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新機動戦記ガンダム A's Destiny_第03話

Last-modified: 2007-11-14 (水) 20:57:37
 

「おい、デュオ、朝だぞ!起きろ!」
「……ぐっ!?」

 

 ヒイロの体に何かがのしかかる。ヒイロを起こしにきたヴィータだ。
 さすがのヒイロでも例え子供とは言え睡眠中にいきなりのしかかられればダメージを食らうだろう。

 

「お前今日アースラから呼ばれてんだろ?とっとと準備しねぇと間に合わねぇぞ?」
「了解した」

 
 

 ヒイロは今日アースラへと出頭するように命じられていた。
 恐らくガンダムについて、ACについて、昨日よりも詳しく聞かれるのだろう。
 ヒイロはもし時空管理局がガンダムを占有するつもりなら、
例え敵に回してでもウイングゼロで戦うつもりだった。
 最悪の場合、自爆も辞さない覚悟だ。
 もちろんそうならない事を祈ってはいるが……

 

「……それにしてもお前、ほんとに無愛想な奴だなぁ。」
「……」

 
 

ヴィータと一緒にリビングに行くと、すでに八神家の面子は揃っていた。
ヒイロが最も遅くまで寝ていたようだ。

 

「あ、おはようデュオ。もう朝ごはんできとるよ」

 

 はやてに言われヒイロはテーブルに置かれた食べ物を見る。
 この日はパンにベーコン、目玉焼きという洋風な朝食だった。
 皆は揃って「いただきます」と合掌し朝食を食べ始める。
 すると

 

「あ、そうそう。今日アースラから帰ってきたら一緒にデュオ君の服を買いに行くわよ」

 

 シャマルは食べながら言う。

 

「俺の服?」
「ええ。いつまでもそのタンクトップでいるわけにもいかないでしょ?それにそんな恰好じゃ寒いだろうし。」
「そうか。了解した。」

 

 今のヒイロの恰好は緑のタンクトップにおなじみのジャケット、
それにジーパンという、潜入時のスタイルだ。
 ACでは戦後この恰好でいることがほとんどだった。
 ちなみに今はジャケットは着ていないので、タンクトップ姿だ。

 
 

 一同は朝食を食べ終え、それぞれ外出の準備をしていた。
 シグナムは道場、はやては小学校、ヴィータはザフィーラと散歩、シャマルは昼まで家で家事だ。

 

 ヒイロも指定された場所に向かう。昨日の公園だ。

 

(奴らはガンダムを狙う組織ではなさそうだがまだ信用する訳にはいかない……)

 

 ヒイロはそんなことを考えながら公園へ向かっていた。
 ガンダムはAC世界でも最強と言っても過言ではない機体だ。
 いつまたPPPのような連中が現れるかわからない。
 まぁゼロシステムもなのは達を敵視していなかったことから
時空管理局がそんな組織だとは思わないが、警戒するに越したことは無い。

 

「よう、アンタ昨日の……デュオだっけ。」
「……シン・アスカ。」

 

 ヒイロは突然話し掛けられ、昨日会った男を思い出す。
 シン・アスカ。ヒイロと同じく異世界から飛ばされてきたガンダムパイロットだ。
 シンは公園に行く途中の道でヒイロと出くわした。
 シンもヒイロと同じくアースラから出頭命令が出ているのだ。

#br「……アンタのMS、凄かったな。俺の世界ではあんな凄い機体見たこと無い。」
「俺の世界にも光の翼を持つMSなど存在しない。
 異世界の機体だ。お互い見た事の無いシステムもあるだろう。」
「そっか、そうだよな。……アンタの世界、平和なんだってな。」
「ああ、俺がACから消えた時点ではな。」

 

 今ではどうなっているかわからない。ヒイロがACから消える直前、
 マリーメイアは地球圏統一国家に宣戦布告をした……。
 今ACがどうなっているのかはわからないが、恐らくまた戦争が始まるだろう……。
 ヒイロはウイングゼロと共にこの世界に来てしまった為、
ACの事はプリベンターの皆に任せるしか無かった。

 

(カトル、トロワ、五飛……。俺が戻るまでACを頼む…)
「俺の世界ではまだ戦争が続いてるんだ……。でもそれももうすぐ終わる……。議長の作る新しい世界に……」
「新たな世界だと……?」
 ヒイロはシンの発した言葉に反応する。

 
 

新たな世界…それはデュランダル議長のデスティニープランのことだ。
簡単に言えばあらかじめ決められた人生を歩みその人に合った職を与えるというような内容だ。
確かにそうなれば世界は平和になるだろう。

 

「ああ、議長の作る世界は今度こそ争いの無い平和な世界なんだ。それなのに、あいつらは……!」
「……。」

 

 シンはアークエンジェルを、オーブ軍を、アスランを思い出していた。
 そうだ、あいつらこそ平和な世界に邪魔な奴らだ……!

 

(思いだせシン!お前は何が欲しかったんだ!?お前が望んだのは本当にこんな力なのか!?)

 

 かつての仲間、裏切り者のアスランの言葉がシンの頭をよぎる。
 俺が望んだのは争いの無い平和な世界のはずだ……!何を迷う必要がある?

 

「その迷いを肯定しろ。」
「え……?」

 

黙りこんでいたシンにヒイロは言う。
シンは意外にもいきなり口を開いたヒイロに驚き、素っ頓狂な声をあげてしまう。

 

「世界を作るのは一部の人間では無い。その世界に生きる一人一人の人間が世界を作るんだ。」
「じゃあ……じゃあ俺はどうしろって言うんだよ!」

 

 シンはヒイロの言葉に反発する。今、シンの中では一瞬だがヒイロとアスランの姿が被ったのだ。

 

「そこから先は自分で考えろ。……指定された場所に到着したぞ。」
「……。」

 

 ヒイロ達は話してるうちに公園に到着し、二人はアースラへと転送される。

 
 
 

「おはようデュオ君、シン君。」
 時空間航行艦アースラ艦長リンディ・ハラオウンはシン達にあいさつをする。
 リンディによれば、今日呼び出されたのは二人が乗ってきた機体についてと、
二人の世界を捜す為のさらに詳しい情報、そして二人の素性についてを聞き出すのが目的らしい。
 簡単に言えば取り調べだ。
 シンはクロノと、ヒイロはリンディと共にそれぞれ別の個室へ連れて行かれる。

 

 アースラ個室。
 今この部屋にいるのはリンディとヒイロの二人だけだ。

 

「ではデュオ君、これからあなたについての情報を教えてもらいます。悪く言えば取り調べです。」
「了解した。」

 

 ヒイロはリンディに取り調べを始めると言われ、抵抗する訳にもいかないので了解する。

 

「じゃあ昨日あなたから聞いた情報をまとめるわね。
 あなたはACという世界で生まれ、後にガンダムのパイロットとなった。
 そしてAC195年、あなた達の活躍でOZとWFの戦争は終わり、
 平和な世界に必要の無くなったガンダムを太陽へ向けて廃棄した。ここまでは合ってるわよね?」
「ああ。」

 

 ヒイロはリンディに言われ返事を返す。だが問題はここから先だ。
 バートン財団についてはまだ調査段階だ。エージェントとしてそれを安々と口外する訳にはいかない。

 

「で、問題はここからなの。あなたはお友達と一緒にシャトルに乗っていたら、
 光に包まれて、気付いたらこの世界にいた。
 しかも太陽へ向けて飛ばしたはずのガンダムと一緒に。こう言ったわよね?」
「そうだ。」
「あなたはシャトルで光に包まれたって言っていたけど、シャトルでどこへ行くつもりだったの?
 何をするつもりだったの?そこにヒントがあるかもしれないの。」
「その質問に答えることはできない。」
「……ふぅ。」

 

 リンディはヒイロの返事にため息をつく。そして、

 

「私達はあなたの味方です。もちろんあなたから聞き出した情報を悪用するつもりも無いし、
 あなたを元の世界に返すために努力を惜しみません。私達のこと、信用できないかな?」
「……。」

 

 ヒイロはリンディの言葉に嘘が無いという事はわかってはいる。
 だがそれでもヒイロは言おうかどうか考えていた。
 そして数分後、ヒイロは決心し、口を開く。

 

「俺は……俺の名前はヒイロ・ユイ。プリベンターのエージェントだ。
 そして、ウイングガンダムゼロのパイロットだ。」
「……え?」

 

リンディはヒイロの突然の告白に驚く。

 

「デュオ……君?」
「俺はデュオ・マックスウェルでは無い。プリベンターのエージェント、ヒイロ・ユイだ。」
「どういうことか、説明してくれるかな?」

 

 リンディはヒイロの言っている意味を理解するのに少し時間がかかった。
 今までデュオだと思っていた人物はデュオではない。
 プリベンターのエージェント、ヒイロ・ユイだと言うのだ。

 

「俺の名前はヒイロ・ユイ。戦後唯一武装することが許可された組織、プリベンターのエージェントだ。
 デュオ・マックスウェルはプリベンターの仲間の名だ。」
「どうしてそのデュオ君の名を使ったの?」
「エージェントとして、見知らぬ場所で見知らぬ相手に本名を名乗るのは得策では無い。
 敵組織の計略である可能性がある」

 

 ヒイロはデュオの名を使った理由をリンディに告げる。

 

「じゃあ、私達のこと、信用してくれたのね?」
「ACに帰るにはそうするしか無いと判断したからだ。」
「……わかったわ。じゃあ、取り調べを続けるわよ。シャトルに乗っていた理由も話してくれるわね?」
「ああ。」

 

 そしてヒイロはリンディに語り始めた。
 完全平和主義を唱えるリリーナ・ピースクラフトがさらわれたこと、
バートン財団が怪しい動きを見せていること、マリーメイアが地球圏統一国家に対し宣戦を布告したこと。
 そして自分とデュオはマリーメイアのいるL3のX18999コロニーに潜入する途中で
この世界に飛ばされたこと。

 

「……だいたいわかったわ。それよりはやてちゃん達はデュオ・マックスウェルが偽名だって知ってるの?」
「いや。」
「なら、今日帰ったら自分で本当のことを言って、謝りなさい。これは艦長命令です。」

 

リンディは突然厳しい顔になる。ヒイロは艦長命令と言われれば従うしかなかった。

 

「了解した。」
「ならいいわ。じゃあ次はガンダムについてです。でも、その前にちょっと休憩しましょう。」

 

 リンディはさっきの厳しい顔から、元の優しい顔に戻っていた。

 
 
 

 ヒイロは休憩時間に、食堂へ向かう。今は正午過ぎ。腹も減ってくるころだ。
 ちなみに昼ご飯はリンディの奢りだという。さすがリンディさん、太っ腹だ。

 

 食堂に到着すると、クロノとシンが目に入る。
 ヒイロは一人で食事しようとしたが、二人はヒイロに寄ってくる。

 

「やぁ、デュオ。君も休憩かい?」
「俺の名前はデュオ・マックスウェルでは無い。ヒイロ・ユイだ。今まで黙っていたことには謝罪する。」

 

 ヒイロはクロノとシンに本名を名乗り、謝罪の旨を告げる。
 二人は訳がわからないといった顔をしているので、ヒイロは簡単に説明する。

 

「わかった。改めてよろしく頼むよ、ヒイロ・ユイ。」
「まぁ……アンタにも色々あったんだな……よろしくな、ヒイロ」

 

 シンとクロノはヒイロの説明に納得し、改めてよろしくした。

 

「それよりさっきのアンタの言葉、今の俺にはどうすりゃいいのかわかんないけど……
 やっぱりデュランダル議長が悪いとは思えないんだ」
「……そうか。焦る必要は無い。いずれ答えは出るだろう。」
(デュランダル……)

 

 さっき取り調べを終えたクロノはシンとヒイロの話から、ある程度の内容は理解できた。
 だがやはりデュランダルという言葉には反応してしまう。

 
 
 

 アースラドック。
 ここには2機のMSが存在する。天使のような翼を持つガンダム・ウイングゼロと
全体灰色の配色で、折りたたんだ翼を持つガンダム・デスティニーだ。

 

「じゃあヒイロ君、シン君、試しにこれに乗って欲しいんだけど、いいかしら?」
「別にいいですけど。」
「問題は無い。」
「じゃあ決まりね」

 

 二人は各自MSに乗り込む。その時ヒイロは気付いた。
(エネルギーがフルチャージされている……?どういうことだ。
 ツインバスターライフルの発射はそれなりにエネルギーを食ったはずだ……)

 

 同じ様にシンもデスティニーの異常に気付いていた。
(エネルギーがMAX……!?そんなバカな……
 確かにあの時、傀儡兵とかいう奴らとの戦闘でエネルギーを食ったはずだ……!)

 

 二人の機体のエネルギーはMAXになっていた。確かに昨日の戦闘でエネルギーを使ったはずだ。

 

「どうしたんだ?二人とも」
「それが……エネルギーが満タンなんだよ……」
「ウイングゼロもだ。」

 

 二人はもう何があっても驚かないと思っていたが、さすがに自分の愛機の異常には驚く。
 リンディはなるほど、と言うような顔をする。まるで最初から予想していたかのような表情だ。

 

「実はあなた達の機体から、僅かだけど魔力の反応が感じられるの。」
「何だって!?」

 

 リンディはデスティニーとウイングゼロに僅かな魔力反応があることを発表する。
 クロノもその言葉に驚きを隠せない。

 

「あなた達の機体は今はデバイスと似たような状態になっているの。
 恐らくエネルギーだけじゃなく、ちょっとくらいの外傷なら自己修復できるんじゃないかしら?」
「マジかよ……」
「……」

 

 シンはデスティニーの新たな力に嬉々とした表情になる。純粋にデスティニーの新機能が嬉しいのだ。
 一方ヒイロは相変わらず無表情のままだ。

 
 

 その後も色々と機動実験を続けるが、とくに異常は無いようだ。
 二人は機体から降りて、お互いのガンダムのスペックをクロノ達に説明する。
 そして夕方4時頃、二人は開放される。

 

「また呼び出すかもしれないけど、今日はこれくらいでいいよ。だいたいのことはわかったからね。」
 と、クロノ。そしてシンとヒイロの二人はまた例の公園に戻されるのであった。

 
 

 アースラ艦内。

 

「それにしても、驚いたわね。まさかあれだけの大きさであんな高機動なんて……」
「ああ、特にあのウイングゼロって機体。
 重量はデスティニーの10分の1で全体的な能力はデスティニーを上回ってる。
 あんなものが存在するなんて……」
「ええ、でも一番危ないのはゼロシステムよ。パイロットに未来を見せ、その未来を強要させる。
 よっぽど強い精神力の持ち主でないと、発狂して死に至る……。
 アレは人にとって過ぎた力なんじゃないかしら?」
「うん……。でもヒイロはそのシステムを使いこなしてる。」
「凄いわよね、彼……。」

 

 アースラ艦内でリンディとクロノは2機のガンダム-主にウイングゼロ-について話し合っていた。
 あれは、あの力は人には過ぎた力なのではないか?
 二人はウイングゼロの能力に純粋に驚きと驚異を感じていた。

 
 
 

 PM4:30、八神家。
 ヒイロはシンと別れ、八神家に帰宅した。
 皆に言わなければならないことがある……。ヒイロはリビングに向かう。
 リビングではすでに八神家の皆が揃っていた。

 

「あ、おかえりデュオ。遅かったなぁ」
「これからあなたの服を買いに行きたいんだけど、大丈夫よね?」

 

はやてとシャマルはヒイロに話かける。

 

「その前に、お前らに話さなければならない事がある。」

 

 一同はヒイロを見る。ヒイロの表情から真剣な話をすることは間違いないだろう。

 

「なんなん?デュオ、そんな真剣な顔して」
「俺の名は、デュオ・マックスウェルでは無い。」
「え!?」
「……ほぅ」

 

 驚く一同。

 

「どういうことなん?」

 

 ヒイロはリンディにも話したことを話す。自分はエージェントで、名前はヒイロ・ユイ。
 そう簡単に自分の情報を語るわけにはいかなかったことなど。それを言ってヒイロは謝罪した。
 数分の沈黙が流れた後、
「なんや難しい事はようわからんけど、ヒイロにも色々あってんなぁ。
 正直に言うてくれたし……皆どうする?」
「私はいいと思いますよ。ヒイロ君にも事情があった訳だし……。」
「まぁ別に偽名使って悪い事しようとした訳じゃねぇし……いいんじゃねぇか?」
「私は主に従います。主がいいと思うなら。」
「うん、じゃあ決まりやな。改めてよろしくな、ヒイロ!」

 

 はやてはヒイロを改めて八神家に向かえ入れる。ヴォルケンリッターもそれでいいようだ。

 

「感謝する。」
「別にええよ。ただ、もう隠し事したらあかんで!うちらはもう家族やねんからな」
「了解した。」

 

 はやては笑顔で言う。ヒイロは返事を返しながら思う。
(家族……か。)
 ヒイロには今まで家族というものが存在しなかった。
 幼い頃からドクターJに破壊工作員として育てられたヒイロにとって、
八神家の温もりは何か新鮮な感覚だった。

 

「じゃあデュオ君……じゃなかった。ヒイロ君の服を買いに行きましょうか」
「ああ。わかった」

 

 シャマルはヒイロの服を買いに行こうと言う。ヒイロは爽やかな気持ちで返事を返す。

 

(了解した、じゃないのかよ)
 ヴィータはにやけながらそんな事を考えていた。

 
 

PM7:00、デパート内。

 

「こんな服も似合いそうじゃない?」
「う~ん、こっちの方が似合うて」

 

 シャマルとはやては二人で服を選んでいる。シグナムとヒイロは少し離れた場所で座って待っていた。

 

(まだ買うのか……)
「フフ……主はいつもこうなんだ。お前も疲れただろう、ヒイロ・ユイ。」
「ああ。まさか俺に服を選ぶ権利が無いとは思わなかった。」
「フフ……。そういえばヒイロ・ユイ、では呼びにくいな。
 かといって『ユイ』もまるで女性のようだ。何かいい呼び方は無いのか?」
「……好きに呼んでくれて構わない。」
「そうか。ではこれからはヒイロと呼ばせてもらうぞ。」
「ああ、了解した。」

 

 シグナムとヒイロはシャマルとはやてを眺めながら会話していた。
 ヒイロも昨日よりも少しなじんだようだ。

 

「おーい、ヒイロ~。こんなんどうや?」
 はやてに呼ばれヒイロはそちらに向かう。
 ちなみにヒイロは16歳なのに身長は155cm。買う服はSかMのみ、
もちろんズボンは全て裾直ししてもらっている……。

 
 

結局この日は、ヒイロにあいそうな服を数着買い、帰宅する。
グレアムが資金提供してくれるからいいものの、こんなことでいいのかと思うシグナムであった。

 
 
 

『ランデブーの時間は五秒しかありません!危険だと思ったらすぐに戻って下さいよ!』
「わかったよラシード。」

 

 AC196年。

 

 カトルはまた必要となったガンダムを回収するため、太陽へ向けて飛ばしたウルカヌスに向かっていた。

 

「見えた!ウルカヌスだ!」
『カウントダウン開始!』
『5!4!3!2!1!0!!』

 

 カウントダウンが0に達した瞬間、ウルカヌスへ向けてアンカーが発射される。
 ウルカヌスにアンカーが突き刺さり、カトルはウルカヌスに侵入する。

 

「カトル様!」
「だ……大丈夫……なんとかたどり着けました」
「……よかった」
「ありがとう、皆のおかげです。」

 

 無事ウルカヌスに侵入したカトルはマグアナック隊に礼を言う。
 自分はウルカヌスの融合炉を使って一足先に地球へ帰るから、
ラシード達、マグアナック達は金星の重力カタパルトで戻るという計画だ。

 
 

 ウルカヌス内部。

 
 

「ふぅ。ここは砂漠より暑いや」

 

 きっとヒイロもデュオも生きている。またどこかで暴れてるんだろう。
(あの二人のためにも、今はガンダムを回収しなくちゃ!)

 

そしてガンダム5機が収納されているブロックへ到着する。

 

「……やぁ。また会ったね。ボクのサンドロック」

 

 カトルはサンドロックを見た後他のガンダムも確認する。
 だが――

 

「……そんな!?ガンダムが……ウイングゼロとデスサイズが……消えてる!?」