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機動戦士ガンダムSEED 閃光のハサウェイ 外伝6話

Last-modified: 2007-11-29 (木) 21:53:25

――『士官アカデミー』中庭――

士官学校に入学してから10日が過ぎた。学校での生活も慣れ、寮生活もそれなりに満喫していた。
寮の部屋は相部屋であり、俺と相棒の二人で生活をしている。

無論、週末には屋敷に戻って妹と会ったり、俺達の身元保証人としてお世話になっている
暫定プラント最高評議会の外交委員長(先週、いきなり昇進したそうだ)と相棒の兄である
仮面の英雄として有名なザフト軍の司令官とも顔を会わせた。
肝心の”あの人”は残念だが任務だそうだ。

相棒のそのお兄さんは、プラントの”英雄”であり特別に士官用の豪華な官舎を持っている。
なのに週末の殆どをこの屋敷で過ごしているらしい。

更に近い内にその官舎を引き払いここに住むと豪語していた。
理由は、家賃や光熱費、食費がタダだからだそうだ……ちなみに、小遣いもせびれるのも大きな理由らしい。

『……ザフト軍の給料は安いからな』

……心配になって来た。俺も将来はザフトに入るのは決定している。
給料の事なんか正直考えたことがなかったからだ。

でも、この人はCMやCDの売り上げ、それに印税で荒稼ぎしているはずなんだけどな。
その事が気になってふと、”あの人”に聞いてみると、

『――あいつは、自分の健康の留意と管理の為に莫大な金が掛かっていてね。
 ”健康管理”の連中に鼻毛まで毟り取られてるそうだよ』

大笑いしながら、そう答えてくれた。
しかも、『お前も健康と女には、注意するんだぞ』とも言われてしまったのだ。
健康は自分でも、気を付けてるし、女と言われても実際ピンと来ない。
それは、俺がまだ子供だからだろうか?

学校の中庭の一角には、俺のお気に入りの大きな木がある。
俺は良くそこで読書をしたり、瞑想の為の座禅を組んだりする。

瞑想は精神修養の為の一種の鍛錬である。
”心は力也” ”日々修行也” は俺のモットーでもある。

そう、一秒でも無駄にしたくないのだ。
一分一秒が俺にとっての貴重な修行の時間である。

時は無限ではなく、時間は金の砂粒より貴重なのだから。
俺は、木の下で座禅を組み、目を閉じる。
精神を統一し、心の邪念を払うのだ。

「……わが心は”空”也。”空”なるが故に”無”」

と教えられた言葉を口にする。特に気に入った言葉だ。
あの人から聞いた話によると、サムライと呼ばれる戦士達は強さだけではなく、常に心を大切にしたそうだ。
俺はオーブ生まれだが、先祖はどうやらそのサムライの島国の出身らしいのだ。だから性に合うのだろうか?

俺はあの”戦争”によって自分の無力さが悔しく”力”というものを求めた。

そして、血と破片が撒き散るあの戦場で、俺は自分の人生を決定する運命の出会いとも云うべき邂逅をした。

そう、命の恩人でもある”あの人”は俺に『力を与えてやる』と言った。

――『戦う術をお前に与えてやろう』と。

だが、その為には、『心』が強くなければ話にならないと。
表面的な力しか手に入れる事ができない。それが、『コーディネイター』の最大の欠点でもあるのだと。

(……未熟な俺には、まだそれがわからない……だが)

「なーに、寝てるのよ!」

「うん……?」

目を開けると目の前を二つの顔が俺を覗き込んでいた。
御馴染みの赤毛で一本だけ髪の毛が跳ねているショートカットの少女と、
もう一人は、その少女と良く似たツインテールの少女。
自称美人姉妹で、名前は確か……

「えーと……その、アべ……マリア……さんと……」

俺が二人の名前を必死に思い出そうとして、口に出してそう答えると、
赤毛のショートカットの少女は、顔を引きつらせながら、

「……ル○マリ○よ。○ナマ○ア・ホー○……!!これで二回目!ゲ○でも○ズでもないの!!」

相変わらず彼女の一本の髪の毛は跳ねて、そして稲妻の形状となっていた。
こちらの妹さんの方は、オズオズと俺に名前を教えてくれた。

「メイ○ン・○ークです……ア○カさん」

中○系だな。だからツインテールなのか。と妙に納得のいく感想を持ってしまう。

名前のアクセントが違うけど、お姉さんとは義理の姉妹なのかな?

珍しくて、遂、ジーッと妹さんの方見ていたら、何故か、彼女の方は顔がドンドン赤くなっていき、
逆に姉の方の機嫌が急降下し、ドンドン悪くなるのが気配でわかってゆく。
それに恐ろしい程の殺気を感じる。何故だろう?

……ますます、わからなくなって来る……まだ修行が足りないかな。

「――シ○、もうじき時間だぞ」

険悪な空気の中で、丁度いいタイミングで相棒が顔を見せてくれた。

今日、これから相棒のお兄さんが主演の『花の仮面騎士~空の彼方に~』のTVドラマのロケがある。

実は困った事に丁度、役に空きが出てしまい、急遽代役が必要となったのだ。
そこでお兄さんの強い推薦で白羽に矢が立った俺達は、その『仮面家来』としての役で登場する事になったのだ。

無論、俺達も仮面を付けるから素顔はわからない。画面の片隅に映るだけの存在だ。
だから学業に支障が出る恐れは無いだろう。一応は芸能デビューになるのだろうか?

ヒロインは、公募で選ばれた新進気鋭の女優志望者らしい。ミー○……キャ○、
なんとかと言う余り見た目は、パッとしない容貌の女性だったような気がした。

俺は芸能関係が全く疎いので良くわからないけど、人は見た目じゃないはずだ。
そして、これは軍広報部公認なので学校の方も出演を黙認してくれているのだ。

「じゃぁ、悪いけど俺達、これから用事があるから」

と怒り心頭の姉と顔が赤い妹さんの二人とその場で別れる事になった。
そして、俺は相棒と一緒にその場を後にするのだった。

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