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新機動戦記ガンダム A's Destiny_第11話

Last-modified: 2007-11-14 (水) 23:28:19
 

 海鳴市近海、上空。

 

 ギリギリ大気圏内という位置。
 ウイングゼロのビームサーベルとナタクのビームトライデントがぶつかり合い、弾ける。
「もうやめろ、五飛!この戦いがお前の望んだ未来なのか?」
 ゼロは再び接近し、ビームサーベルを振るう。
「これが現実だ、ヒイロ!だから俺は戦う!兵士達に意味を与えるためにも!」
 言いながらトライデントでゼロの攻撃を受けたナタクは、再びトライデントでゼロを突き上げる。
(……くっ!)
 だがその攻撃も回避され、ゼロは数メートル上へ飛び上がる。

 
 

 何故こんなことになってしまったのか。何故再びウイングゼロとナタクがぶつかり合っているのか。
 事の発端は数時間前に遡る。

 

 はやて達は昼食を食べ終え、後片付けをしていた。
「どうせヒマなんやったらちょっとはヒイロらも手伝ってくれたらええのに……」
 食器を洗いながらはやてが愚痴をこぼす。
 ちなみにヒイロとデュオはテレビでワイドショーを見ている。
「でも……あの二人に任せちゃったらなんだか大変なことになりそう……」
「う……確かにそうかも……」
 シャマルが苦笑しながら二人に任せた場合を想像し、はやてもまた想像する。
 ……食器とか割られそうだ。
 すると2階からヴィータが降りてくる。
「なぁヒイロ、デュオ。ゲームやろうぜ!」
 手に持っているのは最大4人対戦可能な立方体のような形の四角い家庭用ゲーム機。
 最近新しいゲーム機が出たようだがそう簡単には買って貰えないのだ。
「おう、俺はかまわないぜ!」
「………………」
「黙ってるってことはOKってことだよな!よし、やろうぜ!」
 ヴィータは嬉しそうにゲーム機をテレビに繋ぎ始める。

 

 調度その時だった。はやての携帯が鳴る。
「誰からやろ?」
 そう言いながら携帯を手にとる。相手はクロノのようだ。
 はやては「あっクロノくんか」と納得し、携帯に出る。
「もしもし、クロノくん?」
『はやてか?急いで来て欲しいんだ!できればヒイロも一緒に』
 いつもと変わらず冷静だが、それでも少しだけ慌てているような口調のクロノ。
「え……どないしたん?なんかあったん?」
「あぁ、傀儡兵だ。今回は数が多い。すでになのはとフェイトが現場に向かってる!」
「わ、わかった!ヒイロ連れてそっち行くわ!」
 はやてはそう言うと電話を切った。
 そして「ヒイロ!」と呼ぼうとするも、ヒイロは既に立ち上がっていた。
「出動だな?」
 準備万端だ。

 
 

十数分後、アースラ・ブリッジ。

 

「今回の敵も傀儡兵だ。すでになのはとフェイトが現場で戦っている。君達も急いでくれ!」
「わかった!」
「了解した。」
 クロノに説明を受けたはやてとヒイロはそれぞれの持ち場へ急ぐ。
 はやては直接現場へ、ヒイロはウイングゼロのコックピットへ。
「じゃ、先行ってるからヒイロも急いでな!」
「……わかった。」
 ヒイロは格納庫へと走る。ちなみにシンとデュオは機体が無いためブリッジで待機せよとのことだ。
「俺達の機体はまだなのかよ!」
「あぁ。今は待機しているしかない」
 ヒイロを見送ったデュオはクロノに言い寄るが、やはりデスサイズはまだ修理中。
 デュオは悔しそうに「くそ……」とうつむく。シンもデュオと同じだ。
 これはデュオが来る前にも同じやりとりがあったと見て間違いないだろう。

 

 一方アースラ格納庫。
 ウイングゼロのコックピット、モニターやレーダーなど、様々な計器が輝く。
「行くぞ、ゼロ。」
 ヒイロが言うと同時にウイングゼロのカメラアイが輝き、数歩前へ進む。
「ウイングガンダムゼロ、転送します!」
 艦内に響くエイミィの声。次の瞬間、ウイングゼロはアースラから姿を消していた。

 
 

「行くよ、レイジングハート!」
『All right,Divine Buster』
「ディバィィィィン……バスタァーーーーー!」
『Extention.』
 なのはの掛け声と共にレイジングハートエクセリオンから放たれた桜色の閃光が傀儡兵を飲み込む。
 命中した傀儡兵は撃墜されてゆく。
「……ふぅ。この傀儡兵、倒しても倒しても出てくるよ……!」
「うん……でも、負けられないよ!ランサーセット!」
『Get set』
 なのはに返事を返しつつフェイトはフォトンランサーの準備をする。
 周囲にプラズマのようなものが浮かび……
「ファイア!」
 フォトンランサーは傀儡兵目掛けて飛んでゆき、数体の傀儡兵を撃墜する。
「二人共、おまたせ!」
 そしてそこにはやても到着する。
「はやて!」
「今回は数が多いよ。気をつけてね!」
「わかった!」
 はやてはそう言い、早速呪文の詠唱を始める。
 なのはとフェイトも詠唱中のはやてを守るように傀儡兵を撃墜し……
「ブラッディダガー!」
 はやてもなのは達に負けじと傀儡兵に向けて短剣を飛ばす。
 今回の傀儡兵は質より量なのか、ブラッディダガーに当たった傀儡兵は割と簡単に爆発していく。

 
 

 そしてはやてがブラッディダガーを放った数秒後、ヒイロのウイングゼロも現場に現れる。
「ウイングガンダム……!」
「ヒイロくん!」
 白い天使のような翼を羽ばたかせ、周囲には白い羽が舞っているような錯覚さえ覚える
美しい姿-兵器に美しいというのも変だが…だ-。

 

「……ターゲット確認。殲滅する」
 ウイングゼロは一気に傀儡兵に急接近し、飛びながらビームサーベルを振り抜く。
 ビームサーベルはムチのようにしなり、傀儡兵を切り裂く。
 切り裂いた傀儡兵が爆発四散する時にはすでに次の傀儡兵へと接近、攻撃。この動作を繰り返す。

 

 なのは達もヒイロに負けないくらいの速度で傀儡兵を撃墜してゆく。
「アクセルシューター!」
「サンダースマッシャー!」
 飛び交う魔力弾と、傀儡兵に向かって真っ直ぐに飛ぶ黄色の砲撃。
 なのははCEで言うドラグーンのような球体を飛ばし、傀儡兵に穴を空けてゆき、
フェイトはサンダースマッシャーで傀儡兵数機を飲み込む。

 
 

「おかしいな……。最近はこんな事無かったんだが」
「こんな事って、この傀儡兵の事か?」
 倒しても倒しても現れる傀儡兵。クロノもこの異常な数の傀儡兵に驚いている。
「くそ!こんなときこそ俺達のガンダムが必要だってのによ……!」
 デュオは悔しそうにブリッジのパネルを叩く。
「俺達のMSはいつになったら使えるんだよ!?」
「だから、さっきも言っただろう。君達のガンダムはまだしばらくは……」
「え~と、それが実はデスティニーの修理はもう終わってるんだな~これが」
「「エイミィ!?」」
 シンもまた悔しそうに叫び、クロノがさっきと同じ理由で返事を返そうとするが、
エイミィに割り込まれる。
「俺のデスティニーが直ってるって……どういうことだよ!?」
「いや~機体自体は直ってるんだけどね……OSの調整とかがまだらしいんだ」
「OSなんて元のままでいいだろ!」
「う~ん、そうなんだけどね……いろいろといじったらしくて……」
 エイミィもばつが悪そうにシンに説明する。
 シンは「あぁ、もう!」とこれまた悔しそうに拳を握りしめる。

 

ブリッジのモニターに目をやると、なのは達三人とウイングゼロが傀儡兵を撃墜する。
すでにかなりの数が撃墜されたのだろうが、それでも数が多い。
「…………」
それを見てリンディは眉をしかめるのだった。

 
 

『stand by ready,』
『charge set.』
「はやてちゃん!」
「わかった!」
 なのはとフェイトがお互いのデバイスを最大出力のエクセリオンモードと
ザンバーフォームにそれぞれ変形させる。
 はやてはなのは達に近寄ろうとする傀儡兵をブラッディダガーで牽制する。
「フィールド形成!」
「発動準備完了ッ!」
「ヒイロくん、おっきいのいくよ!」
 なのはとフェイトはデバイスを構える。ヒイロは巻き添えを喰らわないように少し離れ……
「全力全開ッ!」
「疾風迅雷ッ!」
「「ブラスト・シューーーーット!!」」
 なのはとフェイトの中距離殲滅コンビネーション、『ブラストカラミティ』だ。
 ゴォォォォ!という凄まじい効果音と共に、
最大出力のツインバスターライフルを遥かに凌ぐ砲撃が傀儡兵の大群をまとめて飲み込む。

 
 

「……相変わらず目茶苦茶な威力だな。」
「ってか……前より強くなってない……?」
 クロノとエイミィはなのは達の砲撃の異常なまでの威力に半ば呆れたような顔で呟く。
 シンとデュオに至っては放心状態だ。
 目の前でまだ幼い少女達が一瞬で数十体の敵を消し去ったのだから。
「なんだ……今の……」
「フェイト達って…こんなに凄かったのかよ…」

 
 

 ヒイロはなのは達の攻撃を見て、一気に半分以下になった敵を殲滅するために
翼からバスターライフルを取り出す。
 二丁のバスターライフルを合わせ、傀儡兵が密集している場所へ向けて構える。
「……排除……開始!」
 ブラストカラミティには及ばないまでも相当な威力のビームが真っ直ぐに突き抜ける。
 真っ直ぐに伸びる光の周囲で爆発していく傀儡兵。

 

「ヒイロはヒイロでえげつないな……」
 感嘆の声をもらすクロノ。コロニーでも破壊できるであろう威力の砲撃を二発も放ったのだ。
 傀儡兵も一気に数を減らす。

 
 

「っと……また次元振発生!何かが転移してきます!」
 エイミィが言うが早いか、ヒイロ達が戦っていた現場に空間の歪みのような光が現れる。

 

「今度はなんだ!」
「あれは……!」
 デュオとシンはモニターに目をくぎづけにする。それはデュオにとっては見覚えのある機体だ。

 
 

「あそこ……なんか出てくんで!」
 はやてが突如現れた光を指指す。
「また……傀儡兵?」
「ううん……違う……」
 今までとは何かが違う、何かがおかしい。それに気付いたなのはが顔をしかめる。

 
 

「……五飛」
 ヒイロがぽつりと呟く。現れたのは緑のガンダムタイプ、『ナタク』だ。
「久しぶりだな、ヒイロ」
「五飛……何をしにきた?」
「……貴様と決着をつけにきたのだ!」
 ナタクはゼロに向かってドラゴンハングを飛ばす。
 ヒイロはなんとか回避し、自分もビームサーベルを振り抜く。

 

「って……ちょっとタンマー!」
 そこでなのはが叫ぶ。
「……なのは?」
「…………。」
 一同は動きを止める。五飛はナタクのモニターに写るなのはを見て冷たい視線を向ける。
「なんだ……女」といった表情だ。

 

「いきなり出会っていきなり戦闘なんて……そんなのおかしいよ!」
「そうや!あんた前にも訳のわからんこと言うて襲ってきたけど、今日はちゃんと話聞かせてもらうで!」
 なのはとはやてが五飛に叫ぶ。五飛はしばらく黙った後……
「フン……小賢しい。女が戦場をウロウロするなぁ!」
 ナタクははやてとなのはに向かってドラゴンハングを飛ばす。
 凄まじい速度で真っ直ぐに伸びるドラゴンハング。だが-
「何回もそんな攻撃……通じると思ったら大間違いや!」
『protection』
 はやてが防御魔法を詠唱し自分達へと伸びるドラゴンハングをはじく。
「……な!」
「……そっちがその気なら……そのガンダム、壊してでも話を聞かせてもらうから!」
 言うが早いかなのははアクセルシューターをナタクへと飛ばす。
 ヒュンヒュンと不規則な動きで飛び回る魔力弾を捕捉しきれない五飛は
 回避しながら少しずつ魔力弾を弾いていくという戦法をとる。
 相変わらずなのはは強引なやり方で話を聞こうとするが、
どうやら五飛はなのはに火をつけてしまったようだ。
「く……こんな攻撃!」
 ナタクはビームトライデントを駆使し、魔力弾をたたき落とす。すると-
「今度はこっちだよ!」
 フェイトはバルディッシュをハーケンフォームにし、一気にナタクに接近し、斬りかかる。
「……貴様はッ!?」
 五飛は腕に戻したドラゴンハングでフェイトの攻撃を受け止めながら驚いた顔をする。
 そう、五飛はこの少女に見覚えがあった。
「プラズマ……スマッシャー!」
『Plasma smasher.』
 今度はほぼ零距離でのプラズマスマッシャーがナタクに直撃する。
 まぁ非殺傷設定もあるし、コックピットに直撃しても死にはしないだろう。

 
 

「ぐあぁっ!」
 ナタクはそのまま数メートル吹っ飛ぶ。
 サイズ差がほぼ15倍ほどあるにしてもさすがに零距離プラズマスマッシャーには堪える。

 

「これで……!」
『starlight braker.』
 フェイトの攻撃で吹っ飛んだナタクに向けてなのはがレイジングハートを構え、
スターライトブレイカーの発射体勢に入る。
『10……9……8……』レイジングハートのカウントダウン音が響く。
 ……ってちょっと待てなのは。完全にナタクを破壊するつもりか。

 

「まだだ……俺はヒイロと決着をつけるまではやられん!」
 五飛はそう叫び再び体勢を立て直す。
「あいつ……まだやる気なん!?」
 はやてが叫ぶ。
 だがフェイトの方はそんなヒイロとの決着にこだわる五飛を見て、誰かと似ている気がした。
『4……3……』
「待って、なのは!」
「え……!?な、どうしたの!?」
 フェイトに止められ、なのははスターライトブレイカーのカウントダウンをストップさせる。
「やっぱり……決着はヒイロにつけさせようよ」
「……何言うてんねや?無理矢理にでも取っ捕まえて……」
「ううん。それじゃダメだよ。今のあの人は、昔の私達と一緒だと思う……」
 フェイトはなのはへと視線を向ける。
「フェイトちゃん……」
 なのはとフェイトもかつては敵として幾度もぶつかり合い、そして友達になった。
 ヒイロ達だって似たような物だと……そう思ったのだ。
「……わかった。聞いてたよね?ヒイロくん」
「……任務了解。…………感謝する」
ヒイロは小さな声で感謝の言葉を言い、ナタクに向かって一気に接近する。

 

「五飛……この戦いは無意味だ。こんなやり方で世界は変わらない!」
「来たかヒイロ。無意味な戦いなどでは無い!戦う事こそに意味はあるのだ!」
 お互いのビームサーベルとビームトライデントがぶつかり合う。
 二人は何度もぶつかっては離れ、ぶつかっては離れを繰り返しながら上空へと上がっていく。

 

「ったく、五飛の奴……いつまで駄々こねてんだよ……!」
 その戦いを見ていたデュオが呟く。
 シンは五飛と言う名に一瞬反応するが、特に何も言わずに黙ってモニターに目を戻した。
(張五飛……?いや、そんなはず無いか)
 この世界に同じ名前の人なんていくらでもいる。そう思い、今自分が考えた想像を振り払う。

 
 

 そうして今に至る訳だ。二人は限りなく宇宙に近い場所でぶつかり合う。
「もうやめろ、五飛!この戦いがお前の望んだ未来なのか?」
「これが現実だ、ヒイロ!だから俺は戦う!兵士達に意味を与えるためにも!」
 突き上げるような軌道のトライデントを回避したゼロは、数メートル上へ飛び上がる。

 

「ならば俺はためらわない!お前に未来を教えるためにも!!」

 

 ヒイロの言葉と同時に、コックピット内部の丸い球体のような形をしたレーダー、
『ZERO SYSTEM』が光り輝く。

 

 ヒイロの脳内に流れ込んでくる情報。ナタクの動きが見える。

 

「フン……ゼロシステムか。面白い!そうでなくては倒す意味が無い!」
 五飛はそう言いドラゴンハングを飛ばす。
 もちろんゼロシステムを作動させたヒイロにそんな攻撃が当たるはずも無い。

 

 ドラゴンハング、ビームトライデント、格闘攻撃……どれだけしつこく攻撃しても、ヒイロには当たらない。
「流石だな、ヒイロ……!だが負ける訳にはいかんのだぁ!!」
 そう言いトライデントで薙ぎ払おうとするも、やはり回避される。
「…………俺はお前を否定しない。お前は以前の俺と同じだ」
「黙れ!戦え、ヒイロ!」
 さっきから回避を続けるだけのゼロに五飛が言う。
「……だから俺はお前を討つ!その呪縛から開放するために!」
 ヒイロは再び翼からツインバスターライフルを取り出し、五飛に向けて発射する。
「く……バスターライフルか!」
 五飛はギリギリ回避するも腕に少しかする。
 ヒイロは回避し続けるナタクに向けて威力を連射できるまでに抑えたバスターライフルを連射する。
 さすがの五飛もゼロシステムを作動させたゼロが放つライフルの嵐には防戦一方だ。

 
 

 そしてその攻防にも終わりの時がくる。
「……終わりだ、五飛」
 ヒイロはツインバスターライフルを合わせ、リーブラを破壊した時のような体勢をとる。
 その時だった。
「…………!?」
 突然ヒイロの中に何かのビジョンが流れ込んでくる。
 五飛と一緒にいる黒髪の女性……金と黒のガンダムタイプ。
「……プレシア……テスタロッサ?……この黒いガンダムは……」
 ヒイロが呟く。ゼロシステムがヒイロに見せるビジョン。
 それはプレシアという名の女性と黒いガンダムタイプ。
 そして黒いガンダムがゼロの背後から姿を表し、襲い掛かるビジョン……。

 

「……後ろか!」
 ヒイロはすぐさまその場所を離れる。するとゼロの背後から、
金と黒のガンダムタイプ-ゴールドフレーム天-が攻撃するため姿を表す。

 

「……ほぅ。PO1のトリケロス改をかわすとは……」
「……ロンド・ギナ・サハク!」
 五飛は『天-アマツ-』の予想外の登場に驚愕する。

 
 

「張五飛。貴様の目的はこのような場所で時間を無駄に使うことでは無いだろう?」
「く……わかっている!」
 五飛はまたしてもヒイロとの決着を邪魔され、苛立ちながら返事を返す。
「(こいつは……)」
 ヒイロも突然割り込んできたアマツに軽い驚きを抱く。
 まさか自分の知らないガンダムタイプがまだこの世界に飛ばされていたとは思うまい。
 ただ一つ分かること……それはこの黒いガンダムタイプはゼロが見せてくれた敵だと言うことだ。
「貴様は早くロストロギアの反応を追うがいい」
「……いいだろう。ヒイロ!この勝負、預けたぞ……!」
「待て、五飛!」
 五飛は渋々ながらそう言い残すと再びなのは達のいた地上-というか海上-へと降下する。
「お前の相手は私が勤めよう」
「……貴様!」
 ナタクを追おうとしたゼロの前にアマツが立ち塞がる。
 そして黒いガンダムタイプの登場と共に再びなだれ込んでくるビジョン。
 黒い髪の双子……赤い服を着た白髪の男……そしてスーツを着込んだ金髪の男……。
『ウズミは間違っていたのだ。だからオーブは滅んだ!』
『私なら新たなオーブを再生できる!最強のオーブをな!』
 ヒイロの頭に黒髪の男の声が響く。向き合うウイングゼロとアマツ。
 ヒイロにはアマツのパイロットの正体が見えかけていた……
「……これは……この男は……!」

 
 

 一方、地上で残った傀儡兵を殲滅させたなのは達の頭上からナタクが急降下してくる。
「あれは!アルトロンガンダム!?」
「ヒイロはどうしたんや!」
 はやては降下してきたナタクに問い詰める。だが五飛はその問いに答える事は無い。
「……チッ、傀儡兵共は既に落とされたか。もはやここに留まる理由も無い……」
 五飛はそう言うと、空を見る。対峙するウイングゼロとアマツ。
「……死ぬなよ、ヒイロ」
 その言葉を最後にナタクは踵を返す。
「……ちょ、逃げる気!?」
 なのはがナタクを追いかけようとする。
「ダメだ!なのは!」
 フェイトがなのはを呼び止める。だが時すでに遅く、ナタクはいずこかへと転送されてしまう。
 そして次の瞬間、ナタクに接近しようとしていたなのはの体がまばゆい光に包まれる。

 

「また……次元震発生。な、なのはちゃんの反応、ロストしました……」
 エイミィが暗い表情で報告する。
「何だって!?」
「お……おいおい、そりゃまずいんじゃねぇのか?」
 クロノとデュオはエイミィの報告に青ざめた顔をする。ただシンだけは違う顔をしていた。
「……あれ……は……」
 シンの瞳に写るのはなのはが消えた場所、そこに現れた逆に転移されてきた一機のMS……
 白をベースに青や赤といった配色の半壊気味のMSだ
 シンにはそのMSに確かな見覚えがあった……

 

「なのはーーーー!!」
 そして海鳴近海に友の名を呼ぶはやてとフェイトの叫び声がこだまするのであった……