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機動戦士ガンダム00 C.E.71_第43話

Last-modified: 2011-12-14 (水) 01:24:20
 

ハルバートンの見せた防衛戦術にも弱点がある。
ミサイルで機動を妨害しなければ、いくら腕の良い砲手がいた所で
MSへの狙撃を成功させるのは難しいという点だ。
これがその為の戦術で、大量のミサイルをMSが殲滅するなど
普通には到底有り得ない事から、通常は弱点と呼べない点ではあるが。
しかしクルーゼはたった1機でその有り得ない事を成し、弱点を浮き彫りにした。
ミサイルの殆どを撃墜する事で、後続のジンはミサイルの爆発に阻まれる事無く、
狙撃してくるビームを回避する事が出来るのだ。
ミサイルの爆炎が急激に冷やされ、ガス状の霧に変わる。
その中を殆ど一列になったMS隊が奔る姿は、宛ら中世の騎兵団を思わせた。
「このまま突破させて貰おう」
第八艦隊までもう直ぐ、後ミサイルの波状攻撃を1、2度凌げば到達出来るだろう。
モニター内で大きくなる艦隊の姿にクルーゼは笑みを深くした。
しかしそうすんなりとは食付かせてくれないらしい。
再びミサイルの波が艦隊から発射されると、それは今までの倍近い数でこちらに襲い掛かってきたのだ。

 

「ネルソン級も動員か。これは捌ききれん、各機躱せ!」
後半は後続のジンに向けられた物だった。
クルーゼは右手に保持したキャニスをマシンガンと入れ替え、砲門を増やして応戦する。
ネルソン級のミサイルは後方に控えるザフト艦隊の為に温存していたのであろうが、
それを躊躇無く動員するとはやはり侮れない。
クルーゼはハルバートンの評価を改めつつ、出来うる限りの迎撃を行った。
マシンガンも動員した事で迎撃能力は格段に上がったといって良いが、それ以上にミサイルの数が多い。
数発のミサイルが後続のジンを襲い、爆発に呷られた1機が狙撃の餌食になる。
「末端まで冷静な艦隊とは恐れ入る。だが、この距離なら」
ここまで接近されても、狙撃の正確さは微塵も揺るがないのは称賛に価する。
しかしもう手遅れだ。
クルーゼはシグーに再びキャニスを握らせると、標的のいない方向に砲弾を放った。

 
 

ネルソン級を動員した甲斐もあって、第二波後初めてMSの撃破が確認される。
ホッとした表情を浮かべるホフマンとは対照的に、
ハルバートンは電子海図を睨んだまま動かない。
その時だ、ザフトのMS隊が展開している前面で、突如信号弾らしき閃光が打ち上げられたのは。
「なんだ?」
それは戦場の誰しもが目にする類の光だ。
しかし普通は何色かの色を組み合わせて意味を持たせる物の筈である。
だが打ち上げられた信号弾は黄色が1発のみ、何か符丁が組み込まれているとは考え難い。
ならば何を意味する閃光なのか。嫌な予感に、ハルバートンはブリッジの天井を見上げた。
「全艦、回避運動!」
突然の命令に流石のクルーも反応が遅れる。
次の瞬間、思わずハルバートンの方に振り返ったオペレーターの背後で、
モニターに映ったドレイク級アンティゴノスが被弾の爆発を起こした。

 

「ちっ、まだ生きてやがる」
第八艦隊を真上から見下す宙域で、アンティゴノスを
狙撃したバスターが次弾発射の為に狙撃砲を構え直す。
初撃で仕留めるつもりだったアンティゴノスは、
狙撃される直前に回避行動を取りエンジン部への直撃を避けた。
それでも4つあるメインスラスターの内2つは潰している。
砲身の冷却を確認し、被弾したメインスラスターを切り離すアンティゴノスに狙いを定めた。
「ダメだディアッカ、メビウスの部隊が迎撃に出ている」
ディアッカが引き金を引こうとした直前に、アスランから無線が入った。
見れば、確かに待機していたメビウスの一部がこちらに向かってきていた。
艦隊も回避行動を取り始めており、これ以上の狙撃は効果が薄いだろう。
「分かったよ。で、隊長さんのご命令は?」
「クルーゼ隊長から合図が出た、事前の作戦通り、
我々は敵艦隊直上から強襲をかける。バスターは中距離援護だ」
「了~解」
ザラ隊は、ザフト艦隊が第八艦隊に補足される前に出撃、この宙域に潜んでいたのだ。
イージス以下各Gは無理矢理チューブで繋いでいた大容量バッテリーをパージ、
PS装甲を起動して行動を開始する。ザラ隊の任務は、正面から攻める本隊突入の援護だ。
だが援護が早すぎると逆にザラ隊が多勢に攻められる可能性があるので、
援護開始のタイミングはクルーゼに任せてあった。
撃破されていく本隊のMSに、ミゲル以外のザラ隊の面々は気が急いて仕方なかったが、
クルーゼの合図のタイミングは完璧としか言い様が無い。
後は、ザラ隊がクルーゼの期待に応える活躍を出来るかどうかだ。

 

「行くぞ!」
ASを装備したデュエルを先頭に、迎撃に出たメビウスの大群に突撃を掛ける。
数の差は歴然だったが、艦隊の援護が無いメビウスなどGの敵では無い。
「邪魔だぁっ!」
デュエルの新装備であるシヴァ、ミサイルが火を噴き、
バスターの散弾砲が鉄の雨を降らせる。
その合間を縫ってイージスとブリッツ、ハイマニューバがメビウスに斬り込むと、
迎撃に出たメビウスの一団は瞬く間に殲滅された。
ネルソン級カサンドロスが援護の為に旋回していたが、それも間に合わない程の早業だ。
先遣艦隊に手練れが集中していた為に、第八艦隊のパイロット達の練度はそれより劣る。
しかしそれを差し引いても驚異的な殲滅速度だった。
ザラ隊は速度を緩めず、そのまま艦隊に向かって強襲を掛けた。

 
 

ハンガーに備え付けられたモニターに、
先程まで物資を補給してくれていた輸送艦の離れて行く姿が映っていた。
予定にあった物資の殆どは積み終わっていたとはいえ、
輸送艦に緊急離脱命令が出たとなれば、
敵が直ぐそこまで迫っているのは容易に想像出来る。
「出撃、出来ないんですか?」
「・・・許可が下りてないからな」
整備士達の迅速な作業のお蔭で、ハンガーを占領していた物資類は殆ど片付けられていて、
直ぐにでも艦載機が出撃出来る状態であった。
しかし命令が下りていない以上、無断で出撃する訳にもいかない。
目の前の事態に手を拱いているしかない状況は、パイロットという人種にとって拷問にも等しい。
見上げるキラに、刹那は首を横に振った。
CBにいた頃の彼ならハッチを破ってでも出撃したかもしれないが、
この世界でそれは出来ない。助言はするが、決断はこの世界の人間に任せるべきだからだ。

 

2人と共に、不満そうにしていたムウが意を決した様にマリューの方に歩き出した。
「・・・何ですか?」
珍しく険しい表情のムウにマリューは尻込みした。
何時もは陽気な男なので気にならないが、鍛え上げられた長身は相手に十分過ぎる程の威圧感を与える。
「時間一杯まで俺達を出して貰える様に、艦長に許可取れるか?」
「何を馬鹿な・・・」
ムウの無茶な注文にマリューは眉を顰めた。補給中止の命令と同時に、
アークエンジェルはアラスカへの降下準備に入る様に命令が下っているのだ。
まだ若干の猶予があるとはいえ、今出撃すれば大気圏ギリギリの戦闘になる。
正気の沙汰とは思えなかった。
「何が馬鹿なんだ!?敵が迫ってて味方が死んでる、
 出撃出来ない理由なんて無いだろう!」
「フラガ大尉、落ち着いて・・・」
マードックが間に入るものの、ムウは更にヒートアップするばかりだ。
「どうやって落ち着けって?許可が無くても俺は行くぞ!」
そう言って踵を返したムウは、座っていたパイプ椅子に
転がしてあった自分のヘルメットを手にメビウス0へ向かう。
不幸にも彼は、生き残るだけの力を持っていても
味方を救うだけの力は持ち合わせていなかった。
結果、誰よりも戦友を失い生き地獄を味わう事になった男である。
そんなムウが友軍を放って置ける訳が無いのだ。
先遣艦隊全滅を1番悔やんでいたのも彼であった。

 

「そんな修理し切れて無い機体で・・・無理です。止めて下さい!」
メビウス0は先の戦闘で母機が深刻なダメージを受けていた。
今は取りあえず飛べる程度の応急処置を施してあるだけで、
ガンバレルは兎も角母機の戦闘能力は皆無に等しい。
そんな機体で出撃するなど、整備士として許せる事では無かった。
言いながらムウを追おうとするマリューを、横から出てきた人影が止めた。
「フラガ大尉は墜とさせない。ラミアス大尉は艦長に許可を取ってくれ」
「マジリフ曹長・・・」
刹那を見上げるマリューは、これまで見た事が無い程不安げな表情をしていた。
首から下げているペンダントを握る手が震えている。
「貴方の機体もフレームが・・・」
ジンメビウスの高機動は、機体の寿命を縮める事で初めて実現出来ている。
それはパイロットの腕云々でどうにか出来る類の問題では無い。
唯でさえ酷使されていたジンのフレームは最早限界であった。
「大丈夫ですよ!僕がムウさんもカマルさんも、僕が守ります」
「ほう」
マリューを元気付ける為だろう、明るく言い切るキラに刹那は目を細める。
自分から軍に残った以上、もう友人を守るだけでは駄目なのだ。
その事をキラは無意識に理解しているのかもしれない。
「キラ君・・・、分かりました。責任は私が取ります。
 パイロットは搭乗機へ、班員は各担当機の最終チェックを。出撃準備!」
キラの頷く姿に勇気付けられたマリューが、意を決して部下に指示を出し始める。
パイロット3人もヘルメットを被り自分の搭乗機に乗り込んだ。

 
 

「アンティゴノス、メインスラスター2基停止!」
「第6小隊信号途絶!」
伏兵として現れたG部隊の登場で、メネラオスのブリッジはこれまでに無い程怒号が飛び交っていた。
部下への指示をホフマンに任せ、ハルバートンは次の策の為に
相変わらず電子海図を睨んでいる。完璧なタイミングでの二方向からの同時強襲、
メビウス隊が足止めしているがもう食付かれるのも時間の問題だった。
混戦になれば、今は射程外で動きを見せないザフト艦隊も攻撃の為に進出してくるだろう。
この戦術は、敵MSが接近する前にどれだけ被害を与えられるかが肝である。
それが、1人のエースパイロットと自らが開発を推進した新型MSに破られるとは皮肉な物だ。
やはりMAと艦船ではMSに対抗する事は出来ないという事だろうか。
しかしだからこそ、どんな状況に陥ろうともアークエンジェルだけは守らなくてはならない。
そんな悲壮な覚悟をしたその時、1つの報告がハルバートンの頭を上げさせた。

 

「艦長、アークエンジェルより入電!これは・・・戦闘参加要請です!」
「馬鹿な・・・自分達の立場を分かっているのか!?」
突然の要請に、ホフマンはこんな忙しい時にと声を荒げる。
アークエンジェルは何としても生き残らなければならない防衛対象なのだ。
それが戦闘に参加するなど、馬鹿げているとしか言いようが無い。
しかし、続く報告はホフマンを更に狼狽えさせる物だった。
「あっ・・・アークエンジェル艦載機の出撃を確認!」
「なっ、まだ許可は出していないぞ!」
護衛目標が出した突然の要請と無断出撃に、ブリッジ中に動揺が伝播する。
艦隊の心臓部がこのまま機能不全に陥る訳にはいかない。
ハルバートンは顔を上げ、オペレーターの1人に声を掛けた。
「アークエンジェルに繋げ。私が直接話をする」
「りょ、了解」
ハルバートンはそう言うと座席に取り付けられた受話器を手に取った。
待っていたと言わんばかりに直ぐアークエンジェルのブリッジと回線が繋がる。
「バジルール少尉、これは明確な命令違反だぞ。君がやる事とは思えんな」
『申し訳ありません。しかしGが出てきた以上、
 交戦経験のある我が部隊でそれと迎撃するのが適切だと、私は考えます』
ナタルの言う事は正しい。
Gは元々MSジンを撃破する為に作られた機体な為、MAに対してのデータは無いに等しい。
つまり対戦車用に作られた戦車が、対人においてどれだけの脅威になるかを知っているのは、
現時点でアークエンジェルのみなのだ。
ならば彼らを中心に迎撃するのが妥当な案だろう。
「よかろう。この件は不問だ、戦闘参加を許可する」
『有難う御座います』
「いや・・・それにしても、君が提督の私に物言いとは、一皮剥けたという所かな?」
『いえ、貴方の部下におされての事ですよ、提督』
脳裏にマリューの姿が浮かび、ハルバートンは苦笑いした。成程、彼女らしいと思う。
「合点がいったよ。だが、君達にはまだ任務がある事を忘れるな」
『肝に命じております。では』
回線を切ると、ホフマンがこちらに顔を向けていた。
「不満か?」
「いえ・・・ですが宜しいので?」
「ふ、若さとはこういう事だ」
ハルバートンは一瞬だけ背もたれに体を預けると、息を吸い込んで命令を下した。
「敵奇襲部隊に当たっているメビウス部隊はアークエンジェル所属機の援護に回れ!
 残りの部隊は艦船と共に正面より突入してくる敵を迎撃!」
敵は堀を埋め、城壁に手を掛けている。ここからが正念場であった。

 
 

メビウス0、ジンメビウスが出撃し、最後にエールを装備したストライクがアークエンジェルより発艦した。
「・・・凄い」
出撃して視界が開けたキラは、その光景に唖然とした。
ズラリと艦船が並び、数え切れない程のメビウスがそれを守っている。
絶え間なく火を噴く火砲の量は誰しもが圧倒されるだろう。
キラが呆けている間に、アークエンジェルから通信が入った。
『事後承諾という形になってしまったが、ハルバートン提督から許可が出た。
 各機は直上より来る敵を第4、7部隊と共に迎撃しろ。
 アークエンジェルはメネラオスと共に正面敵への迎撃を開始する』
『これで後ろから撃たれる心配は無くなったって事か』
『ああ、助かった艦長』
「・・・縁起でも無い事言わないで下さいムウさん」
ナタルからの通信に、ムウはホッとした様子も無く言う。
冗談でもそんな事を考えられる程場数を踏んでいないキラにはぞっとしない話である。
『よし行くぞ。キラは俺と前に出ろ。フラガ大尉は全体のフォローを頼む』
『てめぇ、隊長は俺だ!』
言うなり爆発的な機動力で迎撃に向かったジンメビウスに負けじとメビウス0も続く。
「無理しないで下さいムウさん。その機体じゃ」
『うるせぇ、お前新米少尉の癖に・・・』
ムウが言い終わるより前に、ストライクがメビウス0を抜き去っていった。
今のメビウス0は母機のスラスターが3割程死んでいる為、どうやっても追い付けない。
突き付けられた現実にがっくりと肩を落としたムウは、やっと冷静になってくれたらしい。
『・・・はぁ、分かったよ。ただし、俺が出す指示には従えよ。
 もう非正規のパイロットじゃねぇんだから』
『了解した』
「分かりました」
今し方母艦ぐるみで命令違反を犯した男の言う事では無かったが、刹那もキラも素直に従った。

 
 

奇襲に成功したザラ隊は、もう少しで最初の目標を達成出来る所まで来ていた。
艦隊に食付くまでもう少し、今相手をしているメビウス隊を片付ければ牙が届く。
アスランは部隊各機の機体状況を確認した。
どの機体にも大した被弾も無く、バッテリー残量、残弾数共に問題無い。
1つの例外を除いて。
「こんな雑魚共ばかり・・・ストライクは何処だっ!」
まるで苛立ちをぶつける様に、常に先頭で暴れるイザーク。
彼が操る機体、デュエルASが繰り出す暴風の様な攻勢に、メビウス部隊は成す術無く撃墜されていく。
反応も恐ろしく鋭利で、被弾と呼べる被弾も無い。
しかし常に先頭で戦っていた為、バッテリーは兎も角として残弾数が心許無い。
艦隊に食付いてからのASだろうに、このままでは前菜の段階で弾切れを起こしかねなかった。
イザーク自身、ああもエンジンをフル稼働した状況が続いては
何時集中が切れてもおかしくない。だからといって今のイザークに退がれとも言えない。
結局、出撃前にミゲルが言っていた「イザークに部隊全体が付いて行く」策と変わらないのは
己の技量不足か。アスランは眉を顰める。
イージスの指揮管制システムがいくら高度な物といっても、
パイロットの疲労まで表示してくれる訳では無い。
いくらMS対MAとはいえ、この数の差を相手にするのは異例だ。
イザーク程では無いにしろ、他の隊員もかなり疲労が蓄積している筈である。
「ディアッカ、迂闊に前に出過ぎるな!」
『分かってるよ!』
放って置くと段々前に出張ってくるディアッカに注意を促す。
返ってくる無線にも、何時もの余裕は無かった。やはり疲労は確実に蓄積している。
こんな事で、アークエンジェルのいる艦隊の最深部まで辿り着けるのか?
一抹の不安が脳裏を過るが、今はそんな事を考えている暇は無い。
兎に角このメビウス隊をどうにかしなくてはならない。

 

『アスラン、下だ!』
「うっ!」
ミゲルの忠告も間に合わず、イージスに榴弾が直撃した。
今まで他人の心配をしていたというのに情けない。アスランは自分に喝を入れ直した。
実際、常に僚機を気に掛けているアスランが
一番疲労しているのだから反応が遅れるのも無理は無い。
アスランは頭を振ると、榴弾が飛来した方向にイージスを向けた。
「来たか・・・!」
MSの交戦距離としては遠距離に入る位置に、
ジンメビウス、ストライク、メビウス0を認める。
あんな遠距離から、バズーカでメビウス隊と乱戦状態にあるイージスを狙撃するとは。
蒼い奴の相変わらずの戦闘能力に圧される事無く、アスランは声を大にして部隊全員に警告した。
「アークエンジェルの部隊が来る、気を引き締めろ!」
『やっと来たかストライク!』
怒りと喜びが混在しているかの様な声を上げ、
目の前のメビウスもほっぽり出してデュエルASがストライクの方へスラスターを吹かす。
今のイザークは完全に暴走していた。

 

「イザークの奴・・・、ミゲルとニコルはイザークの援護を!
 ディアッカは俺とメビウスの残りを殲滅する」
アスランは舌打ちをすると、各隊員に指示を出した。
アークエンジェルの部隊とメビウス部隊に合流されると不味い。
自分もアークエンジェルの部隊の迎撃に当たりたかったが、対MAに優れたバスターと、
それを1機で護衛出来る機体となるとニコルでは心許無いし、
ミゲルではもしもの被弾が怖い。とすると、残るは自分が残る以外選択肢は無かった。
アークエンジェルの部隊に対して2機で当たらせるのも危険だからだ。
各隊員の了解の声が耳に入った。
不意に、ストライクは俺の獲物だ―――出撃前のイザークの言葉が甦る。
彼の異常な状態を見ると、自分が駆け付ける頃には既にストライクが 撃墜されている可能性もあったが、
今はザラ隊隊長としての責務の方が先だ。
アスランは再度頭を振って目の前のメビウス部隊に集中した。

 
 

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