!!もうやめて!!!」

 

カヤの声だった。突然現れた少女を海賊達が見て、顔に希望が戻り始めた。

 

「あ…あの女だ……間違いねえ!!」
「じゃあ……わざわざ村に行く必要ねえじゃねえのか……!?」
「そうだ……あの女をぶっ殺せばいいんじゃねえか……!?」

 

たしかウソップの話では、カヤに遺書を書かして死んでもらう、それこそがクロの描いたこの作戦の最終目的だったはずだ。彼女がそのことを知っているのかどうかは定かではないが、しかしカヤがここにいるのではこの坂道を死守する意味が無くなる。
ウソップがカヤに逃げろといってるがカヤは動こうとせず、クロに銃を向けながら話しをはじめた。カヤの声はよく聞き取れなかったが、クロの方はよく聞こえた。

 

「夢見るお嬢様にさんざんつきあったのも……それに”耐えた”のも……全ては貴様を殺す、今日の日のためっ!!!」

 

カヤが泣き出し、手にしていた銃をポロリと落とした。自分にいつも尽くしてくれ、常に励ましてくれていた人間が実は腹の中では自分を殺すことだけを考えていたら、どれだけ悲しいことかは想像に難しくないだろう。
近くにいたウソップが、怒りに顔を歪ませてカヤの落とした銃を拾い上げて、

 

「クぅぅぅぅぅロぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!」

 
 

クロに狙いを定めて引き金を引いた。クロはわけもなく銃弾をかわし、そのままウソップの背後にまわり込み、刃をウソップに向けて、ウソップに重々しく告げた。

 

「そういえば君には……殴られた恨みがあったな……、思いっきり殴ってくれたな………グォッ!?」

 

話がそこで中断されて、クロは後ろに吹っ飛んだ。

 

「殴られるのがいやなら、あと100発は殴ってやるよ!!」

 

クロを殴り飛ばしたルフィはにやっと笑いながら言った。その後、ウソップを蹴り飛ばしてクロはルフィを見た。

 

「……貴様……悪魔の実の能力者か」
「そうだ!ゴムゴムの実を食った"ゴム人間"だ!!」

 

隣にいたステラが一瞬だけわずかに震えたのには誰も気づかなかった。
ルフィの正体を知ったクロがジャンゴに何かを命じた。ジャンゴが坂を上がり始めた。カヤはウソップに言われたのか、林の中に逃げていった。坂の上ではまるで上がるのを邪魔するかの様にクロが、そしてブチ、シャムと呼ばれた2人組が立ち塞がった。

 

「加勢に行きたきゃ、いけばいい……ただし、この坂道を無事に通れたらな……」
「くそっ、これじゃ立場が逆転だ……」
「「「ウソップ」」」

 

ルフィ、ゾロ、ステラが坂の上に立つ3人を見て、同時に言った。

 

「「まかせとけ」」「まかせて」

 

   ・   ・   ・

 
 

しばらくして
ドオオオォォォォ……ン
何か大きな音が聞こえた。

 

「な、何なんだ、今の音は……!?」
「さぁな。大方ジャンゴが暴れているんだろう。自分の目で確かめてこい。もう手遅れかもしれないがな」
「急いだ方がよさそうだな」
「早く行かないとカヤが」
「ふん、急げるものなら、やってみるがいい」
「お前の好きにさせてたまるか……!!」

 

ウソップが立ち上がった。そこにブチとシャムが襲い掛かった。ゾロは素早く駆け寄って

 

「邪魔するな」

 

2人を抑えた。しかし、ウソップは血を流しすぎたためか、その場で膝を折り、前のめりに倒れ込んだ。その姿をクロは楽しそうに見た。

 

「フン、まァそこで倒れていた方が安全だろう。お前はジャンゴにはとうてい適わない」
「適わなくたって守るんだ……!!あいつはオレが守る!!」

 

ウソップは必死でそう叫ぶも、一歩も動けなくなっている。ゾロは2対1で苦戦しているようだ。こうしてもたもたしてたらカヤは……

 

(殺される 守れない)

 

――……俺が……俺が君を、守るから……!!――

 

ステラは頭のどこかにあった古い言葉が唐突に蘇った。その言葉が誰が使った言葉なのか思い出せないけれど、

 

(そんなの、ダメッ)

 

守らなきゃ、それだけを考えさせた。

 

「ゾロ!!ウソップを連れてカヤを助けに行って!そいつらは私が戦う!!」
「なにぃ!?できるか!?」
「大丈夫!まかせて!!」
「わ、わりいな」
「気にするな。ルフィ!オレ達はアイツを追う!問題あるか!?」
「ない!急げ!!」

 

ゾロ達がいくのをみて、ステラは改めてブチとシャムを見た。

 

「シャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」
「お前達の相手は、私だ!!」

 

ナイフを抜き、跳躍した。

 

「ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
「グオアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
「はあああああああああああああああああああああああ!!」

 

目にも止まらぬ戦闘。2人の攻撃を2本のナイフでしのぎ、避け、攻撃する。両者とも高速で動き回り、高く跳び、攻める。
割れる地面、崩れる崖、飛び散る岩、そして巻き添えを食らう海賊達。ステラは戦いながら相手の能力を吟味した。

 

(こいつら、パワーもスピードもすごい。しかもあんな状態なのに息も合ってる。だけど……)

 

ほぼ互角に渡り合うステラとブチ、シャム。どちらも動きが緩まない。

 

(ルフィなら、ゾロなら、こんなやつらに負けない。なら私だって……負けるわけにはいかない!!)

 

2人なら、普通に戦ってても、真正面からぶつかっていっても、絶対にこいつらに勝てるはず。だからゾロはこの場を自分にまかせたのだ。そしてルフィもそのことを了承したのだ。
つまり自分はあの2人から信頼されているのだ。自分が2人と同じ立ち位置にいると認めてくれているのだ。
―――そうだ。自分もこんなやつらと互角"程度"じゃダメだ!!
覚悟を決め、向かってくる2人に対してナイフを向け、駆け込んだ。

 

「シャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」
「"狼牙十字斬り"!!!!」

 

ズパッ、ドスゥゥゥ……ン
ブチ、シャムは体に見事なバッテンを刻まれ、吹っ飛び、地面に落ちた。
一方ステラは立っていたものの、左肩と腹の2箇所を斬られ、出血がひどく、服もズタズタに引き裂かれ、綺麗な肌があちこち露になっていた。

 

「私の勝ちっ」

 

それでもステラは満足そうがった。

 

「ルフィ、あとはお願い」
「おぅ、まかせろ」

 

ステラは崖の上に飛び移り、木に寄りかかって、ルフィが勝つまで休んだ。

 

   ・   ・   ・

 
 

「よしと、メシは食った。いくか」

 

ルフィがクロを倒し、クロネコ海賊団を島から追い出した後、4人は少し遅い朝食をとっていた。
ボロボロになったステラの服は、ナミが似たような服を買ってくれたので、そっちを着て、前のは捨てた。

 

「ここにいらしたのですね」
「あら、体はもう大丈夫なの?」

 

カヤがメシ屋に来たのだ。カヤはにこやかにほほ笑んだ。

 

「えぇ、もう平気です。それより皆さん、船が必要なんですよね?」
「え、くれるのか!?船?」

 

願っても無いことをいったカヤについていって、今朝海賊達と戦った海岸を見ると、一隻の帆船があった。羊の船首の小さめの船だった。

 

「へぇ…」
「キャラヴェル!」
「かわいーー!!」
「うおー。いい船だなー」

 

4人とも満足気味。そんな空気をぶち壊すかのように、坂の上から荷物と共に転がってくるウソップの悲鳴が聞こえた。

 

「ぎゃあああああああああああああ!!」
「なにやってんだあいつ」
「とりあえず止めとくか」
「船にぶつかっちゃう」

 

ドスンッ

 

「…わ…わりぃな……」
「「おう」」

 

ウソップを止め、メリー号に乗り込む一同。ところがウソップは乗ってこない。

 

「じゃあなおめぇら、またどっかで会おうな」
「何言ってんだよ、早く乗れよ」
「もういっちゃうよ」
「………え?」
「オレ達、もう仲間だろう」

 

ウソップはしばらく呆然としていた。何をしてんだろう、早く乗れ、と思い始めた一同。ようやくウソップがこっちに駆け出してきた。

 

「・・・・・・キャ、キャプテンは俺だろうな!!」
「バカ言え!! 俺が船長だ!」

 
 

メリー号が出航して、海岸が、島が、だんだん小さくなっていく。

 

「んじゃ改めて、新しい仲間と船に、カンパ~~イ!!」
「「「「カンパ~~~~イ!!!!」」」」

 

こうして、次なる航海が始まったのだった。

 
 
 

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