Top > 新機動戦記ガンダム A's Destiny_第09話
HTML convert time to 0.010 sec.


新機動戦記ガンダム A's Destiny_第09話

Last-modified: 2007-11-14 (水) 23:02:10
 

 CE73。
 戦争の裏側、ここにも戦いの時代を生きる男がいた。
 叢雲劾。
 超一流の傭兵である彼は、
 傭兵部隊サーペントテールを率いて正規軍では対応できないような任務を次々と遂行していた。

 
 

 サーペントテールのリーダー、叢雲劾は新たな任務でブルーフレームに乗り込み、
今まさに出撃しようとしていた。だが出撃前に、ブルーフレームに通信が入る。風花からだ。
「劾、この任務はやはりおかしいです。何者かの罠という可能性も……」
「だが一度受けた任務は遂行する。大丈夫だ。俺は死なない」
 心配そうに言う風花に劾が言う。劾の言葉を聞き、風花は何故か安心し、止めても無駄だと判断した。

 

「わかりました。どうせ止めても無駄でしょうね」
「フ……。ブルーフレーム、発進する!」
 劾の声と共にブルーフレーム セカンドLはその瞳を輝かせ、漆黒の闇へと出撃した。

 
 

「この宙域で多発する遭難事件……ここは……」
 ブルーフレームを駆る劾が呟く。
 今回の任務は同じ場所で多発する遭難事件の真相を暴くことだ。
 その依頼を受けた劾は問題の宙域に訪れたが、この場所には見覚えがあった。
「ここは……確かゴールドフレームを撃墜した場所……」
 この宙域は以前劾がギナの乗るゴールドフレーム天にトドメを刺した場所だ。
 劾は周囲を見渡すが特に変わった事は何もない。

 

「何も見当たらないな……」
 劾が呟いた、その時だった。
「劾!何なんだこれは!?何があった!?」
 ブルーフレームのモニターに慌てたイライジャの顔が表示される。
 元々気の小さい男だが、今回は凄く驚いた顔をしている。
「落ち着け、イライジャ。それはこっちのセリフだ。何があったんだ?」
「劾……何も変わった事はないか!?」
「ああ。特に以上は……」
 言いかけて口を止めた。ブルーフレームの計器類がすべて狂っている。
 正常なのは今繋がっている通信だけだ。
「イライジャ。これはどういうことだ……?」
「そ、それが劾のいる場所に核爆発並みの高エネルギー反応が……!?」
「ん……どうした?イライジャ!イライジャ!」
 ついに通信まで途絶えてしまう。劾は完全に孤立してしまったのだ。
「どういうことだ……この宙域に何があるというんだ……」
 呟く劾。そして周囲を警戒する。

 

 しかし-
「……!?」
 ブルーフレームのモニターは真っ白になり、劾も目をつむる。
 そして次の瞬間、劾とブルーフレームの姿はこの世界から消えていた。

 
 
 

地球軌道上。資源衛星『MO-Ⅲ』

 

 この衛星では今まさにデキムの号令の元、マリーメイア軍が地上へ降下しようとしていた。
「ワシの作戦は完璧だ……カーンズとは違うぞ……」
 デキムが不適な笑みを浮かべる。そして……
『地球降下制圧作戦開始!!』
 デキムが全軍に通達する。そのかけ声と共にサーペントの大群を乗せた降下シャトルが発進を開始する。
 シャトルは地球へと降下を始め、デキムは勝利を確信し不気味にニヤつく。
 だがその確信とは裏腹に、降下シャトルは次々と撃墜されていった。
「降下シャトルがやられているだと!?何が起こったのだ!?」
 デキムの目に映るのは、地球から上がってきた光が凄まじい速度でシャトルに接触し、
接触されたシャトルが次々と爆発する光景だった。
「前方にMS一機!ト……トールギスですっ!!」
「トールギスだと!?トレーズ……いやゼクスか!」

 

 トレーズが残したじゃじゃ馬、トールギスⅢを駆る金髪の男、ゼクス・マーキス。
 トールギスは凄まじい機動性故にパイロットを選ぶ。
 それ故じゃじゃ馬と呼ばれた機体をゼクスは乗りこなしている。
 さすがゼクス。かなりおいしいタイミングでの登場だ。
「オマエの好きにはさせんぞ、デキム……!」

 
 
 

「……?俺は……」
 劾は目を覚まし、自分に起こった事を思い出す。
 遭難事件を解決するために問題の宙域へ向かい、計器類が狂い出した。
 さらにイライジャの話では核爆発並みのエネルギーが発生したという……
 劾は機体をチェックするが、どこにも異常は見られない。
 計器類もオールグリーンだ。今、自分は通常の宇宙にいる。
 だが一つ問題があった。それは……
「ここは……どこだ?」
 劾はまったく見慣れない宙域を漂っていたのだ。恐らくここは地球の衛星起動上。
 だが目の前には有り得ない光景が広がっていた。
「なんだアレは?」
 白いMSが有り得ない機動性、凄まじい速度でシャトルを撃墜してゆく。
「連合の新型か?いや……あの動きは明らかにナチュラルではない……なら……」
 目の前のMSはほぼ直角に旋回し、光のような速度で飛んでいるのだ。

 
 

「ト……トールギス、こちらにつっこんできます!!」
「サーペント部隊は大気圏突入装備のため応戦不可能!!」
「くっ……!」
 部下の声にデキムは焦りの標準を浮かべる。
「平和になじめない男でも少しは役に立つということだ……!」

 
 

一方、劾はまったく状況が読めずにただ見ているだけしかできなかった。
すると、恐らく白いMSから目の前の衛星に対するであろう通信がブルーフレームにも入ってきた

 
 

『こちらはプリベンター・ウインド。武装解除を要求する』
『ゼクス・マーキス……生きていたとはな……』
(ゼクス・マーキス……聞かん名だな……)
 劾はあれほどのMSのパイロットに全く知らない男が乗っていることに少し驚く。
 あれほどのエースパイロットなら少しくらい名が通っていても不思議では無いからだ。
『死んでいたさ……だが、トレーズの亡霊がさまよっている以上…………
 おとなしく棺桶で眠っているわけにはいかんのでなッ!!』
 言うが早いかメガキャノンを展開し、MO-Ⅲに向けるゼクス。
『デキム・バートン!オマエのことはカーンズから聞かされていた……
 宣戦布告など無意味なことだ。今すぐ降伏しろ!!』
 ゼクスはメガキャノンを構え降伏を要求する。だが……
『フン!撃てるものなら撃ってみるがいい!』
『なに?』
『我々の切り札がサーペントによる地球降下部隊だけだと思ったら大間違いだゼクス!』
「(……サーペントだと?)」
 聞き慣れない名称、そして自分の部隊と似た名前に反応する劾。
『カーンズから聞いてないのか?本来のオペレーションメテオは私が発案したと』
『ッ!?……X-18999!!!』
『フフフ、そうだ!我々はいつでもあのコロニーを地球に落とすことができる!
 これ以上邪魔をするならコロニー落としを実行する!』
『ク……』
 デキムの脅しに、ゼクスはさっきまでの威勢を失う。
 それを聞いていた劾もようやくデキムが自分にとっても敵-少なくとも味方ではない存在-
であることを悟る。
(オペレーションメテオ……コロニーを盾に地球を制圧するつもりか……!?)
 だがコロニーを盾にされれば、さすがの劾でも何もできない。そしてそれはゼクスも同じだ

 
 

『キサマこそ武器を捨てて投降しろ!我々の軍で使ってやる』
『……』
『だが私はカーンズのように貴様を指導者として迎えるつもりは無い……
 マリーメイア様の一兵士として使ってやる!』
『デキム……!』
「(卑怯な……)」
 ゼクスは完全に威勢を失い、また劾もなすすべもなく見ているだけだった。
「幸い奴はこちらに気付いていない……だが……」劾は何かしようとするもどうにもしようが無い。
 MSに搭載された兵器としては最強クラスを誇るローエングリンランチャーでも
一撃で衛星を破壊することはできない。
 むやみにローエングリンを放てばコロニーは地球に落ちるだろう……

 

「サーペントの降下を再開しろ」
「しかし閣下!」
「案ずるな!ヤツは何もできん…………
 オペレーション・メテオの前ではな!!」
 再び降下するサーペント部隊。シャトルは次々と大気圏に突入してゆく……

 
 
 

 一方、八神家では。

 

「オペレーション・メテオだってぇ?!?」
 デュオは飲んでいたコーヒーを吹きそうになる。
「……!?ど……どうしたの、デュオ君?」
「何やねんなもう…!」
 デュオはヒイロと二人で話していたつもりが、
むやみに叫んだせいではやてやシャマルにも感づかれてしまった。
「い……いや、何でもねぇよ!」
 デュオは焦って何でもないと言う。
「……変なヤツやなぁ」
 はやても怪しんではいたが、何とかごまかせた。

 

「……で、どういうことだよ?ヒイロ。コロニー落としって」
 今度は小さめの声でデュオが言う。
「まだ憶測にすぎないが、俺達が潜入しようとした『X-18999』には
 デキム・バートンが潜伏していた可能性が高い。」
「ん……?どういうことだ?バートンはトロワの元になった奴で、
 マリーメイアの親もバートンで、デキムってのは……」
 デュオの頭の中がこんがらがっていく。
「オペレーション・メテオを発案したのはデキム・バートンだ。」
「あ、あぁ。そうだったな……」
 デュオは「本当に知ってるのかよお前」、と言いたくなるような表情をしているが
 ヒイロは気にせずに話す。
「俺がACで最後に見たデータベースと、トロワの話から考えて
 デキムはコロニー落としを考えていた可能性が高い」
「あぁ、あのカトルから貰ったって奴か。」

 

EW未見の方など、知らない読者もいると思うので、ここで簡単に解説です。
ヒイロはデュオとシャトルに乗る前にカトルから貰ったウィナー家のデータベースでマリーメイアやバートン財団についてしっかり調べていたのです。

 

「恐らく十三番目の星座が造られたのはあのコロニーだ。
 そしてマリーメイアの宣戦布告からして、あのコロニーにデキムがいるとすれば……。」
「X-18999はデキムのモノって訳か。」
「あぁ。直径20㎞近くもあるコロニーが地球へ落下すれば地上は大変な事になる。
 数万人の人間が死に、地上の被害はとんでもない規模になるだろう」
「……かぁー!こんなときに俺のデスサイズはっ!!」
 デュオは悔しそうに言う。
「落ち着け。例えデスサイズが無傷でもACに帰れなければ意味がない。
 そしてコロニー落としもただの憶測にすぎない。」
「あ……そっか」
 ヒイロとデュオは八神家のリビングでできるだけ聞かれないように話す。
 だが、ヴィータがソファの後ろでデュオ達の話を盗み聞きしていたことに、ヒイロ達は気付いていなかった。
(な……なんかよくわかんねぇけど、とんでもない話聞いちまった!?)

 

 ヴィータははやての方へ走ってゆくのだった。
「ったく……何だって今になって、オペレーション・メテオなんだよ!」
 デュオは拳をにぎりしめ、悔しそうに叫ぶ。

 
 
 

一方、X18999。

 

「M作戦(オペレーション・メテオ)……かつてはガンダムの地上降下作戦をそう呼んでいたが……
 本来はまったく別のものだった。
 コロニーの回転速度を上昇させラグランジュポイントでの均衡を崩し、地球に落とす。
 その後混乱に陥った地球をガンダムで制圧する……これがオペレーションメテオの全容。
 そしてこの計画の首謀者デキムはそれを再現しようとしている」
 トロワがやたらと説明的に一人で語っている。
 今、トロワはX18999の制御室で落下を始めたコロニーを安定制御しようとしているのだ。
「このコロニーの中にはオレの大事な仲間がいる……オペレーションメテオをやらせる訳にはいかない!」
 トロワは必死にコロニーのコンピュータにハッキングを仕掛ける。

 
 
 

 劾の目の前で次々とシャトルが降下してゆく。
 だがゼクスはメガキャノンの発射体制に入ったままトールギスの動きを止め、見てるだけしかできなかった。
「……。」
 劾もゼクスも無言のままだ。悔しいが今は黙って見ているしかできない

 

 そしてコロニーは重力に引かれ落下速度をあげてゆく。
「重力が二倍を越えた……ライフシステムが止まる……!」
 トロワは必死に安定制御を図ろうとする。

 

 どうやら外にいるノイン達もハッキングに協力してくれているようだ。
「スロープログラム起動……ダミープログラム作動……よし、回路変更完了……制御プログラム、起動!」
 トロワは外からの協力を得ながらなんとかコロニーの安定に成功する。
「……成功だ」
 つぶやくトロワ。オペレーション・メテオの阻止に成功したのだ。
 バートン財団に信用させ、ここまでやるのにトロワはかなり疲れたが、
その苦労もなんとか実を結ぶことができた。
 だがこれで終わりではない。トロワはすぐに外にいるであろうノイン達に連絡を入れる。

 

『本当なのね!?』
『オペレーションメテオを阻止したのか!
 X18999は地球に落ちないんだな。感謝する』
 ノインとサリィもトロワの連絡を受けて喜びの声をあげる。

 

 そして-
『こちらウインド!確認した……これよりMO-Ⅲを破壊する!』
 トールギスのメガキャノンにエネルギーが充填される。
 そしてその通信を聞いた劾も一気に衛星との距離をつめ、タクティカルアームズを変型させる。

 
 

『メガキャノン……ファイアー!!』
「ローエングリンランチャー……発射!!」
 二方向から同時に迫る光りがMO-Ⅲを飲み込む。そして

 

 ドゴォォォンッ!

 

 MO-Ⅲは大爆発する。だが燃え上がる衛星から一機のシャトルが飛び出す。
「また会おうゼクス!」
 シャトルに乗ったデキムはいずこかへ飛び去ってゆく。

 

「デキムには逃げられたか……」
 ゼクスがつぶやく。そして
「さて……」
 と、ゼクスはMO-Ⅲを同時に攻撃したブルーフレームを見る。
(ガンダムタイプか……)
『ガンダムのパイロット!私はプリベンター所属のウインドだ!』

 

(……プリベンター?)
 劾はまたしても聞き慣れない名前に疑問を感じる。
『俺は傭兵部隊サーペント・テールの叢雲劾だ。できればそちらの情報を得たい』
『いいだろう。そちらのガンダムについて私も聞きたいことがある』
『(ガンダム?)……了解した。そちらの指示に従おう。』
 劾はガンダムという単語にも聞き覚えが無かったが、今はとにかくゼクスについていくことにした。

 
 
 

「~♪」
「は、はやて……!」
「……?」
 八神家でマターリしていたはやての所へヴィータが走ってくる-といっても小走りでだが-。
「どないしたん、ヴィータ?」
「そ、それが……話してもどうにもなんないかもしれないけど、なんか大変なんだ!」
「ちょ、ちょっと落ちつき!何があったんよ?」
 はやてはヴィータに問う。ヴィータは落ち着いて、わかんない所ははぐらかしながらはやてに説明した。
 はやて的に伝わったのは、
 『ヒイロの世界で地球になにか大きいものが落ちて、たくさん人が死ぬかもしれない』ってことだ。
 まぁだいたいは伝わっている。
「何やて!?なんでヒイロ達そんな大変な事うちらに相談せぇへんかってん!」
 そう言いながらはやてはリビングのヒイロとデュオの元へズンズン歩いていくのだった。
 こんなこと話してどうにかなる問題では無いが、
家族の一員としてそんな重要そうなことを黙っていたのがはやてにとって腹立たしいのだ。

 
 
 

「OZとWFの戦争……。すまないが、俺はそんな話は聞いたことがない」
「私もザフトやコーディネイターなんて言葉に聞き覚えは無い」
 ここはプリベンター指令基地。ゼクスが劾に話を聞き、お互いの話が噛み合わないことに疑問を抱いていた。
「つまり、お前は異世界からきたということか?」
 そこへ話を聞いていたレディが割り込む。
「バカげた話だが、その可能性が高いらしいな……」
「ふむ……。異世界のガンダム……か。」
 ゼクスは「どうしたものか……」と悩みながら劾を見る。
「ならば、プリベンターとして活動しないか?」
 レディが劾に提案を持ち掛ける。
「平和維持のための情報機関か。……ほかに行く当てもない。わかった。プリベンターで雇われよう」
「雇うだと?」
「ああ。俺は傭兵だ。金さえもらえばどんな仕事でも引き受ける」
 劾はさも当然といった顔でひょうひょうとゼクスに言う。
「フフ……面白い。どうかな?レディ」
「……別にかまわんが」
「フ……ではよろしく頼むぞ。叢雲劾」

 

 こうして劾はプリベンター入りを果たす。
 だが劾もゼクスも、これから自分達が時空を越えた戦いに巻き込まれていく事など
知る由もなかったのだった……

 
 
 

「ヒイロ!デュオ!」
「……?」
「な、なんだよはやて……?」
 リビングでチェスとしゃれこんでいたヒイロとデュオの背後から、怒り気味なはやての声が聞こえる。

 

「あんたら、うちに黙ってることあるやろ?」
「べ……別に何もねぇよ!……なぁ!ヒイロ」
「ああ。何の話をしているんだ?」
「ヒイロ達の世界でなんか大変なことおころうとしてるんちゃうん!?」
(オペレーション・メテオの話を聞かれたか……)
 ヒイロは心の中で舌打ちする。
「そ、そりゃそうだけどよ……んなことお前らに言ったってどうにもなんねぇだろ?」
「それはそうやけど、うちら家族やろ?悩み事あったら相談したってええやん!」
「……わかった。全て話そう。」
「お、おいヒイロ…?」
 ヒイロははやての言葉を聞き、すべて話そうと言い出す。
 そういえば最初の頃に、はやて達と隠し事はしないと約束したのを思い出したからだ。

 

 ヒイロは最初にまだ憶測に過ぎないことを断ってから、
オペレーション・メテオについてはやて達に教えた。
「そ、そんなん……!?」
「もし、コロニーが地球に落下したら……どうなるの?」
 いつの間にか話に入っていたシャマルも恐る恐る質問する。
「そりゃ、コロニーは直径20㎞近くもあるんだ。そんなもん地球に落っこっちまったら……」
「地球は甚大な被害を被る。大勢の人間が死に、地球環境にも大きな被害が及ぶだろう。」
 ヒイロはコロニーが落下した場合の恐ろしい現実をはやて達に伝える。
「そんな……」
「そんなこと……絶対させたらアカン!」
「だが今の俺達にはどうしようもない。それにもし現実になったとしてもACには俺の仲間達がいる」
「それに戻れたって俺のデスサイズは壊れてるしな」

 

「「…………」」
 流れる沈黙。
「そうやな……今はどうしようもないもんな……」
「そうそう、その通りだ。ホラ、お前らもそんな暗い顔すんなよ!」
 デュオが場を盛り上げようとする。いや、デュオの場合心の底からそう思っているのかもしれないが。
「なんでお前が一番テンション高いんだよ!」
 呆れたヴィータが突っ込む。
「フフ……そんなところもデュオ君のいいところよね」
 ヴィータのツッコミに、シャマルが笑顔で返す。またいつもの雰囲気に戻ってきた。
 デュオがきてからというもの、暗い八神家などほとんど無かった。やはり八神家は明るい方が似合うのだ。
 ヒイロもデュオもそう思っているに違いない

 
 

さて、ヒイロ達の方は一見落着として、アースラ。

 
 

「本部からの連絡だと、装甲はガンダムが自己修復してくれるから、
 あとはプラモみたいに外れた部分をつけるだけでいいみたいだね」
「そうか。あとどれくらいかかりそうなんだ?」
 クロノとエイミィは本部に送ったガンダムの話をしていた。
「さぁ?わかんないけど、あとはデスティニーの左腕とデスサイズの羽と鎌を組めば完成みたいだよ。
 ガンダムのプラモでガンプラってね♪」
「……ったく、あいつら模擬戦なのにこんなに壊すなんて……」
 クロノはエイミィのボケ(?)を軽く流しつつため息をつく。
「それを言うならもっと早く止めなかったクロノ君にも問題はあるんじゃない?」
「仕方ないだろう。こっちだってシンの予想外の動きを記録するので忙しかったんだから」
 クロノが言い訳をする。まぁ実際あの動きにはまだ謎が多いし、
前回は記録をとるいいチャンスだったのだ。
「確かにデスティニーの動き、とんでもなかったよね。
 せっかくだから本部でもっと本格的に調べてもらうよ」
「ああ。そうしてくれ」

 

 そう言ってクロノはブリッジから出ていくのだった。
 ブリッジから出る時、クロノは思った。
「アレ……今回はシン達出番ゼロか……」
 と。